2013年5月28日火曜日

書評 E.フィッシャー、H.ロクストン『迷路の秘密図鑑』(青娥書房)

 迷路(といっても紙に書かれた迷路ではなく、自ら歩いて体験する迷路)の歴史をたどり、その実物を鮮やかな写真で紹介。迷路の文化的・宗教的意義が興味深く解説されている。

 20年ほど前、体験型の迷路が流行したことを覚えている人もいるだろう。あちこちに体験型迷路施設ができ、私もいくつか行った覚えがある。そういえば、そのうち一度は女の子と行ったのだが、結局その子とはうまくいかなかったという苦い記憶を思い出してしまった…。

 それはおいといて、そういう体験型迷路の歴史をたどりつつ、その文化的意味や宗教的意味を解説したのが本書である。迷路は宗教と深く結びついていたことがよくわかる。
 古くは、ギリシャ神話にも迷路が登場する。それが「ラビリンス」という言葉の語源なのだそうだ。続いて、ローマ時代の迷路やキリスト教文化圏の迷路も紹介され、さらにはヨーロッパ以外の迷路も掲載されている。
 昔には、ゴールに女性がいて、一番にそこにたどり着いた男性と結婚するなんて儀式(お祭り?)もあったらしい。これは燃えそうだ。また、中世以降は貴族が自分の庭園に設置することが多かったようで、これは逢い引きに使われたりもしていたらしい。これも燃えそうだ(?)。
 紹介されている迷路は生け垣で作られているものがほとんどで、その美しい写真がふんだんに紹介されている。これを眺めるだけでも楽しい。

 体験型迷路に挑戦したことのある人なら分かると思うが、これがなかなか難しい。上から見ていると何てことない迷路でも、いざ歩いてみると、ゴールにたどり着くのはたいへんだ。
 この本を読んだら、またやりたくなってきた(またフラれる気か)。



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