2016年6月2日木曜日

【書評】東野圭吾『人魚の眠る家』(幻冬舎)

ミステリーではなくても読ませる東野小説。テーマは脳死と移植


 テーマは脳死と移植。重い話題だ。脳死状態になった少女と、その母親を中心とする家族の物語。そこに東野氏得意の、架空の科学技術がアクセントを付け加える。
 脳死は人の死か、そうではないのか。日本で移植医療が進まないのはなぜなのか。日本人が大金を積んで海外で移植医療を受けるのは許されてよいことなのか。現在の移植医療、特に日本における移植医療の問題点を、巧みに小説化した作品だ。

 脳死を人の死と認めて移植医療をもっと推進すべきなのか、それとも「この子はまだ死んでません」という家族の声を優先すべきなのか。個人的には、脳死は人の死だと線を引くべきだと思うが、もし逆の立場になってしまったら、どう思うかは自信がない。正しい答えはないのだろうが「私には判断できません」で済ませてよい問題でもない。
 医療の進歩に伴い、この手の問題はさらに表面化していくだろう。そのとき、自分の意見は持っていたいものだ。




人魚の眠る家 [ 東野圭吾 ]
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2016年5月30日月曜日

【お父さんの週末料理】2016年5月28・29日~鮎が今季初登場~

 わが家では土曜、日曜の料理は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。
 家族構成は父(40代半ば)、母(年齢非公表)、娘(小3)、息子(年長組)の4人である。


 5月28日(土) 
昼は外食した。このところ、外食が多い。

◆晩ご飯◆
 今日は息子と買い物に。
 息子が選んだ本日の魚は鮎。シーズンになってきた。息子は魚を袋に入れるのが楽しいらしく、この魚を選んだそうだ。4人で2匹とやや少なめ。小骨を退治しつつ、美味しく完食した。
 他は和風スープ、サラダ、メカブのオクラ和え、そら豆ご飯。そら豆ご飯は、日経新聞のレシピを参考にした。豆が旬で美味しかったが、息子はそら豆が苦手で「いまいち~」の評価。

立派な鮎

日経新聞かんたんレシピ ソラ豆の混ぜごはん

 5月29日(日) 

◆昼ご飯◆
 娘はびわこ成蹊スポーツ大学の田植えイベントに参加したので不在。息子に何が食べたいか聞いたところ、お好み焼きを希望した。息子は好きなのだが、娘はソース系が苦手なので、あまり食べる機会がないのだ。息子の好きなネギをたっぷり入れた。
 他は和風スープ、サラダ。ちょっと少ないかなと思っていたが、満腹になった。粉物はお腹がふくれる。

◆晩ご飯◆
 メインはみんなのきょうの料理から「ミートボールとあさりのプロバンス風」。ミートボールがずっしりして、食べ応えのあるメニュー。少しパサつきが気になったが、これはムネ肉のミンチを使ったせいだろう。次はケチらずにモモ肉を使おう。
 他は和風スープ、サラダ、メカブ、そら豆ご飯(息子は白ご飯)。娘は田植えでお腹が減っていたようで、よく食べた。

「ミートボールとあさりのプロバンス風」

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2016年5月29日日曜日

【中央競馬予想の回顧】日本ダービー、朱雀S、欅S(2016)

 今週はダービー。
 ◎リオンディーズはがっちり抑えて後方から。しかし、かなり行きたがっている。4コーナーでは果敢にも内を突いた。外を回ってはノーチャンスというデムーロ騎手の判断なのだろう。馬群を縫うように抜けてきたが、5着まで押し上げるのがやっと。掛かったのがすべてだった。
 勝ったのはマカヒキ。7、8番手と思ったよりも前につけると、鋭く抜け出してサトノダイヤモンドとの一騎打ちに。最後は首の上げ下げでマカヒキに軍配。いいレースだった。川田騎手の好騎乗も光った。
 馬券はハズレ。

 土曜は京都で朱雀S。
 ◎ブレイズエターナルは中団馬群から。隣には人気のエーシンマイェスタがいる。4コーナーでは外を回して追い込みをはかったが、たいして伸びず、9着。やはり1400 mは長いのだろうか。まったく見せ場なし。
 勝ったのは◎と同じ位置にいたエーシンマイェスタ。こちらは内を突いて抜け出し、差しきった。うまく進路が開いた感もあるが、快勝。
 馬券は2着馬を買っておらず、ハズレ。

 東京では欅S。
 ◎ニットウスバルはかなりの出遅れ。前に行く馬ではないとはいえ、これは痛かった。それなりに差してきたが、8着まで。

 今週は3戦0敗。他も散々で久々の惨敗…。

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2016年5月28日土曜日

【中央競馬予想と与太話】日本ダービー(2016)~前走を糧に~

 今週はダービー。ご存じ、世代ナンバーワン決定戦である。
 今年のCMで使われているのは、キズナが勝ったときの映像。大外一気の強い勝ち方だった。しかしその後はいまいち波に乗れず、結局、強いのかそうでもないのか、よく分からないまま終わってしまった。いちど、マイル戦に使ってみてほしかったなあ。
 血統や馬体は素晴らしいので、種牡馬としては成功するかもしれない。

 レースにいってみたい。
 皐月賞の下馬評では3強だったのがレース後には4強に増え、さらに別路線組も台頭。馬券的には非常に面白いレースになった。
 本命は◎リオンディーズ。4強のなかでは皐月賞の着順が最も悪かった馬だ。しかしこのレースは、珍しくデムーロ騎手がしくじった。弥生賞で好位につけて結果が出たので、皐月賞でも位置を取りにいったのだ。しかしこれが完全に裏目。モロに掛かってしまい、3コーナーでは早くも先頭に。レコード決着の流れを作ってしまった。
 今回は折り合いに専念するだろう。距離が保つのは兄と母が実証済み。名手が続けて失敗するはずはなく、今度は折り合わせてくれるはず。
 推奨穴馬は、レッドエルディスト。前走の末脚は見所たっぷりだった。

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2016年5月27日金曜日

【中央競馬予想と与太話】朱雀ステークス、欅ステークス(2016)~府中の3コーナーの大木~

 いよいよ今週はダービーウィーク。競馬カレンダーの大晦日とも言える、総決算の日だ。
 その前日の京都メインは朱雀S、東京メインは欅S。毎年書いているが、もう少し「明日はダービーだ」ということを感じるようなレースが組まれていてもよいと思うのだが…。

 欅と言えば、東京競馬場の3コーナーにそびえる名物の大木を思い浮かべるが、実はあの木は欅ではないらしい。まあビックリ。「だから実況でこの木を「欅」と言わないように注意している」と、ラジオNIKKEIのアナウンサーが話していた。
 じゃあ欅Sの欅はどこから来たのだろうか。JRAウェブサイトの「特別レース名解説」で調べてみると

(前略)東京競馬場のある府中市の「市の木」でもあり、東京競馬場周辺を始め市内に多く植えられている。また、大國魂神社のケヤキ並木は、国の天然記念物に指定されている。

ということで、府中市にゆかりのある木なのだそうだ。3コーナーの大木とは関係ないことが分かった。

 ちょっとすっきりしたところでレースにいってみたい。
 朱雀Sはここ数年、ダービー前日の京都のメインに固定されている、芝1400 mの準オープン戦。
 本命は◎ブレイズエターナル。なかなか勝ちきれないが、このクラスでは上位の力の持ち主。前走は出遅れが応えた。最終週で、差しの決まる馬場になれば。
 推奨穴馬はカフェリュウジン。叩き2走目で展開の助けがあれば。

 欅Sは◎ニットウスバルを狙う。いまの充実ぶりなら、別定戦でも。

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2016年5月24日火曜日

【関西六大学野球】大商大-京産大戦を見に行った~6歳の息子と一緒に~

《待ってました》
 ある日、息子が「野球見に行きたいな~」と言い出した。待ってました! 野球好きの父親として、うれしいひと言だ。毎日テレビで観戦しているうちに、興味を持ってくれたようだ。
 しかし、野球はルールが難しい。どうすれば点が入るのか、どうすればアウトになるのか、6歳になったばかりの息子はまだよく分かっていない。野球よりも先にサッカーに興味を持つ子が多いのも、なるほどだ。
 たとえば息子は、捕手は投手の敵だと思っていた。なぜなら、投手とは反対(打者とは同方向)を向いているし、違う服を着ている(プロテクター)からなのだそうだ。
 なるほど、そう言われてみれば、理屈は通っているかも(笑)。ちょっと笑える勘違いだ。

捕手も審判も、投手の敵?

《どの試合を見るか》
 まだそんな段階だし、一試合を見るのは無理(飽きてしまう)のは目に見えている。「巨人の試合は見に行かへんで」というと「え~っ」と不満を表したが、プロ野球を見に行くのはまだもったいない。
 そこで最寄りの皇子山球場で何かやってないか探してみると…いいのがあった。関西六大学野球の大阪商業大学-京都産業大学戦が行われるというではないか。入場料は大人1000円、子どもは無料。これを見に行くことに決めた。

《いざ出発》
 前置きが長くなったが、いざ球場へ。ついたら、ちょうど1回表が終わるころだった。息子は大喜びで
「前で見ていい?」
とバックネット裏の最前列で観戦。いい当たりが正面を突いてアウトになって、観客から歓声が上がる。
「今のは点が入ったん?」
とややズレている息子。
「今のは、フライをそのまま捕ったからアウトやで」
などとルールの説明を挟みつつ、試合を見た。今日は、ファールとはどういうものかを少し理解したようだ。

野球日和の快晴だった

《白熱した展開》
 この日の試合は、リーグ優勝が決まるかもしれない大一番。大商大が勝てば優勝、京産大が勝てばプレーオフに持ち越しという天王山だ。
 1回、2回と大商大が点を重ねて3-0とリード。京産大は、チャンスは作るが1本が出ず、流れに乗れない。大商大のペースで試合が進む。しかし4回表に京産大が反撃。エラー絡みでチャンスを得て、ワイルドピッチで1点を返す。試合は分からなくなってきた。
 ところが、このあたりで息子がギブアップ。
「そろそろ帰りたいなあ」
と言い始めた。予想していた展開だったが、こんないい場面で…。
「すまんけど、もうちょっと見せて」
と息子にお願いする羽目に。すると京産大の2番打者にタイムリーが出て、1点差に追い上げた。いい試合だ。もう少し見たかったのだが、ここで球場を後にした。
 後で結果を確認すると、この回に京産大が同点に追いつき、その後は意外にも投手戦に。そして中盤に京産大が1点を勝ち越して、そのリードを守り、優勝決定を阻んだ。ナイスゲームだったようだ。

SANSPO.COM 京産大勝って優勝に望み/関西六大学

《応援はワンサイドゲーム》
 スタンドの応援はあまりにも対照的だった。
 京産大はチアやブラバンが来て、「ルパン三世」をはじめとする定番のヒッティングマーチで選手を鼓舞。日本の野球の応援は、華やかでいい。

チアとブラバンの華やかな応援

 一方の大商大は、ベンチには入れなかった部員が制服を着て、メガホンでアカペラを合唱…。
「セはセレマのセ、レはセレマのレ…」
という応援歌をはじめて聴いた…。しかも野太い声で歌われてもねえ。

男性部員の熱い(むさ苦しい?)応援…

 京産大は総合大学で大商大は単科大学だから、仕方ないと言えばそれまでだが、大商大の選手は少し可哀想だったような。

《また行こう》
 飽きはじめたところで帰ったのがよかったのか、息子は「楽しかった」とのこと。もう少しルールや選手を覚えたら、プロ野球も見に行こう!

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2016年5月23日月曜日

【書評】東野圭吾『白銀ジャック』(実業之日本社文庫)

珍しく犯人を当てた! と思わせておいて、さらにその上をいくのが東野小説



 スキー場に埋めた爆弾をネタに、大金を要求する脅迫状が届く。スキー場側は、警察には内密に処理することを決め、秘密裏に現金を用意する。現金の受け渡しはもちろんゲレンデ。スキーヤーとボーダーの、追いつ追われつの滑走劇が本作の見所の一つだ。
 主要登場人物は、少数精鋭。3名のスキー場職員を軸に、ゲレンデで家族を亡くした父子、謎の老夫婦、大会に出場するためにゲレンデにこもる女性ボーダーとその従兄弟。怪しいようで怪しくないようなメンツが絡み合う。

 犯人との駆け引き、脅迫、民間人の保護など、昨年映画化された「天空の蜂」と重なる雰囲気だった。
「映像化に向いた作品だよなあ」
と思っていたら、案の定、ドラマ化されていた。

 脅迫者はどこにいるのか。そして、その真の目的は。ページをめくる手は止まらず、あっという間に終盤へ。ここで珍しく
「脅迫者は、おそらくこのあたりかな」
とひらめいた。東野氏のどんでん返しを、ついに読み切ったかも!
 そしてラストへ。脅迫者は私の予想通りだった。
「やった。ついに東野氏を超えた(?)」
という喜びもつかの間。またしても、東野氏にしてやられた。
 むむう。次こそは、どんでん返しを読み切ってみせるぞ。




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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...