2015年9月16日水曜日

【書評】小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』(文春文庫)

人形に入ってチェスを指す「盤下の詩人」リトル・アリョーヒン。
そのはかなくも美しい生き様に心が暖かくなる。


 主人公はチェス指しの少年。この少年は、人形に入ってチェスを指す。その人形は過去の名棋士にちなんで「リトル・アリョーヒン」と名づけられた。小説内では少年もリトル・アリョーヒンと表現される。少年と人形は一体なのだ。

 少年はチェスの先生や祖母をはじめ、さまざまな人との出会い、別れを経験する。その媒介にはつねにチェスがあり、対話はチェスによってなされるのだ。
「最強の手が最善とは限らない」
というチェスの先生の教えに従い、対局相手との共同作業により美しい棋譜を次々に生み出すリトル・アリョーヒン。その、はかなくも美しい生き様に心が暖かくなる。

 物語の背景にはつねに「死」があるのだが、恐怖感や暗さはなく、むしろほんのりと暖かい読後感が残る。
「死は生のすぐ隣にあるけれど、怖いことではないんだよ」
と語りかけられている感じがした。これが小川作品の通奏低音なのだろう。




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2015年9月13日日曜日

【お父さんの週末料理】2015年9月12・13日~今季初サンマ~

 わが家では土曜、日曜の料理は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。
 家族構成は父(40代前半)、母(年齢非公表)、娘(小2)、息子(年中組)の4人である。なお、朝ご飯はパンとヨーグルト程度で済ませているので、特別に何か作ったとき以外は省略する。

 今週は外食はなかったので4食分。今季初のサンマが登場。

 9月12日(土) 

◆昼ご飯◆
 昼食後にすぐに出かける必要があったので、さっと食べられるカレー。

<牛すじカレー>
 牛すじとタマネギとセロリを煮込んでベースにした。ニンジン、ジャガイモ、カボチャ、ナス、甘トウガラシ、マッシュルームと具だくさんのカレー。子どもはバーモント甘口、大人はジャワカレー辛口。ご飯は少なめ。

<サラダ>
 キュウリ、ズッキーニ、ニンジン、ワカメ。ちょっとドレッシングが多かったかも。


<コロッケ>
 また出ました、1個18円コロッケ。最近、息子は「いらん」というので、私と娘で半分こした。

<ブリの刺身>
 ちょっと贅沢した。


―評 価―
 息子は珍しくサラダにやや苦戦したが、二人ともカレーは瞬殺。もくろみ通り。

◆晩ご飯◆
 待望の今季初サンマ。

<サンマの塩焼き>
 今日は買い物に行く前からサンマにしようと思っていたところ、美味しそうなサンマが売っていたので迷わず購入。3匹を4人で分けた。私以外の3人は内臓が苦手なので、娘が内臓をズボッと抜いた。抜き方は下記参照。尾側で内臓も切っておくと、より抜けやすい。
 妻、娘、息子は尾側を、私は3匹分の頭側を食べた。

魚屋三代目日記 サンマの捌き方

<牛すじスープ>
 昼のカレーのベースをスープに転用。具はニンジン、エノキ。

<サラダ>
 昼と同じものにキャベツとサラダほうれん草を加えた。

<白ご飯>
 普通の白ご飯。

<豚肉と野菜の焼き浸し>
 今週の作り置きメニュー。豚肉(角切り)、ズッキーニ、ナス、カボチャ、マッシュルーム、ピーマンをニンニク風味の焼き浸しにした。


―評 価―
 サンマは美味しかった。サンマはやはり生(冷凍じゃない)に限る。子どもたちももりもり食べた。娘は自分で骨を取って食べるのが偉い。息子は骨を取るのはまだ無理だが、美味しく完食。

 9月13日(日) 

◆昼ご飯◆
 息子が唐突に「骨付きを食べたい」と言ったので、リクエストに応えた。チキンレッグのことを言っていたのかもしれないが、手羽元でお茶を濁した。

<手羽元のポン酢煮込み>
 手羽元をポン酢で煮込むレシピ。さっぱりして美味しい。ゆで卵とジャガイモを加えた。

みんなのきょうの料理 鶏手羽元のやわらか煮

<牛すじスープ>
 昨日と同じ。

<サラダ>
 昨日と同じ。

<白ご飯>
 普通の白ご飯。

<豚肉と野菜の焼き浸し>
 昨日と同じ。

―評 価―
 朝ご飯が多めだったので思いのほか進まなかった。手羽元の煮込みは美味しかったらしいが、お腹がそんなにすいてなかったとのこと。

◆晩ご飯◆
 いつもギョウザなので、たまにはシュウマイを。ノーマルに近いタイプと、ちょっと変わったタイプと、2種類を作ってみた。調理には娘が参加してくれた。こねたり包んだりするのは楽しいらしい。

<キャベツたっぷり肉シュウマイ>
 キャベツをたっぷり使ったメニュー。ギョウザ風の味わい。

みんなのきょうの料理 塩キャベツたっぷりのシューマイ

<トマトとえびのシュウマイ>
 少し変化球のシュウマイ。あっさりして美味しかった。バジルは割愛。

みんなのきょうの料理 トマトとえびのシューマイ

<牛すじスープ>
 昨日と同じ。

<サラダ>
 昨日と同じ。

<白ご飯>
 普通の白ご飯。

<豚肉と野菜の焼き浸し>
 昨日と同じ。

―評 価―
 娘はトマトのほうが、息子は肉のほうが好みだった。ただし、娘は加熱したトマトの食感は気に入らなかったそうだ。娘は「ぶにょ」っとしたものが苦手。焼きリンゴ(アップルパイ)もダメだ。
 シュウマイどうしがくっついて食べにくかったのが、少し残念だった。大きい蒸し器がほしくなる。シュウマイを包むのは難しかった。ギョウザのほうがポピュラーなのは、そのためだろう。

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【予想の回顧】セントウルS、京成杯オータムH、エニフS(2015)

 今週はセントウルS。
 ◎ハクサンムーンは逃げたアクティブミノルを見ながら2番手をキープ。ペースは思ったよりもスロー。しめしめだ。持ったままで直線を向き、あとは逃げ馬を捉まえるだけだったのだが、追い出しても反応せず、ずるずると後退。休み明けが堪えたか、衰えが見られるのか。何の見せ場もなかった…。
 勝ったのは、逃げたアクティブミノル。あれよあれよと逃げ切った。本番(スプリンターズS)では2着に差してきたウリウリが人気しそうだ。

 中山では京成杯オータムH。
 ◎アルビアーノは1番人気。人気上位なのは分かっていたが、1番人気とは。レースでは2番手追走から4コーナーで逃げ馬に並びかけ、直線では完全に抜け出した。
「よし、そのままっ」
と思ったのもつかの間、ラスト1ハロンでつかまって7着。それほどハイペースには見えなかったが、差し馬の流れになった。
 13番人気のフラアンジェリコが1着、10番人気のエキストラエンドが2着。こりゃ取れん。

 土曜は小倉でエニフS。
 ◎タイセイファントムは一団となった先頭集団の後ろから。前残りの馬場なので、もう少し前にいってほしいと思っていたのだが、3コーナー過ぎから仕掛けていき、直線では内から馬群を抜けてきた。グイグイ伸びて2着まで上がったところがゴール。さすが岩田騎手。
 1着は人気薄のエイシンビートロン。3番手からグイッと抜け出した。馬券はこの馬を押さえておらず、ハズレ。結果論だが、買えない成績ではなかったかなあ…。

 今週は3戦0勝だったが、最終馬連の恩恵にあずかりトータルはトントン。よしとしておきたい。

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2015年9月12日土曜日

【予想と与太話】セントウルS、京成杯オータムH(2015)~対照的な最終戦~

 秋競馬開幕週は阪神でセントウルステークスが、中山で京成杯オータムハンデキャップが行われる。前者はサマースプリントSの、後者はサマーマイルSの最終戦であり、それぞれのチャンピオンが決まる。さて、どの馬が王座に就くのか。
 秋のGIとの関連でいうと、セントウルSがスプリンターズSのメイン前哨戦となっているのに対し、京成杯オータムHはマイルCSにあまり結びついていない。次戦の時期も違えば、後者はハンデ戦ということもあるのだろうが、対照的なのが面白い。

 レースにいってみたい。
 セントウルSは、短距離戦線の有力馬が勢揃いした。この中からスプリンターズSの勝ち馬が出る確率が高そうだ。
 本命は◎ハクサンムーン。3強の一角だ。3年連続このレースに出走しており、一昨年が1着、昨年が2着と得意のレースだ。開幕週の馬場はあっているのだろう。調教もよく動いただし、衰えはなさそう。あとは、馬場入り時にクルクル回れば確勝か。
 推奨穴馬はマヤノリュウジン。長期休み明けの前走を叩いて変わり身がないか。


 京成杯オータムHは◎アルビアーノが本命。NHKマイルカップではお世話になった。もう一度、期待に応えてほしい。開幕週の中山1600 mは最適の舞台か。

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2015年9月11日金曜日

【予想と与太話】エニフステークス(2015)~秋だ、サンマだ、最終馬連だ~

 今週から阪神・中山開催がスタート。さっそく秋華賞のトライアルも組まれており、秋競馬モードだ。ちなみにわが家は、今週末は今季初サンマの予定である。

 そして、秋競馬と同時にスタートするのが「秋の最終馬連」。「JRA全場の「最終」第12レースの「馬連」を対象に、通常の払戻金に売上げの5%相当額を上乗せして払戻しいたします」というものだ。昨年に続き、この時期に実施される。


 この手のイベントの度に書いているが、私は
「払戻率のアップ(控除率の引き下げ)に勝るファンサービスなし」
というのが持論だ。馬券への還元こそが究極のファンサービスであろう。各レースの上乗せはわずかでも、トータルで見れば5%の違いは大きい。CMの本数は減らして、もっとこういうイベントを増やしてほしいものだ。

 レースにいってみたい。
 阪神の開幕初日のメインレースはエニフS。ダート1400 mのオープン特別。秋競馬を待っていたかのように、15頭と頭数も揃った。
 本命は◎タイセイファントム。前走は相手に恵まれた感もあるが、馬券圏内を確保。その前走も含め、阪神ダートは2-1-1-0の好成績。鞍上の岩田騎手が、ダートの内枠が得意なのも好材料。逃げ馬不在なので前にいってほしい。
 推奨穴馬はメイショウノーベル。距離がカギだが、ポンとハナを切れれば面白い。

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2015年9月9日水曜日

年中組の息子の夏祭り~お主、なかなかやるのう~

 夏休みの最後に、保育園年中組の息子の夏祭りがあった。天気はあいにくの雨。室内での実施となった。
昨年は張り切って最初から参加したので時間をもてあました。その反省もあり、今年はやや遅れて保育園へ。到着するなりさっそくアイスを平らげ、映画鑑賞へ。映画はドラえもんだ。
 そして晩ご飯。会場内はご覧の混雑で、食事を取る場所をキープするのに骨が折れた。


何とか場所を確保して食事にありついた。カレー(ちょっと薄かったような?)、唐揚げ、チヂミ、ポテトフライなどをもりもりと完食。どれも美味しかった。給食作りの方たちが用意してくださったのだろう。ご馳走様でした。
 娘はOGとして参加して、ヨーヨー釣りを楽しんだ。息子はくじ引きで1等賞を当て、アンパンマンのお面をゲット。


 その後は姉弟バラバラに。娘は小学校の友達を何人か見つけ、一緒に遊んでいた。息子はもちろんあちこちに友達がいる。ふと見ると、女の子に声をかけて、二人で楽しく遊んでいた。お主、なかなかやるのう…。



 そして、ようやく息子の盆踊りタイム。年長さんと一緒に踊った。


ビシッと手が伸びて、なかなか様になっている。着ているのは私の浴衣。母がとっておいてくれたものだ。
 最後は親鸞様(仏教系の保育園です)にご挨拶をしてバイバイ。さあ帰ろうと思って娘を探すと、なんと大雨の中一人で砂場で遊んでいたらしい…(いちおう屋根はついていたが)。子どもは、何に夢中になるか分かりませんなあ…。

 息子も年中組になり、友達もたくさんできたようだ。親にくっついて離れないなんてのは昔の話。友達とともに、あっちに行ったりこっちに行ったり、探すのがたいへんだった。
 4月生まれなので、いまはまだリーダー格なのだそうだが、そろそろ早生まれの貯金も尽きてきているような。駆けっこでもお勉強でも、上位に食い込むには努力が必要な時期が近づいている。さあ、どうする息子(笑)。

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2015年9月8日火曜日

【書評】F・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(早川書房)

機械が心を持つようになったとき、われわれはどうすればよいのだろうか


 先日、映画『ブレードランナー』を観たので、その原作を読んでみた。
 粗筋は映画と同じ。近未来、人類は高性能アンドロイドの開発に成功。しかし高性能化に伴って、アンドロイドが心を持つようになってしまう。不満やねたみを抱えた一部のアンドロイドが、人類への反逆を企てる事件が頻発。それらの反逆アンドロイドを壊す(殺す)ことを職業とする警察官が主人公だ。主人公とアンドロイドとの追いつ追われつのせめぎ合いの結末やいかに。

 ディックの作品は初めて読んだ。ちょっと陰鬱な、独特の世界観。『ねじまき少女』と似た雰囲気を感じた。そして、噂には聞いていたが、やや難解なストーリー。事前に映画を観ていなければ、ついていくのがしんどかったかもしれない。舞台設定に関する説明がなく、おもむろに話が始まるのだ。
 しかし、ファンにとってはそこがよいのかもしれない。あれよあれよという間に引きずり込まれてしまい、気がつけば読み終えていた。
 本作品のテーマは「心」。アンドロイドが心を持つようになったとき、われわれ人類はそれを尊重すべきなのか、それともそれは作り物だから無視してよいのか。SFの王道テーマが見事に描かれた名作だ。

 分かりやすさを求めるなら映画が、よりディープな世界観を堪能するなら小説がいいだろう。舞台設定は同じだが、映画化にあたっていろいろひねってあるので、その違いを楽しむのももちろんお勧め。




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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...