2013年2月2日土曜日

書評 梨木香歩『りかさん』(新潮文庫)

 少女と人形の、心暖まる交流を描いた小説。

 ようこがおばあちゃんにお願いしたのは、リカちゃん人形。おばあちゃんが「よっしゃ、よっしゃ」と、ようこにくれたのは「りかさん」という名の市松人形…。
「りかちゃん違いやろっ」
とツッコみたくなるが、このりかさんには、人と心を通じることができるという力があったのだ。おばあちゃんのアドバイスを元に、りかさんと心を通じていくようこ。少女と人形が信頼関係を築いていく過程が心地よい。
 ようこは、人形人生豊富なりかさんに導かれて、さまざまな人形たちの心を知っていく。そこから見えてくるのは、現実世界の人間の心の動きだ。ちょっと切なくほろ苦いが、ほのぼのと心が温まるストーリーが3編収められている。

「人と心を通じる人形」という一見オカルト風の設定も何の違和感もなく受け入れられるところが、梨木ワールドの真骨頂だ。
「そういえば、子どもの頃には友達だったあの人形はどこへいったのだろう…」
読んだあとは、こんなことが気になるかもしれない。




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2013年2月1日金曜日

2013すばるステークス、白嶺ステークス オレの予想を聞いてくれよ

 真冬の京都開催も3日目。そのメインレースはすばるS。シリウスSやリゲルSと同じ、星の名前レースシリーズの一つだが、星の名前が“ひらがな”なのが珍しい。
「すばるといえば、レガシーや谷村新司だが、そういえばどんな星なのか知らないなあ」
と思って、今日もグーグル先生に尋ねてみると…なんと1個の星ではなく星団なのだそうだ。カタカナではプレアデス星団といい、その和名が“すばる”だとのこと。また、メシエ天体というカテゴリーではM45となるらしい。ウルトラマンの故郷(M78)とは少し離れているようだ(だからどうした)。
 今週も勉強になりました。

 さて、レース。
 ダート1400 mのオープン特別。フェブラリーSを目指す馬はほとんどが重賞に回り、その次のクラスの馬が勢揃いした印象。「オープン特別や重賞でときどき入賞してます」という成績の馬ばかりで狙いが絞りづらい。
 そんな中から本命は◎エアウルフ。前走は、休み明けの昇級初戦で0.1秒差の2着。その前走と同じような展開が望めそうなここは再現を期待したい。
 推奨穴馬はアドバンスウェイ。走る気さえ戻れば。

 白嶺Sはヴィンテージイヤー

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2013年1月30日水曜日

書評 パウロ・コエーリョ『アルケミスト 夢を旅した少年』(角川文庫)

 自らの心の声に耳を澄ませ、夢を信じ続ければ、その夢は必ず実現する。

 これが本書のテーマだ。
「また、そんな青臭いこと言っちゃって」
私と同世代(アラフォーです)の人たちの声が聞こえてきそうだ。
 でも「青臭い」のひと言で切り捨ててしまってよいのだろうか? そこには私が、そしてあなたが、置き忘れてきたものがあるのではないだろうか。

 自らの心の声に耳を澄ませることがいかに大事で、いかに難しいか。そして、いかに忘れ去られやすいか。そのことが染みわたってくる。

 夢を持つ若者には勇気を、夢を忘れたオジサンには活力を、与えてくれる作品だ。ちょっと疲れている人は、この本を読んで元気になろう。栄養ドリンクを飲む代わりに、本書を読んではいかがだろうか。




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2013年1月29日火曜日

書評 渡辺美紀『言いたいことは1分で! 10倍伝わる話し方』(幻冬舎)

 なるほど勉強になった。仕事の報告から披露宴でのスピーチまで、「話」をするときのコツを28のルールにまとめた本。この本の主張は、次の三つに還元できる。

(1)言いたいことだけを短く話す
(2)ポジティブに話を展開する
(3)相手の気持ちを思いやって話をする

「そんなの当たり前。自分はすでに実行しているよ」
という方も多いかもしれないが、本当だろうか。たとえば本書でNGとされている話し方には次のようなものがある。

・「十分な準備ができませんでしたが」など、言い訳から話が始まる。言い訳と謙遜は別なのだ。
・自分の熱い思いを、何度も繰り返し伝える。
・経験上、よい方法は分かっているので、その方法のよさを理路整然と説明する。
・しんどいことをお願いしたり、謝罪をするのに、メールで連絡する。

いざ指摘されてみると、当てはまる人も多いのではないだろうか。私など、ついつい話が回りくどくなってしまいがちだと自覚しているほどだから、たくさん当てはまる指摘があった。
 中でも特に勉強になったのは、次の二つのルールだ。

・ルール5 気持ちを伝える用件は「電話向き」、詳細を伝える用件は「メール向き」
・ルール11 相手の話を引き出すには、相手の「最新ネタ」を収集しておいて、第一声で伝える

 詳細は本書を読んでほしいが、ルールを一読しただけでも、おおよその内容は想像がつくだろう。たとえばルール5。確かにメールで気持ちを伝えるのは難しく、きちんと伝えようとするとどうしても長くなってしまう。謝罪やお願いは、特にそうだ。いままでは必要がない限りメールで済ませてきたが、これからは臨機応変に電話も使おうと思う(でも、電話って、周囲の同僚に話を聞かれるのがイヤなんだよね…)。

 本書はたいへんコンパクトにまとまっていて、あっという間に読めてしまう。とはいえ、一読しただけで28のルールをすべて頭に入れるのは無理というもの。まずは自分に必要なルールをいくつかピックアップし、実行するのがよいだろう。
 ただ本書は、実はもっと短くできたのではないかと思わずにいられない。著者の渡辺氏は、短く、簡潔に話をするプロなのだから、本書もさらにコンパクトにルールを凝縮できたに違いない。
 でも、こればかりは仕方がない。私も職業柄よく分かるのだが、100ページやそこらでは、商売として成り立たないのだ。
「渡辺さん、せめて200ページは…」
という編集者の声が聞こえてきそうだ。




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2013年1月27日日曜日

2013シルクロードS、根岸S、雅S 予想の回顧

 土曜の京都メインは雅S。◎ファイヤーはスタートから出していくが、前にはつけられず中団から。向こう正面でペースが緩んだときにスルスルと順位を上げるが、3、4コーナーでペースが上がるとついて行けず、何と最下位…。
「どうしてこんな馬を本命にしたんだろう」
と自己嫌悪に陥る結果となった。

 日曜は京都でシルクロードS。◎アイラブリリは予定通りハナを切る。競りかける馬もおらず、ペースもそれほど速くない。いい手応えで4コーナーを回ったように見えたのだが、さっぱり伸びず、馬群に飲み込まれ、ブービーの15着に敗退…。これといった敗因が分からないが、ここは荷が重かったということなのだろうか。

 東京では根岸S。◎エーシンウェズンは中団の最内につけ、4コーナーでは内から抜け出しをはかるが、スパッとは切れず、ジリジリと流れ込んだ5着まで。こちらも、これといった敗因は見られず、力負けというところか。

 今週は3戦3敗。しかも、本命の3頭のうち、ブービーが1頭、最下位が1頭と、散々な負けっぷりだった。しかし、惜しいハズレでも大ハズレでも、払い戻しがないという結果は同じだと、前向きに来週に向かいたい。

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2013年1月26日土曜日

2013シルクロードS、根岸S オレの予想を聞いてくれよ

 今週は京都でシルクロードS、東京で根岸Sと、GIの前哨戦が二つ行われる。このうち、シルクロードSのほうはハンデ戦。GIの前哨戦がハンデ戦とはいかがなものか、と思うのは私だけだろうか。

 本日も、前日に引き続き、降雪の恐れがあるため京都の前日発売は中止らしい。午後8時現在、私の住んでいるところ(京都からはひと山を越えたところ)では雪が降り始めた。予定通り行われてほしいものだが、お天道様には逆らえない。

 さて、今週から開催が変わり、京都はAコースからBコースになった。
「その結果、グリーンベルトがなくなり、差しが決まり出す」
という記事をいくつか見たので、土曜の京都の芝レースを注目していた。確かに差しが決まり出したが、かといって先行馬がダメというわけでもなさそう。また、京都の芝1200 mは外枠が不利。となると狙いたいのが内目の先行馬か。
 というわけで、本命は◎アイラブリリ。前走は休み明けのレースを快勝、京都は2-0-0-1と好相性、53 kgのハンデもいい、道悪も前走で克服済みと、好材料だらけだ。
 推奨穴馬はメイショウデイム。淀短距離Sの再現がないか。

 根岸Sは追い切りで絶好の動きを見せたエーシンウェズン

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2013年1月25日金曜日

2013雅ステークス オレの予想を聞いてくれよ

 第1回京都開催は3週間(7日)で終了。今週から京都・東京開催となる。何だか妙な日程だ。
 その初日のメインは雅ステークス。雅といえばやはり京都ということなのだろうか、このレースは毎年京都で行われる。はんなりと的中したいものだ。

 I-PATにログインして人気を見ようと思ったら、何と
「明日の京都は降雪が予想されるため、前日発売は見合わせ」
とのこと。京都に勤めていながら知りませなんだ…。ホンマに降るんやろか。
 中止にはならんだろうということで、予想を進めたい。

 やや手薄なメンバー構成だ。これなら昇級初戦の馬でも勝負になるという見立てで、本命は◎ファイヤー。長距離のレースを2連勝中の登り馬だ。距離短縮が不安視されているが、スタートから長い直線が続く京都1900 mならある程度の位置につけられないか。本格化したいまなら、この距離でも。
 推奨穴馬も昇級組からアドマイヤジャガー。すんなりハナを切れればもう一丁があるかも。

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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...