2015年7月10日金曜日

【予想と与太話】豊明ステークス(2015)~マル地のニューヒロイン~

 梅雨時期でぐずついた天気が続いていたが、今週末は晴れ予報。競馬日和を通り越して、炎天下でのレースとなるかもしれない。熱中症には気をつけよう。

 そんな土曜の中京メインは豊明S。このレースが1400 mになってから、今回が3回目。中京の改修に伴い、1400 mになったレースだ。改修直後は芝のレース、特に短距離レースは外枠が有利だったが、だんだんその傾向が薄れてきたようにも感じる。馬場や芝が、徐々に変わってきているのかもしれない。

 レースにいってみたい。
 18頭のフルゲートになった。降級馬、このクラスの上位常連、上り調子の3歳馬などが顔を揃え、馬券的にはどこからでも入れそうだ。
 本命は◎アイライン。地方でデビューした馬だ。中央入り初戦こそ9着に敗れたが、その後は3、1、1着と結果を残している。芝向きなのだろう。前走は休み明けで古馬相手に完勝。叩き2走目でさらなる上昇を見込む。左回りで好成績を残しているのも心強い。マル地のニューヒロインになってほしい。
 推奨穴馬はアンブリッジ。休み明けだが充実度ならこれか。

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2015年7月8日水曜日

【書評】鈴木光司『ママとパパに聞かせたい27の話』(海拓舎)

『リング』、『らせん』を書いた鈴木光司氏は、実はイクメンだった



 貞子でおなじみの『リング』、『らせん』。これらのホラー作品を書いた鈴木光司氏が子育てについて語った本である。ホラー作家というと、楳図かずお氏のようなガリガリ体型を想像しがちだが、鈴木氏はその真逆のマッチョマンなのだそうだ。
 それだけでも意外だが、さらに鈴木氏は二人の娘さんをもつイクメンである。『リング』でブレイクする以前から、すでにお子さんが生まれていた。その頃、鈴木氏は小説では食っていけず、塾講師や家庭教師をしながら小説を書き、高校教師の奥さんを主夫として支えていたのだという。

 鈴木氏の子育て基本スタンスはこうだ。

「子育ては(もちろんしんどいことも多いけど)楽しいよ。子どもの成長に間近で接しないなんて、もったいない。やってみれば何とかなるって。迷ってるなら生んでみようよ」

実際に経験したからこそ、ここまで断言できるのだろう。

「そんなこと言っても、結局、子育ての中心になるのは母親でしょ。男目線で勝手なこと言わないでよ」

と言わせないだけのことを鈴木氏はやってきた。実経験に基づいた言葉なのだから、説得力がある。男の書いた子育て本というと、どうしても抽象論が多くなってしまいがちだが、本書はそれらとは一線を画している。

 印象に残ったのは「昭和時代の父親像は捨てたほうがいい」という主張だ。父親は外で仕事を頑張り、背中で子どもを育てる。何か大きなことがあったときだけ、父親としての意見を示して威厳を保つ。昭和の時代はそれでよかったのだが、これからはそういう父親ではやっていけないだろうというのだ。なるほど、一理ある。本書は15年ほど前に書かれたものだが、いま求められている父親像は、確かにそういう方向に向かっている。
「パパももっと子どもと過ごす時間を増やしましょう」
というわけだ。

 私も7歳(小学2年)の娘と5歳(保育園年中組)の子どもがいる。(妻に言わせれば「まだまだ足りないわよ」なのだろうが)子育てには時間を割いてきたほうだと思う。昭和のパパよりはもちろん、現在の平均的なパパよりも、子どもと過ごす時間は長いほうだろう。
 こう書くといいパパのようだが、一方で「もっと仕事にエネルギーを注ぐのが本来なのでは」という迷いもあった。決して仕事をサボっているわけではないのだが、ワーク・ライフ・バランスがライフのほうに傾きすぎているように感じていたのだ。しかし本書を読んで
「これはこれで、ありなのかな」
と思えるようになった。ありがとうございました。

 一つ難点をあげるなら、私には欄外のコメントはいらなかった。原稿の量が少なかったためか、埋め草的に「ママ代表」のコメントが欄外に書いてあるのだが、これは的外れだったような…。
 とはいえ、これは私が男性だからであり、女性にとっては「ママ代表」の言葉にむしろ共感を覚えるのかもしれない。

 実はイクメンだった一流作家。一方的に親近感を持ってしまったのは私だけではないだろう。




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2015年7月6日月曜日

【映画評】ベイマックス

ディズニー史上最高の「つかみ」


 上映後3分、いや30秒で目が離せなくなる。これほど「つかみ」のうまい映画がかつてあっただろうか。一気に持っていかれた。
 主人公の操るロボットの格闘シーンから話はスタート。そこへすかさず主人公の兄が現れ、兄のラボへと場面は移る。そこで待っていたのは、兄の仲間の科学オタクと、兄の作ったロボット、ベイマックス。
 ここまで、独断体感時間で約5分。もう離れることはできない。「やめられない、止まらない」、かっぱえびせん状態でラストまで一直線だ。

 ベイマックスは主人公が兄から残されたロボットだ。前半は、主人公とベイマックスが信頼関係を深めていくという、ロボットアニメによくありがちな展開。しかし後半は一転、敵が登場して戦いになる。かつてのディズニーなら、敵をやっつけて「よかった、よかった」なのだが、21世紀の現在、そんなに単純に終わるわけがない。もうひとひねりあって大団円。感動のフィナーレが待っている。
「つかみ」が素晴らしかった分、その後がやや物足りない感じもしたが、それも蛇足か。アニメの王道よろしく、しっかり話が閉じて気持ちいい。さすがディズニーだ。

 このところ、ディズニーの元気がいい。アナ雪は評判に違わぬ名作だったし、マレフィセントもアンジーのはまり役だった。アラジンや美女と野獣がヒットした約20年前に続く黄金時代なのかもしれない。




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2015年7月5日日曜日

【お父さんの週末料理】2015年7月4日・5日~夏野菜の美味しい季節~

 わが家では土曜、日曜の料理は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。
 家族構成は父(40代前半)、母(年齢非公表)、娘(小2)、息子(年中組)の4人である。なお、朝ご飯はパンとヨーグルト程度で済ませているので、特別に何か作ったとき以外は省略する。

 夏野菜が美味しい季節になってきた。となれば、あれを作らねば。

 7月4日(土) 

◆昼ご飯◆
 地元産のアユを焼いた。

<アユ>
 今日は息子と二人で買い物に。息子が選んだ「本日の魚」はアユ。(養殖だが)地元、滋賀県産のアユだ。値段も手頃。


<タコ飯>
 昨朝、子どもたちとテレビ(シャキーン)を見ていると、タコ飯が出てきた。美味しそうだったので作ってみた。下記レシピを参考に。


みんなのきょうの料理 たこご飯

<ラタトゥイユ>
 今週の作り置きメニュー。夏野菜の美味しい季節の定番メニュー。ひと手間かかるが、それぞれの野菜を別々に炒めてから煮込むと美味。今回も『ていねいなおかず』のレシピ。




<手羽元スープ>
 今日は贅沢にも手羽元でダシを取った。具はタマネギ、ニンジン、油揚げ。

<コロッケ>
 バロー名物、1個18円のコロッケ。今日は一人半個ずつ。

<カツオたたき>
 美味しくて安いのでついつい買ってしまう。

<サラダ>
 ナスとズッキーニの浅漬け、トマト、キュウリ。

―評 価―
 アユは大好評。少し食べにくいが、もろともせず食べた。

◆晩ご飯◆
 今日は妻が用事があるので、サクッと食べられる焼き鳥。

<焼き鳥>
 今日は地元の鶏肉店で鶏モモ肉を調達。少し高いが、美味い。スーパーで買った砂ズリとともに、オーブンレンジで焼いた。

かしわの川中

<ゴボウサラダ>
 タコ飯に入れたゴボウが余ったのでサラダにした。

<タコ飯>
 昼と同じ。

<手羽元スープ>
 昼と同じ。

<カツオたたき>
 昼と同じ。

<サラダ>
 昼と同じ。

―評 価―
 土曜は習い事の関係で昼が遅くなるので、夜はいつも食いつきが悪いのだが、今日はパクパク食べたほうか。焼き鳥も普通に好評。地鶏は噛みしめるとうま味があふれ出る。

 7月5日(日) 

◆昼ご飯◆
 土・日で一度は麺類を、ということで昼はパスタに。

<カレーパスタ>
 昨日作った手羽元スープのダシをカレーに転用。先日買ったカレーの残りを使った。子どもはカレーの王子様、大人は横濱舶来亭BLACK辛口。大人用のほうは、辛さは十分なのだが味が薄かった。もっとたくさん入れる必要があったのだろう。

<ラタトゥイユ>
 昨日と同じ。朝、パンにつけて食べたら美味しかった。

<ゴボウサラダ>
 昨日と同じ。

<サラダ>
 キュウリ、トマト。

―評 価―
 カレーパスタは予想通り瞬殺。ただ、息子は手羽元肉の軟骨が口に触ったらしくグズりかけた…。ラタトゥイユは娘が少し嫌がった。温かいほうが好みなのかもしれない。ちょっとタンパク質が少なかったかも。

◆晩ご飯◆
 今週もみんなのきょうの料理から、豚めんろーる。

<豚めんろーる>
 肉料理を検索して見つけたレシピ。娘が辛いのがダメなので、明太子をタラコで代用した。豚肉もレシピ(2 kg)よりは小さいものを使用。この手の料理は、きっちり巻くのが難しい。たこ糸を使わずにスーパーの肉売り場にある網で代用したのも一因か。見本のように見栄えよくはできなかったが、美味しくできた。
 付け合わせはナスとトウガラシの炒め物。

みんなのきょうの料理 豚めんろーる

<小松菜の醤油炒め>
 使い切れなかった小松菜が残っていたので、細かく刻んで醤油で炒めた。ご飯のお供に。

<ラタトゥイユ>
 昨日と同じ。

<タコ飯>
 昨日と同じ。

<手羽元スープ>
 昨日と同じ。具はうず巻き麩とナスを加えた。

<サラダ>
 キュウリ、トマト、ニンジン。

―評 価―
 豚めんろーるは美味しかった。欲を言えば、もう少ししっとりジューシーに仕上げたかった。肉料理はしっかり火を通すことと、ジューシーに仕上げることのバランスが難しい。

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【予想の回顧】CBC賞、ラジオNIKKEI賞、白川郷S(2015)

 今週はCBC賞。
 ◎ワキノブレイブは好発を切って中団の外につける。いい感じだ。直線でもスムーズに前が開き、後は伸びるだけだったのだが、坂で止まってしまった。重賞では家賃が高かったか。
 勝ったのはウリウリ。牝馬の55.5 kgはキツいと思っていたのだが、岩田騎手得意のイン差しが見事に決まった。1200 mの適性は高そうだ。

 福島ではラジオNIKKEI賞。
 ◎キャンベルジュニアは4、5番手。ところが3コーナーから早くもムチが入り、4コーナーでは下がっていく一方。まったく勝負にならなかった…。
 勝ったのはアンビシャス。トップハンデを背負って外から突き抜けて圧勝。ここでは力が2枚も3枚も上だった。秋が楽しみだ。

 土曜は中京で白川郷S。
 ◎キネオイーグルは1番人気。2、3番人気かと思っていたのだが。
 レースではストロングサウザーがハナを切った。えっ、こんな馬が。ペースが落ち着いたところでノボリドリームが上がっていき、先頭に並びかける。落ち着かないレースになった。キネオイーグルは先団を見る位置取りから、4コーナーでは外を回って先頭に並びかけるが手応えが悪い。直線半ばで力尽きて7着。正攻法で勝ちきるほどの力はなかった。
 勝ったのは逃げたストロングサウザー。穴を開けるなら逃げる馬と思っていたが、まさかこれが行くとは…。展開を読むのは難しい。

 今週は3戦0勝。まったくドモナラズだ…。

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2015年7月4日土曜日

【予想と与太話】CBC賞、ラジオNIKKEI賞(2015)~自称、穴ジョッキーとは~

 今週は中京でCBC賞が、福島でラジオNIKKEI賞が行われる。
「CBC賞はいつからハンデ戦になったのか。今年から?」
と思って調べてみると、9年前にこの時期に移ってきたときからだそうだ。ハンデ戦になって今回で10回目になるのに、いつまで昔の競馬カレンダーを引きずっているのだろうか。われながらトホホである。

 レースにいってみたい。
 芝1200 mのハンデ戦。中京が新装されてからの過去3回は、わりに平穏に収まっている。重ハンデの馬が上位に来ているのも特徴だ。そしてもう一つの傾向が、外枠有利。過去3回の枠連は8-8、7-8、4-6。昨年、エピセアロームが4枠で2着したが、それ以外の5頭はすべて二桁馬番。連対馬6頭のうち、3頭が8枠、1頭が7枠。
 というわけで、本命は8枠の◎ワキノブレイブ。前々走のGIと4走前は崩れたが、それ以外は堅実に走っている。中京で勝ち鞍もあるし、重馬場も大丈夫そう。さらに鞍上は
「先週から穴ジョッキーになりました」
とスポニチのコラムで自称している武豊騎手。頼みまっせ。
 推奨穴馬も、8枠からニンジャ。昨年の3着馬が忘れられている。

 ラジオNIKKEI賞は◎キャンベルジュニア。南半球産なのでハンデに恵まれた。

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2015年7月3日金曜日

【書評】辻村深月『凍りのくじら』(講談社文庫)

ページをめくるごとに、読者の心に何かがジワジワと積み重なっていく。しかしその正体が分からない


 初めて読んだ辻村作品。
 主人公の女子高生の一人称でストーリーは語られる。この主人公が自分につけたニックネームは「Sukoshi Fuzai(少し、不在)」。どんな人とも、どんな場にもすんなり馴染めるのだが、いつもどこか「不在」、すなわち傍観者なのだ。
 前半は、主人公が醒めた目で周囲とかかわり合う様子が訥々と語られる。静かだが、徐々に、ジワジワと何かが積み重なっていく。何かが積み重なっていることは分かるのだが、それが何なのか読者のわれわれにも判然としない。
「いったいこの正体は何なのだろう」
そして後半に、積み重なっていたことが一気に放たれる。
「ああ、そうだったのか」
という思いとともに、涙腺が緩む。うーん、泣けた。

 本書で取りあげられる人間関係は盛りだくさんである。父娘関係、母娘関係、友人関係、恋、ストーカー。人間関係のすべてを語り尽くそうとでも言うのか。しかし、これらが持て余されることなく、それぞれがきちんと語られるところが辻村氏の腕の良さなのだろう。
 また、巧みにストーリーに絡んでくるドラえもんとその道具もいい味を出している。

 これほどに「ジワジワ」来る作品は初めてだった。前半で投げ出してしまう読者もいるかもしれないが、最後まで読まないと損をすると断言できる。



【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...