小川氏の気合いが感じられる一冊
小川一水氏による、長編大河SFシリーズの最初の一話。全十話で完結予定で、現在は第九話まで出版されている。完結してから一気に読もうと思っていたのだが、我慢しきれず読み始めてしまった。
前半はやや退屈だったのだが、物語が動き始めると、そこからは一気呵成に最後まで一直線。そしてラストシーンには唖然呆然。小川氏の気合いを見て取った。
「これから、やりまっせ」
という、読者への宣言なのだろう。
多くの謎が残されているが、最初の一話なのだから当たり前。これらの伏線がどのように回収されていくのか、小川氏の腕の見せ所だ。
さっそく第二話を買って読み始めてしまった。やばい…。
【あらすじ】
時は29世紀初頭。地球から遠く離れた植民星では、若き統治者がすべての資源を握って独裁体制を築いていた。ついに人々は立ち上がり、革命を志す。そこにアンドロイドである《恋人たち(ラバーズ)》、原住生物の《石工(メイスン)》、謎の生物である《咀嚼忍(フェロシアン)》などが絡み、いかにもSF的な多彩なキャラクターが物語を彩る。敵(統治者)側の面々も個性的で、いい味を出している。
果たして革命は成功するのか。そして、この星には何が隠されているのか。大河小説の冒頭を飾るにふさわしい、壮大なストーリー。
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