2013年2月26日火曜日

書評 夏目漱石『こころ』(青空文庫)

 先日、タブレットなるものを購入。じゃあ電子ブックデビューでもしてみるかということで、本書を読んでみた。

 友情、恋愛、死。人間の「こころ」にかかわる三大テーマが、これでもかと読み手を突き動かす。読み味は軽いが、それが逆に心を締め付けてくる。卑怯な手を使って、女をものにした自分。潔く身を引いて自死を遂げた親友。これほど重い状況はないだろう。これらの他にも、親子関係、夫婦関係、社会との関係など、人間の「こころ」を形成するテーマが重層的に混ざり合い、ズシズシと心に響く。
 「こころ」をテーマにした小説に、新しいも古いもない。いいものはいい、ということを改めて感じた。

 著作権が切れたためとはいえ、こんな名作が無料で読めるのだから、素晴らしい時代になったものだ。読まなきゃ損だ(←いままで40年間読んでなかったくせに)。




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