2017年11月20日月曜日

【書評】東野圭吾『虚ろな十字架』(光文社文庫)

死刑は是か非か。被害者と加害者、両方の観点から問う


 死刑は是か非か。愛する娘を殺害された母親は、死刑の支持者だ。死刑の最大のメリットは
「殺人犯罪者に、それ以上殺される者が出ない」
つまり、再犯を犯す可能性がゼロになることだと主張する。
 一方、殺人犯罪者の弁護士は
「死刑は無力だ」
と論じる。反省も後悔もしない犯罪者にとって、死刑はむしろ福音だというのだ。

 非常に重いストーリーだ。犯罪の被害者はもちろん、加害者の側にも視点が当てられ、犯罪のやるせなさ、苦しみが描かれる。
 重い展開に、東野小説には珍しく、なかなかページが進まなかった。



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