爽やかな、江戸の人情小話
親を亡くした兄妹が営む三八文屋が舞台の短編連作集。三八文屋とは、江戸時代の百均。なんでもかんでも三八文で売るお店だ。
兄の長太郎が仕入れた品を、妹のお瑛が売る。怪しげな品から高価な品まで、さまざまな商品が棚に並ぶ。そして、それぞれの商品が一つずつ物語を作る。そんな人情小話が6編収められている。
まだ若い兄妹が、周囲に支えられつつ生計を立てていく様子が爽やか。義理人情という、現代では死語になりつつある言葉が本書の骨子だ。
私の子どもたちは、上が姉で下が弟なので本書とは性別が逆だが、つい重ねて読んでしまった。
「頑張れ~」
と応援したくなること間違いなし。
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