2017年12月23日土曜日

【書評】マーカス・デュ・ソートイ著、冨永星訳『素数の音楽』(新潮文庫)

本書以上に、数学を使わずに数学の魅力・美しさを表現することは不可能だろう



 数学は美しい。こう感じる人は意外に多いようだ。
「そういう人って、理系の人でしょ?」
と思うことなかれ。たとえば小川洋子氏など、文系人にも数学の美しさを語る人を見かける。
「カチっとはまる美しさ」
というパズル的な美と
「宇宙の果てまで行っても、1+1=2」
という絶対的な美が人々を魅了するのかもしれない。
 いやいや、そんな私のくだらない説明よりも、本書を読んでもらえば数学の美しさがよく分かる。

 人間が生まれて、最初に触れる数学は「整数」だろう。1、2、3、…と数を覚えて、その意味を理解することが、数学の始まりだ。その整数のうち、1と自分以外の数で割り切れないのが「素数」。そういう整数があることは、少なくともギリシャ時代には明らかになっていたばかりでなく、その時代にはすでに、素数は無数にあることが証明されていた。素数は、現在では小学校でも学ぶ。
 そんな、数学の初歩の初歩とも言える素数は、実は謎だらけなのだそうだ。素数がどういうパターンで出現するのかの解明は、遅くともギリシャ時代には試みられていたそうだ。その素数研究の歴史と現在を語ったのが本書である。

 フェルマーの最終定理や四色定理などの難問が証明される現代にあって、難攻不落を誇っているのが「リーマン予想」だ。これが、素数の鍵を握る「予想」である。証明されれば「予想」は「定理」に格上げ(?)される。小学生でも理解できる素数という概念。それに関する基本的な「予想」がいまだに証明できないのだ。
「リーマン予想って何?…」
という心配は無用。本書ではリーマン予想の詳細には触れられない。したがって、私もリーマン予想が具体的にどういう予想なのかはよく分からない。しかし、その予想を解くことの意義や重要性、さらにはそのエレガントさがビシバシ伝わってくる。

「数学を用いずに、数学の美を語る」

このことに成功した、希有な本と言えるだろう。数学は全く分からないけど、数学には興味あり。こんな人には必読の書。



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【中央競馬予想と与太話】有馬記念(2017)~孫がデビューしないうちに…~

 今年もいよいよ有馬記念。翌週にもレースがあるのでシメではないのが何だかなあだが、張り切って当てたいものだ。

 私が有馬記念を最後に当てたのは、オルフェーヴルの引退レース。4コーナーで先頭に並びかけると、使う必要のないムチも持ち出して、ラチ沿いをぶっちぎった。池添騎手のいろいろな思いが込められていたように感じたレースだった。
 そのオルフェーヴルの子が早くもデビューし、2週前にGI制覇。時の経つのはあっという間だ。孫がデビューする前に、早く有馬記念を当てたいところだ。

 レースにいってみたい。
 天皇賞・秋、ジャパンCの上位組に別路線の3歳馬が加わったという構図。本命は、その3歳馬の◎スワーヴリチャード。ダービー2着後は調整がやや遅れて、下半期はこのレースが初のGI。しかし、これが功を奏したのか、追い切りでは抜群の動きを見せた。7分の仕上げで前走を軽く勝ったように、能力は高い。右回りが不安視されているが、皐月賞はレイデオロも破れているように、馬場も展開も特殊だったように思う。心配はむしろ外枠だが、デムーロ騎手なら何とかしてくれないか。
 推奨穴馬は◎と同枠のミッキークイーン。休み明け初戦の前走は、前が残る展開のなか、怒濤の追い込みを見せた。底力十分。

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2017年12月22日金曜日

【中央競馬予想と与太話】阪神カップ、中山大障害(2017)~伝説の障害馬~

 さあ、中央競馬もいよいよラストウィーク…と言いたいところだが、今年は28日にも開催がある。仕事納めの日に競馬をやられてもなあ…。なんだか締まらないと感じるのは、私だけではないだろう。

 そんな土曜は阪神で阪神Cが、中山で中山大障害が組まれている。
 中山大障害はメインに組まれたこともあったのだが、今年は準メイン。中途半端だなあ…。メインにしてほしかった。
 中山大障害は、今回で140回目の節目を迎える名物レース。といっても140年前からやっているわけではなく、1999年までは年に2回行われていた。いまの天皇賞と同じように、中山大障害・春と秋があったのだ。
 その、中山大障害・秋の時代にこのレースを3連覇したのがバローネターフ。春もあわせると、5回も大障害レースを制したという伝説の障害馬だ。
 いま、はじめて知ったのだが、中山大障害・秋の3連覇はすべて違う鞍上で、三浦春美騎手、小柳由春騎手、根本康広騎手の3名。なんと、藤田菜七子騎手の師匠として知られている根本師が名を連ねていた。

 レースにいってみたい。
 本命は◎オジュウチョウサンで仕方なかろう。故障明けで半年ぶりのレースだった前走。もし負けるならここか、という杞憂をよそに、2着に2秒差をつける大楽勝。唖然呆然とはこのこと。ぜひバローネターフの大障害5勝の記録に迫ってほしい。
 推奨穴馬はスズカプレスト。距離が保てば。

 阪神Cの本命は◎ビップライブリー。前走ではお世話になった。もう一丁。

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2017年12月18日月曜日

【お父さんの週末料理】2017年12月16・17日~今年最後のから揚げ大会~

 わが家では土曜、日曜の料理は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。
 家族構成は父(40代半ば)、母(年齢非公表)、娘(小4)、息子(小1)の4人である。

 特に息子の野球のある日は、朝をしっかり食べて昼を軽めにというパターンが定着。土曜の朝・昼は妻が作ってくれた。

 12月16日(土) 
◆朝・昼ご飯◆
 朝は妻が鯖を焼いてくれた。
 昼はポテトのチーズ焼き。実家からジャガイモをたくさんいただいた。

◆晩ご飯◆
 「今週の魚」第1弾はサンマのみりん干し。市販品だ。塩焼きばかりではなく、たまにはこういうのもいいよね。腹骨に苦戦しつつも、息子もきれいに食べた。
 他は副菜3点セット(カボチャの煮物、鶏レバー、鶏肉ひじき)、サラダ、鶏肉スープ、白ご飯。写真は鶏肉ひじきと、鶏レバー。

サンマのみりん干し。ちょっと焦げた

鶏肉ひじきと鶏レバー

 12月17日(日) 
この日も「朝をしっかり」のパターン。

◆朝・昼ご飯◆
 朝は「今週の魚」第2弾の鱈(タラ)。妻がバター焼きにしてくれた。先週と同じメニューだった。
 副菜3点セット(カボチャの煮物、鶏レバー、鶏肉ひじき)、サラダ、鶏肉スープ、食パン。
 昼は出張のお土産のふく飯とちくわ。いつもの5本100円のちくわよりも、ずいぶん美味しかった。当たり前か。ふく飯(ふぐのこと)は濃い醤油味の炊き込みご飯で、ちょっと想像とは違ってガッカリ。

カボチャの煮物。今回は少し酢をきかせた

◆晩ご飯◆
 今年最後のから揚げ大会。鶏のから揚げと、豚こまのから揚げの豪華2種類。鶏のから揚げは市販のから揚げ粉を使って、むね肉2枚を揚げた。豚こまは耳鼻科で読んだオレンジページの「こまから」に着想を得て、みんなのきょうの料理を参考にして作った。娘と妻は鶏に、息子と私は豚こまに軍配。
 大量にできたので、一部は冷凍して週後半の弁当に使うことに。揚げ物は油がもったいない気がして、ついつい多めに作ってしまう。
 副菜3点セット(カボチャの煮物、鶏レバー、鶏肉ひじき)、サラダ、鶏肉スープ、ふく飯。鶏肉ひじきと、鶏レバーは完食した。

左が鶏むね肉、右が豚こま

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小1の息子の書写が市の作品展に展示されました【大津市歴史博物館 大津市小・中学校児童生徒書写作品展】

 息子が書写で書いた作品が小学校の代表として選ばれ、作品展に展示された。普段の字はめちゃめちゃ汚く、算数のプリントなどでは
「読めません」
と、計算は合っているのに×を食らうことも多いのだが、書写はきれいに書く。
「なんでそこまで違うねん」
と言いたくなるが、小学1年生ならそんなものなのかなあ。

「お月さま」と書いた

 展示場所は大津市歴史博物館。大津市小・中学校児童生徒書写作品展というイベントだ。大津市内の小・中学校から、各学年2~3名ずつが選ばれていたようだ。

よい記念になったかな

 よい記念になっただろう。
 小4の姉は、予約していたアスレチックが中止になって不機嫌だった。自分はまだ展示に選ばれたことがないというひがみもあるのかもしれない(笑)。

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2017年12月17日日曜日

【中央競馬予想の回顧】朝日杯フューチュリティS、ターコイズS、タンザナイトS(2017)

 今週は朝日杯FS。
 ◎ダノンプレミアムは単勝2.3倍の1番人気。1倍台もあるかと思っていたので、少し美味しく映った。パドックではややテンションが高く、レースでも少し行きたがる感じで3、4番手を追走。折り合いを欠いているのではと心配したが、まったくの杞憂だった。直線を向くと、楽に前をかわし去り、独走。3馬身半差の圧勝劇を見せた。クラシックへ向けての課題は、やはり距離だろう。
 馬券はステルヴィオとの馬連を本線でとった。5.5倍とはちょっとがっかりだったが、それなりに浮いた。

 土曜はターコイズS。馬券は4枠から枠連で流した。
 ハンデ戦らしく、4コーナーでは馬群が一団に。4枠のフロンテアクイーンミスパンテールはともに内を狙う。ジリジリと前を追い、前が開くと、まず伸びたのがフロンテアクイーン
「よし、いいぞっ」
と思ったところに、その後ろからミスパンテールが強襲してクビ差で接戦をものにした。
 2着争いは、フロンテアクイーンが粘るところにデンコウアンジュが飛んできたが、何とかフロンテアクイーンが粘って2着を確保した。枠連4-4は当然押さえていたので
「よっしゃ」
とガッツポーズが出たが、4-7のほうが高配当だったとはガッカリ…。でも馬券は当たってナンボ。約25倍つけば十分。

 阪神ではタンザナイトS。
 ◎ラインスピリットは押して番手へ。直線へ向いて、逃げたアクティブミノルをかわしてリードを広げる。
「いいぞ、そのまま」
と叫んだところにミッキーラブソングがまとめて差しきった。馬券は単勝と枠連を買っていたが、惜しくもハズレ。

 今週は3戦2勝。他もぼつぼつ当たって、トータルは少しプラス。いよいよ残り1週(+1日)。よい形で締めくくりたいものだ。

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2017年12月16日土曜日

【中央競馬予想と与太話】朝日杯フューチュリティS(2017)~初の騎手コール~

 今週は朝日杯フューチュリティステークスが行われる。阪神に舞台を変えてから、4年目だ。3年前、はじめて阪神で行われたときに「2000 mのホープフルSよりも、むしろこちらのほうがダービーとの結びつきが強くなるだろう」と書いたが、今のところまったくのハズレ…。今年も、ホープフルSが強力メンバーなので、また予想は外れてしまいそうだ。それを覆すような大物が出るだろうか。

 前回、今年と同じ12月19日にこのレースが行われたのは、1989年(第41回)。まだ朝日杯3歳ステークスだった時代だ。勝ったのはアイネスフウジン。初勝利をあげるのに3戦を要したが、1勝馬の身でこのレースに滑り込むと、2番手から抜け出して2馬身半差の完勝。翌年の皐月賞はハクタイセイの2着に惜敗したが、ダービーは気迫の逃げで1番人気のメジロライアンを振り切った。
 そしてゴール後にわき起こったのが「ナカノ」コール。10万人を超える観衆が、鞍上の中野栄治騎手を称えた。騎手の名がコールされたのは、これが初めてのことなのだそうだ。

 レースにいってみたい。
 重賞勝ち馬が5頭と、まずまずのレベルと言ってよいだろう。本命は人気でも◎ダノンプレミアム。前走はやや重馬場でレコードを叩きだした。レコードが連発されるような馬場設定でもなかったし、相当の能力と見た。最内枠は少し心配だが、川田騎手の手腕に期待したい。ダービーにつながるような走りを見せてほしい。
 推奨穴馬はケイアイノーテック。前走のデイリー杯は、超ハイレベルだった可能性あり。

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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...