2017年2月13日月曜日

【書評】宮部みゆき『誰か Somebody』(文春文庫)

暖かい人物が暴く、冷たい事実


 杉村三郎シリーズ第一弾。大富豪の末娘と結婚した杉村が事件の謎を解く、というよりもさまざまな人の人生を掘り下げ、つなぎ合わせてゆく。杉村の、実にていねいな仕事ぶりが心地よい。ひとつひとつ、大事に進めてゆくのだ。だからさまざまな場所で、さまざまな人たちに暖かく迎えられる。
 しかし、杉村が明らかにしていく事実はかなりとげとげしい。人間社会の棘を表現するのは宮部氏の得意技。杉村の暖かさとの対比により、この棘の鋭さがますます強調される。宮部氏の小説には、いつもゾクッとさせられる。

「今回は宮部小説恒例の『胸くそ悪くなる極悪人』は出てこないのかなあ。ちょっと残念」
と思わせておいて、最後にぎゃふん。鮮やか。

《あらすじ》
 杉村の義父の運転手が自転車にぶつかられて死亡。その犯人を探る過程で、杉村は亡くなった運転手の娘二人とかかわることになる。彼女らの人生の原点をたどる過程と、自転車事故の犯人捜しが並行して進んでゆく。



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2017年2月12日日曜日

【中央競馬予想の回顧】京都記念、共同通信杯、クイーンC、洛陽S(2017)

 今週は京都記念。
 ◎ヤマカツライデンは-10 kgと絞ってきた。いい感じだ。レースでは予定通りハナを切り、大逃げを打った。しかし、4コーナーで後続に詰め寄られると、ラスト200 mでギブアップ。7着に沈んだ。この相手では荷が重かった。
 勝ったのはサトノクラウンスマートレイアーマカヒキとの叩き合いを制して連覇を達成した。2着にスマートレイアーが残ったのは立派。まだやれそうだ。
 注目のマカヒキは3着。4コーナーで前に取りついたときは突き抜けそうな手応えだったのだが、意外に伸びを欠いた。馬場が応えたのだろうが、それにしても案外。

 東京では共同通信杯。
 ◎ムーヴザワールドは4、5番手。直線ではスムーズに進路を確保して、あとは伸びるだけだったのだが、同じ位置にいた勝ち馬には完全に切れ負け。2着のエトルディーニュにも残られて3着まで。勝ち馬には完敗と言える内容だった。賞金の加算にも失敗。
 勝ったのはスワーヴリチャードムーヴザワールドと同じような位置取りで、残り400 mでも持ったまま。追い出すと一気に突き抜けて2馬身半差の完勝。クラシックが楽しみだ。先日、サトノアレスが戸崎騎手でクラシックに向かうことが発表されたが、四位騎手が降ろされたというよりも、四位騎手がこの馬を選んだのかもしれない。

 土曜はクイーンC。
 ◎フローレスマジックは+18 kgでいい馬体に見えた。中団から進め、直線入り口では内に押し込められたが、外に出して進路を確保。真横にいたアドマイヤミヤビとの一騎打ちかと思いきや、アドマイヤミヤビにはあっさり突き放され、2着のアエロリットにも残られて3着。完敗。
 アドマイヤミヤビは最速の上がりで突き抜けて完勝。ソウルスターリングとの対決が楽しみだ。

 京都では洛陽S。
 ◎ケントオーは中団から脚を伸ばしたが、大接戦の2着争いにハナ差敗れて3着。

 今週は4戦0勝。2017年は出足からおおいに躓いている…。

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2017年2月11日土曜日

【書評】山梨明子『暮らしを彩る和紙オリガミ』(実務教育出版)

和紙で折るとあら不思議


 何を隠そう(隠してないけど)、わが息子(年長組、6歳、もうすぐ1年生)は大の折り紙好き。好きなだけでなくかなり得意で、けっこう難しいものでも、本を見ながら一人で折ってしまう。なので、本書が届いたときには大喜び。さっそく折ってみた。
 選んだのは「ハスの花皿」。レベルは3段階中の2番目だ。それほど苦労することもなく、父子とも順調に折り進める。しかし
「余裕やな」
と油断したのが悪かったのか、最後にぐるっと裏返すところで苦戦した。何とか作り終えたが、見本のような出来栄えとはいかなかった(そりゃそうか)。

ハスの花皿。あまりハスっぽくないような…

 本書の特長は、何といっても和紙の折り紙がついているところ。いまどき折り紙といえば洋紙が普通だが、本書は和紙で折るのを前提とした作品が紹介されている。箸置きやお皿など食卓で使うものから、アクセサリーまで、和テイストのものがずらりと並ぶ。暖かみがある、ほっこりした雰囲気になるのが和紙パワーなのだろう。洋紙で折った道具箱と比べてみてほしい。

和紙と洋紙の違い

 しかし息子は「やっぱ恐竜のほうがええなあ」だそうだ。確かに本書は大人向けだね。

息子の作ったステゴサウルス



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【中央競馬予想と与太話】京都記念、共同通信杯(2017)~ダートの共同通信杯~

 今週は西で京都記念、東で共同通信杯が行われる。
 共同通信杯はここ5年で4頭の皐月賞馬と2頭のダービー馬を輩出するという「超」出世レース。以前は弥生賞がクラシックとの結びつきが強かったが、それをしのいで現在はこのレースがナンバーワンと言ってよいだろう。
 歴代勝ち馬を見ていると「あれっ?」と思うのが1998年。この年だけなぜかダートで行われたのだ。その原因は雪。かなりの降雪があり、この日の芝のレースはダートに変更になった。
 このときの勝ち馬がエルコンドルパサー。デビュー戦、2戦目とダートで圧勝し、初めて芝を走るのがこのレースのはずだったのだが、ダートになってしまった。そうなると人気を集めるのは当然で、1.2倍の圧倒的人気に応えて圧勝した。その後は芝に転向して華々しい競走成績を残したのは周知の通り。ダート路線も充実している現在なら、ずっとダートを走っていたかもしれない。

エルコンドルパサー。netkeiba.comより

 レースにいってみたい。
 今年も素質馬が集まった。そのなかから本命は◎ムーヴザワールド。前走はクビ、ハナ差の3着で賞金加算に失敗。まだ1勝馬なので、ここは何としてでも賞金を加えてクラシックへの出走権を確保したい。その気持ちも加味しての本命。
 推奨穴馬はアサギリジョー。強敵相手に善戦している。

 京都記念は思い切って◎ヤマカツライデンを狙う。スイスイ行けそう。

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2017年2月10日金曜日

【中央競馬予想と与太話】クイーンC、洛陽S(2017)~母父としてブレイクした名馬の血~

 今週もまた雪の予報。私は大津から京都に通勤しているので、職場は降っていないが自宅は降っている状態。ちょっとげんなりだ。
 そんな土曜は東京でクイーンカップが組まれており、京都のメインは洛陽ステークス。
 クイーンCは今回で52回目を迎える、意外に歴史のあるレースだ。この時期の3歳中距離重賞のレベルが上がっているのは牡馬と同様で、近年は続々とGI馬を排出している。
 歴代勝ち馬の中で印象に残っているのがエイダイクイン。メジロマックイーンの初年度産駒で、この馬が出てきたときにはマックイーンが種牡馬として成功することは間違いないと思ったのだが、そうはならなかった。
 しかしその後、メジロマックイーンは母の父としてドリームジャーニー、オルフェーヴルの兄弟とゴールドシップを排出した。父系が断たれたのは残念だが、その血は脈々と受け継がれていくことだろう。

エイダイクイン。netkeiba.comより

 レースにいってみたい。
 フルゲートの16頭が揃った。この時期の重賞で4頭も除外馬が出るのは珍しい気がする。
 本命は◎フローレスマジック。前走はGI 2着馬のリスグラシューには届かなかったが、最速の上がりで半馬身差まで詰め寄り、3着には3馬身半の差をつけた。府中の1600 mは走り慣れた舞台。アドマイヤミヤビを選んだルメール騎手をギャフンと言わせてほしい。
 推奨穴馬はアエロリット。穴というほどではないが、人気の盲点になりそう。あと、1戦1勝の4頭は押さえておきたい。中でも気になるのはセイウンキラビヤカ

 洛陽Sは◎ケントオーを狙う。前走は着順こそ悪いが、それほど負けていない。重馬場適性を見込んでの本命。

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2017年2月9日木曜日

年長組の息子の音楽発表会、小3の娘の学習参観(2017)

【幼児音楽フェスティバル滋賀県大会】
 1月末に、息子(年長組、6歳)の音楽発表会があった。息子のこども園は毎年「幼児音楽フェスティバル滋賀県大会」というのに参加している。滋賀県内の六つの保育園が集まり、音楽の演奏やダンスを披露するもので、今回で14回目とのこと。

滋賀報知新聞の記事

 息子の園はアフリカンシンフォニー、カーペンターズメドレー、情熱大陸を演奏した。息子は情熱大陸ではハイハット(シンバル系)を担当して楽しかったそうだ。人数も多く、なかなかの迫力。私はカーペンターズは好きなので、しみじみした。
 午後はアニメヒットメドレーで鼓隊を披露。息子はトリオという太鼓を担当。これはなかなか目立つ役でかっこよかった。最後はビシッと敬礼を決めて退場。いつの間にこんなことができるようになっていたのだろうか。大きくなったものだ。写真撮影厳禁なので写真がないのが残念…。

トリオ。子ども用の楽器のようだ

 他の園の発表もかなりの出来映え。先生がいっさい入らずに、園児だけで和太鼓を演奏した園には特に驚いた。今年も元気をもらいました。

 いまは最上級生だが、4月からはいちばん下っ端に逆戻り。それまであと数ヶ月、楽しい思い出を作ってください。


【学習参観】
 2月上旬には娘(小学3年生、9歳)の学習参観。役所に行くため1日有休を取る必要があったので、どうせならと参観の日にあわせて休んだ。参観の内容は、生徒たちが二人以上で一組になって、何かしらの発表をするというもの。テーマは「社会・総合」、「リコーダー」、「百人一首」、「3年生で頑張ったこと、4年生で頑張りたいこと」の三つ。好きなテーマを一つ選び、だれかとペア(またはトリオ)になって発表する。
 娘はリコーダーを選び、仲良しの子と二人でエーデルワイスの合奏などを披露した。二人で同じメロディーを吹くのではなく、合奏になっている部分もあり、なかなか高度だった。間違えずに上手にできました。娘はまだドの音が上手に出ないのだが、エーデルワイスはドがないので大丈夫だったらしい(笑)。

リコーダーで合奏。上手にできました

 リコーダーを選んだのは二組のみと人気薄だったが、みんなと違うことをやってみるのはよいことだ。「頑張り」を選んだ生徒が圧倒的に多かった。
 最後はクラス全員で合唱とリコーダを披露して終了。このクラスもあと1カ月と少し。次はどんなクラスになるのだろうか。
 担任の先生には2年続けてお世話になっている。2年間ありがとうございました。

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2017年2月5日日曜日

【お父さんの週末料理】2017年2月4、5日~豪華、但馬牛のステーキ~

 わが家では土曜、日曜の料理は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。
 家族構成は父(40代半ば)、母(年齢非公表)、娘(小3)、息子(年長組)の4人である。


 2月4日(土) 

◆昼ご飯◆
 この日は歯医者があったので、娘と二人で買い物に。娘が選んだ「本日の魚」はブリ。養殖物で少し高かったのだが、贅沢にも4切れを購入。塩焼きにして食べた。ちょっと塩辛かったが、寒ブリは絶品。
 他はサラダ、和風スープ、ブリの刺身、炊き込みご飯。刺身ももちろん超美味。

ブリは今が旬

◆晩ご飯◆
 ふるさと納税で申し込んだ但馬牛のステーキが登場! 兵庫県朝来市の返礼品だ。和牛のステーキを家で焼くのは初めてだろうと思う。前日から冷蔵庫で解凍し、準備は万端。ミディアムレアに上手に焼けた。いやあ、美味かった。家族一同大満足。肉を食べると元気が出る。
 他はサラダ、和風スープ、炊き込みご飯。

こういう状態で送られてきた

われながら上手に焼けた。家族みんな大満足

 2月5日(日) 

◆昼ご飯◆
 「今週の魚」第2弾はイワシ。この前も食べたばかりなのだが、安くて美味しいのでついつい買ってしまう。小麦粉とカレー粉をまぶして揚げ焼きに(辛いのが苦手な娘はカレー粉はナシ)。バローのイワシは上手に開いてあって食べやすい。いつも好評。
 他はサラダ、うどん、納豆。

いつも好評のイワシ

◆晩ご飯◆
 パリパリチキンを焼いた。鶏もも肉を鍋などでギュウッと押さえつけながら焼くと、パリッとジューシーに仕上がる。甜麺醤、醤油、マヨネーズ、五香粉(ウーシャンフェン)を混ぜた特製ソースをつけると、これがまた好評。弁当用にと思って、もも肉2枚を焼いたのだが、ほとんど食べ尽くしてしまった。
 他はサラダ、うどん。

パリパリチキン。ほとんど食べ尽くした

◆番外編◆
 娘がどこで聞いてきたのか「ポップコーンを家で作ってみたい」というのでやってみた。フライパンにトウモロコシの種を入れ、サラダ油を絡ませて、塩を振って蓋をして加熱。2~3分ほどで
「ポンポン」
と音がしはじめる。なるほど、なかなか楽しい。娘が作ってくれた。まだ残っているので、近いうちにまたやろう。

ポップコーンを作るのは楽しかった

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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...