2014年6月13日金曜日

【予想と与太話】マーメイドS、エプソムC、安芸S(2014)~こんな重賞見たことない~

 今週末は海外に行くので、土・日の分をまとめて書いておく。ネット環境が不明で時差もあるため、馬券を購入できるかどうか分からない。しかし、こういう馬券を買えないときに、えてして予想が当たってしまうものだ。今週は大当たりの予感?…

 そんな日曜の阪神メインはマーメイドS。牝馬のハンデ重賞らしく、かなり荒れ気味のレースである。
 今年のメンバーを見ると、まるで条件戦。それにしても、オープン馬がたったの2頭とは…こんなレースは記憶にない。ほとんど重賞として機能していないと見るべきだろう。
 それでも馬券は発売され、勝ち馬が出る。本命は◎ウエスタンレベッカ。前走はダート、前々走は距離と敗因は明確。3、4走前だけ走れば十分勝負になる。得意の阪神で激走してほしい。
 フーラブライドはお世話になっている馬なのだが、56 kgのハンデはいかにもつらい。次に重い馬が53 kgというのもそれに拍車をかける。さらに、前走ヴィクトリアM組の成績が悪いのも気がかり。今回は評価を下げる。
 推奨穴馬はサンシャイン。2頭しかいないオープン馬のうちの1頭の評価が低い。気力が尽きていなければ。

 エプソムCは人気でも◎ディサイファ。いつも何か強いのがいるが、そろそろ順番。

 土曜の阪神メインは安芸S。本命は、こちらも人気のグレイスフルリープ。唯一の降級馬が頭一つ抜けている。

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2014年6月12日木曜日

書評 万城目学『偉大なる,しゅららぼん』(集英社文庫)

滋賀の人気UPの起爆剤になってほしい!
キャラのたった登場人物たちが琵琶湖を舞台に繰り広げる超能力合戦.


 今度の万城目ワールドの舞台は琵琶湖.万城目氏が京都,大阪などに続き,わが家のある滋賀を舞台にした小説を書いたというではないか.
「これは読まねば」
と思っていた本書が文庫化されたのを機に購入.今回も万城目ワールド全開だ.

 現代の日本(関西)を舞台に,そこにトンデモハップンな架空の世界を構築し,キャラのたった人物たちを散りばめる.ワンパターンと言えなくもないが,面白いから許す(←偉そう).
 今回のトンデモハップンは
「琵琶湖の力を借りて他人の心を操る一族がいる」
というもの.
「そんなアホな」
なのだが,読んでいるうちにこんな一族がいそうな気がしてくれば,万城目ワールドへの入国完了だ.

 冒頭にも書いたようにわが家は滋賀県にあり,毎日琵琶湖を見ながら生活していることもあり,さらにハマってしまった.よく知っている場所が舞台の小説には親近感を感じる.
「琵琶湖って何県にあるんだっけ?」
「滋賀県って北陸だよね?」
と知名度の低い滋賀県だが,本書でその魅力の一端を感じてほしい.
 冬はスキー,夏はマリンレジャーを楽しめ,温泉やバーベキュー場も各地にある.もちろん京都よりも安く泊まれるし,子どもフレンドリーな宿や施設も多い.大津なら京都にも近く,京都市内の変なところに泊まるよりも,京都観光には便利だ.
 本書を読んだ後は,ぜひ一度,滋賀県においでやす.

<粗筋>
 琵琶湖の力を借りて人の心を操る日出家という一族がいるという.その日出家の分家に生まれた涼介は,本家に修行に出る.本家には跡継ぎの淡十郎がおり,涼介とは従兄弟で同級生にあたる.二人はともに高校に入学する.
 そこでクラスメートになったのは,ライバルの棗家の跡継ぎである広海.千年以上争い続けてきた両家の人間が同じ教室にいるなんて,どんな争いが巻き起こるのか….そんなところに校長が登場し,意外な方向へと話は進む.



2014年6月10日火曜日

書評 泡坂妻夫『しあわせの書 迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術』(新潮文庫)

二重、三重に仕掛けられた巧みなトリック。読み終えた瞬間、再びページを繰ってしまうこと間違いなし。やられた~。


 昭和62年に刊行され、いまだに重版を重ねている名作ミステリー。古さなどまったく感じず、あっという間に読み終えてしまった。

 ヨギ ガンジーという怪しげなオッサンが探偵役。ガンジーが二人の連れとともに巻き込まれたのは、とある宗教団体の跡継ぎ問題だった。人里離れた山奥で断食修行を行い、その結果で跡継ぎを決めるのだという。いかにもな設定だ。
 最後は二重、三重に張り巡らされたトリックが次々と明らかになり、すべての謎が解き明かされる。私は、そのうちの一つを見破っており
「大したことないなあ」
と優越感に浸っていたが、ギャフンと言わされてしまった。
「そのトリックは、だいたいの読者に見破られてしまうんですよねえ(想定内)」
という、作者の声が聞こえてきそうだ。うーん、腹が立つ。

 事件はすべて解決し、エピローグへ。そして最後の一文を読み終えたとき…
「えっ、マジで?」
思わず、再びページを繰ってしまった。「この本に」そんな仕掛けがしてあったとは。「大したことないなあ」どころか、KO負けである。脱帽。

 編集を仕事にしている者にとって、一文字も直すことが許されない本ってどうなんだろうなあ…。どういう意味かは、読んでのお楽しみ。



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2014年6月8日日曜日

【予想の回顧】安田記念、垂水S、鳴尾記念(2014)

 安田記念の本命は◎カレンブラックヒル。5、6番手と、想定よりもやや後ろの位置取り。4コーナーでは少し外に持ち出して進路を確保するが、直線は伸びず、9着まで。前に行った馬は総崩れで、上がりが37秒もかかったレースでは先行馬には厳しかった。前が有利の見立てだったのだが…。
 勝ったのは人気のジャスタウェイ。最後はグランプリボスとの一騎打ち。直線半ばで少し差を広げられ
「これは2着までか」
と思ったところ、ラスト50 mで内から馬体を併せて差しきった。底力を見せつけた。
 2着のグランプリボスには驚いた。休み明けも重馬場もいい印象がなかったので、まったく馬券対象外だった。ポン駆けしないというよりも、きっちり仕上げられたときに力を発揮する馬なのだろう。まだ終わっていないことを示した。

 垂水Sは◎デウスウルトが後方待機から4コーナーで大外へ。いくら阪神外回りといえども、開幕週の馬場ではこれでは届かない。7着に沈んだ。

 土曜は阪神で鳴尾記念。◎カレンミロティックは3番手から。そのままの位置で4コーナーを回ったが、外に出せず内を突く。しぶとく脚を伸ばしたが突き抜けることはできず、ハナ、ハナ、クビ差の4着まで。もうひと押しだった。2着に推奨穴馬のアドマイヤタイシが入った(プチ自慢)。馬券はハズレ。

 今週は3戦3敗で、他もチョロチョロ。開催が変わっても流れは上向かなかった。

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2014年6月7日土曜日

【予想と与太話】安田記念、垂水S(2014)~馬場が鍵を握る今年のレース~

 今週は安田記念。明治から昭和初期まで日本の競馬界の礎を築いた安田伊左衛門氏の名を冠したGIである。この安田氏についてちょっと調べてみた。
 安田氏は東大を卒業後に陸軍に入り、出世コースをばく進。その後、銀行の取締役などを経て東京競馬倶楽部の理事になった。その後も競馬にかかわり続け、晩年に日本中央競馬会の初代理事長に就任したという人らしい。軍人さんとは知りませなんだ。競馬はもともと富国強兵の一環として強い軍馬を育てようというところから始まったのだから、軍との結びつきが強いのも頷ける。
 ただ、理事長をしたのは1年間だけで、その後に2代目理事長に就任したのが有馬頼寧氏だったそうだ。有馬記念の有馬氏ですな。

 レースにいってみたい。
 いいメンバーが揃った。普通ならジャスタウェイが一枚上なのだろうが、海外遠征明け初戦で、馬場もかなり悪化しそう。すんなりは収まらないと見た。
 本命は◎カレンブラックヒル。3歳秋に毎日王冠でデビュー5連勝を飾った。このレースで2着に入ったのがジャスタウェイ。12番人気で馬連は万馬券だった。取らせてもらった馬券なので、よく覚えている(自慢)。
 しかしカレンブラックヒルはその後スランプに陥り、もう終わってしまったと思っていた。ところが今年に入って復調の兆しを見せ、前走で毎日王冠以来、約1年半ぶりの勝利を挙げた。重馬場も苦にしないし、先行力も魅力。完全復活を期待したい。
 推奨穴馬は2頭。まずはクラレント。なんでこんなに人気がないのだろう。もう一頭はダノンシャーク。昨秋のマイルCSで1番人気だった馬だ。

 垂水Sは◎デウスウルトを狙う。前走はハイペースに巻き込まれたもの。度外視したい。

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2014年6月6日金曜日

【予想と与太話】鳴尾記念(2014)~心配事満載だが~

 今週から阪神・東京開催が開幕。一昨年からそうなった。それ以前は京都→中京→阪神の順だったのだが、京都を6週間に延ばし、その次に2週間前倒しで阪神が入り、中京はその後ろに回った。大昔の順に戻ったことになる。
 その結果、この時期に組まれていた金鯱賞と入れ替わりで鳴尾記念が宝塚記念の前哨戦に復帰した。鳴尾記念は距離も時期も変化の激しい重賞なのだが、いまの条件で落ち着くことができるだろうか。個人的には、6週間開催は気持ち悪いので、以前の京都→中京→阪神の順に戻してほしい。鳴尾記念には、また動いてもらうことになるが…。

 レースにいってみたい。
 GI前哨戦にしては小粒な印象。しかし、昨年、一昨年も小粒な印象だったのだが、本番(宝塚記念)で馬券圏内に絡む馬が出ている。今年も要注意だ。
 本命は◎カレンミロティック。57 kg、小回り、雨予報、休み明けなど心配事満載だが、このメンバーなら何とかしてくれないか。渋化馬場はイマイチなので、雨は小降りでお願いしたい。馬場が悪くなるようなら、本命を変えるかも。
 推奨穴馬はアドマイヤタイシ。長期休養あけをひと叩きして変身がないか。

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2014年6月3日火曜日

書評 スティーヴ・ハミルトン『解錠師』(ハヤカワ・ミステリ文庫)

 話すことのできなくなった少年は、解錠師(金庫破り)となった。彼はなぜ、そしてどのようにして解錠師となったのか。
 心に傷を負った少年の生き様をベースに、生い立ちの謎、金庫破りのスリル、そして少年の恋心が見事に絡まり合った一冊。

 二つの時系列の話を最後に交わらせてすべてを明らかにするという、よくある手法のミステリーなのだが、その中身はありきたりではない。前半部、後半部とも、マイクの影のある人生を淡々と描き出すのだが、この淡々とした筆致が物語の雰囲気とマッチして、独特の世界観を構成している。翻訳本にありがちな冗長な記述もなく、どんどんのめり込んでしまった。
 こう書いてしまうと、静かなミステリーのように聞こえてしまうが、そうではない。特に後半部の金庫破りのストーリーはハラハラドキドキの連続。スリル満点だ。

 マイクの行動の原動力(モチベーション)が恋というのがよかった。私がもっと若ければマイクにさらに感情移入できたのだろうが、恋から離れてしまったオッサンには、マイクは息子のように見えてしまった。
 ちなみに私の娘(小1)は、ついこの前まで恋(love)と鯉(carp)の区別がついていなかった。

<粗筋>
 ある事件をきっかけに、言葉を話せなくなったマイク。みんな同情してくれるけれど、誰も気持ちを分かってくれない。そんな彼が、ある少女に恋をする。自分の気持ちを理解してくれる存在を、初めて見つけたのだ。
 物語は、マイクが言葉を失ってから成人するまでの期間と、長じて金庫破りとして闇の世界を生きる期間とが、並行して語られる。前半部では、話せないながらも友人を作り、絵の才能に目覚め、ついに自分の気持ちを分かってくれる少女に出会って恋をする。後半部では、アメリカ中を転々とし、闇の世界で天才金庫破りとして懸命に生きる姿が描かれる。
 なぜ、どのようにしてマイクは金庫破りとなったのか。そして、金庫破りとしてのマイクの波瀾万丈な生き様は、どこに帰着するのか。二つのストーリーが重なるとき、すべてがつながる。




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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...