2012年12月21日金曜日

2012ラジオNIKKEI杯、中山大障害 オレの予想を聞いてくれよ

 いよいよ今年の競馬漏らすともラストウィーク。最後は(最後くらい?)ビシッと当てて気持ちよく年を越したいものだ。

 さて、3日連続競馬の初日の阪神メインはラジオNIKKEI杯。ラジオNIKKEI杯とラジオNIKKEI賞があり、ややこしい。
 このレース、創設以来ずっと12月に阪神で行われている。時期が変わるレースが多い中、こういうレースはホッとする。これからも暮れの名物重賞として続いていってもらいたいものだ。

 GIの朝日杯よりもGIIのこのレースのほうが来春のクラシックとの結びつきが強いのはいまや周知の事実。しかししかし、今年は蓋を開けてみればなんと7頭立て。異例の小頭数の重賞となってしまった。それほど、3強の素質が群を抜いているのか。
 その3強とは、ラウンドワールド、エピファネイア、キズナ。他にこれといった馬もいないし、小頭数でもあるし、この3頭の勝負になりそうだ。その中から本命は◎キズナ。前走、前々走とも中団から鋭く伸びて完勝。哲三騎手が乗れないのは残念だが、久しぶりに素質馬が武豊騎手に回ってきたことにも注目したい。
 推奨穴馬はナシとしたいところだが、底を見せていないアクションスターだけはちらっと押さえておきたい。

 中山では、こちらも暮れの名物重賞、中山大障害。最近は障害馬の技術もアップしたのか完走率が高いが、ひと昔前はゴールできない馬がたくさんいた。こういう、スタミナと技術を競うレースもよいものだ。ゴルフでいうなら、全英オープンみたいなものか。
 本命は◎アグネスラナップ。北沢騎手の初GI(だよね)を期待。

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2012年12月19日水曜日

書評 ケリー・マクゴニガル『スタンフォードの自分を変える教室』(大和書房)

 もうあと10日ほどで年も変わるが、年の初めに、ダイエット、禁煙、脱浪費癖、禁酒、脱ギャンブルなどなど、「今年の目標」を立てる人も多いだろう。しかし
「そういえば去年も一昨年も、いつの間にかうやむやになって、目標達成できなかったな…」
という人がほとんどかもしれない。そんなあなたに、ぜひともお勧めしたいのが本書。今日から1日1章ずつ読んでいけば、年の初めにちょど間に合う。
「一冊の本を読んだだけで禁煙できれば苦労しないよね」
「ダイエット本がこんなに何冊もある(しかも売れてる)のは、結局、本を読んでもダイエットできないからでは?」
と、この手の本に懐疑的な人にこそ手にとってもらいたい。何を隠そう、私もこの手の本には懐疑的だからだ(そんなヤツが献本を申し込むな、という話もありますが…)。

 スタンフォード大学で行われている人気講義を10章にまとめたのが本書。1章が一回分の講義に対応しており、それぞれの章のテーマが明確で、非常に読みやすい。
 本書のテーマは「意志力(willpower)」。すなわち、自分のやりたいことを実行するための力について書かれている。
 第1章では「意志力というものが実際にあり、それを自分がどのように使っているか」が語られる。まずは意志力というものの存在をしっかり認識しようということだ。本書の土台となる内容である。
 続く第2、3章が本書のキモである。この二つの章では、意志力はどういうときに落ちてしまうか、またどのようにして「増すことができるか」が述べられる。意志力の存在を知った後は、その力を伸ばしていこうというわけだ。意志力を筋肉にたとえる記述がとてもわかりやすい。意志力も筋肉と同じように、使わないと衰えていく。かといって過度に負荷をかけると故障してしまう。だから、適切な負荷をかけてトレーニングしていく必要があるというのだ。なるほど納得である。
 そして第4章以降では「意志力の仕組み」がさまざまな角度から書かれている。なぜ望みたくないことをやってしまうのか、どういうときに負けてしまうのかなどなど「失敗するときの仕組み」が最新の心理学や脳科学の研究も参照しつつ説明される。また、それらに対処する方法も示されるので、how toとしても役に立つ。

 お勧めの読み方は、1日に1章を読み、次の日にそれを実行することだ。一気にたくさん読んでも実行できなければ意味がない。1章分の教えを着実に実行するのがよいと思う。また、実行する目標は一つに絞ることを勧める。限りある意志力を、ひとつの目標に向けるのがよいだろう。私はこの方法で、最近ちょっと増えつつあったタバコが半分に減った。

 勉強になったのは、意志力は気合次第で無限に湧き出てくるものではないということだ。
「意志の力というのは気力・気合の問題であり、振り絞れば出てくる。それが出ないのは気合が足りんからだ」
というのはイメージにすぎないのだ。
 もって生まれる筋肉の量が違うように、意志力もたくさん持っている人(意志の強い人)と持っていない人(意志の弱い人)がいる。しかし、意思が弱いからといってあきらめる必要はない。筋肉を鍛えられるのと同様、意志力も鍛えて増やすことができるのだ。そのための方法がその理由とともに書かれているのが本書である。
「来年こそ目標を達成したい」
と思っている人は、今が本書を読み始める絶好の時期だ。




2012年12月16日日曜日

2012朝日杯フューチュリティS、ベテルギウスS、愛知杯 予想の回顧

 土曜は中京で愛知杯。本命◎エーシンメンフィスは予定通りハナを切る。特に競りかける馬もおらず、1000m通過を1分4秒5のスローに落とすことに成功。3コーナー過ぎから徐々にペースを上げ、余力たっぷりに直線を向き、1馬身半差をつけて見事に逃げ切った。展開がハマったとはいえ、強かった。
 2着にはエーシンと一緒に逃げていた推奨穴馬のサンシャインが粘り、行った行ったの決着。見事に万馬券をゲット!…となってもおかしくなかったのだが、馬券はワイドで勝負していたため、万馬券は獲れなかった。しかし、ワイドにはたびたび助けられているし、馬券が外れたわけでもないのだから、よしとしておきたい。

 日曜は朝日杯。本命◎コディーノは中団のインから。いい位置取りだ。テレビカメラが後方馬群を追っている間に外を上がっていき、残り800 mでいったん先頭に並びかける。ところが「ちょっと早すぎた」と思ったのか、かかっていたのかは分からないが、そこからもう一度うしろに下げて、4コーナーで再び外をまくっていく。直線では前走のような切れは見られず2着まで。前に行ったりうしろに下がったりチグハグなレースだったが、それでも2着には来るのだから大したものと言えるのかもしれない。
 馬券は、1着のロゴタイプがまったくのノーマークでハズレ。デムーロにやられた…。

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2012年12月15日土曜日

2012朝日杯フューチュリティS、ベテルギウスS オレの予想を聞いてくれよ

 今週は中山で朝日杯。かつてはナリタブライアンをはじめ、翌年のクラシック、特にダービーと結びつきの深いレースだったが、それも過去の話となってしまった。2歳のこの時期から、クラシックを目指す馬とマイル路線を歩む馬とに分かれているということなのだろう。

 さて今年のレース。本命は◎コディーノ。藤沢厩舎から久々に大物が登場した。これまた久々に、ここをステップに来年のクラシックも制する馬となるか。それだけの期待を抱かせる雰囲気を持っている。絶好枠も引いたし、ここは逆らえまい。
 ◎が大本命馬だけに、相手は絞りたい。ゴットフリート、ラブリーデイ、フラムドグロワールを中心に。推奨穴馬は、マイネルエテルネル。8枠を引いたのが残念だが、一発があるならこの馬か。
 エーシントップは京王杯2歳Sでお世話になったので切るのは忍びないのだが、そのときの回顧でも書いたように距離延長が心配だ。馬券的な妙味もないので、思い切って馬券から外す。

 ベテルギウスSはメテオロロジスト。すんなりハナを切れれば。

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2012年12月14日金曜日

2012愛知杯、ウマドンナ オレの予想を聞いてくれよ

 今年の競馬もあと2週。真冬並みの寒さが身に(財布にも)しみる。しかし先日、その寒さを吹き飛ばすニュースが飛び込んできた。そう、あのウマドンナが帰ってきたのだ。JRAが無料で提供するゲームの続編である。続編が出たところを見ると、昨年の第一弾が(局地的に)好評を得たのだろう。
 JRAのサービスや広告には懐疑的なことが多い私だが、このウマドンナにはしてやられた。馬に乗るゲームや馬を育てるゲームはいくつもあるが、自分が馬になるという視点が面白い。ゲームというほどのゲームではないし、オタ向けの要素も含まれているが、「萌え」にそれほど抵抗のない人ならそれなりに楽しめると思う。ぜひお試しあれ。

 さてレースにいってみたい。愛知杯は牝馬限定戦になってからはや9年目。昨年、一昨年は小倉で行われており、新装中京では初めてのレースとなる。傾向も変わってくるのだろう。
 牝馬限定のハンデ戦。どこからでも狙えそうだ。本命は、穴っぽいところからエーシンメンフィス。前走は、12走目にして初の芝のレースを軽快に逃げ切った。その前走が重馬場。明日の雨予想もこの馬にはよさそうだ。スムーズに逃げられれば勝機あり。
 推奨穴馬は4枠の2頭、マイネオーチャードサンシャイン。前者は女王杯4着、後者はエルフィンS勝ちの実績のわりには人気がない。もう一頭、アイスフォーリス。オークス3着の左回りで激走があるかも。

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2012年12月12日水曜日

書評 松井今朝子『一の富 並木拍子郎種取帳』(ハルキ文庫)

「ちと、面白いことがござりました」
が決まり文句の時代物ミステリー。
 舞台は江戸時代。人気狂言作者に弟子入りした並木拍子郎(なみきひょうしろう)というヤサ男が主人公。見習いである拍子郎は、師匠の並木五瓶(ごへい)から
「いい話を書こうと思ったら、常にメモ(種取帳)を持ち歩き、町の面白い話を拾ってこい」
と命ぜられる。
 しかし、拍子郎が首を突っ込む話はなぜか事件ばかり。種取帳も、話のネタ帳というよりも捜査手帳のようになってしまう。そんなこんなで、いつの間にか事件に引き込まれてしまう拍子郎が、師匠、その奥さん、近所の料理旅館の少女らとともに事件を解決する。こんな短編が五つ、本書には収録されている。

 作者の松井氏は松竹に入社後、歌舞伎座の企画・製作に長年携わってきたという経歴を持つ。その経験から得た知識やうんちくが本書の骨格をなしている。江戸時代の歌舞伎小屋周辺の庶民の生活がリアルに、生き生きと描写されているのだ。
「なるほど、江戸時代の生活って、こんな感じだったのかなあ」
というのがよく分かる。

 これが本書の土台とするなら、その上に立つのがミステリー。女将の不倫、幽霊騒動、金貸し婆さん殺人事件、繊維問屋の大将の誘拐事件、宝くじにまつわる失踪事件、の五つの事件がそれぞれ解決される。
 アッと驚く結末こそないが、しっとりと落ち着いたかたちで事件は幕を閉じる。オチに無理もなく、心地よい読後感だ。
 土台となる歌舞伎・狂言と、その上に立つミステリーともに質が高く、安心して読める小説だ。

「歌舞伎・狂言+歴史物+ミステリー」。この組み合わせに「おっ」と思う人は買いだ。




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書評 東野圭吾『犯人のいない殺人の夜』(光文社文庫)

 東野氏の短編集。表題作『犯人のいない殺人の夜』を含む七つのミステリーが収められている。脈絡なく七つの話を集めたわけではなく、タイトルの通り「犯人のいない殺人」というテーマで統一されている。
「犯人がいないのになぜ殺人が起こるのか?」
そりゃそうだ。しかし本書の話には、殺人者はいるのだが、犯人はいない。ただし「犯人が捕まらない」とか「犯人が分からないまま話が終わる」ということではないので、念のため。

 最も印象に残ったのは、表題作『犯人のいない殺人の夜』だ。短編で登場人物も少ないため、読んでいくうちに殺人の首謀者は予想がつく。しかし、殺害方法や動機がさっぱり分からない。なぜ、どうやって殺人は行われたのか。事件後と事件前を行ったり来たりしつつ、話は進む。徐々に明らかになる謎。そして最後はアッと驚くどんでん返し。東野小説の書評を書くと「どんでん返し」というフレーズが毎回出てきてしまうが、こう書かずにはいられない。今回もしてやられました。

 意図して「犯人のいない」話を書いていたのか、それとも「こういうテーマの短編を集めてみましょう」と選んだのがこの短編集なのか。どちらにしろ、東野氏の手の内の豊富さには相変わらず圧倒される。

 これらを一話完結の連ドラにしたくなる気持ちもわかる。ところが、フジテレビが「東野圭吾ミステリーズ」として放映したところ、失敗に終わったようだ。なぜなんだろう。序盤で犯人の目星がついてしまうところがウケなかったのかもしれない。




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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...