2012年2月28日火曜日

滋賀県立アイスアリーナに行ってきた

 娘(4歳半)は幼稚園に通っている。その幼稚園では毎年スケートに行っているのだが、今年はインフルエンザの流行により中止になってしまった。娘が少し残念にしていたので
「じゃあ家族で行ってみるか」
と、滋賀県立アイスアリーナに突撃した。

 わが家のメンバーのスケート歴はというと、父(私のこと)は大学の体育の講義以来、約20年ぶり。母(私の妻)は小学生のときに2回行ったきりで、約25年ぶり。娘は初めてのスケート。息子(もうすぐ2歳)はもちろん初めてだが、年齢制限によりスケートはさせてもらえない。
 これ以上ない、頼りないメンバー構成である。どうなることやら。

 まず、スケート靴を履くのに一苦労。何とか履いて、いざリンクへ向かう。案の定、立つことすらできない娘…。


 しかし、これは責められない。どうやって指導すればよいのだろうか。
 とりあえず、壁伝いに歩く練習をさせようとあたふたしていると、そこへスーパーヒーローが登場!
「初めてですか?」
と、私と同年代のおじさんが、親切にも声をかけてくれた。後から分かったことだが、このスケートリンクの関係者のようだ。
「(一瞬で分かると思いますが)初めてなんです」
と私が答えると
「まず最初は、ペンギン歩きから練習するといいで」
と、娘に手ほどきをしてくれた。いわく、最初はスーッと滑るのではなく、陸上と同様に、脚を上げてトテトテと歩く練習をするとよいそうだ。
 親切なおじさんのアドバイスは効果覿面(てきめん)だった。何もできなかった娘が、壁伝いにソロソロと進めるようになり、しばらく経つと、壁をつかまなくても少し前進できるようになった。素晴らしい!(写真を撮る余裕が(親に)ありませんでした)。

 いい感じになってきたが、ここで新たな問題が浮上。することのない息子がヒマなのだ。当たり前やなあ…。
 そこで、イスをレンタルして息子を乗せて滑ることにした。



 このスケートリンクでは、(有料だが)写真のようなイスを貸し出しているのだが、借りて大正解だった。息子は喜ぶし、娘も調子よく進めて楽しいし、スケート初心者の大人の練習にもちょうどよかった。「滑る」という感覚を身につけるのには、最適のアイテムだ。私自身、スケートの達人になった気がした(気のせいなのは分かってるんですが)。

 というわけで、親切なおじさんやイスのお陰で楽しくなってきたのだが、娘が
「足が冷たい~」
と泣き出した(けっこう本気で泣きました…)ので、退却することにした。親はもう少し楽しみたかったのだが、仕方なかろう。初めてのスケートとしては、及第点ということにしておきたい。
 次回は厚い靴下を履いて、カイロを貼り付けて、脚が冷たくならないような準備をして、今シーズン中にもう一度チャレンジしてみたい。

2012年2月26日日曜日

書評 ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』創元SF文庫

 いつか読もうと思っていた本なのだが、ついに読んだ。想像以上に面白かった。これぞSF。そしてなおかつ、極上のミステリーでもある。SFファンで本書を未読の人はいないだろうが(もしいたら、ただちに読むべし)、宇宙や科学を題材にしたミステリーと聞いて食指を動かされる人にも是非読んでもらいたい。

 月面で宇宙服を着た遺体が発見される。ところが何と、その遺体の主は5万年前に死亡したというではないか。しかも、その容姿は人間(ホモ・サピエンス)にそっくりなのだ。八本脚の火星人ではない。
 これがストーリーの前提、前置きなのだが、これだけでも本書の魅力はおわかりいただけるだろう。
 なぜ5万年前の月面に、ヒト型生物の遺体があるのか。彼はどこから、何のために月面にやってきて、そして死ぬことになったのか。
 その謎を解き明かそうとるす科学者、ヴィクター・ハントが主人公。彼が謎を追う過程をつづったのが本書である。実にスリリングで、一気に読み終えた。

 本書の原著は1977年に上梓されたものだが、ほとんど古さを感じさせない。登場する科学や技術の一部にはもちろん飛躍があるが、その周辺を埋める記述、人物の行動などが実にリアルに描かれている。
「まるでドキュメンタリーを読んでいるようだ」
というと大げさだが、そう書きたくなる。
 ただホーガンさんも、コンピュータのすさまじい発展と、DNA鑑定などの生命科学の著しい進歩は予測の範囲外だったようで、そのあたりの記述がやや弱いが、それもあげあし取りか。

 また、翻訳もたいへん読みやすかった。
 ちょっと古い翻訳小説というと、堅くて取っつきにくい訳のものも多く、SFだとなおさらその傾向が強いが、本書は例外である。翻訳書ということを感じさせない、なめらかな訳文に仕上がっている。

 本書には、大きな謎が一つ未解明のまま残されている。それがおそらく、次作で解明されるのだろう。近いうちに読みたい。



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2012アーリントンC、阪急杯  予想の回顧

 土曜はアーリントンC。本命◎オリービンは先団の内につけ、4コーナーへ。直線では少し窮屈になるも、間を割ってグイと伸びてくる。外人ジョッキーは、このあたりが上手いというか強引というか、脚さえあれば抜けてくる。
「よし、やった。あとは相手」
と思っていたところに、大外からピンクの帽子が飛んでくる。
「お、推奨穴馬のヴェアデイロスか?」
と思ったら、1番人気のジャスタウェイでした。残念。ジャスタウェイは、ちょっと人気しすぎと判断し、思い切って馬券から外したので馬券もハズレ。まあ仕方ない。それにしても、すごい脚だった。

 日曜は阪急杯。本命◎サンカルロは、今ひとつのスタート。後方から外を回って徐々に押し上げ、4コーナーでは大外に。
「そりゃ、なんぼなんでも届きまへんやろ」
と思ったが、それなりに伸びて3着。スプリングサンダーを捉えられなかったのは不満だが、本番前の試走としては上出来といったところなのだろう。しかし、馬券はハズレ…。今週の阪神は、芝・ダートととも、かなり前が有利だったようだ。

 今週は、両レースともハズれたが、本命◎は2着と3着。ちゃんと馬券圏内に来ているということで、前向きに考えたい(反省せんのか)。

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2012年2月25日土曜日

2012阪急杯  オレの予想を聞いてくれよ

 日曜の阪神メインは阪急杯。いつの間にやら高松宮記念の主要前哨戦となっているレースだ。不思議なことに、距離が1400 mに伸びてから、むしろ本番(高松宮記念)との結びつきが強まっているようだ。1200 mのGIを勝つにはスピードだけではなく、1400 m程度はこなすスタミナも必要ということなのだろうか。

 ところで、先週のフェブラリーSの予想はパーフェクト縦目という悲惨な結末だったが、一つ面白い発見があった。
 すばるSの予想をエントリーしたときにおうまのアイコンというサイトを見つけて、それから、そこの予想大会に参加している。先週は本命◎トランセンドが飛んでしまったので、てっきり大ハズレと思っていたのだが、何と週間予想のトップを獲得した(7人がトップタイですが)。
「なんで?」
と思って調べてみると、選んだ5頭の3連複ボックスを買うことになっており、それが的中したとのこと。
「ふーん」
と思っていたのだが、5頭の3連複ボックスは、実は10点で買えてしまうことに気づいた。今までそういう馬券は買ったことがなかったが、面白い。いつか試してみようと思う。

 いつも以上に回り道が長くなってしまったが、予想にいってみたい。
 今年のレース、GIの前哨戦のわりには小粒なメンバーとなった。このメンバーなら、1400 m得意の実績馬、◎サンカルロが頭一つ抜けている。人気だろうがこれを本命に推す。阪神1400 mは外枠も特に不利ではないし、仕上がりは良好。昨年と同じローテーションで連覇を果たしてもらいたい。
 推奨穴馬はキョウワマグナム、トウカイミステリー、ルナキッズ。アッと言わせるなら追い込み馬か。

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書評 水島昇『細胞が自分を食べる オートファジーの謎』PHPサイエンスワールド新書

 オートファジーとは、細胞内で不要になったものを分解し、再び使える状態にする仕組み。平たく言えば、細胞内を掃除し、そこで出たゴミをリサイクルするシステムである。またオートファジーは、外から来たウイルスや細菌をやっつけるのにも絡んでいるし、さまざまな病気にも関連があるといわれている。

 このオートファジーの存在自体はかなり昔から知られていたらしいが、あまり誰も注目していなかった。それが、ここ10年ほどで、非常に注目を浴びる研究分野となってきた。そこで、本書のように、一般の人に新書というかたちでオートファジーを紹介しようという動きも出てきたということなのだろう。

 ただし、本書はけっこうレベルが高い。タンパク質や細胞について、高校の教科書レベルの知識を持っていないと、スイスイ読むのは難しいだろう。しかしこれは、著者のかみ砕き方が足りないせいとは言い切れない。オートファジーという、細胞内で起きる現象を説明するのだから、細胞やタンパク質の最低限の知識が必要なのは仕方がない。

 そういう知識を前提とするなら、本書は非常によくまとまっている。オートファジーの概略(1章)、研究の歴史(2章)、各種オートファジーの解説(3~7章)、オートファジー研究の最前線(8章)と、オートファジーを一通り知ることができる内容になっている。
 ある程度、生物の知識のある人が、オートファジーの入門書として選ぶには最適の一冊である。



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2012年2月24日金曜日

2012アーリントンカップ  オレの予想を聞いてくれよ

 新年の京都二開催が終わり、今週から阪神。来週からはクラシックのトライアルも始まるなど、春近しを思わせる。ここまで調子のいい人も悪い人も、気分を新たに予想に邁進したいものだ。ちなみに、私はもちろん後者である…。

 このレース、昔はクラシックに出られないマル外馬がうっぷんを晴らすレースだったが、クラシックがマル外馬にも門戸が開かれた現在は、トライアルレースが始まる前の、何だか中途半端な重賞になってしまった印象がある。1200 m戦なんかにすれば、特色が出てよいのかもしれない。ダートにするのもありかも。

 ちなみに、レース名の「アーリントン」とはアメリカのアーリントン競馬場からきたものである(JRAによる解説はこちら)。アーリントンミリオンというレースが有名な競馬場で、アーリントンとは地名だ。
 しかしいま、このアーリントンに、日本中の注目が集まっていることをご存じだろうか。何を隠そう(誰も隠してないが)、アーリントンはメジャーリーグのレンジャーズの本拠地なのである。レンジャーズとは、そう、ダルビッシュの入団した球団だ。今年はアーリントンという地名を聞くことも増えるだろう。私は興味がないが、サイン馬券のお好きな方は、11番(ダルビッシュの背番号)から勝負しても面白いかもしれない。

 ずいぶん話が横道にそれたが、そろそろ予想にいってみたい。
 このレース、近年は荒れ気味である。上にも述べたように、トライアル直前の時期とあり、メンバーが手薄になりやすいのだろう。今年も、前走、重賞で残念だった馬が上位人気を占め、荒れそうな雰囲気が漂っている。
 そんな中から私の本命◎はオリービン。前走、シンザン記念で7着と残念だった馬だ。しかし、このレースは折り合いに専念するあまり位置取りが悪くなってしまい、前残りの馬場もあって不発に終わったもの。阪神1600 mなら、開幕週でも極端な前残りにはならないだろう。2、2、0、0と得意の阪神で、存分に切れ味を発揮してもらいたい。

 荒れ気味のレースということで、推奨穴馬は少し多め。
 まずは、調教でよく動いた2頭、カイアルロマンスヴェアデイロス。そして、初芝が敬遠されているワイドバッハヴィンテージイヤー

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2012年2月21日火曜日

書評 東野圭吾『流星の絆』講談社文庫

 珍しく自ら購入した東野小説。買ってよかった。ボリュームはあるが一気に読める。

 兄、弟、妹の3兄弟(兄妹)の両親が惨殺される。悲嘆に暮れながらも、幼いながらも復讐を誓う3兄弟。
 そして舞台は十数年後に。成人した3兄弟は詐欺師となっていた。そんなとき、ある詐欺のターゲットの父親が、両親の仇であることが判明。その仇を警察に逮捕させるべく、3兄弟が知略を尽くす。

 と粗筋を書くと、なんだかとても暗い話に見えてしまうが、3兄弟の軽快で前向きなキャラクターのため、どことなく明るい雰囲気のストーリーに仕上がっている。「復讐」という重たく暗いテーマを軽快に描ききり、かといって軽薄にはなっていない。いつもながら、東野さんの筆力には脱帽である。
 犯人と父との関係の鍵を握るのが「ハヤシライス」だというのも憎い。高級フレンチのレシピだったり、秘伝のソースだったりではなく、ハヤシライスというメニューがキーになっているところが、この物語の何とも言えない暖かい雰囲気作りに一役買っている。家族の絆とハヤシライス。いい組み合わせだ。
 殺人、レシピの謎に、末妹の恋が絡まり、息をつかせない。600ページを超える大作だが、あっという間に読み終えてしまった。ラストは得意のどんでん返し。参りました。

 作品の内容とは関係ないことなのだが、一つ気に入らない点があった。それは「帯」だ。私が買った本(第4刷)の帯のオモテ面に
「兄貴、妹(あいつ)は本気だよ」
から始まる台詞がデカデカと印刷されているのだが、これはネタバレではないのか…。この台詞を知らずに読みたかったと思うのは私だけだろうか。ともかく、担当編集者がもしこの書評を読むことがあれば(ないやろうけど)、そういう読者もいるということを知って、帯や表4の紹介文では、極力ネタバレにならないような(かつ、その本の魅力を伝えるような)文章を練っていただきたい(難しいのは承知ですが)。

 ところで、本書を読んでいる間、私の頭の中ではある音楽がリフレインしていた。「流星の」で思い出す曲と言えば…そう、久保田利伸の、あの名曲である。
「○○の~ サドール イェイェイ」
 今もこの音楽が頭から離れない。どうにかしてくれ。



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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...