2014年2月26日水曜日

書評 涌井良幸・涌井貞美『数的センスを磨く 超速算術 筆算・暗算・概算・検算を武器にする74のコツ』(実務教育出版)

確かにこの本をマスターすれば速算の達人になれる。でも、74は多すぎない?


 書名に偽りなし。素速く計算するためのさまざまなコツ(公式といってもよいかも)をまとめた本である。確かに本書に書いてあるコツをマスターすれば、スイスイと計算できるようになる。
 たとえば、帯に載っているのはこの三つの計算である。

(1) 102+97+105+99
(2) 745×755
(3) 325÷25

こんな計算が「ホイッ」とできるようになるのだ。この三つのタネを簡単に明かしておく。
(1)は100を基準にその差を考えればよい。

  (100+2)+(100-3)+(100+5)+(100-1)
 =100×4+(2-3+5-1)
 =400+3=403

(2)は「『下2ケタの和が100』で『最上位が同数』の掛け算」という、22番目のコツである。この場合、上のケタは

  (最上位の同数)×(最上位の同数+1)
 =7×8=56

下のケタは足して100になる数どうしの掛け算になる。

  45×55=2475

よって 745×755=562475

(3)は「5、25、125で割るなら掛け算にチェンジ」という、30番目のコツを用いる。すなわち

  325÷25=325×4÷100=1300÷100=13

というわけだ。このような「計算を素速く行うためのコツ」が、74個紹介されている。
 でも、74は多すぎないか…。そりゃ、これだけのコツ(公式)を頭に入れておけば、サクサク計算できて、みんなを驚かすこともできるだろう。しかし、74のコツを頭にインプットしておき、それぞれの計算に最適なコツを適用するというのは、あまりにハードルが高い。せめて、10程度の基本のコツに絞るべきだったのではないだろうか。

 本書のコツには、和算のノウハウがかなり入っているように思った。電卓のなかった時代に、素速い計算力を身につけるために、寺子屋ではこのようなコツ(公式)を生徒たちにたたき込んでいたのかもしれない。

 以下は、本書をちょっと離れた、計算に関する私見である。
 計算は数学ではないと思う。私は、数学はわりと得意なほうだったが、暗算は得意ではない。2ケタ+2ケタの足し算も、すぐにはできない。だから、数学力と計算力が別物だということは、分かっているつもりだ。計算は苦手でも数学はできる。
 とはいえ「計算が苦手でよかった」と思ったことはない。計算が上手なことは、少なくとも各種試験におおいに役に立つだろう。その他のさまざまな場面でも、計算ができるに越したことはないはずだ。
 したがって私は、ソロバンや公文式などの計算トレーニングには意味があると思う。計算は約束事であり(数学ではないからこそ?)トレーニングすればするほど上手になる。
「電卓や表計算ソフトがある時代に計算トレーニングですか?」
という意見には「それでもやはり意味がある」と答えておきたい。

 そんな思いもあって「本書を読めば速算が簡単に身につくかも」と期待していたのだが、改めて「計算力はトレーニングを積まないと身につかない」ことを知らされた。
 結局、学問に王道なしということのようだ…。



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2014年2月24日月曜日

予想の回顧 フェブラリーS、ダイヤモンドS、共同通信杯、洛陽S、斑鳩S 2014

 日曜はGI開幕戦、フェブラリーS。
 ◎ホッコータルマエは5、6番手から。思ったよりも少し前の位置取りだ。4コーナーでは少し外に持ち出して、後ろを待つ。そこに並びかけてきたのはブライトライン。満を持して追い出すと、ブライトラインを競り落とす。前にいるのは道中2番手につけていたコパノリッキーのみ。これは確勝パターンだ。すでに勝ったつもりで
「何か差して、2着に上がってこいっ」
と捕らぬ狸の何とやらをしていたのだが、なかなかコパノをかわせない。結局、そのままの体勢でゴール。最低人気のコパノリッキーが粘りきった。まあビックリ。故障明けの2走が惨敗だったので、まったくノーマークだった。これは何回買っても取れそうにない。

 洛陽Sは◎ノーブルジュエリーが中団から馬群を割って突き抜け、1馬身半差の完勝。人気に応えた。ただ、馬券は馬券道場の単勝を取っただけに終わった。

 土曜の東京メインはダイヤモンドS。◎フェイムゲームは1番人気。このメンバーなら順当なところか。ところが、ゲートの扉に突進してぶつかった直後にスタートが切られ、大きく出遅れてしまう。
「なんぼ長距離レースでも、こりゃアカン」
と諦めムードだったのだが、2周目の向こう正面から徐々にポジションを上げていくと、3、4コーナーでは外をマクって、直線では早くも先頭に立つ。
「おいおい、超横綱相撲やな。最後はタレるんちゃうか…」
と呆れているうちに、そのまま押し切ってしまった。結果的にはこのメンバーでは力が2枚も3枚も上で、長距離適性もあったということなのだろう。強かった。
 馬券は、2着のセイクリッドバレーを押さえており、馬連を取った。

 斑鳩Sは◎ダイナミックガイが中団に構え、4コーナーではいい感じで外を上がっていったのだが、一つ内にいたエーシンシャラクが外にふくらんできたアオリを受け、かなり外を回されてしまう。直線もほとんど伸びず、9着に惨敗。
 確かに不利はあったが、それがなくてもどうだったか。ガッカリ。

 代替開催の月曜メインは共同通信杯。
 ◎イスラボニータはかかり気味に3番手のインから。直線では少し外に持ち出してうまく進路を確保。持ったままで前に並びかけ、残り200 m手前から満を持して追い出すと、ズバッと切れて1馬身1/4差で見事に1着。クラシック戦線の関東代表の座を確たるものにしたといってよいだろう。ただ、血統や走りからは、ダービーよりも皐月賞向きか。
 馬券は、安かったが馬連を取った。

 今週は安い馬券ばかりだったが5戦3勝。さらに最終馬連の恩恵も受け、トータルの収支もまずまずプラスになった。次開催もこの調子でいきたい。

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2014年2月23日日曜日

2014 共同通信杯 予想と与太話

 先週中止になった共同通信杯が月曜に行われる。その結果、東京では土・日・月と三つの重賞が組まれているのに、京都では一つもナシというアンバランスなことになってしまった。

 共同通信杯といえば思い出すのがナリタブライアン。前年の朝日杯を勝った馬がここを使ってくるという異例のローテーションで、2着に4馬身差をつけて完勝した。その後はスプリングSも勝って皐月賞へ向かった。タフな三冠馬だった。

 レースにいってみたい。
 本命は◎イスラボニータ。ここまでの戦績は3-1-0-0。唯一負けた相手はハープスターだけである。前走でお世話になっていることもあり、素直に実績を信頼。前走のように、内をグイグイ伸びてきてほしい。
 推奨穴馬はハギノハイブリッド。前走はいい競馬だった。左回りはよさそうだし、好枠を引いた。

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2014年2月22日土曜日

2014 フェブラリーS、洛陽S 予想と与太話

 日曜の東京メインはフェブラリーS。今年最初のGIである。
「この厳冬期にGIですか…」
なんて思っているのは今や少数派なのだろうが、春の到来とともにGIが開幕するほうが気候的にも気分的にもよいと思えてならない。
 とはいえ、GIと聞けば予想に力が入ってしまうのが競馬オヤジの悲しいところだ。

 レースにいってみたい。
 よいメンバーが揃った。現在のダート戦線の強豪が、それぞれ順調な調整過程を経て、このレースを迎える。ダートナンバーワン決定戦といってよいだろう。
 本命は◎ホッコータルマエ。「本命は枠順を見てから決めよう」と思っていたところ、この馬が外のいい枠を引いた。今回は、JCDとは逆に、この馬がベルシャザールやニホンピロアワーズを見る位置でレースができそうだ。JCDは目標にされた分と早めに抜け出したために惜敗したが、今回は一本かぶりの人気にはならないだろうし、自分のレースに徹すれば勝利が見えてくる。
 推奨穴馬はワンダーアキュート。この実績馬に穴馬とは失礼だが、何度好走しても人気が出ず、今回も今のところ5番人気。これだけ毎回人気の盲点になる馬も珍しい。怖いのは根岸S組。中でもドリームバレンチノが大穴候補だ。芝でロードカナロアと接戦をしていた馬。前走だけでは見限れない。

 洛陽Sは人気でもノーブルジュエリー

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2014年2月21日金曜日

2014 ダイヤモンドS、斑鳩S 予想と与太話

 今週は、3週間ぶりに雪のない週末になり、久々に良馬場での競馬が楽しめそうである。どうやら寒さもピークも越え、春の足音が聞こえてきたようにも感じる。競馬カレンダーも、京都・東京開催は今週で終わって、来週からは阪神・中山開催がスタート。早いものだ。

 そんな土曜の東京メインはダイヤモンドS。めっきり少なくなった3000 m超のレースの一つだ。
 ところで、JRAに3000 m以上の平地レースがいくつあるのか、ちょっと調べてみた。すると、天皇賞・春、菊花賞、阪神大賞典、ステイヤーズS、ダイヤモンドS、万葉Sの六つだけらしい。寂しいなあ。もう少しあってもよいと思うのだが…。
 とはいえ、今回のダイヤモンドSも11頭立てで、各上挑戦の馬もちらほら。この現状では、増やしてくれという意見はなかなか通らないか。

 レースにいってみたい。
 例年はステイヤーズSをステップにした馬が多いと思うのだが、今年はほとんどいない。となれば万葉S組が人気するのは自然の流れか。しかし、今年の万葉Sはほとんど準オープンのようなメンバーでレベルに疑問がある。
 というわけで、本命は◎フェイムゲーム。いままで走った一番長い距離のレースは前走のAJCC(2200 m)なので距離適性は未知数だが、半兄にバランスオブゲームがいて、父がハーツクライなのだから、こなしてくれないか。距離さえ保てば、実力は一枚上のはず。
 推奨穴馬はナシ。少頭数でもあり固く収まりそうだ。

 京都のメインは斑鳩S。斑鳩は「いかるが」と読む、奈良の地名だ。法隆寺が斑鳩町にあるのだが、そういえば小学生の遠足以来行っていない。
 本命は◎ダイナミックガイ。準オープンに昇級してからの2戦を0.3、0.2秒差にまとめている。もうひと押しを期待。

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2014年2月18日火曜日

予想の回顧 京都記念、東京新聞杯、クイーンC、アルデバランS 2014

 日曜の京都メインは京都記念。馬場はやや重にまで回復。すごいぞ日本の競馬場。
 レーススタート。どの馬が逃げているのか、まったく気にしていなかった。まさかその馬が勝ってしまうとは…。
 ◎トーセンラーは中団の外で折り合いをつける。人気のジェンティルドンナはかかり気味に3番手。かなり行きたがっているように見えた。
 向こう正面でトゥザグローリーが我慢できなくなり行ってしい、そこからレースが動き始める。トーセンラーはジッと我慢して直線では大外へ。そこからよく伸びて逃げ馬を捉えたのだが、その逃げ馬がもう一度盛り返してゴール。恐れ入った。
 勝ったのはデスペラード。まさかこの馬が逃げ切るとは…。ノリマジックにしてやられた。この馬は渋った馬場での成績がいまいちだったので馬券対象外だったのだが、よく見たら渋った馬場はダートでしか経験がなく、良馬場以外の芝で走ったのは今回が初めてだったようだ。馬柱はよく見ないと…。
 ◎トーセンラーは、休み明けで58 kgで大外を回してのもの。力は示した。3着にしぶとく伸びてきたアンコイルドも、期待通りの走りだったといってよいだろう。
 ジェンティルドンナは6着に沈んだ。年齢を重ねてきて、ますますポン駆けしなくなってきているのかもしれない。次走はドバイで実力を発揮してほしい。
 馬券は、1着のデスペラードを押さえておらず、ハズレ。

 代替競馬の月曜メインは東京新聞杯。◎クラレントは3、4番手につけて直線では内に潜り込む。この馬の勝ちパターンだ。
「よしっ」
と思ったところに外から伸びてきたのはホエールキャプチャ。牝馬の57 kgで休み明け。全く馬券対象外だった。勝った騎手が驚いているほどだから、手が出なくても仕方なかろう。

 異例の火曜競馬のメインはクイーンC。映像は見えていないのだが◎フォーエバーモアが圧倒的人気に応えてキッチリと勝った。春が楽しみだ。
 2着のマジックタイムは相手本線。馬連をとった。

 土曜の京都メインはアルデバランS。
 ◎タイムズアローはちょうど真ん中あたりでレースを進めるが、直線は伸びずバテずで6着。物足りなかった。
 勝ったエーシンゴールドは強かった。先週のすばるSに続いて4歳馬の勝利。連闘でフェブラリーSに向かうのだろうか。

 今週は4戦1勝だが、障害レースで穴っぽいところをチョロっととり、ほぼトントン。トータルではまずまずの結果だった。

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2014年2月17日月曜日

2014 クイーンカップ 予想と与太話

 異例の火曜競馬の東京メインはクイーンカップ。クイーンSとクイーンCがあって、ややこしい。
 クイーンCは、この時期に行われる3歳牝馬の重賞。厳冬期のレースだが、GI戦線で活躍する馬を次々と送り出している。東京の1600 mは実力が出るコースなのだろう。

 本命は◎フォーエバーモア。1番人気になるだろうが、逆らうこともないだろう。阪神JFでは二強とタイム差なしの3着に入った。二強ばかりが注目されているが、この馬の実力もかなりのものと見た。ここは通過点にしてほしい。
 推奨穴馬はタイセイティグレス

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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...