2012年5月15日火曜日

書評 野尻抱介『太陽の簒奪者』(ハヤカワ文庫)

 野尻さんの『南極点のピアピア動画』の書評を複数箇所で目にして「なかなか面白そうだ」と興味を持った。で、その『ピアピア』を読もうかなとも思ったのだが
「話題になっている本を読むのは何か悔しいなあ」
という「あまのじゃく」な発想が働き、まずは過去の作品を読んでみようと選んだのが本作。この作品を選んで正解だった。

 冒頭(プロローグ)は、江戸時代から始まる。
「この話がどうつながっていくのだろうか」
なかなかワクワクするスタートだ。
 そして本編の第1章は、水星観察の場面。何と、水星に構造物ができ、水星の地殻から採った物質を太陽へ向けて放射し、太陽にリングを作っている様子が観察される。
 水星人が存在したのか、それとも宇宙人が水星に到着してリングを作っているのか、はたまたそのリング自体が宇宙からやってきた生物で、自己増殖しているのか。
 こんなところから物語は始まる。

 そのリングによって、地球への太陽光が減少し、地球は壊滅状態へと向かっていく。当然
「このリングを何とかせにゃならん」
という話になり、人類は水星へ人間を送り、リングを破壊しようとする。
 リングは一体どういう構造なのか、それを設置しているのは誰なのか。その謎が明らかになり、ストーリーはさらなる段階へ進む。そして最終的には「未知との遭遇」へと話は展開する。というのが粗筋。

 こういうストーリーを「ハードSF」というらしいが、たしかにかなりハードな科学的展開を堪能した。
 印象的だったのは、終盤の「未知との遭遇」の場面。
「おお、シュールやなあ」
という場面が展開される。こういう感じが『ピアピア』へつながっていくのだろうか。是非そちらも読んでみたいと思った。

 リングの組成、その由来、そしてそれが「未知との遭遇」へとつながっていく過程が無理なく導かれており「これぞSF」というストーリーが堪能できる。
 しかし一番の特徴は、その過程ではなく、結論にあたる部分ではないか。私がいままでに読んだSFにはない結末だった。本作の「未知との遭遇」は、暖かいものでもなく、かといって冷たくもなく、上にも書いたようにシュールな出会いだった。いままでにない読後感だ。
 あまり書くとネタバレになるので魅力を伝えるのが難しいが「平成時代のシュールなSF」と聞いて興味をそそられる方には是非お勧めである。



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2012年5月13日日曜日

2012ヴィクトリアマイル、都大路S、京王杯SC 予想の回顧

 土曜は都大路S。本命◎ミッキーパンプキンは快調にハナを切ったが、直線半ばで捉まり、7着に沈んだ。さすがに今週あたりからは、京都も差しが決まりだしたようだ。

 京王杯は◎サンカルロがいつもよりも前につけたが、直線では伸びを欠き、とほほの10着。そうは見えなかったが、道中かかっていたのだろうか。何とも不可解な負けっぷりだった。
 このレース、勝ったサダムパテックはともかく、2着のレオプライム、3着のインプレスウィナーは全くノーマークだった。これは何回買っても獲れそうにない。

 そして日曜はヴィクトリアマイル。本命◎ホエールキャプチャは3、4番手からの競馬。それほど流れは速くなく、GIとしてはむしろ遅いくらいなので、絶好の位置取り。直線半ばまで持ったままで待つ余裕を見せ、追い出すとスッと伸びて快勝。見事期待に応えてくれた。
 ただ、2着のドナウブルー(8枠)は押さえておらず、馬券はハズレ。枠連2740円を逃したのは痛かった…。
 とはいえ、本命馬が1着になったのだから、予想の流れはよいということにして来週へ向かいたい(反省せんのか)。

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2012ヴィクトリアマイル、栗東S オレの予想を聞いてくれよ

 今週はヴィクトリアマイル。まだ7回目の新しいGIだ。

 以下は各方面(特に関西方面)から散々言われていることなので、今さら私が指摘する必要もないのだが、でも言わずにはいられない。何がって
「こんなに東京の1600 mばっかりでGIをやらんでもエエやろう」
ということだ。
 先週から始まった、東京での5週連続GI。5週とも東京というだけでも「何だかなあ」なのに、それに加えて5週のうち3週が1600 m。これはやりすぎだろう。一つか二つ、関西に下さいよ。その候補の筆頭が、このヴィクトリアマイルだ。是非ご一考下さい(誰に言うてるねん)。

 文句を言っておいて馬券を当てようというのは虫が良すぎるかもしれないが、そこはJRAの懐の深さを信じたい。
 今年のレース、昨年までのような軸となる馬がいない。ここ4年はウオッカ、ブエナビスタという確固たる軸がいたのだが、今年はそれにあたる馬が不在だ。堅く収まりそうにない。
 メンバーを見ると、実績ならアパパネマルセリーナ、勢いならオールザットジャズフミノイマージン、この4頭が人気を集めそうだ。そこで、人気の盲点になっている◎ホエールキャプチャを狙ってみたい、という予定だったのだが…土曜の昼の時点でホエールキャプチャは何と2番人気。あらら。ちょっとアテは外れたが、この馬を軸に据えたい。相手筆頭は、こちらは本当に盲点になっているアプリコットフィズ。そして、この2頭が同枠に入った。これは「枠連で買え」という天の声に違いない。今週は枠連で勝負する。6枠を軸に、1枠、5枠、7枠を押さえる(もちろん6-6も)。
 推奨穴枠(いま作った造語です)は3枠。アニメイトバイオが15番人気、スプリングサンダーが16番人気。ナンボなんでも軽視されすぎでは。

 栗東ステークスはトウショウカズン。57 kgでも。

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2012年5月11日金曜日

2012都大路S、京王杯SC、京都HJ オレの予想を聞いてくれよ

 私のパソコンが修理中で妻のを借りているため、あまり長時間使うことができない。なかなか不便である。一家に2台もパソコンがあって、修理中でも使えるだけ恵まれているのはずなのだが、人間、一度便利な環境になると、なかなか不便なほうには戻れないものだ。

 というわけで、予想も手短に。
 土曜の京都メインは都大路ステークス。確か1600 mのレースだったと思うのだが、いつの間に1800 mになったのだろうか。
 安田記念を狙うのはちょっとなあ…という馬が勢揃いするレースという印象だが、今年もそれっぽいメンバーが揃った。
 その中から、私の本命は◎ミッキーパンプキン。前走が少し頼りない結果だったが、前につけて大崩れなく走るこの馬に期待したい。前有利の馬場で粘り込んでほしい。
 推奨穴馬は鉄砲駆けするアドマイヤメジャー

 京王杯SCは◎サンカルロで仕方ないか。

 京都ハイジャンプも予想しておく。本命は◎マーベラスカイザー。先日200勝を達成した北沢騎手を応援したい。たしか同級生では…と思って調べてみると、北沢騎手のほうが一つ年上だった。がんばれオッサン。

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2012年5月6日日曜日

2012NHKマイルC、京都新聞杯 予想の回顧

 土曜の京都メインは京都新聞杯。本命の◎ニューダイナスティは中団につけるが、3コーナー過ぎから早くも激しく手が動きはじめ、直線では早々と脱落。10着に終わった。
 穴を狙ったから仕方ないとはいえ、まったく見せ場がないとさすがにヘコみますなあ。

 日曜はNHKマイルカップ。本命は1番人気の◎カレンブラックヒル。好スタートを決めると、何とハナを切るという大胆なレース運び。格好の目標になるのではと心配したが、杞憂だった。直線では他馬を引きつけてからスパートすると、追いすがる馬を突き放し、3馬身半差の快勝。
 秋山騎手は初のGI制覇となった。今日は、ここ1番で大胆な騎乗だった。渋い騎乗と飄々(ひょうひょう)とした性格で、デビュー当初から応援していた騎手だけに、私も嬉しかった。おめでとう。グランデッツァにも乗せてあげたいのだが、社台が外人騎手マンセー(死語)やからなあ。
 しかし、馬券は2着のアルフレードを押さえておらず、ハズレ。秋山騎手GI初制覇の祝儀ということにしておきたい(反省せんのか)。

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2012年5月5日土曜日

2012NHKマイルC オレの予想を聞いてくれよ

 今週はNHKマイルカップ。ダービートライアルからGIに昇格して、早くも17回目を迎える。早いもんだ。
 当初は「マル外ダービー」などといわれ、クラシックに出られなかったマル外馬たちが強さを見せつけ、クラシックよりもレベルが高いという評価もあったが、それも今や昔。いまではマル外という言葉もほとんど死語になり、クラシックもこのレースも内国産馬がほとんどである。サンデーサイレンス恐るべし。
 いずれ日本の三冠レースは、菊花賞の代わりにこのレースが入るというかたちになるのだろうか。菊花賞の好きな私としては寂しいが、時代はそういう方向に向かっているようだ。

 さて今年のレースの予想にいってみたい。今回は前走が皐月賞だった馬の参戦が少ない(2頭のみ)。異例の少なさではないだろうか。
 その前振りとはまったく関係なく、私の本命は◎カレンブラックヒル。ニュージーランドTの1着馬はこのレースではいまいち走らないというデータもあるが、そのジンクスを乗り越え、スーパーホースへの階段を上がっていったもらいたい。ダイワメジャー産駒、平田厩舎、そして秋山騎手に、初のGIを届けてほしいものだ。
 推奨穴馬はオリービン。前走の4着で評価を下げているようだが、その前走は中山1600 mで不利な大外枠で、しかも出遅れ。にもかかわらず4着にまとめた。スタートさえまともなら大駆けが。

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2012年5月4日金曜日

2012京都新聞杯 オレの予想を聞いてくれよ

 土曜の京都メインは京都新聞杯。「まだ言うか」と言われるのは承知だが、やはりこの時期の京都新聞杯というのはなじめないなぁ…。京都新聞杯といえば菊花賞のトライアルというイメージが抜けないというか、しっくりくるのだ。かといって、菊花賞の日程が前倒しになって、トライアルは阪神で行われるから、菊花賞トライアルに復帰するのは無理がある(阪神競馬場で京都新聞杯はさすがにマズイよな…)。ここは、涙を呑んで耐えるしかなさそうだ(大げさ)。
 しかし、秋に戻すのは無理としても、このような中途半端なレースではなく、もう少し格の高いレースにしてあげたいものだ。

 オヤジのぼやきはこれくらいにして、予想にいってみたい。
 今年も、例年のごとく、皐月賞で残念だった馬vs.新興勢力という構図。しかし、ここ10年の連対馬を見ると、前走が皐月賞だった馬は20頭中の5頭しかいない。そして、活躍が目立つのが、前走で長距離の500万条件戦を勝ってきた馬、とくにムーニーバレーRC賞組だ。
 というわけで本命は◎ニューダイナスティ。前走で、そのムーニーバレーを逃げ切った馬だ。差しが決まり始めたとはいえ、いまの京都はまだまだ前に行ける馬が有利。スッと前につけての粘り込みを期待したい。京都2-1-0-0と大得意なのもいい。
 推奨穴馬も500万条件勝ち上がり組からショウナンカンムリトーセンホマレボシ。この両馬も先行脚質だ。

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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...