2015年3月11日水曜日

映画評『ラストミッション』

もつべきものはパパ友

 ケビン・コスナー主演のスパイアクション。余命3カ月を宣告され、CIAから身を退いて家族と暮らすことを決意する敏腕スパイのイーサン。しかし謎の美人同僚により、否応なく最後の仕事「ラストミッション」に巻き込まれてしまう。L.ベッソンの脚本が期待を裏切る訳はなく、追いつ追われつのドキドキの展開は見応え十分だ。
 しかし本作はただのスパイアクション映画ではない。真の見所はそこではなく「親娘関係」なのだ。イーサンには16歳の娘がおり、離婚時代に冷え切った関係を何とか修復しようとする。スパイとしてのラストミッションと、父親としてのラストミッションが並行して展開し、相乗効果でより楽しい作品に仕上がっている。
 もつべきものは「パパ友」ということらしい。7歳の娘をもつ父として、たいへん参考になった(?)。娘をもつ人なら、より入り込めるだろう。




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