2016年7月5日火曜日

【書評】東野圭吾『分身』(集英社文庫)

突然、自分にうり二つの人間が現れたら



 1993年刊行の医療ミステリー。「突然、自分にうり二つの人間が現れたら」という大胆な設定のもと、「もうすぐ実現されそうな架空の医療技術」を軸に展開される。この「もうすぐ実現されそうな」というところが東野氏のうまいところ。架空の技術が違和感なくストーリーの柱となる。
 東野氏のお得意のパターンと分かっていても、息をつかせぬ筆力に、あれよあれよと読了。血のつながり、すなわち遺伝子の継承とは何かを鋭くえぐった一冊。

《あらすじ》
 自分にうり二つの少女が突然現れた。一人は大学教授の娘、もう一人は母と二人暮らしの少女。彼女たちは、何かの事情で別々に育てられた双子なのだろうか。自らの出生の謎を追う、二人の少女。いったい二人の身には何が起きたのか。
 親子とは何か、人はどこまで命を操作して許されるのか、医療技術の進歩は何を生み出すのか。さまざまな問題を喚起する、医療ミステリー。




分身 [ 東野圭吾 ]
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