土曜は函館2歳S。
「8枠に2頭の地方馬が入ったのは何かのサインか」と8枠から勝負したが、9着と15着。穴を狙いにいった結果なので、仕方なかろう。
中京土曜メインは桶狭間S。◎エアウルフは中団からの競馬。スタートの芝で行き脚がつかなかったのかと少し心配したが、直線では馬群を割り、差しきってさらに3馬身差をつける完勝劇。見事、期待に応えてくれた。2着にも推奨穴馬のアイアムルビーが入り馬券をゲットしたのだが、穴馬のはずのアイアムルビーが4番人気だったのはちょっと残念。
土曜は函館記念。本命の◎トランスワープは中団後方の内々を追走。3、4コーナーで前との差を徐々に詰める。4コーナーで窮屈になる場面もなんのその、直線で前が開くと鋭く抜け出して完勝。こちらも期待に応えてくれた。
2着争いは馬券を押さえていたミッキーパンプキンが粘るところに、外からイケトップガンが襲いかかる。
「やめてくれ~」
との叫びも虚しく、ハナ差かわされて馬券はハズレ。イケトップガンの激走は予想できなかったなあ…。無念。
ジュライSは、◎ローマンレジェンドが期待通りの圧勝。直線の入り口で2着馬に並びかけ、しばらくそのまま並走し、いざ追い出すとグイグイ差を広げて6馬身の差をつけた。ゴルトブリッツに並ぶ、スペシャルウィーク産駒のダートでの活躍馬となりそうだ。
2、3着も人気の馬が来て「堅く収まるだろう」という予想の通りになったのだが、馬券はグレープブランデーとの1点勝負だったためハズレ…。なんてこった。
今週は4戦中3戦で◎が1着という大勝利のチャンスだったのだが、獲ったのは1レースのみで、しかもトントン。馬券は難しい…。
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2012年7月15日日曜日
「続」息子の散髪、大失敗の巻
先週末、息子の髪をばっさり切って大失敗したことはすでにお伝えした。このままでは息子がかわいそうというのもあったが、それよりも親が恥ずかしいので、やり直すことにした。
前回の反省をふまえ、髪の毛用のバリカンと、散髪用のケープを購入。準備は万端である。
今回はケープのお陰で嫌がることもなく、お利口に切らせてくれる。また、ケープがあると手が出せないので、ハサミで手を切る心配がない。これもいい。
そして、バリカンの3、6、9、12 mmのアタッチメントを駆使し、髪を整えていく。やはり散髪は、ヒゲ剃り用ではなく髪の毛用のバリカンに限る(当たり前や)。
その結果がこちら。
まだ先週の傷跡が少し残っているし、家で切ったのは丸わかりだが、恥ずかしくない程度にはなっただろう。
結論:散髪は準備を整えてから行いましょう。特にケープは必須です。
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前回の反省をふまえ、髪の毛用のバリカンと、散髪用のケープを購入。準備は万端である。
今回はケープのお陰で嫌がることもなく、お利口に切らせてくれる。また、ケープがあると手が出せないので、ハサミで手を切る心配がない。これもいい。
そして、バリカンの3、6、9、12 mmのアタッチメントを駆使し、髪を整えていく。やはり散髪は、ヒゲ剃り用ではなく髪の毛用のバリカンに限る(当たり前や)。
その結果がこちら。
まだ先週の傷跡が少し残っているし、家で切ったのは丸わかりだが、恥ずかしくない程度にはなっただろう。
結論:散髪は準備を整えてから行いましょう。特にケープは必須です。
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2012年7月14日土曜日
書評 杉本正信『人は120歳まで生きられる ―寿命の分子生物学』(ちくま新書)
120歳まで生きたい人、必読!
というのはウソではないが、この本を読んだからといって必ず120歳まで生きられるわけではない(当たり前やけど)。
本書では、人が120歳まで生きられること、逆にいうとどれだけ頑張っても120歳までしか生きられないことが、さまざまな科学的知見から示される。著者の杉本さんの専門分野のためだろうが、おもに分子生物学的な視点からの話が多い。そのため副題が「寿命の分子生物学」となっている。
たとえば第2章では、テロメアがテーマである。細胞の分裂回数という観点から、ヒトの寿命が120歳であることが示される。細胞は際限なく分裂できるわけではなく、分裂回数の上限が決まっているのだ。その上限に達するのが、だいたい120歳だというわけだ。
そして、細胞の能力を最大限に発揮して120歳に近づくためには、日常生活でどのような点に気を配ればよいかも書かれている。すなわち「長生きの秘訣」が示されている。
その他には代謝系、免疫系、DNA、がんをテーマにした章が設けられ、それぞれの観点からヒトの寿命を分子生物学的に探っていく。どの観点から見てもだいたい寿命が120歳となっているのは、偶然の一致なのか、それとも何かの必然なのか。興味深い。
120歳とまでは言わなくても、なるべく長生きしたいと思っている人は本書を読んで損はない。長寿の仕組みが科学的に書かれているので、本書を読んでおけば、変な高額健康食品に手を出して損することもなくなるだとう。
ただし、本書はけっこう難しい。細胞や遺伝について、少なくとも中学校程度の知識は必要である。
本書に書かれているように、どれだけ頑張ってもヒトは120歳までしか生きられないのか、それともiPS細胞に代表される新発見が新しい医療を切りひらき、遺伝子の壁を乗り越えてどんどん寿命を伸ばしていくのか。
私が生きている間は難しいかもしれないが、このまま科学や医学が進歩していけば、私はヒトの寿命は120歳を超えていくと思う。
そんな未来を夢見ながら、毎晩ビールを飲んで寿命を縮めている私であった…。
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というのはウソではないが、この本を読んだからといって必ず120歳まで生きられるわけではない(当たり前やけど)。
本書では、人が120歳まで生きられること、逆にいうとどれだけ頑張っても120歳までしか生きられないことが、さまざまな科学的知見から示される。著者の杉本さんの専門分野のためだろうが、おもに分子生物学的な視点からの話が多い。そのため副題が「寿命の分子生物学」となっている。
たとえば第2章では、テロメアがテーマである。細胞の分裂回数という観点から、ヒトの寿命が120歳であることが示される。細胞は際限なく分裂できるわけではなく、分裂回数の上限が決まっているのだ。その上限に達するのが、だいたい120歳だというわけだ。
そして、細胞の能力を最大限に発揮して120歳に近づくためには、日常生活でどのような点に気を配ればよいかも書かれている。すなわち「長生きの秘訣」が示されている。
その他には代謝系、免疫系、DNA、がんをテーマにした章が設けられ、それぞれの観点からヒトの寿命を分子生物学的に探っていく。どの観点から見てもだいたい寿命が120歳となっているのは、偶然の一致なのか、それとも何かの必然なのか。興味深い。
120歳とまでは言わなくても、なるべく長生きしたいと思っている人は本書を読んで損はない。長寿の仕組みが科学的に書かれているので、本書を読んでおけば、変な高額健康食品に手を出して損することもなくなるだとう。
ただし、本書はけっこう難しい。細胞や遺伝について、少なくとも中学校程度の知識は必要である。
本書に書かれているように、どれだけ頑張ってもヒトは120歳までしか生きられないのか、それともiPS細胞に代表される新発見が新しい医療を切りひらき、遺伝子の壁を乗り越えてどんどん寿命を伸ばしていくのか。
私が生きている間は難しいかもしれないが、このまま科学や医学が進歩していけば、私はヒトの寿命は120歳を超えていくと思う。
そんな未来を夢見ながら、毎晩ビールを飲んで寿命を縮めている私であった…。
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2012函館記念、ジュライステークス オレの予想を聞いてくれよ
今週は土・日と二日続けて函館で重賞があるという、珍しい日程になっている。なかなか面白い試みだと思う。
函館のフィナーレを飾るのは、今年で48回目を迎える函館記念。函館の名物レースといってよいだろう。かつてエリモハリアーの三連覇があったように、北海道大好きホースがここぞとばかりに走るレースだ。今年のメンバーの中で、どの馬が北海道好きなのか、ぜひ馬に聞いてみたいところだ。飼い葉にジンギスカンを混ぜている馬がいるとか、いないとか。
さてメンバーを見てみると…、失礼を承知で言うなら、今年の古馬重賞で最もレベルの低いレースかもしれない。この独断失礼前評判を覆すような強い勝ち馬が出ることを期待したい。
私の本命は◎トランスワープ。前走、前々走と福島で1番人気を裏切っているが、そのお陰で54 kgとハンデに恵まれた。もう7歳のセン馬だが、ここが19戦目とまだ伸びしろはある。イカが大好物というこの馬に期待したい(ウソです)。
推奨穴馬は、北海道大好きホースのマヤノライジンとゴールデンハインドに加え、最後のサンデーサイレンス産駒アクシオン。
中京メインはジュライS。「たしか東のレースじゃなかったか」と思ったのだが、過去4年は阪神で行われており、今年に中京に移ってきたレースらしい。どうも何か別のレースと勘違いしているようだ。40歳も近くなると、記憶もいい加減である。
本命は◎ローマンレジェンド。ここは通過点だろう。相手も順当に収まりそうだが、状態さえ戻っていればグレープブランデーか。
強いて挙げるなら推奨穴馬はタマモクリエイト。左回りは得意。
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函館のフィナーレを飾るのは、今年で48回目を迎える函館記念。函館の名物レースといってよいだろう。かつてエリモハリアーの三連覇があったように、北海道大好きホースがここぞとばかりに走るレースだ。今年のメンバーの中で、どの馬が北海道好きなのか、ぜひ馬に聞いてみたいところだ。飼い葉にジンギスカンを混ぜている馬がいるとか、いないとか。
さてメンバーを見てみると…、失礼を承知で言うなら、今年の古馬重賞で最もレベルの低いレースかもしれない。この独断失礼前評判を覆すような強い勝ち馬が出ることを期待したい。
私の本命は◎トランスワープ。前走、前々走と福島で1番人気を裏切っているが、そのお陰で54 kgとハンデに恵まれた。もう7歳のセン馬だが、ここが19戦目とまだ伸びしろはある。イカが大好物というこの馬に期待したい(ウソです)。
推奨穴馬は、北海道大好きホースのマヤノライジンとゴールデンハインドに加え、最後のサンデーサイレンス産駒アクシオン。
中京メインはジュライS。「たしか東のレースじゃなかったか」と思ったのだが、過去4年は阪神で行われており、今年に中京に移ってきたレースらしい。どうも何か別のレースと勘違いしているようだ。40歳も近くなると、記憶もいい加減である。
本命は◎ローマンレジェンド。ここは通過点だろう。相手も順当に収まりそうだが、状態さえ戻っていればグレープブランデーか。
強いて挙げるなら推奨穴馬はタマモクリエイト。左回りは得意。
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2012年7月13日金曜日
2012桶狭間ステークス、函館2歳ステークス オレの予想を聞いてくれよ
今週から新潟開催が始まり、函館は今週で終わり、中京は来週までと、相変わらず気持ちの悪い日程が続いている。精神衛生上よくないので、今年限りにしてほしい。
そんな中京の土曜メインは桶狭間S。先週の関ヶ原Sに続き、戦国時代の合戦の舞台がレース名だ。桶狭間の戦いといえば、織田信長が今川義元を討ち果たし、一躍スターダムにのし上がった合戦である。今年のレースを制し、スターへの階段を上るのはどの馬か。
ところで桶狭間の戦いは、信長が奇襲をかけて義元を討ち取ったというのがかつての定説であり、私も歴史読み物などで(もしかして教科書でも)そのように学んだものだ。しかし現在では、信長は奇襲ではなく正攻法で義元を討ち取ったというのが有力な説だそうだ。歴史の教科書も時代とともに変わっていくんだなあ。
歴史小話はこれくらいにしておいて、レースにいってみたい。
桶狭間の戦いのときのように、いまも雨が降っており、明日は良馬場は見込めそうにない。馬場にも注意を払いたいところだ。
私の本命は◎エアウルフ。重馬場、左回りともに得意のこの馬に期待したい。距離短縮に戸惑わなければ圧勝まであるかも。
降級のシゲルソウサイが人気になりそうだが、近走がやや物足りない成績。少し評価を下げる。
推奨穴馬は少し多め。内からヒシコモンズ、ファンドリカップ、グローリールピナス、アイアムルビー。競馬ブックの短評にも「惑星注意」とあるように、激走の香りのする穴馬がたくさんいる。
函館2歳Sは8枠から勝負したい。この時期の2歳戦は何が来てもおかしくない。ミータローとシーギリヤガールの2頭の地方馬の激走がないか。
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そんな中京の土曜メインは桶狭間S。先週の関ヶ原Sに続き、戦国時代の合戦の舞台がレース名だ。桶狭間の戦いといえば、織田信長が今川義元を討ち果たし、一躍スターダムにのし上がった合戦である。今年のレースを制し、スターへの階段を上るのはどの馬か。
ところで桶狭間の戦いは、信長が奇襲をかけて義元を討ち取ったというのがかつての定説であり、私も歴史読み物などで(もしかして教科書でも)そのように学んだものだ。しかし現在では、信長は奇襲ではなく正攻法で義元を討ち取ったというのが有力な説だそうだ。歴史の教科書も時代とともに変わっていくんだなあ。
歴史小話はこれくらいにしておいて、レースにいってみたい。
桶狭間の戦いのときのように、いまも雨が降っており、明日は良馬場は見込めそうにない。馬場にも注意を払いたいところだ。
私の本命は◎エアウルフ。重馬場、左回りともに得意のこの馬に期待したい。距離短縮に戸惑わなければ圧勝まであるかも。
降級のシゲルソウサイが人気になりそうだが、近走がやや物足りない成績。少し評価を下げる。
推奨穴馬は少し多め。内からヒシコモンズ、ファンドリカップ、グローリールピナス、アイアムルビー。競馬ブックの短評にも「惑星注意」とあるように、激走の香りのする穴馬がたくさんいる。
函館2歳Sは8枠から勝負したい。この時期の2歳戦は何が来てもおかしくない。ミータローとシーギリヤガールの2頭の地方馬の激走がないか。
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2012年7月11日水曜日
息子の散髪、大失敗の巻
つい先週まで、息子(2歳過ぎ)はこんな髪型だった。
これはこれで可愛らしいのだが、前髪を切りすぎるとクソガキ風になってしまうため、短くなりすぎないようにしなければならない。そうすると、しばしば散髪が必要である。また、これから夏に向けて、本人も短いほうがスッキリ気持ちいいだろうということで、思い切って短くすることにした。
ところが、頼りのバリカン(ただし、本職はヒゲ剃り用)が思いのほか機能しない。さらに、果敢にもマントなしでバサバサやり始めたため、首筋に髪の毛が入り、息子が激しく嫌がり始めた。
ここまでの状況を平たく言えば
「もう目茶苦茶」
である。しかしこのときの息子の頭は、長い部分と短い部分が入り乱れるという、前衛的な髪型である。ここで散髪をやめてしまっては、虐待を疑われるのが関の山だ。何とかして、最低限のかたちを整えねばならない。息子もそれを察知したのか、泣き叫びながらも何とか切らせてくれた。その結果がこちら…。
バリカンで刈った部分と、ハサミでジョキっといってしまった部分が点在するという、いかにも
「お父さんが散髪に失敗しました~」
な髪型になってしまった。スマン。許せ、息子よ。
本人的には、短くなってスッキリしたのかご機嫌なのが救いだが、親はちと恥ずかしい。というわけで、急遽、髪の毛用のバリカンと散髪用のマントを購入し、今週末に再度髪の毛を整えることにした。その結果は(うまくいけば)来週報告したい。
続きはこちら(「続」息子の散髪、大失敗の巻)。
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これはこれで可愛らしいのだが、前髪を切りすぎるとクソガキ風になってしまうため、短くなりすぎないようにしなければならない。そうすると、しばしば散髪が必要である。また、これから夏に向けて、本人も短いほうがスッキリ気持ちいいだろうということで、思い切って短くすることにした。
ところが、頼りのバリカン(ただし、本職はヒゲ剃り用)が思いのほか機能しない。さらに、果敢にもマントなしでバサバサやり始めたため、首筋に髪の毛が入り、息子が激しく嫌がり始めた。
ここまでの状況を平たく言えば
「もう目茶苦茶」
である。しかしこのときの息子の頭は、長い部分と短い部分が入り乱れるという、前衛的な髪型である。ここで散髪をやめてしまっては、虐待を疑われるのが関の山だ。何とかして、最低限のかたちを整えねばならない。息子もそれを察知したのか、泣き叫びながらも何とか切らせてくれた。その結果がこちら…。
バリカンで刈った部分と、ハサミでジョキっといってしまった部分が点在するという、いかにも
「お父さんが散髪に失敗しました~」
な髪型になってしまった。スマン。許せ、息子よ。
本人的には、短くなってスッキリしたのかご機嫌なのが救いだが、親はちと恥ずかしい。というわけで、急遽、髪の毛用のバリカンと散髪用のマントを購入し、今週末に再度髪の毛を整えることにした。その結果は(うまくいけば)来週報告したい。
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2012年7月10日火曜日
書評 喜多喜久『ラブ・ケミストリー』(宝島社文庫)
正直「化学を扱ったというのが珍しいだけで、ストーリーとしてはたいしたことないんじゃないの?」と思っていた。ごめんなさい。私が悪うございました(誰に謝ってるねん)。本書は、化学(ケミストリー)をまったく知らない人でも堪能できる、上質のミステリーである。
主人公は東大農学部の大学院生である藤村桂一郎。有機化学の分野で全合成の研究をしている。全合成とは、ある化合物を人工的に合成するルートを確立する研究分野である(詳しくは本書を読んでいただきたい)。藤村はある特殊能力をもち、そのため天才的な研究成果をあげてきたのだが、ひょんなことからその能力が消えてしまう。ひょんなこととは…ラブ、すなわち恋愛だ。そこへ、とある魔女(?)が登場。藤村の特殊能力を取り戻す手伝いをするのだという。
「果たして藤村は能力を取り戻せるのか?」
「恋愛の行方は?」
「藤村に恋愛感情を抱き、魔女を呼んだ人物は誰なのか?」
ハラハラ・ドキドキの展開で、一気に読み終えた。
科学者を主人公に据えたミステリーは多々あるが、そのほとんどは数学者、物理学者、医者などであり、化学者が主役の話は珍しい。さらに、探偵役ではなく、一介の大学院生というところがまた面白い。
本書を楽しむのに、化学の知識がなくてもまったく問題ない。化学はいうなれば横糸であり、ミステリーの本筋とはほとんど関係ない。化学ではなく数学でも経済学でも話は成り立つ。
しかし、本書の魅力はやはり化学にある。化学の魅力、全合成の醍醐味、理系ラボの雰囲気、東大理系男子の生態、これらが生き生きと書かれており、爽やかなストーリーに仕上がっている。喜多さんの専門知識が存分に、しかし押しつけがましくないかたちで生かされている。
数学、物理学、医学、薬学、バイオ系などに比べ、どこか地味で小説のテーマになりにくかった化学だが、喜多さんによってその壁は破られた。喜多さんからはすでに『猫色ケミストリー』という第二作目が上梓されている。この調子で、どんどん「ケミステリー」の世界を広げていっていただきたい。
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主人公は東大農学部の大学院生である藤村桂一郎。有機化学の分野で全合成の研究をしている。全合成とは、ある化合物を人工的に合成するルートを確立する研究分野である(詳しくは本書を読んでいただきたい)。藤村はある特殊能力をもち、そのため天才的な研究成果をあげてきたのだが、ひょんなことからその能力が消えてしまう。ひょんなこととは…ラブ、すなわち恋愛だ。そこへ、とある魔女(?)が登場。藤村の特殊能力を取り戻す手伝いをするのだという。
「果たして藤村は能力を取り戻せるのか?」
「恋愛の行方は?」
「藤村に恋愛感情を抱き、魔女を呼んだ人物は誰なのか?」
ハラハラ・ドキドキの展開で、一気に読み終えた。
科学者を主人公に据えたミステリーは多々あるが、そのほとんどは数学者、物理学者、医者などであり、化学者が主役の話は珍しい。さらに、探偵役ではなく、一介の大学院生というところがまた面白い。
本書を楽しむのに、化学の知識がなくてもまったく問題ない。化学はいうなれば横糸であり、ミステリーの本筋とはほとんど関係ない。化学ではなく数学でも経済学でも話は成り立つ。
しかし、本書の魅力はやはり化学にある。化学の魅力、全合成の醍醐味、理系ラボの雰囲気、東大理系男子の生態、これらが生き生きと書かれており、爽やかなストーリーに仕上がっている。喜多さんの専門知識が存分に、しかし押しつけがましくないかたちで生かされている。
数学、物理学、医学、薬学、バイオ系などに比べ、どこか地味で小説のテーマになりにくかった化学だが、喜多さんによってその壁は破られた。喜多さんからはすでに『猫色ケミストリー』という第二作目が上梓されている。この調子で、どんどん「ケミステリー」の世界を広げていっていただきたい。
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