2012年10月10日水曜日

書評 フォルカー・クッチャー『濡れた魚 上・下』(創元推理文庫)

 重厚なドイツミステリー。タイトルの「濡れた魚」とは日本語で言うところの「お蔵入り」とか「迷宮入り」という意味。さていったい、どんな事件が「濡れた魚」になるのか。これは最後まで読んでのお楽しみ。

 舞台は1929年のドイツ・ベルリン。第一次大戦に敗れたドイツの首都が舞台である。主人公はケルンからやってきたゲレオン・ラート警部。風紀課に配属された彼の下宿を見知らぬロシア人が訪ねてくるが、けんもほろろに追い返す。しかし、次にそのロシア人を目にしたのは、遺体置き場だった。このロシア人はいったい誰で、なぜ殺されることになったのか。
 一人でこの謎を追うラート。ロシア人組織、ベルリンの裏組織、警察内部の秘密、さらには秘書との恋。これらが絡み合いながらストーリーは展開する。事実が明らかになるにつれて、つながっていく人脈。そしてその人脈の先にいたのは、何とあの人だった。ラストは、あの人との決着をつけるべく、ラートが一世一代の仕掛けを実行する。
 というのが粗筋。

 私は、ドイツ語が原作の本は何冊か読んだことがあるが、小説は初めてだと思う。
 一枚一枚、皮がはがれるように真実が明らかになっていく、理路整然としたストーリー展開がいかにもドイツらしい。重厚で陰鬱な感じも、ドイツっぽい雰囲気だ。
 次々と芋づる式に新事実が明らかになっていく展開で、ミステリーとしても飽きさせない。上・下合わせて700ページ近い大作だが、止まらずに読み終えた。

 ただ、日本の軽い小説を読み慣れた身としては、少し重たく感じる部分もあった。どでかいランプステーキに、付け合わせのポテトフライとザワークラウトが山ほどのっているドイツ料理とでも言えばよいのだろうか(なんのこっちゃ)。重厚なストーリーをガッツリといきたい人にはお勧めの一冊。




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2012年10月8日月曜日

2012京都大賞典、毎日王冠、オパールS、デイリー杯2歳S 予想の回顧

 土曜の京都メインはデイリー杯。◎マイネルエテルネルは4、5番手から絶好の手応えで直線を向いたように見えたのだが、スパッとは切れず、3着。前残りの展開だったので仕方なかったのか、それとも距離が長かったのか。馬券はハズレ。

 日曜の東京は毎日王冠。◎カレンブラックヒルは大きく逃げた2頭の離れた3番手から。3コーナー過ぎから進出を開始するが、秋山騎手の手が大きく動いており、あまり手応えがよくない。それでも直線では逃げた2頭をかわし、後続の追撃をクビ差でしのいで見事に無敗の5連勝。次の天皇賞が楽しみな内容だった。
 馬券は、2着のジャスタウェイを引っかけて、見事に万馬券をゲット。ラッキーだった。

 京都のオパールSは◎テイエムオオタカが見事に逃げ切ったのだが、エーシンホワイティを押さえておらず、馬券はハズレ。エーシンホワイティが意外と人気していたのに驚いた。

 月曜の京都大賞典は◎ローズキングダムメイショウカンパクオウケンブルースリなどと併せ馬のかたちで4コーナーを回ってきたが、直線半ばで失速。上位の馬に切れ負けした内容だった。復活は厳しいように思う。

 今週は4戦1勝ながら、万馬券を獲ったのだから万々歳ということにしておきたい。

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2012年10月7日日曜日

2012京都大賞典 オレの予想を聞いてくれよ

 京都・東京の開幕週3日間開催の最終日は京都大賞典。前日の毎日王冠に比べると、かなり寂しいメンバー構成だ。メジロマックイーンやテイエムオペラオーが秋の始動戦に選んでいた頃との差が、何だか秋の郷愁を誘う。

 ところで、今秋の土曜・日曜とも、KBSが14:00~15:00に競馬中継を放送していなかった(変わりの番組は必殺仕事人)。2日続けてだったので「これはおかしい」と調べてみると、何とこの時間の競馬中継を廃止したようだ。それは困るぞKBS。いくらJRAに競馬枠を縮小されたからって、この仕打ちはないやろう。見損なった。
 一方、JRAには、それならBS11競馬中継を14:00~15:00も放映してもらわないと困る。この時間、BSで関東系の競馬番組がやっているだけなのだ。関西の競馬をどこで見ろというのか。
 BS11とJRAにはさっそく要望を出しておいた。早期に実現してもらえることを期待したい。そろそろグリーンチャンネルを無料で開放するときなのでは、とも思ったりする。

 さてレース。ビートブラックが回避して、GI馬は2頭になった。そのうちの1頭は4年前の菊花賞馬。それなら2年前のJC馬◎ローズキングダムで勝ち負けになるだろう。正直なところ今秋のGI戦線では勝ち負けまでは厳しいだろうが、ここを圧勝してこの下馬評を覆せるか。
 推奨穴馬はマルカボルトコスモラピュタの2頭。おそらく前に行くであろうこの2頭が怖い。

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2012年10月6日土曜日

2012毎日王冠、オパールS オレの予想を聞いてくれよ

 京都・東京の開幕週3日間開催の中日は毎日王冠。好メンバーが揃った。翌日の京都大賞典と比べると、明らかにこちらのほうがメンバーが厚い。2400 mよりも1600~2000 mに強い馬が集まるのが時代の流れなのだろうが、何だか寂しい。

 ところで
「毎日王冠の『王冠』って何やねん」
と疑問に思ったので調べてみた。長年、何とも思っていなかったのだが、レース名を注意深く観察すると、いろいろヘンなところが見つかるものだ。
 今週も例によってJRAの特別レース名解説にお世話になろうと思ったのだが、ここには「王冠」に関する説明はナシ。アララ。続いてグーグル先生に聞いてみると…これも不発。
「優勝馬主には副賞として王冠が贈られる」
という情報は見つけたものの、なぜ王冠が贈られるのかは謎である。何でこのレースだけ副賞が王冠で、しかもレース名になっているのか…。来年までの宿題としておきたい。

 さて、レースにいってみたい。上にも書いたように、よいメンバーが揃った。1600 mのGI馬5頭に加えて、ダービー馬も出走。GI馬とはいえ近走がイマイチな馬もいるが、それを差し引いても豪華メンバーといってよいだろう。
 その豪華メンバーの中から、本命は◎カレンブラックヒル。現在のところ1番人気だが、春には馬券でお世話になったし、これからも秋山騎手とのコンビを続けてもらうためにも、ここは結果を残してほしい。それにしても、まさか1番人気とは…。
 相手は手広く、と思っていたのだが、1番人気ならそうもいかない。直前まで慎重に取捨選択したい。
 推奨穴馬はシルポート。逃げてナンボの馬が、開幕週の馬場で1番枠を引いた。

 オパールSはテイエムオオタカ

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2012年10月5日金曜日

2012デイリー杯2歳ステークス オレの予想を聞いてくれよ

 今週から京都・東京開催が開幕。本格的なGIシーズンに突入である。さい先よいスタートを切りたいものだ。
 初日の京都メインはデイリー杯2歳S。2歳戦線の最初のGIIレースだ。

 ところで、このレース名の「デイリー」はデイリースポーツというスポーツ紙のことなのだが、新聞の名前がそのまま重賞のレース名になっているのは珍しい。他に思いつくところでは朝日杯、日経賞、毎日杯くらいか。いずれも一般紙だ。
 スポーツ紙では、スポニチ賞や報知杯もあるにはあるが、いずれも金杯や弥生賞のサブタイトル的な扱いである(スポニチ賞京都金杯、報知杯弥生賞、てな感じ)。
 デイリーが大手スポーツ紙以上の厚遇を受けている理由は何なのか。気になるところである。例によってグーグル先生に聞いてみたのだが…教えてもらえなかった。

 レース名の話はこれくらいにしておこう。
 この時期の2歳戦は力の比較が難しい(ほとんど無理)。とはいえ、2歳戦の開始が早まったことにより、少しは予想しやすくなってきているようにも感じる。事実、1戦1勝の馬が今年は2頭しかいない。以前はもっといたはずだ。

 本命は◎マイネルエテルネル。今年の京都は、新年の開催、春の開催ともに、開幕当初は極端な前残りの馬場だった。今回もその傾向は続くに違いない。
「そうすると、内枠の先行馬が面白そうだな」
と思っていたところに、1枠1番にこの馬が入った。狙わない手はないだろう。
 相手筆頭は◎の隣の○クラウンレガーロ。小倉2歳Sのワンツーが再現しないか。
 推奨穴馬は、ハナを切りそうなフジノストロング

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2012年10月1日月曜日

2012スプリンターズS、シリウスS、ポートアイランドS 予想の回顧

 土曜の阪神メインはシリウスS。本命◎ナイスミーチューは中団からの競馬。3コーナーから外をマクっていき、直線ではヤマニンファラオとの一騎打ちを制し、見事に1着。強かった。
 ところが、馬券はヤマニンファラオを蹴飛ばしていたため、ハズレ。なんてこった。

 日曜はスプリンターズS。本命◎ロードカナロアは大外枠から発進し、カレンチャンを見る位置に収まる。コーナーではカレンチャンの後を追うように伸びてきて、こちらも一騎打ちを制して見事にレコード勝ち。外々を回ってマッチレースに持ち込んだこの2頭の力が抜けていたということだろう。
 馬券は、安かったが本線で的中。

 台風の代替競馬の月曜阪神メインはポートアイランドS。
 本命◎オリービンが直線でしぶとく伸びて指し切った。2着のゴールスキーを軽視していたので安くなったが馬連をゲット。

 今週は◎が3戦3勝。馬券こそ1レース取り逃したが、快挙である。この調子で秋のGI戦線を乗り切りたい。

 また、今開催の馬券道場で昇段し、四段に昇格。月曜の代替開催のお陰もあり、最終週に大逆転で昇段した。四段までいくと何か商品がもらえるそうなので楽しみだ。

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2012年9月29日土曜日

2012スプリンターズS、ポートアイランドS オレの予想を聞いてくれよ

 早くも秋のGIが始まる。台風が心配だが、無事に行われてほしいものだ。
 このレースが秋のGI開幕戦となってから、何年経つのだろうか。有馬記念の前週にひっそりと行われていた頃が懐かしい(毎年同じことを書いている気もする…)。
 JRAのCMではサクラバクシンオーの映像が流れているが、この馬が走っていたときは、まだ時期が移る前だったように思う。1200 mでの強さは今さら言うまでもないが、確か1400 mでもレコードを出したし、ノースフライトがいなければ1600 mのGIも二つ三つ獲っていたはずだ。後継馬を輩出して、父系をつないでいってもらいたい。

 さて今年のレース。カレンチャンロードカナロアが抜けているように見えるが、脇役も虎視眈々。ハイレベルなメンバーだといってよいだろう。高松宮記念で2着したサンカルロが10番人気とは。
 それでも、本命は◎ロードカナロア。高松宮記念は初のGIで、スムーズなレースができなかったこともあり3着に敗れたが、順調に調整を重ねたここは逆転可能と見た。大外枠は、中山1200 mならむしろ歓迎と前向きに捉えたい。
 相手も外枠からダッシャーゴーゴー、カレンチャン、エピセアローム。堅く収まるという見立て。
 推奨穴馬は2頭。高松宮記念2着のサンカルロと、絶好の気配の漂うスプリングサンダー

 ポートアイランドSはオリービン。今年の3歳馬はレベルが高い。

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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...