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2024年2月24日土曜日

【読書メモ】弘山勉『自分史上最速の走りを手に入れる! 限界突破のランニングフォーム』(KADOKAWA)

 筑波大学OBにして、現監督の弘山氏が、ランニングフォームについて語った本。理論派の弘山氏らしく、ブレがなく一貫した考えに基づいて解説されるので、非常に説得力がある。
 まず基本のエアポジ(空中に浮いたとき)とパワポジ(着地したとき)の2つの局面をしっかり理解してから、その間をつなぐ場面や、各部位の動きを切り取って解説する。なるほど、これらの動きをつなぎ合わせることができれば、限界突破できるだろう。

 ある程度はフォームについての知識を持っているランナーが、細部の動きの意識を学ぶには最適の教科書だ。
 私も最近、フォームを見てもらう機会があり、上体の捻転不足や右足の外旋などを指摘されたが、その改善に大きなヒントをもらうことができた。ぜひフォームを改善して、来季には限界突破といきたいものだ。
 ただ、ランニングに限らず、「フォーム」には意識が介在しすぎるとろくなことがない。「このように動かそう」という意識が強すぎるとダメで、それがいきすぎるとイップスになるのだろう。無意識に動けるようにならないとダメだが、それが難しい。だからドリルによる動き作りが必要なのだと理解している。頭では分かっていても、体はなかなかその通りには動いてくれないものだ…。


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2024年2月20日火曜日

【読書メモ】雨穴『変な絵』(双葉社)

「変な家」に続く「変な」シリーズ第2弾。絵に隠された謎が解けるたびに、新たな事実が明らかになる。よく組み立てられたストーリーだ。
 短い話で区切られており、テンポがよく、たいへん読みやすい。にもかかわらず、全体としてはストーリーがきちんとつながっていて、最後は話が閉じる。お見事。
 スマホ世代は長い文章を読むのが苦手な人が多いのかもしれないが、それは「長いストーリーを求めていない」ということではないのだろう。本書が売れているのがその証拠だ。本書はまさに、長い文章が苦手な人にも楽しめる、長いストーリーだ。

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2024年2月10日土曜日

【読書メモ】蛭川皓平『セイバーメトリクス入門』(水曜社)

 娘に買ってあげた本を自分も読んでみたら、目から鱗。セイバーメトリクスは、なんとなく知ってるつもりだったが、想像以上だった。野球の常識とされていた固定観念が、どんどん覆っていった…。10年後の野球は、おそらく今とはかなり違うものになっているだろう。
 最もよい打者は4番ではなく2番か3番におくべきとか、送りバントは得点の確率を下げるという程度のことは知っていた。しかしそんなのは序の口。守備力はチーム力にほとんど影響しないとか、捕手のリードの上手い下手は存在しないとか、打順を変えても得点にはほとんど関係ないとか、驚くべき事実が次々とデータで示される。
 他にもいろいろあるので、本書を読んで驚いてほしい。

 イチロー氏が「最近の野球は面白くない」と言っているように、昭和の野球を見てきた者としては、守備は度外視で、長打力のある打者ばかりが並んだチーム同士の試合など見たくない気もするが、日本の野球もその方向へ向かっていくのだろうか。

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2024年2月7日水曜日

【読書メモ】中山七里『魔女は蘇る』(幻冬舎文庫)

 中山氏の作品は初めて読んだ。
 バラバラの肉片に解体された死体が見つかる。いったい、誰が何のためにこのような惨殺を実行したのか。一方、被害者とその雇用主であった製薬会社の正体は。二つの謎が解けたと思ったら、ときすでに遅し? 最後は大活劇で幕を閉じる。
 徐々に謎が積み重なり、頂点まで達したと思ったらあとは一直線。ジェットコースターのような小説だった。最後は一気読み間違いなしだ。
 話の展開や薬物のディテールには突っ込みどころがたくさんあるが、それも含めて楽しむ作品ということにしておきたい。

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2024年1月18日木曜日

【読書メモ】浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』(角川文庫)

 娘に勧められて読んだ、就活ミステリー。なるほど、平成のノリだ。
 就活の集団面接で起きた「事件」の犯人は誰なのか。半分ほどのところで
「そう来るか。でも、それはちょっと無理があるんちゃうかなあ」
と上から目線で読んでいたら、そんなことはお見通しとばかりに話は一転。後半は一気呵成に終着点へ。やられました。
 意図してミスリードさせるのが巧みで、何度も前提がひっくり返る。道尾秀介氏の小説を思い出した。
 一面だけを切り取ってミスリードさせるのがいかに簡単か、改めて教えてくれる小説だ。テレビや新聞で見ることは、物事の一面に過ぎないことがよく分かる。

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2023年12月23日土曜日

【読書メモ】原田マハ『たゆたえども沈まず』(幻冬舎文庫)

 ゴッホは生前には評価されず、弟に生活を支えてもらっていたのは有名な話。その様子を、1900年前後のパリを舞台に描いた作品。そこに、日本人の画商を絡ませるところが上手い。ゴッホが苦しみつつ自死に至る過程を、鬼気迫る筆致で描ききった秀作だ。
 当時のパリの様子が伝わってくるのもグー。好景気に沸くフランスの首都で、紳士・淑女がサロンに集い、美術品を収集する。そこに日本文化が与えた影響は、日本人が書いた本だということを割り引いても、いかに大きかったかが分かる。
 読んだら、パリの美術館に行きたくなること間違いなし。

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2023年12月17日日曜日

【読書メモ】東野圭吾『クスノキの番人』(実業之日本社文庫)

 帯にも書いてあるように『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を彷彿とさせるが、もちろん全く別の物語だ。「東野圭吾、やっぱええわ~」と思わせてくれる、心暖まる良作。「思いをつなぐ」を見事に体現した手腕は相変わらずお見事だ。
 来春に第2弾が刊行されるそうだ。東野圭吾作品に新たな名シリーズが誕生した。

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2023年11月19日日曜日

【読書メモ】沼田まほかる『彼女がその名を知らない鳥たち』(幻冬舎文庫)

 初めて読んだまほかる作品。噂通りのドロドロ小説だった。ペンネームと作風がこれだけばっちりマッチしているのも珍しい。
 「もしかしたら、こんなオチかも? でも、それはちょっとないよなあ」と思っていたら、その通りのオチだったのはちょっとガッカリだったが、そこに至るまでの主人公の女のドロドロぶりを楽しむ小説だということにしておきたい。

2023年10月16日月曜日

【読書メモ】雨穴『変な家』(飛鳥新社)

 ネットで話題になっていたのを見て、息子がおばあちゃんに買ってもらった本。

 家の間取り図。そう、広告に入っている、あれだ。よく見ると、その間取り図が、何かおかしい。もっとよく見ると、もっとおかしい…。この家はいったい??
 という家の謎を「筆者」が解き明かす過程を綴った小説。間取り図を謎の骨格に据えるところが本作のキモだ。古典的な密室ミステリーを彷彿とさせる。

 一人称と細切れの台詞を中心に構成され、飽きさせずにするすると読めるのは、原作がネットだからか。映画化にも向いていそうだ(24年春公開予定)。

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2023年10月14日土曜日

【読書メモ】劇団ひとり『陰日向に咲く』(幻冬舎文庫)

 勝手に、劇団ひとり氏の書いたエッセイ集だと思っていたら、短編小説だった。
 それぞれの話がちょっと切ない物語で、劇団ひとり氏の芸風にあっているような感じがしないでもない。
 言われなければ、芸能人が書いた本だとは分からないだろう。普通に楽しめた。

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2023年9月16日土曜日

【読書メモ】西村京太郎『殺しの双曲線』(講談社文庫)

 1971年(なんと、私の生まれる前!)に出版されたミステリーを、娘が買ってきて
「お父さん、これ読んだことある?~」
と聞いてきた。先日亡くなった西村氏も、女子高生に自腹で買ってもらって
「面白かったで~」
と言ってもらえて、喜んでいることだろう。
 私の父(娘のおじいちゃん)が西村氏の作品を好んで読んでいたので、おそらく私もこの作品を読んだことがあると思うのだが、いささか自信がない…。もちろん、犯人やトリックは全く覚えていないので、存分に楽しめた。

 本作は、西村氏がまだ列車ミステリーを書き出す前の作品なので、十津川警部も列車トリックも出てこない。ミステリーの王道とも言えるクローズドサークル物に、西村氏が挑戦した作品だ。
 冬の山小屋で一人、また一人と消えていき、最後には誰もいなくなる。まさに「ザ・クローズドサークル」といえるストーリーだ。トリックの鍵を握るのは双生児。これがタイトルの双曲線の意味するところだ。
 さあ、あなたは犯人を当てられるだろうか。私は、犯人は当たったが、トリックについては全くトンチンカンった…。

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2023年8月29日火曜日

【読書メモ】柚月裕子『ウツボカズラの甘い息』(幻冬舎文庫)

 ある女性が怪しげな商売に引きずり込まれていく章と、ある男性の殺人事件を警察官が追いかける章が、交互に挟まれる。2つの話が少しずつ重なり合い、ついには1つに結びつく。しかし、ここで終わらないのが柚月小説。やめられない、止まらない。かっぱえびせん状態で一気にラストへ。
 カタカタと登っていき、頂上まで達した後は、一気呵成に急降下。まさにジェットコースターのような小説だ。

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2023年8月15日火曜日

【読書メモ】本城雅人『夢を喰らう男』(幻冬舎)

 父に勧められた本。
 個人のオーナーブリーダーとしてとしては異例のダービー3勝をあげ、現在も多数の活躍馬を走らせている前田幸治氏の半生を描いたノンフィクションノベル。

 馬主として馬をもつだけでは飽き足らず、ノースヒルズを開設して自家生産を始め、さらには大山にトレーニングセンターも作って馬を鍛え上げる。その情熱はどこから来るのか。前田氏の人生を追うことによって、その一端が見えてくる。
 夢を持つだけでなく、それを実行する熱意がハンパない。まさに「夢を喰らう男」だ。一方で、本業の事業が大きく成長して利益を生んでいるからこそ、競馬でもこれだけの結果が出せたのだということも強く感じた。






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2023年7月8日土曜日

【読書メモ】伊岡瞬『瑠璃の雫』(角川文庫)

 初めて読んだ伊岡小説。主人公の子どもが虐げられ、また別の少女も事件に遭うなど、重苦しい場面が多い作品。主人公が少しずつ救われていく過程に涙がにじむ。
 主人公と老人の絆が本書の核だが、その絆が直接描かれる場面はほとんどない。隠すことにより、絆の強さがさらに際立つのだ。「秘すれば花」とはこのことか。お見事。

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2023年6月6日火曜日

【読書メモ】東野圭吾『透明な螺旋』(文藝春秋)

 ガリレオシリーズ最新第10弾。娘が図書館で借りてきてくれたので、文庫化前に読むことができた。

 今回の殺され役は、DVのクソ男。そういえば、ガリレオの前作もそんな感じだったような?…
 それはおいといて、DVの被害者の女性には完璧なアリバイがある。ではいったい誰が、なぜ殺したのか。ガリレオ湯川の推理により浮かび上がったのは、悲しい構図だった。

 本作のキーワードは「親子」。生まれてすぐに引き離されても、親子の絆は消えないのか。血が親子を引きつけるのか。そういえば、加賀刑事シリーズの前作がこんな感じだったような?…
 それはおいといて、ガリレオシリーズがだんだん「理系」「科学」から離れていき、湯川学物語になっていくのはちょっと悲しい。次作は原点回帰で、バリバリの理系・科学トリックを期待したい。

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2023年3月31日金曜日

【読書メモ】 瀬尾まい子『僕らのごはんは明日で待ってる』(幻冬舎文庫)

 登場人物はほぼ2人のみという、ザ・恋愛小説。重厚ではなく、甘美でもない。しかし2人の絆はしっかり伝わってくる。タイトルにもあるように、明日で待ってるごはんに向かって、前向きに歩んでいきたくなる。そういう元気をもらえる作品だ。

 恋愛小説なんだけど、テーマは「家族」だ。読み終えた後は、家族と食卓を囲んで
「瀬尾まい子、やっぱええよなあ~」
「たしかに~」
「え、わたしまだ読んでないねんけどっ」
なんて会話をしたくなるかも。

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2023年3月17日金曜日

【読書メモ】 みやすのんき『白熱!みやすのんきのサブスリー教室』(カンゼン)

 みやす氏のランニング本を読んだのは3冊目(けっこう読んでるな)だが、いままでで一番「書きたいことを書いた」本のように感じた。

 今回のテーマは「サブ3のためのトレーニング」だ。とはいえ、従来のマラソン本のように、トレーニングの種類を解説したり、メニューの組み立て方が書いてあるわけではない。みやす氏の得意分野のフォーム解説から、ジョグのやり方、筋トレの功罪、怪我への対応など、サブ3を狙うランナーが知りたい・知りたくなるあれこれが散りばめられた、チップス集的な作りに仕上がっている。
 起承転結には欠けるが、サブ3レベルのランナーなら、一から順に解説する必要はないだろう。自分に合うことや、気づかなかったことを本書から学び、取り入れていけばよい。そもそも、みやす氏自身がそうやって強くなっていったランナーなのだから。

 みやす氏のランニング本が人気なのは、みやす氏が市民ランナーだからだろう。市民ランナーのわれわれと感覚が近いので、「なるほど」と納得することが多いのだと思う。
 しかも私とは共通点が多い。陸上経験がなく、オッサンになってから走り始めたランナーだし、ベストタイムも近い(みやす氏のほうが速いですが)。よって、ここまでたどってきた経過もわりに似ている。
 みやす氏よりも少し年下で、少しあとに走り始め、ベストタイムもみやす氏より少し遅い私には、非常に参考になることがたくさん書いてある。
 いつか、みやす氏の記録を上回り、みやす理論の正しさを示したいものだ。






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2023年3月2日木曜日

【読書メモ】 斜線堂有紀『楽園とは探偵の不在なり』(早川文庫)

 孤島で起きる連続殺人を探偵が解き明かすという、いかにもミステリーな作品。「縛り」は「ある人間が2人目を殺すと、その瞬間に露見する」という設定だ。
 したがって、この世界では連続殺人は起きるはずがないのだが、孤島で連続殺人事件が発生。複数の犯人がグループを形成しているのか、それとも順々に1人が1人ずつを殺しているのか。
 いかにもミステリーな舞台で、探偵が捜査を進め、最後はみんなを集めて犯人を解き明かす。これぞミステリーともいえる一冊だ。

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2023年2月8日水曜日

【読書メモ】 早見和真『ザ・ロイヤルファミリー』(新潮文庫)

 馬主サイドの視点から、日本の競馬界を描いた大河小説。テーマは「継承」だ。
 競走馬の血統の継承、馬主一家の血や事業の継承、騎手の世代から世代への継承が、時の流れに沿って描かれる。
 実在の名物馬主や人気騎手にどことなく似ている人物が主要キャストに配されていて、競馬ファンならニヤリとすること間違いなし。物語が金杯でスタートし、有馬記念で締めくくられるのもよかった。
 競馬好き、特にPOGや特定の馬を応援するのが好きな人にお勧め。

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2023年1月17日火曜日

【読書メモ】湊かなえ『落日』(ハルキ文庫)

 一人称を入れ替えるいつもの手法で、ずぶずぶと人間の闇をえぐり出す。
 今回の一人称は、映画監督と脚本家。映画監督の幼少期からの人生をたどる「エピソード」と、脚本家の現在を描いた「章」が交互に配置される。
 最初は全く関係なかった二つの話が、徐々に絡み合い、最後にはすべてが結びついて大団円。見事に話しが閉じる。

 湊小説にしては、ブラック指数は控えめ。とはいえ、これだけブラックでも「控えめ」の評価になるところが、湊小説の恐ろしさかもしれない…。

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【お父さんの週末料理】2024年4月13・14日<small>~葉っぱで巻き巻きしました~</small>

 わが家では土曜、日曜の晩ご飯は主に父(私のこと)が担当している、そのメニューを絶賛(?)公開中、  家族構成は父(アラフィフ)、母(年齢非公表)、娘(高2)、息子(中2)の4人、  今週も娘は部活、息子は野球の週末。  4月13日(土)   娘は午前と午後で部活を掛け...