2016年3月31日木曜日

【書評】岡田吉美『遺伝暗号のナゾにいどむ』(岩波ジュニア新書)

科学も人の営みであり、そこにはドラマがある


 メンデルが遺伝の法則を見つけたのが1865年のこと。もちろんそれまでも「子は親に似る」ことから明らかなように、遺伝そのものの存在を疑う者はいなかった。
 ではメンデルは何を見つけたのか。それは、たとえば豆の色(赤や黒)や形(シワのある、ない)などが、独立に受け継がれるということである。
 その何がすごいのか。遺伝は「父と母からなんとなく全般的に」受け継がれるのではなく、個々の要素(形質)が、それぞれ一つずつ、受け継がれたり、受け継がれなかったりすることを示したのが大発見だったのだ。すなわち、親から子へ何らかの因子が伝わることによって、形質が受け継がれることが明らかになったのだ。ここではじめて「遺伝子」という概念が誕生した。

 では、その遺伝子の正体は何なのか。今となってはそれがDNAであることは周知の事実なのだが、それが分かるまでには多くの科学者の努力が必要だった。
 さらに、DNAがどのような仕組みで受け継がれるのか。また、DNAがどのような仕組みで形質を作り出すのか。それらの仕組みを明らかにしたのが、分子生物学である。

 メンデルの発見から約100年で、それらの仕組みの基本はほぼ明らかになった。その歴史をひもときつつ、遺伝の仕組みを解説したのが本書である。
 本書の特長は、明らかになった事実(遺伝の仕組み)を説明するだけではなく、その事実がどのような科学者によって、どのように明らかにされたかが書かれている点である。科学も人の営みであり、そこには数々のドラマがあることがよく分かる。分子生物学という分野がまだ若いから、一冊の本にまとめられたのであろう。

 科学は決して無機質ではなく、科学の発展には科学者たちの血の通った営みが必要なことがよく分かる。少し難解だが、科学者の奮闘ぶりが感じられる良書である。岩波ジュニア新書に収録されているように、中高生に読んでもらいたい本だ。



遺伝暗号のナゾにいどむ [ 岡田吉美 ]
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価格:799円(税込、送料込)

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2016年3月30日水曜日

【映画評】『ルパン三世』(2014)

ルパン三世に、また新たな1ページが加わった


 原作のある映画が主流の邦画界。その流れでキャシャーンやヤッターマンなど、昔のアニメの実写映画版が作られたが、どれも評価はいまいち。
「ルパン三世も、どうせそんな感じだろ」
と食指は動かなかったのだが、本作は意外な高評価。
「へえ、そうなんや。じゃあ」
と観てみたところ、想定外の良作。原作の面白さが実に上手く抽出されている。

 ルパンと、不二子ちゃんや銭形との微妙な距離感が、絶妙に再現されている。ルパンを好きなんだろうに、落ちそうで落ちない不二子ちゃん。ルパンを逮捕したいだろうに、妙に肩入れする銭形。これらがストーリーと自然な形で絡みあう。
 泥棒稼業のハチャメチャぶりを中心に据えつつ、周囲をシリアスに固める。次元や五右衛門もいい味を出している。ルパン三世javascript:void(0);の爽快な世界観を堪能した。ご馳走様でした。

 モンキー・パンチ氏の原作マンガ(1967年~)に始まったルパン三世シリーズ。それが1971年にアニメ化され、人気を博した。ちなみに私は、このアニメを見て育った世代である。
 次の転機は「カリオストロの城」。1979年に公開されたこの映画が、ルパン三世に再び注目を集めさせた。その後、主題歌が甲子園のヒッティングマーチの定番となり、高校野球大会のたびにルパン三世を思い出すことになる。このようにして、ほぼ半世紀前のマンガが現在まで受け継がれている。
 そして本作により、ルパン三世シリーズに新たな1ページが加わった。




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2016年3月29日火曜日

【お父さんの週末料理】2016年3月26・27日~丼は飲み物?~

 わが家では土曜、日曜の料理は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。
 家族構成は父(40代前半)、母(年齢非公表)、娘(小2)、息子(年中組)の4人である。なお、朝ご飯は妻が早起きして作ってくれている。


 3月26日(土) 
本日は珍しく昼過ぎまで仕事。仕事帰りに買い物をして、晩ご飯を作った。
 今週もネバ三を作った。とろろ、オクラ、めかぶのネバネバ3兄弟を混ぜて作る、健康メニュー。特に、お腹の緩い人にお勧め。ネバ三のレシピは下記参照。

ネバ三のレシピ 2016年2月27・28日

◆晩ご飯◆
 メインは鶏ささみバター醤油和えの生春巻き。キュウリの千切りとささみをライスペーパーで巻いた。バターの風味がきいていて、好評。
 他は和風スープ、サラダ、ネバ三丼、めかぶ、ちくわ納豆。子どもたちも昼は外食だったので、軽めのメニュー。


 3月27日(日) 

◆昼ご飯◆
 娘の希望で、ブリを照り焼きに。骨も少なく、さくさく完食。
 また、ご飯にサーモンの刺身を乗せてネバ三をぶっかける「海鮮ネバ三丼」も作った。飲み物のように瞬殺。
 他は和風スープ、サラダ。

海鮮ネバ三丼。超美味でした

◆晩ご飯◆
 メインは豚ブロック肉の中華風焼き浸し。豚のブロック肉を低温でじっくり焼いて火を通す。それを醤油、甜麺醤、オイスターソース、酢少々のタレに漬け込む。ピーマン、ナス、ヒラタケも加えた。好評で、特に息子が気に入った。
 炭水化物はカレーうどん。つるつる完食(もっと噛め)。
 他はサラダ、ちくわ納豆。

カレーうどんと焼き浸し

中華風焼き浸し

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2016年3月27日日曜日

【中央競馬予想の回顧】高松宮記念、マーチS、毎日杯、日経賞(2016)

 今週は高松宮記念。
 先行争いはローレルベローチェが「何が何でも」行く構えを見せると、ミッキーアイルは控えて3番手。結果的にはこれが好判断だった。
 ◎スノードラゴンは中団と、思ったよりも前の位置取り。前残りの馬場を考えるとよいかもしれないと、期待が膨らむ。しかし、直線ではいつものような脚は使えず、7着まで。こういう馬は、やはり後方からじゃないと持ち味が出ないのかもしれない。
 勝ったのはビッグアーサー。このところちぐはぐな競馬が続いていた鬱憤を晴らすように、好位からズバッと切れて完勝した。まだまだ強くなりそうだ。
 馬券は差し馬を中心に買っていたため、かすりもしないハズレ。
 なお今年はじめて、今週だけBコースという試みがなされたが、まさかこれほどの高速、前残り馬場になるとは。来年はどうするだろうか。

 中山ではマーチS。
 ◎トウショウフリークは2番手につけて直線入り口で前に並びかける。
「これは、ひょっとして」
という手応えだったのだが、残り200 mで力尽きて8着。負けて納得。

 土曜は毎日杯。
 ◎タイセイサミットは中団から。4コーナーで前に取りついたが、外から人気のスマートオーディンが馬なりで並びかけてくる。これにまったく抵抗できずにかわされ、内から抜けてきたアーバンキッドにも届かず、3着。1着馬は別格だったが、2着馬に届かなかったのは情けなかった。
 勝ったのはスマートオーディン。直線半ばまで持ったままで先団に取りつき、追い出すとすっと伸びて1馬身1/4差をつけた。着差以上の力の差を見せつけた。
 馬券はハズレ。

 中山では日経賞。
 ◎ゴールドアクターは2番手で人気のサウンズオブアースと並ぶ形。ペースにかかわらずピタリと折り合えるのがこの馬のよいところだ。4コーナーを回ってからは人気2頭の一騎打ちに。サウンズオブアースの手応えのほうがよさそうに見えたが、最後は3/4馬身差をつけて1着でゴール。斤量差も考えると、有馬記念馬の貫禄を見せつけた。今後が楽しみだ。
 馬券は単勝1点勝負が的中。

 今週は4戦1勝。最終馬連もいま一歩でトータルはマイナス。連勝ならず。

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2016年3月26日土曜日

【中央競馬予想と与太話】高松宮記念、マーチS(2016)~高松宮記念とオグリキャップ~

 今週は高松宮記念。すっかりスプリントGIとして定着した。中京の2000 mで夏の名物レースとして行われていたのが、第1~25回。1200 mのGIになってから、今回で21回目。2000 m時代を懐かしんでいるのは、もう少数派だろう。
 第18回の勝ち馬にはオグリキャップの名が見られる。クラシックに出走できなかったオグリキャップが、真夏の中京で圧倒的人気に応えたレースだった。

 レースにいってみたい。
 人気馬2頭(エアロヴェロシティとダンスディレクター)が回避し、かなりの混戦ムード。馬場は先行有利だが、前に行きたい馬が多く、ハイペースが予想される。さて、前が残るのか、それとも差し馬の流れになるのか。
 本命は◎スノードラゴン。今回は差し馬が有利と見た。前走は1年以上の長期休養明けにもかかわらず、さすがの末脚で3着に差してきた。上がり目は十分。鞍上の大野騎手は、肝の据わった騎乗がウリ。決め打ちで、後方待機からのごぼう抜きを決めてほしい。
 推奨穴馬はウキヨノカゼ。前走は度外視できる。

 マーチSは思い切って◎トウショウフリークを狙う。休み明けは得意。内に潜り込みたい。

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【中央競馬予想と与太話】毎日杯、日経賞(2016)

 今日は遅くなったのでごく簡単に。

 毎日杯は◎タイセイサミットが本命。前走は3強にこそ水をあけられたが、この相手なら。
 日経賞は人気でも◎ゴールドアクター。有馬記念を勝った馬がフロックであってほしくない、という願いも込めての本命。

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2016年3月24日木曜日

【映画評】『マッドマックス 怒りのデスロード』(2015)

圧巻の映像が支える、極上のエンターテインメント

 マッドマックスシリーズははじめて観た。正直、いままでは観ようとも思わなかったシリーズだ。いまさら、それをなぜ観たか。理由はもちろん、アカデミー賞。なぜこの作品が、アカデミー賞で高い評価を得たのか、それを知りたかった。

 結論は「観て納得、観てなるほど」の大スペクタクルだった。広大な砂漠、深い山岳地帯、そこにそびえる要塞や、走り回る二輪車。圧巻の映像に圧倒される。
 本作品が受賞したアカデミー賞は編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞、録音賞、音響効果賞。いずれも、映像と音響に関する部門だ。この映像と音響を背景に、ハラハラ・ドキドキの追走劇が繰り広げられる。(失礼だが)ストーリーは二の次。シリーズ前三作品の知識が皆無の私にも十分に楽しめた。


 この映画を観て連想したのが「北斗の拳」。環境が破壊された後の世界で、暴力とカリスマで人々を支配する悪組織。広がるのは広大な砂漠とオアシス。子を産める女は貴重品で、庶民の手には届かない。雑魚キャラがジープやバイクで走り回り、庶民を虐げる。
 北斗百裂拳や「ひでぶ」こそ出てこないが
「お前、北斗の拳、読んだやろ」
とツッコみたくなった。




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【お父さんの週末料理】2024年4月26~29日<small>~GWのから揚げ大会~</small>

 わが家では土曜、日曜の晩ご飯は主に父(私のこと)が担当している、そのメニューを絶賛(?)公開中、  家族構成は父(アラフィフ)、母(年齢非公表)、娘(高2)、息子(中2)の4人、  GW前半の3連休。金曜に休みを取ったので4日分の料理記録。  4月26日(金)   昼...