桜花賞、皐月賞が終わり天皇賞を迎えると、初夏だ。3連休は天気も良さそうだし、家族でピクニックに行くのもよいかもしれない。その前に、まずは財布をふくらませておきたいところだ。
そんな土曜日の東京メインは青葉賞。これも、初夏を思わせるレース名だ。
意外と新しいレースで、1984年にオープン特別として創設され、1994年に重賞となった。昔はNHK杯(NHKマイルCの前身)というダービートライアルがあり、青葉賞はその影に隠れていて、いまでいうプリンシパルSのような状態だった。しかし、NHK杯のGI昇格に伴い、メインのダービートライアルレースに出世した。
一昨年(ウインバリアシオン)、昨年(フェノーメノ)の勝ち馬がともに本番(ダービー)で2着に入るなど、トライアルとしての役目は果たしているといえるが、このレースをステップに本番を制した馬はまだいない。今年はどうだろうか。
今年は重賞、オープンで実績のある馬がほとんどおらず、難解なメンバー構成。前走で500万条件を勝った馬が大挙出走してきた。
本命は、その中から◎ラストインパクト。なかなか2勝目をあげられず皐月賞への出走はかなわなかったが、距離が伸びて良さが出てきた。母父のティンバーカントリーは、ミスプロ系だが長距離指向の種牡馬らしい。2400 mでさらに前進を期待。
相手筆頭は○トウシンモンステラ。これも、前走で距離が伸びていい勝ちっぷりを見せた。もう一丁。
推奨穴馬は、アウトオブシャドウ。1勝馬だが、前走の末脚は見所あり。東京でさらに。
京都のメインは下鴨S。下鴨周辺も、新緑が美しい季節だ。
準オープンとしてはハイレベルな一戦か。本命は◎ユウキソルジャー。京都は2-0-1-0で、3着も菊花賞でのもの。京都大好きホースに期待。
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2013年4月26日金曜日
2013年4月23日火曜日
息子が3歳になった おめでとう
先日、息子が3歳の誕生日を迎えた。おめでとう。お姉ちゃん(5歳半)が3歳になったときとは、また違う感慨がある。
昨年、2歳の誕生日のときにも書いたのだが、二人目の子の成長は早い。
「いつの間にこんなに大きくなったんだろう」
と思うことばかりだ。
先月の、ノロウイルスで入院するという大事件も、頑張って乗り越えてくれた。一週間、ベッドの上でよく我慢したよな。偉かった。
夜もお姉ちゃんと二人で寝てくれて、助かってるぞ。寝かしつけの手間がかからないのは、本当にありがたい。
お姉ちゃんが3歳になったときは、成長過程をもっとリアルタイムで把握していたように思うのだが、息子の場合は
「いつの間に、こんなことできるようになったん?」
なことばっかりだ。
「もっと手をかけてあげられずに、すみませんなあ」
という気持ちもあるが、二人目ということの「慣れ」や、二人の子どもがいると息子にばかり手をかけられないという事情があり
「まあ、しゃあないな」
というところに落ち着いている。
でも、それはそれでよいのだろう。二番目の子のほうが大物に育つという俗説(正しいかどうかは分かりません)があるのも、なるほどだ。いい意味で、親の干渉から逃れられるのだろう。
今後も、親の干渉をくぐり抜け(笑)、大物に育っていってください。
お誕生日ケーキは、お母さんの作った仮面ライダーウィザードケーキ。悪戦苦闘したのだが、それなりのものになった。お母さん、よく頑張った。
最近、かんしゃく泣きが増えてきたのは気になるが、面倒見のいいお姉ちゃんにも見守られつつ、大きく育っていってください。
でも、お父さんもお母さんも、細かいことにうるさいよなあ…(反省)。大きく育つかどうかは、お父さんとお母さんにかかっているのかもしれないね。
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昨年、2歳の誕生日のときにも書いたのだが、二人目の子の成長は早い。
「いつの間にこんなに大きくなったんだろう」
と思うことばかりだ。
先月の、ノロウイルスで入院するという大事件も、頑張って乗り越えてくれた。一週間、ベッドの上でよく我慢したよな。偉かった。
夜もお姉ちゃんと二人で寝てくれて、助かってるぞ。寝かしつけの手間がかからないのは、本当にありがたい。
お姉ちゃんが3歳になったときは、成長過程をもっとリアルタイムで把握していたように思うのだが、息子の場合は
「いつの間に、こんなことできるようになったん?」
なことばっかりだ。
「もっと手をかけてあげられずに、すみませんなあ」
という気持ちもあるが、二人目ということの「慣れ」や、二人の子どもがいると息子にばかり手をかけられないという事情があり
「まあ、しゃあないな」
というところに落ち着いている。
でも、それはそれでよいのだろう。二番目の子のほうが大物に育つという俗説(正しいかどうかは分かりません)があるのも、なるほどだ。いい意味で、親の干渉から逃れられるのだろう。
今後も、親の干渉をくぐり抜け(笑)、大物に育っていってください。
お誕生日ケーキは、お母さんの作った仮面ライダーウィザードケーキ。悪戦苦闘したのだが、それなりのものになった。お母さん、よく頑張った。
さあ、ロウソク消しタイムだ。
ふーーっ。
うまく消えないので、お姉ちゃんも加勢。
やりました!
最近、かんしゃく泣きが増えてきたのは気になるが、面倒見のいいお姉ちゃんにも見守られつつ、大きく育っていってください。
でも、お父さんもお母さんも、細かいことにうるさいよなあ…(反省)。大きく育つかどうかは、お父さんとお母さんにかかっているのかもしれないね。
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書評 円城 塔『Self-Reference ENGINE』(ハヤカワ文庫JA)
円城氏については、伊藤計劃氏の遺作を共著として書き継いだ(屍者の帝国)と知ったときから、作品を読みたいと思っていた。そんなところに、昨年、円城氏が直木賞を受賞した(道化師の蝶)。ますます興味が高まり、まずはデビュー作を読んでみた。
う~ん、難解、前衛的。でも、知らず知らず引き込まれてしまった。
本書は連作集。「イベント」という出来事が起こった後の世界を舞台とした作品が20作、収められている。「イベント」とは、時間が一方向に流れるのをやめ、てんでバラバラに時を刻み始めた瞬間を指す。過去と未来と現在がごちゃ混ぜになり、その区別が意味をなさなくなった世界がさまざまな切り口から描かれる。
内容はかなり難解だ。連作集全体としても、それぞれの連作自体も、ストーリーがあるようでないような、独特の前衛的な世界観が展開される。
しかし、難解ではあるが、なぜか引き込まれてしまった。これが円城氏の筆力ということなのか。
連作を通して登場するのが「巨大知性体」と称されるコンピュータ。コンピュータが自らを進化させる機能を得て、自律的に進化していった結果、巨大知性体と呼ばれる存在になったという設定だ。
この巨大知性体が、とても人間くさいところが面白かった。鬱状態に陥るコンピュータなど考えられないが、進化の行き着くところは、意外とそんなところなのかもしれない。
私が購入した本のオビには「文学が、円城塔に追いついた。」とある。なるほど、言い得て妙だ。難解な円城ワールドに文学界の評価が追いつき、直木賞受賞という結果につながった、という意味なのだろう。
だが、直木賞を受賞したのは本作品ではない。おそらく円城氏のほうからも、文学界に近づいていったのではないだろうか、と想像する。
その想像が当たっているかどうかは、受賞作品を読んで確かめてみたい。
う~ん、難解、前衛的。でも、知らず知らず引き込まれてしまった。
本書は連作集。「イベント」という出来事が起こった後の世界を舞台とした作品が20作、収められている。「イベント」とは、時間が一方向に流れるのをやめ、てんでバラバラに時を刻み始めた瞬間を指す。過去と未来と現在がごちゃ混ぜになり、その区別が意味をなさなくなった世界がさまざまな切り口から描かれる。
内容はかなり難解だ。連作集全体としても、それぞれの連作自体も、ストーリーがあるようでないような、独特の前衛的な世界観が展開される。
しかし、難解ではあるが、なぜか引き込まれてしまった。これが円城氏の筆力ということなのか。
連作を通して登場するのが「巨大知性体」と称されるコンピュータ。コンピュータが自らを進化させる機能を得て、自律的に進化していった結果、巨大知性体と呼ばれる存在になったという設定だ。
この巨大知性体が、とても人間くさいところが面白かった。鬱状態に陥るコンピュータなど考えられないが、進化の行き着くところは、意外とそんなところなのかもしれない。
私が購入した本のオビには「文学が、円城塔に追いついた。」とある。なるほど、言い得て妙だ。難解な円城ワールドに文学界の評価が追いつき、直木賞受賞という結果につながった、という意味なのだろう。
だが、直木賞を受賞したのは本作品ではない。おそらく円城氏のほうからも、文学界に近づいていったのではないだろうか、と想像する。
その想像が当たっているかどうかは、受賞作品を読んで確かめてみたい。
2013年4月21日日曜日
2013マイラーズC、フローラS、福島牝馬S、錦S 予想の回顧
今週は日曜の福島競馬が降雪で中止となった。この時期に降雪とは、驚いた。
日曜の京都メインはマイラーズC。◎カレンブラックヒルは先団を見る位置取り。ハイペースの流れを積極的に追いかけ、直線半ばで先頭に立つが、最後は止まってしまった。前哨戦としては上々というところなのだろうが、馬券はハズレ。もうひと踏ん張りしてほしかった。
1着はグランプリボス。流れが向いたにしてもいい勝ちっぷりだった。
東京ではフローラS。◎イリュミナンスは5番手と絶好の位置取りに見えたが、直線ではまったく反応せず、12着。力不足だったということか。どうも、今年のフェアリーSとクイーンCは、レベルが低かったようだ。
1着のデニムアンドルビーと2着のエバーブロッサムは併せ馬のかたちで、外を猛然と追い込んできた。本番でも楽しみだ。
土曜の福島メインは福島牝馬S。◎オールザットジャズは中団のインを進む。直線でも内を突き、ジワジワと伸びて前の馬をかわし、後ろの追撃もクビ差抑えて見事に1着。このレース連覇を果たした。
2着争いは、推奨穴馬のピュアブリーゼが粘るところにマイネイサベルが猛然と追い込んできて、クビ差かわしてゴール。
馬券は、安かったが馬連を獲った。ピュアブリーゼが2着に粘ってくれたらけっこうな高配当だったのだが、競馬は当たってナンボ。よしとしておきたい。
土曜の京都メインは錦S。◎ショウナンラムジはフタを開けてみれば1番人気。スタートは普通に出るが、中団から。直線は外に出すがまったく伸びず、10着。なんてこった。道中、少し揉まれたにしても、情けない結果だった。揉まれ弱いのか、前につけられなかったのが応えたか。
今週は4戦1勝。その1勝も本命サイドの馬券。パッとしませんなあ。
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日曜の京都メインはマイラーズC。◎カレンブラックヒルは先団を見る位置取り。ハイペースの流れを積極的に追いかけ、直線半ばで先頭に立つが、最後は止まってしまった。前哨戦としては上々というところなのだろうが、馬券はハズレ。もうひと踏ん張りしてほしかった。
1着はグランプリボス。流れが向いたにしてもいい勝ちっぷりだった。
東京ではフローラS。◎イリュミナンスは5番手と絶好の位置取りに見えたが、直線ではまったく反応せず、12着。力不足だったということか。どうも、今年のフェアリーSとクイーンCは、レベルが低かったようだ。
1着のデニムアンドルビーと2着のエバーブロッサムは併せ馬のかたちで、外を猛然と追い込んできた。本番でも楽しみだ。
土曜の福島メインは福島牝馬S。◎オールザットジャズは中団のインを進む。直線でも内を突き、ジワジワと伸びて前の馬をかわし、後ろの追撃もクビ差抑えて見事に1着。このレース連覇を果たした。
2着争いは、推奨穴馬のピュアブリーゼが粘るところにマイネイサベルが猛然と追い込んできて、クビ差かわしてゴール。
馬券は、安かったが馬連を獲った。ピュアブリーゼが2着に粘ってくれたらけっこうな高配当だったのだが、競馬は当たってナンボ。よしとしておきたい。
土曜の京都メインは錦S。◎ショウナンラムジはフタを開けてみれば1番人気。スタートは普通に出るが、中団から。直線は外に出すがまったく伸びず、10着。なんてこった。道中、少し揉まれたにしても、情けない結果だった。揉まれ弱いのか、前につけられなかったのが応えたか。
今週は4戦1勝。その1勝も本命サイドの馬券。パッとしませんなあ。
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2013年4月20日土曜日
2013マイラーズC、フローラS オレの予想を聞いてくれよ
京都・東京開催の開幕週は、西でマイラーズC、東でフローラSが行われる。
マイラーズは、昨年、京都に移ってきたレースだ。先週のアンタレスSと入れ替わりで京都に来たのだが、どういう意図があるのだろうか…。JRAのこの手の日程変更についていくのは、もう諦めた。
意図のよく分からない日程変更は、やめてもらいたいなあ。レースの持つ雰囲気とかイメージを、もっと大事にしてもらいたいものだ。
オッサンの繰り言はこれくらいにして、レースにいってみたい。
京都の開幕週なら、芝は前有利が定石。となれば人気でも◎カレンブラックヒルを本命に。芝1600~1800 mでデビューから5連勝。前に行ける脚質も有利。
私が◎に抜擢すれば来るし、本命から外せば来ない。馬券的相性も抜群の馬だ。今回も、頼みまっせ。
相手筆頭も前に行く馬から○シルポートを。
推奨穴馬はエーシンメンフィス。前走は後ろからの競馬だったが、それまではずっと逃げていた馬。今回は前に行きたい。
フローラSは◎イリュミナンス。
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マイラーズは、昨年、京都に移ってきたレースだ。先週のアンタレスSと入れ替わりで京都に来たのだが、どういう意図があるのだろうか…。JRAのこの手の日程変更についていくのは、もう諦めた。
意図のよく分からない日程変更は、やめてもらいたいなあ。レースの持つ雰囲気とかイメージを、もっと大事にしてもらいたいものだ。
オッサンの繰り言はこれくらいにして、レースにいってみたい。
京都の開幕週なら、芝は前有利が定石。となれば人気でも◎カレンブラックヒルを本命に。芝1600~1800 mでデビューから5連勝。前に行ける脚質も有利。
私が◎に抜擢すれば来るし、本命から外せば来ない。馬券的相性も抜群の馬だ。今回も、頼みまっせ。
相手筆頭も前に行く馬から○シルポートを。
推奨穴馬はエーシンメンフィス。前走は後ろからの競馬だったが、それまではずっと逃げていた馬。今回は前に行きたい。
フローラSは◎イリュミナンス。
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2013年4月19日金曜日
2013福島牝馬S、錦S オレの予想を聞いてくれよ
今週から京都・東京開催がスタート。前開催で記録的な大負けを喫した私としては、気分一新、巻き返しを図りたい。
そんな京都の初日のメインは、錦S。錦とは、京都の有名な市場のことだ。魚屋、漬物屋、卵屋、乾物屋などが軒を連ねる、約400 mの長さのアーケード街である。
私は、京都に一人暮らしをしていたころは、この市場に歩いて行けるところに住んでいたのだが、ついぞここで買い物したことはなかった。モノはよさそうなのだが、高いのだ。最近は観光客向けの店も多い。私も含め、近隣住民が日常の品を調達する場所ではない。
しかし、錦市場は知っていても、錦ステークスというレースには記憶がない。「はて?」と思って調べてみると、昨年できたレースだった。JRAがなぜ昨年になって錦に関心を示したのかは、特別レース名解説を見ても分からなかった。何の気まぐれなのだろう。また。、錦Sの創設により、どのレースが消えてしまったのかも気になるところだ。
予想は、重賞ということで福島をメインに。
福島のメインは今年で10回目を迎える福島牝馬S。ローカルの牝馬限定のハンデ重賞。荒れないわけがない。事実、これまでの9回は、馬連万馬券が3回、50~100倍が3回、30~50倍が2回と荒れに荒れている。昨年、馬連1100円と初めて堅く収まった。
今年も荒れそうなメンバー構成だ。半分は各上挑戦の馬なのではないか。
ところが、本命は◎オールザットジャズ(なんでやねん)。本命サイドの馬だ。でも、昨年の覇者が54 kgで出てくるのだから、逆らう必要はないだろう。ヒモ穴に期待したい。
推奨穴馬は多め。前走中山牝馬S組のアカンサスとアラフネ。前に行けそうなサンシャインとピュアブリーゼ。
錦Sは◎ショウナンラムジ。京都の開幕週は、前に行く馬を狙うに限る。
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そんな京都の初日のメインは、錦S。錦とは、京都の有名な市場のことだ。魚屋、漬物屋、卵屋、乾物屋などが軒を連ねる、約400 mの長さのアーケード街である。
私は、京都に一人暮らしをしていたころは、この市場に歩いて行けるところに住んでいたのだが、ついぞここで買い物したことはなかった。モノはよさそうなのだが、高いのだ。最近は観光客向けの店も多い。私も含め、近隣住民が日常の品を調達する場所ではない。
しかし、錦市場は知っていても、錦ステークスというレースには記憶がない。「はて?」と思って調べてみると、昨年できたレースだった。JRAがなぜ昨年になって錦に関心を示したのかは、特別レース名解説を見ても分からなかった。何の気まぐれなのだろう。また。、錦Sの創設により、どのレースが消えてしまったのかも気になるところだ。
予想は、重賞ということで福島をメインに。
福島のメインは今年で10回目を迎える福島牝馬S。ローカルの牝馬限定のハンデ重賞。荒れないわけがない。事実、これまでの9回は、馬連万馬券が3回、50~100倍が3回、30~50倍が2回と荒れに荒れている。昨年、馬連1100円と初めて堅く収まった。
今年も荒れそうなメンバー構成だ。半分は各上挑戦の馬なのではないか。
ところが、本命は◎オールザットジャズ(なんでやねん)。本命サイドの馬だ。でも、昨年の覇者が54 kgで出てくるのだから、逆らう必要はないだろう。ヒモ穴に期待したい。
推奨穴馬は多め。前走中山牝馬S組のアカンサスとアラフネ。前に行けそうなサンシャインとピュアブリーゼ。
錦Sは◎ショウナンラムジ。京都の開幕週は、前に行く馬を狙うに限る。
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2013年4月18日木曜日
書評 白河三兎『プールの底に眠る』(講談社ノベルズ)
心に傷を負った少年と少女の恋物語。
ある夏、「僕」は自殺を図ろうとしていた少女と出会う。「イルカ」「セミ」と呼び合うことにした「僕たち」は恋に落ちていく。その恋愛の様子を描いた一週間と、13年後に「僕」が留置所に入れられている様子が並行して描かれる。
決して甘酸っぱいだけの恋愛小説ではない。「僕」の一人称を通して、傷を負った者どうしの心の交流が伝わってくる。とはいえ重苦しさは全くなく、「イルカ」と「セミ」のやりとりは軽妙でさえある。
ここに「イルカ」と幼なじみの曲利という少女も加わり、三角関係が形成されるのだが、ドロドロ感はまったくない。
この3人の立ち位置ややりとりは、どことなく村上春樹氏の小説の雰囲気を感じさせる。
また、なぜ「僕」は留置場にいるのかをはじめとする謎があり、ミステリーの要素も付け加えている。
さりげなく随所に伏線がちりばめられており、それが最後にはきちんと回収されるところも見事である。「おお、そういえば」と、前のページに戻ることが多々あった。
結末もよかった。
主題はひと夏の恋なのだが、ミステリーの要素も含むなど、単なる恋愛小説に留まらない作品。完成度が高い。
ある夏、「僕」は自殺を図ろうとしていた少女と出会う。「イルカ」「セミ」と呼び合うことにした「僕たち」は恋に落ちていく。その恋愛の様子を描いた一週間と、13年後に「僕」が留置所に入れられている様子が並行して描かれる。
決して甘酸っぱいだけの恋愛小説ではない。「僕」の一人称を通して、傷を負った者どうしの心の交流が伝わってくる。とはいえ重苦しさは全くなく、「イルカ」と「セミ」のやりとりは軽妙でさえある。
ここに「イルカ」と幼なじみの曲利という少女も加わり、三角関係が形成されるのだが、ドロドロ感はまったくない。
この3人の立ち位置ややりとりは、どことなく村上春樹氏の小説の雰囲気を感じさせる。
また、なぜ「僕」は留置場にいるのかをはじめとする謎があり、ミステリーの要素も付け加えている。
さりげなく随所に伏線がちりばめられており、それが最後にはきちんと回収されるところも見事である。「おお、そういえば」と、前のページに戻ることが多々あった。
結末もよかった。
主題はひと夏の恋なのだが、ミステリーの要素も含むなど、単なる恋愛小説に留まらない作品。完成度が高い。
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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)
2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。 スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。 スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...
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さて、いよいよ「なんば」の謎に迫っていこう。 といっても「なんば」の意味自体は謎でもなんでもなく、要するにネギのことである。いったい、前回の長い前振りは何だったのだろうか…。 要するに、「鳥そば」といえば鳥肉入りのそば、「鳥なんばそば」といえば鳥肉とネギの入ったそばを意味す...
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2017年7月、45歳を目前に、突如ランニングを始めた。現在は52歳。 2020年12月の神戸トライアルマラソンでサブ3を達成! 自己ベストは2024年3月のびわ湖マラソンの2時間54分台。 ◆総 評◆ 福知山マラソン5週前。気温が下がり、ようやく日中に普通に走れる...