2015年3月17日火曜日

【書評】湊かなえ『白ゆき姫殺人事件』(集英社文庫)

これぞ、ネット時代のミステリー。


 殺されたのは超美人OL。そのためこの事件は「白ゆき姫殺人事件」と呼ばれることになった。
 一人称による描写から、事件の輪郭が浮かび上がってくる。そしてその一人称が、章ごとに次々と入れ替わる。語り手が変わることで、目まぐるしく変わる犯人像や被害者像。湊氏お得のパターンに今回もグイグイ引き込まれてしまった。

 しかし本書がいままでの湊作品(すべて読んだわけではないが)と違うのは「聞き手」がいて、その聞き手がネットを通じて情報を公開しているところなのだ。すなわち本書は、さまざまな一人称による独白からなるメイン部分と、「聞き手」がネットや週刊誌に書いたことからなるサブ部分の2本立てになっているのだ。
 これにはやられた。こういうネットの利用の仕方があったとは。まさにインターネット時代の新ミステリーと言えるだろう。さらに、それを楽しむのにインターネットに接続する必要がないというのが、またいい。

 湊氏の書くものなのだから、ミステリーの質は高くて当たり前。本作ではさらに、斬新な構成による新時代ミステリーに仕上がっている。脱帽。




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2015年3月16日月曜日

【書評】森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』(角川文庫)

確かにいそう。こんな京大生。


「この本、面白かったわ。京大生には、相変わらずヘンなヤツが多いなあ」
「いや、これ小説なんやけど…」
「え、そうなん? 実話かと思ったわ」
とはちょっと大げさだが、こんな脳内会話をしたくなる京大生(男1名、女1名)が主人公。
 男のほうは、頭でっかちの理系学生。万年床ですべてを済ますという、典型的な(?)男子京大生だ。女のほうは、いわゆる天然ボケの、世間知らずの文系学生。生真面目で純粋なのだが、かなり抜けていて、すれていない女子京大生である。
 実際は、こんな京大生は小説当時もいまも天然記念物なのだろうが
「こんなん、いるいる」
と言いたくなるキャラクターだ。

 その男子学生が、その女子学生を追いかける。いまなら間違いなくストーカー容疑で逮捕されるであろうレベルだ。
 女子学生を追いかける過程で、さまざまな魑魅魍魎が登場する。自称天狗や古書の神様が現れ、宙に浮いたり、過去に手離した古本が出てきたり、ファンタジーな世界が展開する。いつの間にやら異世界に誘われているのだ。
 その舞台が京都というのもまたいい。木屋町や先斗町、下鴨納涼古本まつり、京大の学園祭と、メジャーでこそないが、いかにも京都的な場所やイベントが舞台になっているところが憎い。著者が京大生として、京都で生活していたからこそ書ける、ディープな京都が満載。京阪中書島駅が出てきたときには、歓喜のあまり気を失ってしまった(ウソです)。

 現実の京都や京大生と、ファンタジックな京都をミックスさせた森見ワールド。
「そうだ京都、読もう」
と思ったときには鉄板の一冊。




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2015年3月15日日曜日

【お父さんの週末料理】2015年3月14・15日~お出かけは中止で~

 わが家では土曜、日曜の料理は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。
 家族構成は父(40代前半)、母(年齢非公表)、娘(小1)、息子(年少)の4人である。なお、朝ご飯はパンとヨーグルト程度で済ませているので、特別に何か作ったとき以外は省略する。

今週はスケートに行こうと思っていたのだが、娘が鼻をズルズルさせているので来週に延期。そのため外食も中止になった。

 3月14日(土) 

◆昼ご飯◆
みんな大好き、肉まん・あんまん大会。

<肉まん・あんまん>
今年はあまり食べていなかった気がするので、久々に肉まん・あんまんを主食に。一人1個半ずつ。

<自家製ソーセージ>
わが家には日立のヘルシーシェフというスチーム加熱機能のついたオーブンレンジがある(が、あまり使いこなしていない)。その自動調理メニューに「自家製ソーセージ」があったので作ってみた。豚ミンチに牛乳、砂糖、香辛料などを混ぜてクッキングシートで巻いて自動調理で約1時間。簡単にできたのはよかったのだが、肉汁でレンジがけっこう汚れた。巻き方が悪かったのだろうか?
参考レシピ手作りソーセージ


<ブリの刺身>
スーパーで美味しそうなブリの刺身を発見。即買い。

<コロッケ>
今週もバロー名物、1個18円のコロッケ。一人半個ずつ。

<サバの潮汁>
翌日の晩ご飯用に買ったサバのアラとネギで出汁を取った潮汁。具はタマネギ、ニンジン、エリンギ。写真はあまり美味しそうに見えないが、けっこう好評だった。


<サラダ>
キャベツ、菜の花、サラダほうれん草、キュウリ、プチトマト。

―評 価―
肉まん・あんまんは当然大好評。娘はあんまんが、息子は肉まんが好きだ。刺身も大好物。潮汁も好評で、パクパクと食べ終えた。ソーセージは作り置き用のため、私と息子が一切れずつ味見したのだが、かなり美味しかった。最近のレンジは高機能だ。

◆晩ご飯◆
メインは餃子。

<餃子>
『ていねいなおかず』というレシピ本を参考にした。肉少なめ、キャベツ多めでショウガのきいたレシピ。娘は遊びに行っていたので、息子と二人で包んだ。




<テキトーポタージュ>
娘がたいそう気に入って「今週も食べたいなあ」と言うので、リクエストに応えた。具はタマネギ、じゃがいも、ニンジン。作り方は下記参照。
2月15日

<切り干し大根の煮物>
息子と買い物をしていると「これ食べたいなあ~」と切り干し大根を持ってきたので買った。作り置きにちょうどよい。

<冷たいそば>
ご飯は炊かず、麺類にした。

<サラダ>
キャベツ、菜の花、サラダほうれん草、キュウリ。

<ブリの刺身>
昼と同じもの。

―評 価―
餃子は作るよりも焼くのが難しかったりするが、今回は上手に焼けた。ホットプレートで目の前で焼くと、より美味しく感じるようだ。けっこうたくさん作ったのだが、ほぼ完食。よく食べました。

 3月15日(日) 
◆昼ご飯◆
外食のつもりだったが予定変更。メインはパスタ。

<パスタ(ファルファッレ)>
外食でパスタを食べるつもりだったので、みんな脳内がパスタ状態。「じゃあ家でパスタにしようか」ということになった。娘の希望でリボン型のファルファッレに。ソースはイズミヤで見つけた「魚介を愉しむパスタソース」。私と娘は魚介のトマトクリーム、妻と息子は白のドリアソース…え、ドリアソース? 家に帰ってから気づいた。ちょっと面倒だったが、ファルファッレを茹でてからソースをかけてオーブンで焼いた。

<餃子バーグ>
餃子の種が少し残っていたので焼いた。

<切り干し大根の煮物>
作り置き。

<サラダ>
キャベツ、菜の花、サラダほうれん草、キュウリ。

―評 価―
パスタとドリアはまるで飲み物のように、ごくごくと完食。他もサクサクと食べた。

◆晩ご飯◆
メインはサバの南蛮漬け。

<サバの南蛮漬け>
なぜか南蛮漬けが食べたくなったのだが、適当な魚がなく、サバで代用した。レシピは『続・ていねいなおかず』を参照。サバは3枚におろしたものから骨を取ったのだが、レシピ通りにじっくり揚げるとかなり縮んでしまった。




<ポテサラ>
じゃがいもがたくさんあったので。

<切り干し大根の煮物>
作り置き。

<テキトーポタージュ>
作り置き。

<切り干し大根の煮物>
作り置き。

<自家製ソーセージ>
作り置き。

<ご飯>

―評 価―
南蛮漬けは、娘は全くダメだったが、「すっぱ~」と言いつつも食べ終えたのは偉かった。息子はそれほど気に入らなかったようだが、普通に食べた。私が食べても、確かにかなり酸っぱかった。酢の量を間違えたのだろうかと思ったほど。その他のメニューは好評。娘によると、自家製ソーセージは★★★★☆だそうだ。

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【予想の回顧】フィリーズレビュー、中山牝馬S、中日新聞杯、仁川S(2015)

 今週は阪神でフィリーズR。
 本命◎ムーンエクスプレスは逃げた馬の直後から。直線入り口で先頭に並びかけると、いったんは抜け出したのだが、外と内から差されて3着。差しの決まる流れのなかでよく頑張ったのだろうが、馬券は馬連を買っていたのでハズレ。
 勝ったのはクイーンズリング。馬体が20 kg減っているのを見たときには「シメシメ」と思ったのだが、もろともせず外から一気に差しきった。桜花賞ではこの馬が2番人気になるかもしれない。

 中山では中山牝馬S。
 ◎パワースポットは最後方から。なんぼなんでも、ちょっと後ろすぎないか。4コーナーでは大きく広がった馬群の一番外に持ち出す。外ラチのほうが近いほどの大外だ。
「こりゃ厳しい」
と諦めモードだったのだが、グイグイと伸びて3着まで突っ込んだ。もちろん上がりは最速。外が伸びる馬場のお陰もあっただろうが、いい末脚だった。
 馬券はワイドで買っていたのが正解で、1-3着と2-3着のワイドを取った。

 土曜は中京で中日新聞杯。◎デウスウルトは先行集団の中でピタリと折り合う。よしよし、いい感じだ。以前は折り合いに懸念があった馬とは思えない。直線入り口で少し外に持ち出して前に並びかける。残り400 mから追い出すと、いったんは飲み込まれそうになったが、勝ち馬と併せ馬の形でジリジリと伸びた。最後は粘る逃げ馬を捉えて2着に浮上。重賞初制覇こそ逃したが完全に一皮むけたようだ。次走も追いかけたい。
 勝ったのはディサイファデウスウルトの一列後ろから、グイッと伸びて差しきった。叩き2走目できっちり変わった。
 馬券は馬連をチョロッと取った。

 阪神では仁川S。本命◎マルカプレジオは単勝1.8倍。中団から外に出して追い込むが、前がなかなか止まらない。これは厳しいかと思ったが、最後はクビ差かわして1着。人気ほどの勝ちっぷりではなかったが、期待に応えた。
 馬券はメイショウイチオシとの馬連1点勝負だったのでハズレ。

 今週は4戦2勝で外れた二つも本命馬は1、3着。最終馬連の恩恵もあったのだが、トータルはややマイナス。馬券の買い方は難しい。

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2015年3月14日土曜日

【予想と与太話】フィリーズレビュー、中山牝馬S(2015)~超新星はいるのか~

 今週は阪神でフィリーズR、中山で中山牝馬Sが行われる。
 フィリーズRは桜花賞の前哨戦なのだが、本番とほとんど結びつかない。その原因が距離にあることは明らかなのだが、かといって1600 mにするとチューリップ賞と同じになってしまう。思い切って1800 mにするのもよいかもしれない。

 レースにいってみたい。
 今年は、ここをステップに本番でも活躍する超新星が隠れているだろうか。何だか今年もいないような気がする。
 本命は◎ムーンエクスプレス。阪神JFで0.3秒差の4着に頑張った馬だ。賞金が足りないため、桜花賞に出走するにはここでで権利を取る必要がある。久々でもきちんと仕上げてきた。先週のチューリップ賞や弥生賞を見ると、新興勢力よりも2歳から結果を出してきた馬が優勢。ここもその流れが続くと見た。
 推奨穴馬はノーブルヴィーナス。前走は牡馬相手に健闘。距離短縮も好材料。

 中山牝馬Sはいかにも荒れそうなメンバー。本命は◎パワースポット。内に入れたい。

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2015年3月13日金曜日

【予想と与太話】中日新聞杯、仁川S(2015)~オッサンの星~

 もうすぐ春だなあと思っていたら、今週は寒さがぶり返した。週末はまた暖かくなるようだし、三寒四温で徐々に春が近づいてくるのだろう。

 そんな土曜は中京で中日新聞杯が、阪神で仁川Sが行われる。
 中日新聞は地方紙では日本一の部数を誇る大新聞。三河にある妻の実家ももちろん中日新聞だ。何かネタはないかグーグル先生に聞いてみると、何と滋賀県版があるらしい。滋賀県に住んでいながら知りませなんだ。
 滋賀県(特に北西部)はかなり東海地方の文化が入っているということなのだろう。滋賀県では最近バローというスーパーが増えているが、これも東海地方の企業である。

 レースにいってみたい。
 中日新聞杯は中京競馬場の改修を機にこの時期に移ってから今回で4回目。過去3回の勝ち馬の人気は6→5→10とけっこう荒れている。今年はどうか。
 という前振りとは関係なく、本命は◎デウスウルト。もしかすると1番人気かもしれない。昨秋にほぼ1年ぶりの勝ち星を挙げてオープン入りすると、その後は重賞で2、3着。7歳にして一皮むけた。折り合いがつくようになり、それが最後のひと伸びにつながっている。オッサン(セン馬なのでオバサン?)になっても進化できるのだなあ。私も見習わねば。
 推奨穴馬はアドマイヤフライト。距離短縮で。

 仁川Sは人気でも◎マルカプレジオ。相手に恵まれたここはチャンス。

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2015年3月11日水曜日

映画評『ラストミッション』

もつべきものはパパ友

 ケビン・コスナー主演のスパイアクション。余命3カ月を宣告され、CIAから身を退いて家族と暮らすことを決意する敏腕スパイのイーサン。しかし謎の美人同僚により、否応なく最後の仕事「ラストミッション」に巻き込まれてしまう。L.ベッソンの脚本が期待を裏切る訳はなく、追いつ追われつのドキドキの展開は見応え十分だ。
 しかし本作はただのスパイアクション映画ではない。真の見所はそこではなく「親娘関係」なのだ。イーサンには16歳の娘がおり、離婚時代に冷え切った関係を何とか修復しようとする。スパイとしてのラストミッションと、父親としてのラストミッションが並行して展開し、相乗効果でより楽しい作品に仕上がっている。
 もつべきものは「パパ友」ということらしい。7歳の娘をもつ父として、たいへん参考になった(?)。娘をもつ人なら、より入り込めるだろう。




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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...