2013年6月26日水曜日

書評 東野圭吾『夢幻花』(PHP研究所)

 ガリレオ湯川がこの小説を読んだら
「実に興味深い。どうやら、私の後継者が誕生したようだ」
と言うに違いない。

 ある老人が自宅で殺害される。当初は物取りの線が有力だったが、被害者の孫娘、それに協力する理系大学院生、事件の担当刑事の執念により、徐々に事実が明らかになっていく。老人が育てていたのは本当に黄色いアサガオだったのか、それとも…。
 黄色いアサガオと、そこにかかわるさまざまな人生。アサガオの謎が明らかになるとき、すべてが解き明かされる。

 毎度のことだが、やめられない止まらない東野小説。一気に読破した。そして、話の閉じ方が、またお見事。いつにも増して印象的な「オチ」だった。
 探偵役の理系大学院生の初々しくも溌剌とした活躍が清々しい。湯川ほどではないが、理系チックな思考回路を働かせるところもGood。プチ湯川の誕生だ。

 いまベランダでアサガオを育てているのだが、黄色い花が咲きそうな気配を感じる(そんなアホな)。



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