ある日、息子が「野球見に行きたいな~」と言い出した。待ってました! 野球好きの父親として、うれしいひと言だ。毎日テレビで観戦しているうちに、興味を持ってくれたようだ。
しかし、野球はルールが難しい。どうすれば点が入るのか、どうすればアウトになるのか、6歳になったばかりの息子はまだよく分かっていない。野球よりも先にサッカーに興味を持つ子が多いのも、なるほどだ。
たとえば息子は、捕手は投手の敵だと思っていた。なぜなら、投手とは反対(打者とは同方向)を向いているし、違う服を着ている(プロテクター)からなのだそうだ。
なるほど、そう言われてみれば、理屈は通っているかも(笑)。ちょっと笑える勘違いだ。
捕手も審判も、投手の敵?
《どの試合を見るか》
まだそんな段階だし、一試合を見るのは無理(飽きてしまう)のは目に見えている。「巨人の試合は見に行かへんで」というと「え~っ」と不満を表したが、プロ野球を見に行くのはまだもったいない。
そこで最寄りの皇子山球場で何かやってないか探してみると…いいのがあった。関西六大学野球の大阪商業大学-京都産業大学戦が行われるというではないか。入場料は大人1000円、子どもは無料。これを見に行くことに決めた。
《いざ出発》
前置きが長くなったが、いざ球場へ。ついたら、ちょうど1回表が終わるころだった。息子は大喜びで
「前で見ていい?」
とバックネット裏の最前列で観戦。いい当たりが正面を突いてアウトになって、観客から歓声が上がる。
「今のは点が入ったん?」
とややズレている息子。
「今のは、フライをそのまま捕ったからアウトやで」
などとルールの説明を挟みつつ、試合を見た。今日は、ファールとはどういうものかを少し理解したようだ。
野球日和の快晴だった
《白熱した展開》
この日の試合は、リーグ優勝が決まるかもしれない大一番。大商大が勝てば優勝、京産大が勝てばプレーオフに持ち越しという天王山だ。
1回、2回と大商大が点を重ねて3-0とリード。京産大は、チャンスは作るが1本が出ず、流れに乗れない。大商大のペースで試合が進む。しかし4回表に京産大が反撃。エラー絡みでチャンスを得て、ワイルドピッチで1点を返す。試合は分からなくなってきた。
ところが、このあたりで息子がギブアップ。
「そろそろ帰りたいなあ」
と言い始めた。予想していた展開だったが、こんないい場面で…。
「すまんけど、もうちょっと見せて」
と息子にお願いする羽目に。すると京産大の2番打者にタイムリーが出て、1点差に追い上げた。いい試合だ。もう少し見たかったのだが、ここで球場を後にした。
後で結果を確認すると、この回に京産大が同点に追いつき、その後は意外にも投手戦に。そして中盤に京産大が1点を勝ち越して、そのリードを守り、優勝決定を阻んだ。ナイスゲームだったようだ。
SANSPO.COM 京産大勝って優勝に望み/関西六大学
《応援はワンサイドゲーム》
スタンドの応援はあまりにも対照的だった。
京産大はチアやブラバンが来て、「ルパン三世」をはじめとする定番のヒッティングマーチで選手を鼓舞。日本の野球の応援は、華やかでいい。
チアとブラバンの華やかな応援
一方の大商大は、ベンチには入れなかった部員が制服を着て、メガホンでアカペラを合唱…。
「セはセレマのセ、レはセレマのレ…」
という応援歌をはじめて聴いた…。しかも野太い声で歌われてもねえ。
男性部員の熱い(むさ苦しい?)応援…
京産大は総合大学で大商大は単科大学だから、仕方ないと言えばそれまでだが、大商大の選手は少し可哀想だったような。
《また行こう》
飽きはじめたところで帰ったのがよかったのか、息子は「楽しかった」とのこと。もう少しルールや選手を覚えたら、プロ野球も見に行こう!
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