2014年1月22日水曜日

書評 村山斉『宇宙になぜ我々が存在するのか ―最新素粒子論入門―』(講談社ブルーバックス)

 あの村山氏が、今度は素粒子を易しく解説。たとえ話の豊富さ、わかりやすさが素晴らしい。

『宇宙は何でできているのか』で一般向け科学書の書き手としてブレイクした村山氏の最新作。今度のテーマは素粒子だ。

 物質を小さく分けていくと、原子になるのはご存じだろう。しかし原子も物質の最小単位ではなく、原子は陽子、中性子、電子でできていることが明らかになった。ここまでは我々の想像力が何とか働く世界で、中学や高校の教科書にも載っていることである。
 ところが、陽子、中性子、電子も物質の最小単位ではなく、素粒子でできていることがわかってしまった。さらに、素粒子は物質を作る材料となってるものだけではなく、他にもたくさんの種類があることまで明らかになってしまった。

 この素粒子を、一般人にもわかるように解きほぐしたのが本書である。一流の科学者であると同時に、一般向け科学書の一流の書き手でもある村山氏が、大胆な比喩(これがわかりやすい)を交えつつ、素粒子や量子力学について解説した。
 村山氏は、身近な話題を比喩に用いて、難しい話をグッと身近に感じさせてくれる。たとえばヒッグス粒子を説明している箇所では、こんなたとえを用いる。

たとえば、『千と千尋の神隠し』に登場したカオナシ、『ハリー・ポッター』シリーズに出てきたディメンターなどは、本人の顔がわからないですよね。ヒッグス粒子も素粒子の世界ではのっぺらぼうで顔が見えないのです。

いままで雲の上の存在だったヒッグス粒子が、とても身近に感じないだろうか。本書を読んで、いままで漠然としていた素粒子のイメージが、かなり明確になった。
 また、現在の素粒子論がどのような位置にあり、どのような方向に向かって、何を解き明かそうとしているかもよく理解できた。近い将来、宇宙の成り立ちはかなり深いところまで明らかになるのかもしれない。

 とはいえ素粒子はやはり難しい。おそらく、イメージや比喩で理解できることには限界があるのだろう。その限界ギリギリのところまでかみ砕いてくれたのが本書である。これ以上のことを理解するには、ちゃんと勉強するしかなさそうだ。

 この手の本を読むといつも思うことなのだが(したがって、この手の本の書評にはいつも書いてしまうのだが)、物質を小さいほう小さいほうへたどっていくと、話は宇宙の誕生に行き着いて、無限に広い宇宙のことを考えざるを得なくなるというのが、とても興味深い。



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2014年1月19日日曜日

予想の回顧 日経新春杯、京成杯、雅S、ニューイヤーS、恋路ケ浜特別 2014

 日曜の京都メインは日経新春杯。
 ◎ラブイズブーシェは中団から。4コーナーでは内を突いて馬群を割るが、たいして伸びず8着。+14 kgが応えたか、瞬発力勝負は向かないのか。それにしても見せ場がなかった。

 京成杯は本命の◎ピオネロが3コーナー手前から手綱をしごいて上がっていく。4コーナーでは勝ったプレイアンドリアルと同じ位置にいたのだが、突き放される。しぶとく伸びたが4着まで。上位陣とは切れ味の差が出たか。距離はもっとあってもよさそうだ。

 土曜の京都メインは雅S。本命◎アサクサショパンは後方馬群。4コーナーでは大外を回すが、前が止まらず10着に惨敗。内枠の先行馬が残る展開だったとはいえ、不甲斐なかった。

 中山ではニューイヤーS。◎レッドアリオンは1番人気。中団に構えて4コーナーでは馬群の外へ。そこからグイグイ伸びて2馬身差の完勝。強かった。
 2着争いは馬券を買っていないルナが粘るところ、馬券を買っているタイキパーシヴァルセイルラージが追い込んできた。
「差せ、差せっ」
という声に応えてくれたのか、セイルラージがハナ差で2着争いを制し、馬連を取った。ありがとうございました。

 中京の恋路ケ浜特別は◎ヒロノプリンスがハナを切って粘り込みをはかったが、最後は捉まって3着に惜敗。馬券もハズレ。

 今週は5戦1勝だが、本線で取ったので、惨敗は免れた。

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2014年1月18日土曜日

2014 日経新春杯、京成杯 予想と与太話

 明日は雪予報のため、京都の前日発売は中止らしい。競馬もだが、センター試験にも影響がないように願いたい。

 今週の日曜京都メインは日経新春杯。京都名物、伝統のハンデGIIである。
「そういえば、ハンデのGII戦って、どれくらいあるのだろう」
と思って調べてみると、このレース、目黒記念、アルゼンチン共和国杯の三つだけらしい。どれも長い歴史を持つレースだ。何か理由があるのだろうか。

 今年も、GI級の馬がお休みの間にひと稼ぎしようという馬が集まった。一方、重賞未勝利馬がトップハンデ(しかも2頭)というのは珍しい。
 本命はそのトップハンデの◎ラブイズブーシェ。昨年のJRA最多勝利馬らしい。前走はオルフェーヴルにはちぎられたが、2着とは0.6秒差。この相手なら。京都の馬場は内がかなり有利なので、何とか内に潜り込んでほしい。
 推奨穴馬は、これというのがいないが、しいて挙げるならクラウンレガーロ

 中山では京成杯。今年は例年になくレベルが高い印象。引退したエイシンフラッシュの後を継ぐ馬が出るのだろうか。
 本命は◎ピオネロ。前々走は極重馬場で度外視できる。

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2014年1月17日金曜日

2014 雅S、ニューイヤーS、恋路ケ浜特別 予想と与太話

 1月も半分を過ぎて、松の内も明けた。子どもたちは早く鏡餅を食べたくて仕方がないようだ。大人にとっては何てことないことなのだが、子どもには楽しげなイベントに映るのだろう。いいことだ。
 どうせなら競馬で餅代を稼いで、豪華に食べたいものだ。

 そんな極寒の京都の土曜メインは雅S。ずっとこの時期に行われているダートの準オープン戦だ。もう20年以上この条件が続いているのだから、かなり長い。やはり「雅」といえば正月じゃないと、ということなのだろうか。理由はともかく、レースの移り変わりの激しい中で、貴重なレースと言えるのかもしれない。

 さてレースにいってみたい。
 このクラスで1~3走目の馬が多く、フレッシュな顔ぶれ。特にダート馬は、年を取ってからでも急激に力をつけていくことがある。このメンバーの中にもそういう馬がいるかもしれない。
 本命は◎アサクサショパン。ハイアーゲーム、ダイワマッジョーレを兄弟に持つ良血馬が軌道に乗り始めた。前走は昇級初戦で0.5秒差なら及第点。得意の京都に変わって前進を期待したい。外枠はちょっと痛いが、鞍上が何とかしてくれないか。
 推奨穴馬は、これという馬がいないが、しいて挙げるならピンウィール

 ニューイヤーSは◎レッドアリオンが本命。素質馬が立ち直った。
 恋路ケ浜特別は◎ヒロノプリンス。大外枠を克服してほしい。

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2014年1月14日火曜日

予想の回顧 シンザン記念、フェアリーS、淀短距離S、ポルックスS、大和S、招福S 2014

 日曜は京都でシンザン記念。ミッキーアイルがスタートを決め、ハナを切る。◎ウインフルブルームはそれを見る位置。4コーナー手前からミッキーを捉まえにいったが、最後までかわせず2着。ミッキーが楽に逃げる展開だったので捉まえきれなかったが、堅実に走る。馬券は、ミッキーアイルを外していたため、ハズレ…。買い目を絞っていたため、仕方ない。

 中山メインはポルックスS。◎エアハリファは思いのほか人気がなく、4番人気。これは美味しい。しかし、それは取らぬ狸の皮算用に終わり、5着に敗れた。

 月曜祝日は中山でフェアリーS。◎シーロアは最後の伸びを欠いて7着。接戦だっただけに、もう一踏ん張りがほしかった。

 京都の淀短距離Sは本命◎エピセアロームが2着に入ったが、1着のレディオブオペラを蹴飛ばしていたため、馬券はハズレ。相手を絞るのは難しい。

 土曜の京都メインは大和S。◎フリートストリートは2、3番手から進め、4コーナーで先頭に並びかけるが、最後は脚が上がって10着に惨敗。前に行く馬には厳しい流れだったし、+14 kgも応えたか。

 中山では招福S。◎アンアヴェンジドは中団からまったく伸びず、8着。何があったのか。

 今週は6戦0勝。他がチビチビ当たっているので大ケガはしていないが、低調である。

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2014年1月12日日曜日

2014 フェアリーS、淀短距離S 予想と与太話

 三日間開催最終日の中山メインはフェアリーS。かつては暮れの中山で1200 mで行われていた地味なレースだったのだが、年明けに移って1600 mになってから今年で6回目。そろそろ傾向も出てくるころだ。
 過去5回、ここで好走した馬は、桜花賞やそのトライアルでそこそこ人気するのだが、結果が伴わない場合が多いように思う。ハッキリ言えば、レベルが低いということだ。

 そして今年。出走を表明した全馬が賞金400万円(1勝)という前代未聞の重賞となった。実質、500万条件戦というわけだ。しかも、有力視されていた馬が数頭除外され、さらにレベルが低くなった。
 まさに、どんぐりの背比べといったメンバー。それなら、枠順が明暗を分けそうだ。中山1600 mは外枠が不利。とうわけで、本命は◎シーロア。最内枠を利しての抜け出しを期待。前走は休み明けで+24 kgだったが見事に初勝利。叩き2走目の上積みも見込みたい。
 推奨穴馬はケンタッキーミント。前走は6着だが0.4秒差。流れが向けば。

 淀短距離Sは◎エピセアローム。人気するだろうが、得意の京都1200 mで好枠を引いたここは逆らえない。

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2014年1月11日土曜日

2014 シンザン記念、ポルックスS 予想と与太話

 三日間開催の中日の日曜日は京都でシンザン記念。
 昔はクラシックにサッパリ結びつかない重賞だったのだが、オルフェーヴル、ジェンティルドンナの両三冠馬を輩出するなど、いつの間にやら大出世レースになった。調教技術の進歩やローテーションの多様化により、この時期に素質馬が出走するようになったのかもしれない。シンザンもさぞ喜んでいることだろう。今年もこの流れが続くだろうか。
 と、書いていて思い出したのだが、昨年か一昨年にも似たようなことを書いたような気がする。

 レースにいってみたい。
 重賞勝ち馬こそダートの地方交流を勝ったニシケンモノノフだけだが、期待の素質馬的な馬が数頭いる。その中から本命は◎ウインフルブルーム。前走はGIで0.2秒差の3着。しかも中山1600 mでは圧倒的に不利な外枠でのもの。この前走を高く評価したい。今回は好枠も引いた。どこでミッキーアイルを捉まえにいくかがポイントになりそうだ。

 推奨穴馬はタガノグランパワイレアワヒネか、と思っていたら、4、5番人気。穴というほどではないが押さえておきたい。

 ポルックスSは◎エアハリファ。人気するだろうが、逆らう必要もなかろう。

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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...