2014年4月3日木曜日

書評 道尾秀介『カラスの親指』(講談社文庫)

二転三転、いや四転五転。何回ひっくり返るんだ。

 奇妙な縁で結びついた男女5人が、一世一代の大芝居を打つ。成功しそうで成功しないのか。それとも、失敗しそうで失敗しないのか。どっちがどうなのかよく分からないが、ともかくスリル満点の大活劇が繰り広げられる。

 何度も何度も起きるどんでん返し。
「ええ~っ、実はこうだったとは。そうくるか~」
のオンパレード。しかも、それぞれのどんでん返しにはちゃんと伏線が張ってあり
「なるほど、あれがそうだったのか。やられた~」
となってしまう。
「もう騙されへんで~」
と思っていても、またやられてしまうのだ。いつもながら、道尾氏の読者を欺くトリックには脱帽だ。

 2012年に映画化されているように、非常に映像化に向いた作品である。チラッと調べてみると「あまちゃん」でブレイクする前の能年玲奈が主要キャストを演じているらしい。
 こちらも面白そうだ。見たら報告します。



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