2015年1月25日日曜日

書評 夏樹静子『二人の夫をもつ女』(講談社文庫)

昭和の香りがぷんぷん漂ってくる短編集


 1980年に発売された短編集。表題の「二人の夫をもつ女」を含めた八つの短編が収められている。主人公は全て女性で、みんなハイミスまたはミセスである。彼女たちの一人称で話は語られる。
 各話の根底には「感情のもつれ」がある。主人公の女性たちはみんな、嫉妬、猜疑心、憎しみなどの気持ちを抱いており、それが事件の遠因となっている。そして最後に全てが明らかになったときの、彼女たちの思いが同じなのだ。
「ああ、知らなければよかった」

 各話とも、最後は全てのピースがきっちりはまって話は閉じる。込み入ったトリックはないが、簡潔に、分かりやすく全てがつながる。非常に気持ちよく話が閉じるのだ。構想の段階で、プロットがよく練られているのだろう。
 また郊外団地、夢のマイホーム、公衆電話など、昭和のど真ん中の香りがぷんぷん漂ってくるのもよかった。スーパーマーケットが当たり前になり、核家族化が進み、女性の社会進出も進み始め、女性の立ち位置がおおいに変化した時代だったのだろう。
 私は幼少期を大阪のベッドタウンの新興マンションで過ごしたのだが、その頃の雰囲気を思い出した。妙に懐かしい作品だった。




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【予想の回顧】東海S、AJCC、京都牝馬S(2015)

 日曜の中京メインは東海S。
 ◎コパノリッキーはスタートはそれほどよくなかったが、二の脚で前へ。ニホンピロアワーズの番手に収まる。3コーナーから動き始め、ニホンピロアワーズをかわして先頭に出ると、直線は独壇場。4馬身差の完勝だった。番手で競馬ができたのも収穫だったか。
 2着争いはグランドシチー(押さえてない)が抜け出したところに、最後方からインカンテーション(押さえている)が襲いかかる。
「差せ差せ~」
という声も虚しく、ハナ差及ばなかった。馬券はハズレ。

 中山ではAJCC。
 ◎ゴールドシップは後方から。向こう正面で手綱が動き始め、4コーナー前からムチが入るという惨敗時のパターン。久々に気の悪いところを見せて7着に惨敗。
「もう、マジメに走らないことはないだろう」
と油断させておいて、人気を裏切った。お見事…。
 馬券は、こういうこともあろうかとタテ目も押さえていたのだが、クリールカイザーはノーマークでハズレ。4番人気とは意外だった。みんなよく見ているなあ。ゴールドシップの陰に隠れたが、フェイムゲームの凡走も意外だった。

 土曜は京都で京都牝馬S。
 ◎ベルルミエールは、スタート直後に、外の馬に寄られたのかふらついてしまい後方へ。3コーナーから外を回って追い上げたが、そんな横綱相撲が通用するはずもなく、10着に終わった。内を突いた馬が上位を占めた馬場では厳しかったか。
 レースの結果は、大荒れ。逃げた1着馬(ケイアイエレガント)に続いて、後方から2、3着馬(ゴールデンナンバーパワースポット)が内から差してきた。何回買っても取れそうにないなあ…。

 今週は3戦3敗。年初の一開催が終わったが、さっそく負債を抱えてしまった…。

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2015年1月24日土曜日

【予想と与太話】東海S、AJCC(2015)~人気でも~

 今週は中京で東海ステークス、中山でAJCCが行われる。この時期に横綱(ゴールドシップ)が出走する。よほど元気が有り余っているのだろうか。

 東海Sは平安Sと入れ替わりでこの時期に移ってから3回目。1回目からグレープブランデーがここをステップにフェブラリーSも制した。平安Sはステップレースとしてあまり機能していなかったが、左回りになってどうなるだろうか。

 今年も本番を狙えそうな馬が出てきた。本命は◎コパノリッキー。前々走は崩れたが、スタートでつまずいたのが全てだったか。前走はきっちり巻き返したし、ここも力を見せてくれるだろう。武豊騎手との新コンビにも期待。
 推奨穴馬はランウェイワルツ。安定感が光る。この相手でも。

 アメリカジョッキークラブカップは◎ゴールドシップで仕方なかろう。普通に走れば。相手はフェイムゲーム、ディサイファ、ミトラに絞る予定。

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2015年1月23日金曜日

【予想と与太話】京都牝馬ステークス(2015)~今週は人気薄から~

 数週間前にも書いたが、今冬は雨が多い。雪にならず雨ということは、やはり暖冬なのだろうか。
 この雨のせいか、今年の京都はわりに差しが決まる。例年の正月開催は極端な前残りの馬場になることが多いのだが、今年は少し傾向が違うようだ。

 そんな土曜の京都メインは京都牝馬S。京都牝馬特別(略称、京都牝特)と呼ばれていた頃が懐かしいが、名前が変わってから今回で15回目だそうだ。ところで、どうして名称が変わったのだろう。気になっていた「ステークス」と「特別」の違いを調べてみた。
 結論としては、ステークスも特別も、レースとしての条件は同じで、単に呼び方が違うだけらしい。それなら、なぜこのレースはわざわざ特別からステークスに呼び名を変えたのだろうか。それは、JRAでは準オープン以上のクラスのレースを「~ステークス」に、それより下のクラスを「~特別」に統一したのだそうだ。それまではごちゃ混ぜになっていたのを、この基準ではっきり分けたのが15年前だったらしい。そういえば、4歳牝馬特別がフローラSなどの名に変わったのも同じときだったような気がしてきた。

 前置きが長くなったがレースにいってみたい。
 今年はGI級がおらず、やや手薄なメンバーか。ヴィクトリアマイルには結びつかないかもしれない。この相手なら、◎ベルルミエールで足りないか。このレース、重賞実績のある4歳馬の成績がよいのだ。昇級初戦だが、昨春には重賞で掲示板に載っていたこの馬を狙ってみたい。逃げ馬不在で展開も向きそうだ。
 推奨穴馬も4歳からフォーエバーモア。長期休養明けだが、一発あるならこれか。

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2015年1月20日火曜日

映画評 『エンダーのゲーム』

エンダーだけに、エンダーテイメント


 いかにもハリウッド的なエンターテイメント作品。深い思想や感動があるわけではないが、単純に楽しめる映画だ。
 仲間、ライバル、恋、家族と、お決まりとも言えるテーマが散りばめられるが、壮大な世界観と大迫力の映像をバックに主人公が成長していく様子にのめり込んでしまう。あっという間の2時間だった。
「なんかオモロイことないかなあ」
というときにお勧めの一作。

【粗筋】
 地球が宇宙人の攻撃に遭い、数千万人が死亡。何とか追い払ったものの、2回目の攻撃が近づいている。そんな世界で、少年、少女たちがエリート兵士としての訓練を受ける。その中でも抜群の才能を見せるエンダーという少年が主人公。兵士養成施設に入ったエンダーが、さまざまな課題をクリアして、リーダーとしての資質も磨いていく。
 人類を救うヒーローとして期待のかかるエンダーだが、タイムリミットは刻一刻と迫ってくる。敵の攻撃が近づいているのだ。エンダーは地球を守ることができるのか。



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2015年1月18日日曜日

書評 朝井まかて『ちゃんちゃら』(講談社文庫)

マンションも便利でよいが、庭も捨てがたい


 江戸時代の下町を舞台にした人情小説。と思わせておいて、後半は人情にとどまらない展開を見せる。グイグイ読ませるストーリーに、江戸の庭文化が自然に散りばめられているところも憎い。私はマンション住まいなのだが、庭に対する憧れをかき立てられた。
 読ませる作品なのはもちろんなのだが、やはり朝井氏の小説は庭の描写が印象に残る。樹木、草花、池、石。これらが渾然一体となって一つの庭を造り、見る者を魅了する様子が伝わってくる。
「庭を見れば、その人が分かる」
というのは私がいま考えた格言(?)だが、そう言いたくなる。マンションも便利でよいが、庭も捨てがたいなあ。

【粗筋】
 江戸時代の庭師に弟子入りした孤児が、親方に加え、その仲間や娘たちに囲まれて成長し、自立していく様子が描かれる。やんちゃな青年が、仕事の悩みや恋の煩悶に面しつつも、一本気にそれをくぐり抜けて大人になっていく過程がほほ笑ましい。青年の成長を見えてほほ笑ましく感じてしまうとは、私も歳を取ったものだ…。しかし
「さあ、最後はどういう成長した姿を見せてくれるのだろう」
という期待は、いい意味で裏切られる。大きな影が、密かに彼を狙っていたのだ。




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【予想の回顧】日経新春杯、京成杯、大和S(2015)

 今週は日経新春杯。
 ◎フーラブライドは中団の前あたりにつける。いい手応えで4コーナーを回ると、直線では外へ。外にいる馬をはじくように進路を確保。
「差せ差せ~」
という声に応えてグイグイ伸びてきた。内を抜けてきたアドマイヤデウスには届かなかったが、見事に2着を確保。馬券は1-2着のワイドを取った。馬連だったら万馬券だったが、競馬はあたってナンボ。よしとしておきたい。

 中山では京成杯。
 ◎ベルーフは後方から大外を回す。
「なんぼなんでも、外を回しすぎでは…」
という心配をよそに、怒濤の追い込みで測ったように差しきった。あれだけ外を回って最速タイムで上がってくるのだから、モノが違った。デビューから4走で全て違う競馬場で走って3-1-0-0。楽しみな馬が現れた。ハービンジャー産駒の重賞初勝利となった。
 馬券は馬連を取り、少しプラスになった。

 土曜の京都メインは大和S。
 ◎サウンドガガは予定通り逃げ馬を見る位置につける。いい手応えで4コーナーを回って先頭に並びかけたのだが、直線半ばで脚があがって7着まで。差し馬の展開になっただけに仕方なかったか。

 今週は3戦2勝だったが、大当たりとはいかず、トントン。馬券の買い方は難しい。

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【福知山マラソン走ってきました~】滋賀のおっさんランナーのランニング週報:2024年11月18~24日の記録

 2017年7月、45歳を目前に、突如ランニングを始めた。現在は52歳。  2020年12月の神戸トライアルマラソンでサブ3を達成! 自己ベストは2024年3月のびわ湖マラソンの2時間54分台。 ◆総 評◆  土曜に、福知山マラソンを走ってきた。果たして結果はいかに。キロ...