2015年4月16日木曜日

【書評】スティーブ・キング『幸運の25セント硬貨』(新潮文庫)

初めて読んだスティーブ・キング。受験生にお勧め(?)


 以前から読もうと思っていた、スティーブ・キングの小説をついに読んだ。細部の描写、特に内面の描写がすごい。どのようにすごいかというと(ちょっと言葉は悪いが)、「えげつない」のだ。ドロドロ、ヌメヌメした人の内面を「これでもか」としつこく突きつけてくる。ちょっとホラーっぽい雰囲気だ。
 欧米の小説特有の細かい描写(悪くいえばくどさ)が好きな人には外せない作家だろう。というか、スティーブ氏こそが、その代表選手と言えるのかもしれない。

 本書には七つの短編が収められている。最も印象に残ったのは「ゴーサム・カフェで昼食を」だ。冒頭から、ゴーサム・カフェで惨事が起きることが暗示されるのだが、ああいう形で来るとは…。これ以上のハードラックがあり得るのだろうか。主人公のあまりのツイてなさぶりに、自分が超恵まれた環境にいるように思えてしまう。

 少々物足りなかったのは「オチ」だ。どうもオチが弱いというか、「あれ、こんな終わり方でいいんですか?」という感じなのだ。私の理解が足りないだけで、読む人が読めば、ちゃんとオチているのだろうか。
 面白いけれどもオチない小説。受験生にお勧めしたい。




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2015年4月12日日曜日

【お父さんの週末料理】2015年4月12日~タケノコの季節~

 わが家では土曜、日曜の料理は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。
家族構成は父(40代前半)、母(年齢非公表)、娘(小1)、息子(年少)の4人である。なお、朝ご飯はパンとヨーグルト程度で済ませているので、特別に何か作ったとき以外は省略する。

 土曜日は私が家を空けていたため、妻が作ってくれたので、日曜日のみ。タケノコの美味しい季節になってきた。

 4月12日(日) 

◆昼ご飯◆
 予定外だったが、お焼きがメインになった。

<お焼き>
 スープに入れる鶏団子を作ったところ、ミンチが少なすぎてゆるゆるになってしまったので、予定を変更してお焼きにした。鶏ミンチと卵を混ぜ、中華スープの素とオイスターソースで味付けしたものを焼いた。

<ハムタマスープ>
 みじん切りのタマネギを炒めて、ハムとともにダシを取った。具はニンジン、かまぼこ、シメジ。

<タケノコご飯>
 タケノコの季節に定番のメニュー。生のタケノコを茹でたらもっと美味しいのだろうが、時間がないので既製品の水煮から作った。



<鶏肉のソテー>
 昨日の残り。妻の作ったもの。

<サラダ>
 レタス、キュウリ、ニンジン、トマト、ワカメ、ミックスビーンズ。

<若竹煮>
 残ったタケノコを若竹煮に。


―評 価―
 予定変更して作ったお焼きが意外に好評。タケノコご飯はタケノコが少し硬かった。

◆晩ご飯◆
 メインはサンマのトマトソース。晩ご飯用に作ったのはこの一品だけ。

<サンマのトマトソース>
 冷凍サンマを3枚におろして腹骨をとり、小麦粉をまぶして、多めの油で揚げ焼きに。ソースは、タマネギ、ピーマン、ニンジン、パブリカのみじん切りを炒め、そこへ湯むきしたトマトを投入。トマトの水分で煮るのがコツ。味付けはコンソメ、塩、ダシ醤油。

<ハムタマスープ>
 昼と同じ。

<タケノコご飯>
 昼と同じ。

<サラダ>
 昼と同じ。

<若竹煮>
 昼と同じ。

―評 価―
 サンマのトマトソースは娘の大好物で、今日も美味しく食べた。息子も細かい骨をそれほど気にせず魚が食べられるようになってきた。

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【予想の回顧】桜花賞、阪神牝馬S、NZT(2015)

 今週は桜花賞。
 まずはパドックをチェック。本命予定のキャットコインは-12 kg。かなり脾腹が巻き上がって見える。心配が現実になってしまったようだ。というわけで、予想の段階でも書いていたように本命を◎レッツゴードンキに変更した。
 レースではレッツゴードンキが抑えられない感じでハナに立ってしまった。阪神1600 mを逃げ切るのは至難の業。「こりゃいかん」と諦めモードだ。ところがレースはかなりのスローで流れ、レッツゴードンキは手応えよく直線へ。すると、後続をグイグイ引き離して4馬身差で圧勝のゴールイン。驚いた。
 外から飛んできたクルミナルが2着。ディープ産駒の巻き返しがあると思っていたので、きちんと抑えており、馬連を取った。久々に気持ちよく的中。

 土曜は阪神牝馬S。
 ◎ウリウリはうまく内に潜り込み、ラチ沿いを追走。ただ、昨年よりは少し後ろの位置取りだ。直線では馬群をさばいてきたが、前が開いたときには時すでに遅し。前の2頭には届かず、3着に終わった。もう少し前につけたかったのだろうが、外枠では難しかったか。
 勝ったのはカフェブリリアント。3連勝で重賞勝ちを決めた。ブライアンズタイム産駒最後の重賞勝ち馬になるかもしれない。

 中山ではNZT。
 ◎アルマワイオリは後方をかかり気味に進む。直線ではいつも通り大外へ。いい脚で追い込んできたのだが、前には届かず後ろには差され、3着。かかった分、切れなかったか。
 勝ったのはヤマカツエース。中団から、早め先頭で押し切った。少し時計のかかる馬場が合うのかもしれない。
 驚いたのは2着のグランシルク。大きく出遅れたときは「シメシメ」と思ったのだが、大外から1頭だけ桁の違う脚で伸びてきた。次走のGIが楽しみだ。

 今週は3戦1勝だったが、桜花賞のお陰でプラス収支を計上。来週もこの調子でいきたい。

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2015年4月11日土曜日

【予想と与太話】桜花賞(2015)~過去の無敗の桜花賞馬~

 今週は桜花賞。すでに二つのGIが終わっているが「いよいよ始まるぞ」と感じるのは私だけではないようで、岩田騎手がコラムに同じことを書いていた。

 今年は3戦0勝の馬が3頭いるなど、ハイレベルという前評判だ。そこで、無敗の桜花賞馬はいつ以来だろうかと調べてみた。
 2004年のダンスインザムードが最も新しい無敗の桜花賞馬だ。桜花賞が4戦目で、単勝1番人気に応えての勝利だった。
 その前はというと、何と1991年のシスタートウショウまでさかのぼる。この馬も桜花賞が4戦目。3戦無敗でチューリップ賞の勝ち馬だったのだが、なぜか4番人気。その低評価(?)をあざ笑うかのように、4角先行から押し切った。阪神が改修中だったのか京都で行われた桜花賞だったようだ。
 シスタートウショウと角田晃一のコンビは覚えているが、桜花賞の詳細はあまり記憶にないなあ。約25年も前のことだから当たり前か。

 レースにいってみたい。
 ルージュバックがかなりの人気を集めている。本当に怪物なのかどうか、今回ではっきりするだろう。上記1991年のイソノルーブルの例もあるし、他の馬から入りたい。この馬が来たらしゃーない。
 本命は◎キャットコイン。3戦無敗のうちの一頭だ。今年はクイーンカップのレベルが高かったと独断。その勝ち馬を本命に推す。好成績をあげている関東馬の栗東留学なのも心強い。ただ、馬体を減らしているようなのが少し心配。大幅に減っているようなら本命変更も。
 そのときは、○レッツゴードンキが繰り上がりの本命候補。これもハイレベルだったと独断している阪神JFの最先着馬。折り合えば。
 キャットコインが意外に人気がない(現在6番人気)なので推奨穴馬はナシ。

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2015年4月10日金曜日

【予想と与太話】阪神牝馬S、ニュージーランドT(2015)~残念な重賞?~

 新年度が始まったが、わが家は生活スタイルに大きな変化はナシ。娘も息子も、新しいクラスを楽しんでいるようだ。

 そんな土曜は阪神で阪神牝馬ステークスが、中山でニュージーランドトロフィーが行われる。ニュージーランドTは今回で33回目を迎える、中堅どころ(?)の重賞。かつてはクラシックに出られないマル外馬たちが鬱憤を晴らすレースだった。勝ち馬にはオグリキャップ(マル外ではないが、クラシックには出られなかった)やヒシアマゾンなどの名が見られる。
 その後、NHKマイルCのGI化に伴いそのトライアルとなったが、近年は本番との結びつきもイマイチで、残念な感じの重賞になってしまった。今年はどうだろうか。

 予想は阪神牝馬Sを中心に。
 別定GIIにしては、やや手薄なメンバー。今年は、ヴィクトリアマイルとはあまり結びつかないかもしれない。
 本命は◎ウリウリ。昨年、本命の期待に応えて2着に頑張ってくれた馬だ。その後の結果がパッとしないが、GI(ヴィクトリアマイル)意外はそれほど大きく負けていないし、このメンバーなら昨年の再現がないか。
 推奨穴馬はダンスアミーガ、と思っていたらそこそこ人気しそうだ。それならもう一頭、コナブリュワーズ。昨夏以降、7戦4勝と軌道に乗ってきた。

 ニュージーランドTは◎アルマワイオリが本命。実績を信頼。

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2015年4月9日木曜日

【書評】佐藤健太郎『ふしぎな国道』(講談社現代新書)

国道とマニアが、これほど相性がよいとは


 本書に出会うまで、国道マニアという存在すら知らなかったのだが、なるほど奥が深い。そして面白い。国道がオタク心をそそるのも、おおいに納得だ。

 日本全国に張り巡らされた国道。
「国の管轄下にあるからには、しっかり管理された道ばかりであるに違いない」
という固定観念、思い込み、妄想(?)は、木っ端みじんに打ち砕かれた。奇妙な国道が次々に紹介され、国道の概念を覆していく。
 車が走れないなんてのは当たり前。階段やエレベーターの国道もあれば、落石が放置されている国道もある。中には
「通るな、危険」
と警告されている国道まであるらしい。なんてこった。ちなみに、こういう酷い国道のことを、マニアは「酷道」というそうだ。

 そういう奇妙な国道や酷道の紹介から始まり、国道の歴史やレコード(最長、最短、最も急な坂など)を解説し、国道標識のうんちくがそれに続く。国道とマニアの相性がこれほどよいとは…。日本には多数の国道マニアが生息しているというのも頷ける。

 本書を読んだ理由の一つが、著者の佐藤氏が化学出身のライターだからなのだが、本書と化学は何の関係もなかった。きっと佐藤氏が研究者だった頃は
「学会に行ってきます」
とか言って、周辺の国道を散策していたに違いない。うらやましいぞ(?)

 本書を読んで、私もマニア心が動かされた。まずは軽く、通った国道を写真に収めることから始めてみようか。旅行の楽しみが一つ増えた気がするが、家族には嫌がられそうだなあ…。




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2015年4月8日水曜日

【書評】東野圭吾『天空の蜂』(講談社文庫)

東日本大震災の前に書かれた原発小説


 敦賀の原発上空に、突如、無人運転の巨大ヘリコプターが飛来。犯人は原発を人質に、日本全国の原発を破壊することを要求する。ヘリは落ちるのか、落ちないのか。原発はヘリの落下に耐えられるのか、耐えられないのか。逃げまどう周辺住民と、うろたえる日本政府。ハラハラドキドキのパニック小説…と思わせておいて、それが主題ではないのが東野氏らしい。

 では何が主題なのか。それは、原発の是非だ。東日本大震災後は原発の是非が改めて議論されたが、本作品はその前に書かれたものである。そして、本作品で最も糾弾されるのは「沈黙する群衆」なのだ。
 原発に反対するわけではなく、電気をジャブジャブ使う。原発がなぜお台場や大阪湾にないのか、その意味は考えようともしない。そのくせ、敦賀湾で海水浴をした人が白血病になれば、原発のせいだと断じる。まさに大震災前の、典型的な日本人ではないだろうか。
 スリーマイル、チェルノブイリ、東海村、東日本大震災。いずれまた、原発は事故を起こす。それでも原発に頼るのか、それとも別の道をいくのか。そういう問いを、改めて突きつけられた。東日本大震災前に書かれた作品だということが、逆にリアルである。

 震災後直後こそ原発について盛んに議論されたが、われわれはまた「沈黙する群衆」に戻ってはいないだろうか。




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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...