2014年6月24日火曜日

書評 東野圭吾『パラドックス13』(講談社文庫)

東野作品には珍しい、SFパニックもの。


 東野作品には珍しいパニック・サバイバル小説。謎解きはほとんどないが、ハラハラドキドキの展開に、一気に読み終えてしまった。
 とはいえ、単にハラハラドキドキだけではないのが、さすが東野氏だ。たった13人しかいない世界で、生きる希望を失っていく人と、生きる意味を持ち続けられる人。この対比が興味深い。改めて「生きる意味」を考えさせられた。

 映像化には向いているが、今のところ具体的な話はないようだ。おそらく、制作費がかなり高額になるためだろう。そんなケチなこと言ってないで、どなたかやっていただけませんかね。

【粗筋】
 いきなり、自分の周囲から人が消えてしまった。そんなバカな。しかし、その世界には自分一人だけではなく、13人の老若男女が生存していた。廃墟と化した東京で、この13人は生き残ることができるのか。未曾有の大地震や大洪水が彼らを襲う。
 なぜ、彼らの前から人が突如として消えてしまったのか。その秘密は13秒間の数学的矛盾(パラドックス)にあった。



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