2017年7月6日木曜日

【書評】田中宏暁『ランニングする前に読む本 ―最短で結果を出す科学的トレーニング―』(講談社ブルーバックス)

走るつもりはなかったのに


 ランニングを始める予定も、走りたいという欲求もなかったのだが「簡単なコツを掴むだけで、3カ月でフルマラソンは完走できる」というキャッチコピーを見て興味をもった。いったいどんなコツを掴めば、ランニング未経験者が3カ月でフルマラソンを走れるようになるのだろうか。半信半疑で読み始めた。

 「簡単なコツ」の正体は、スロージョギング。ニコニコ笑いながら会話ができる程度のスピードで、つま先着地で、狭い歩幅で、ぺたぺたと走ればよいというのだ。準備運動は不要(むしろしないほうがよい)。細切れでもOK。これを続けていけば、フルマラソンに必要な体力が3カ月で身につくらしい。
 「ホンマかいな」と思うことなかれ。著者の田中氏は医学博士で、専門は運動生理学。そのため、スロージョギングの効果を非常に科学的に検証しており、その主張はエビデンスに支えられている。また、自身もスロージョギングを実践していて、自らその効果を証明している。
 しっかり続けることができれば(それが難しいのだろうが)効果があることは間違いないようだ。決していかがわしいものではないと断言してよいだろう。

 また、本書のタイトルは「ランニングをする前」だが、すでにランニングを始めている人にもおおいに参考になるだろう。特に、タイムが伸び悩んでいる人、長続きしない人、すぐに体を痛めてしまう人にはお勧めしたい。

 走るつもりはなかったのだが、本書を読んで、スロージョギングをやってみることにした。私は通勤時に往復で約4 kmを歩いているのだが、それをスロージョギングに変えればよいと考えたのだ。それなら、ジョギングのための時間を新たに作らなくて済む。もちろんこれだけでは足りないのだが、土・日に時間の取れる週には走るという程度で、ゆるゆるとやっていこうと思う。
 本当に3カ月でフルマラソンを走れるようになるのか、己の身体で検証してみたい。3カ月後を楽しみにお待ちいただきたい。
「来年の京都マラソンなんて、マラソンデビュー戦にちょうどよいかも」
などと妄想を膨らませている今日この頃である。




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2017年7月4日火曜日

【お父さんの週末料理】2017年7月1、2日~魚が3連チャン~

 わが家では土曜、日曜の料理は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。
 家族構成は父(40代半ば)、母(年齢非公表)、娘(小4)、息子(小1)の4人である。


 7月1日(土) 

◆昼ご飯◆
 プール教室が土曜から平日に変わり、昼食の時間が早まったため、土曜の午前中がとてもせわしない。というわけで、土曜の昼は手抜きすることにした。サラダくらいは用意するけど、メインはカップ麺やレトルトなどを中心にしようと思う。
 今週はレトルト大会。娘は牛丼、息子はカレーをチョイス。私は残っていたラーメンを食べた。妻からは
「ゆで卵を用意せよ」
との指令があった。独自路線はけっこうですが、体を壊さないようにしてほしいものだ。
 他はサラダ、和風スープ。

◆晩ご飯◆
 この日は私ひとりで買い物に。選んだ「今週の魚」はハマチ。立派なハマチが1匹700円。2枚に下ろしてもらって、半身を刺身に、半身を塩焼きにする予定だったのだが、予想外に大きく、1回では食べきれなかった。刺身はもちろん、塩焼きも好評だった。魚の目玉が好物な娘は頭部を担当。ほじほじと器用に食べる。
 他はサラダ、和風スープ、五穀米。

ハマチの塩焼き。頭部は娘の好物

ハマチの刺身。もちろん瞬殺

 7月2日(日) 

◆昼ご飯◆
 昨日のハマチが残ったので、食べきった。昨日同様、塩焼きに。刺身も再登場した。どちらも好評。
 他はサラダ、和風スープ、そうめん。

再びハマチ

◆晩ご飯◆
 「今週の魚」第2弾はトビウオ。きれいに開いたトビウオが2匹で300円とお買い得。塩焼きにした。小骨が少し気になったが、息子もグズらず食べられるようになってきた。美味しく完食。
 他はトマトカップサラダ、中華風スープ、とろろ、ざるうどん、ベーコン巻き。ベーコン巻きは、翌日の弁当用に作った。「キュウリ+チーズ」バージョンと、「アスパラ+チーズ」バージョンの2種類。娘も息子もキュウリバージョンに軍配。
 当初、日曜の夜に予定していたジンギスカンは月曜に延期。息子が落ち込んでいた(笑)。

トビウオ。魚が3回続いた

◆番外編◆
 トマトカップサラダととろろは娘が作ってくれた。トマトカップサラダは見た目がとてもきれいで、娘のお気に入りのメニューだ。まず、トマトをカットして中をほじる。そこへ、ほじったトマト、アスパラ、トウガラシ、コーンを刻んで詰めた。上手にできました。
 写真は食べかけです。すみません…。

トマトカップサラダ。食べかけでスミマセン…

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2017年7月2日日曜日

【中央競馬予想の回顧】CBC賞、ラジオNIKKEI賞、白川郷S(2017)

 今週はCBC賞。
 ◎アリンナはテンに行けず、中団から。これでは持ち味は生きず、見せ場なしで、ブービーの17着。ここは家賃が高かった。
 勝ったのはシャイニングレイ。1、2番手の馬が3、2着に残る流れを、最後方から一気に差しきった。これは強い。もう少し流れに乗れるようになれば、デュランダル級の名スプリンターになれるかも。

 福島ではラジオNIKKEI賞。
 ◎クリアザトラックは4番手から。3コーナー過ぎからセダブリランテスに合わせて動いていったが、手応えの差は歴然。上位争いには加われず、離れた4着に終わった。56 kgを背負っていたにしても、物足りなかった。乗り替わりの影響もあったのかもしれない。
 勝ったのは<>セダブリランテス。しぶとく粘ったウインガナドルを、何とかクビ差かわしたところがゴール。石川騎手の重賞初制覇となった。

 土曜は中京で白川郷S。
 ◎ナムラアラシは1番人気に応えられず、5着まで。最速の上がりで差したが、行った行ったの決着ではこれが精一杯だった。予想段階での不安がモロに的中。展開を読むのは難しい。
 勝ったのは逃げたアドマイヤロケット。重馬場でスローに落とせばシメたもの。まんまと逃げ切った。

 今週は3戦0勝。土曜はプラス収支だったのだが、日曜に吐き出してしまった。

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2017年7月1日土曜日

【中央競馬予想と与太話】CBC賞、ラジオNIKKEI賞(2017)~10年前に穴を開けた馬~

 今週は西でCBC賞が、東でラジオNIKKEI賞が組まれている。
 ラジオNIKKEI賞はハンデ戦になってから、今回で12回目。ハンデ戦らしく、荒れ傾向のレースだ。過去10年で馬連万馬券が3回。馬券としてはたいへん面白いレースと言えるだろう。
 ちょうど10年前の2006年も、馬連が18990円と大きく荒れた年だ。1着には1番人気のロックドゥカンブが入った(ニュージーランド生まれという変わり種だった)。ところが2着に14番人気がきて波乱を呼んだ。その馬がスクリーンヒーロー。後の活躍を思えば夏のGIIIで14番人気とは信じられないが、プリンシパルSで7着、エーデルワイス賞で4着という臨戦過程なら妥当な評価だったのかもしれない。その後はジャパンカップを勝って種牡馬入り。モーリス、ゴールドアクターのGI馬を送り出し、一躍、人気種牡馬となった。

スクリーンヒーロー。netkeiba.comより

 レースにいってみたい。
 今年は12頭と少頭数。本命は◎クリアザトラック。このレース唯一のディープインパクト産駒だ。ディープインパクトは意外にこのレースと相性がよく、ここ2年連続で勝ち馬を送り出している。直線の長いコースがよさそうに思うが、自身もそうだったように、小回りも得意なのだろう。大外枠はやや誤算だが、少頭数ならそれほど不利にはならないだろう。前につけて押し切ってほしい。
 推奨穴馬はロードリベラル。このレース、前走大敗の馬が突然巻き返すケースが見られる。

 CBC賞は◎アリンナが本命。すんなりなら。

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2017年6月30日金曜日

【中央競馬予想と与太話】白川郷ステークス(2017)~日本三大恐怖ロープウェイ~

 阪神・東京開催が終わり、今週から中京・福島開催がスタート。夏競馬本番だ。
 そんな中京開催初日のメインは白川郷S。世界遺産である白川郷を冠したレースだ。しかし、白川郷については昨年を含めて何度も書いたのでネタが切れた…。
 というわけで、今年は9Rの御在所特別を取りあげたい。御在所岳は三重県と滋賀県の県境にある山で、その三重県側に湯の山温泉がある。20数年前に家族で行ったことがあり、そのときに御在所ロープウェイに乗ったのだが、これがまあ怖かった。私は高いところが、特に「地に足がつかない」状態が大の苦手。ロープウェイは天敵とも言える乗り物なのだ。数あるロープウェイのなかでも、この御在所ロープウェイは3本の指に入る恐ろしさだった。日本三大恐怖ロープウェイの一つに認定しておきたい。

御在所ロープウェイ。超怖かった…

 レースにいってみたい。
 予想は白川郷Sを中心に。昨年は一週後の第3日に組まれたが、今年は初日に復帰。フルゲートの16頭が揃った。ダート1800 mの準オープン戦。この時期の準オープン戦は降級馬が有利だ。というわけで、本命は◎ナムラアラシ。前走、前々走とオープン特別で3着なら実績は2枚も3枚も上。ハンデも57 kg止まりなら許容範囲。ズバッと差してほしい。心配なのは展開。逃げ馬不在でスローになりそう。極端な前残りの流れにならないように願いたい。
 堅く収まる見立てだが、推奨穴馬をしいてあげるならスノーモンキー。重馬場、左回りともに得意。

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2017年6月29日木曜日

この10年を振り返って【ブログを始めて10年になりました】

 ブログを始めて、今月でちょうど10年になった。いまのマンションに引っ越してきて、娘が妻のお腹の中にいるときに始めたのだった。いまのブログ(blogspot.jp)はまだ6年目だが、その前に4年ほど違うところでやっていた。
 読み返すと、当時のことが思い出される。10年なんてあっという間だと思っていたが、かなりいろいろ忘れていることにビックリ。人の記憶など、いい加減なものだ。いい記憶を貯めていく人と、悪い記憶を貯めていく人は、人生の最後に大きな差がつくのかもしれない。
 ブログを始めた当初は、書き慣れていないし、初めての子どもが生まれる前後ということもあり、数週間に一度の更新ということも珍しくなかった。最初は科学に関すること、言葉の雑学、出版・編集についてなどを中心に書こうと思っていたのだが、すぐに競馬予想が中心になってしまった(笑)。だが、今になって思うと、それが10年続いた理由なのかもしれない。

 ブログを読み返して、改めて思い出したこの10年。
 子どもが生まれてからは(どこの家でもそうだろうが)生活が子ども中心にシフトした。当時はそれほど意識していなかったが、私と妻の生活も激変したのだろう。
 娘が生まれてからしばらくは、母親たる妻を賞賛する記述が見られたのだが、しばらく後にはそれが一変。妻が毎週末のように、酒を飲んでは私に絡んでいたようだ…。子育てのストレスはあったのだろうが、酒癖の悪い人は気をつけましょう。

 娘の2年半後に息子が生まれ、その息子が乳児期を終えて幼児期に入る頃になると、ずいぶん余裕が出てきたようだ。妻が仕事を再開したのもこの時期であり、結局これが、わが家の風通しが改善したいちばんの要因なのかもしれない。
 ブログを移転したのもこの頃で、それからはほぼ毎週、競馬予想をアップしている。妻のストレス爆発が私に向かうことも減り、時間的・精神的な余裕ができたのだろう。その後は書評、映画評、子どもの様子、週末料理なども書くようになり、子どもたちの成長に伴って、自由になる時間が増えてきたことが分かる。

 そして、10周年。上の娘は4年生、下の息子は1年生になった。(お母さんはまだまだ世話を焼く気が満々だが)子どもたちはどんどん自立していくのだろう。
 それに伴い、増えるであろう時間。「時間を何に使おうかなあ」などという贅沢な悩みが、そろそろ出てくるのだろうか。でも、時間は増えても収入は増えないので、お金はかけられないのだが…。

 10年後はどうなっているのだろう。
「10年前に比べて楽になったなあ」
と思うのか、それとも
「10年前はよかったなあ…」
と思うのか。ぜひ前者であってほしいものだ。

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2017年6月26日月曜日

【書評】橘玲『タックスヘイブン』(幻冬舎文庫)

小説として面白すぎるのが玉にきず?


 『マネーロンダリング』に続く、橘氏の金融小説第2弾。タックスヘイブンは直訳すると「税金天国」だが、租税回避地と訳されることが多い。平たく言えば、どれだけ収入があってもほとんど課税されない国や地域のことだ。税金が給料から天引きされる、われわれ日本人サラリーマンには縁がないが、億単位の収入がある個人や企業がこれを利用しないはずがない。また、本作品でも出てくるように、裏金の洗浄にもかかわっているようだ。

 前作の『マネーロンダリング』から12年が経ち、世界の金融ルールが劇的に変化したことがよく分かる。アメリカをはじめとする国や地域が、タックスヘイブンへの圧力を大幅に強めているのだ。
 そのような時代に、裏金や灰色の資金をどのように隠すのか。また、タックスヘイブンを使って合法的に節税する方法はあるのか。こんな金融ノウハウが小説の形で披露される。
 とはいえ本書に登場するノウハウは、2017年現在の金融業界ではすでに時代遅れになっているのだろう。それほど変化は早い。

 あえて難癖をつけるなら、小説のストーリーが面白すぎて、金融ノウハウが頭に入ってこないことか。それくらい小説としての完成度も高い。
「リーマンショックやパナマ文書に興味はあるけど、経済の本を読むのはしんどいなあ」という人にはおすすめの一冊。

《あらすじ》
 主人公は古波蔵というフリーの金融マン。その旧友である紫帆の夫(北川)がシンガポールで謎の死を遂げた。北川はいったい何者で、どうやって巨額の収入を得ていたのか。
 日本のヤクザや政治家の巨額資金が突然消失。シンガポールのプライベートバンクが資金のやりとりの舞台となったようだ。北川はピエロに過ぎないことは明らかだ。その背後ですべてを操る黒幕はいったい誰なのか。



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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...