2012年1月4日水曜日

書評 荒川弘『鋼の錬金術師』(ガンガンコミックス)

久しぶりにマンガを読んでウルウルした。
いい年したオッサンの、少年マンガに対する感想としては少し恥ずかしいが、事実だから仕方がない。

「ガンガンって、所詮、小学生向けの雑誌やろ?」
そう思って、気になりつつ、この作品を放置している人はいないだろうか(何を隠そう、私もその一人だった)。そういう人には、今すぐに読んでほしい。大人でも、いや、大人のほうが楽しめる。

錬金術(といっても、いわゆる歴史上の錬金術とは違うもの)を操る兄弟が主人公。その弟の、失われた体を取り戻すのが兄弟の目的であり、それを主軸に物語は進んでいく。そこに「錬金術とは何か」、「この世界の秘密」、「敵の正体は」…などなど、さまざまな謎が並行して絡み合う。
炎の大佐を初めとする仲間たちはもちろん、敵方もキャラが立っている。さらに、敵か味方か判別不能なヤツらも入り乱れ、多彩な登場人物たちが物語を彩る。
謎が謎を呼ぶストーリーと、個性的なキャラクターたち。面白くないわけがなかろう。

しかし、それらは舞台設定でしかなく、本作品の主題は「仲間を思う心」だ。こんなふうに書いてしまうと何だかしらけてしまうが、実際に読めばわかってもらえるだろう。兄弟、親子、師弟、仲間など、すべてが熱い絆で結ばれている(熱血マンガというわけではないのだが)。
何だかこのマンガの魅力をうまく表現できないが、もう後は読んでもらうしかなかろう。

蛇足ながら、この作品の素晴らしい点をもう一つ挙げておきたい。連載マンガは、面白ければ面白いほど、連載を延ばすために回り道をしてしまいがちだ。この作品にはそれがない。作者と編集者の心意気に賛辞を送りたい。

最終巻のアルの等価交換、泣けた。

 

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