2015年4月4日土曜日

【予想と与太話】大阪杯、ダービー卿CT(2015)~ダービー卿って誰やねん~

 今週は阪神で大阪杯、中山でダービー卿CTが行われる。
 ダービー卿というのは、その昔にダービーというレースを作ったイギリスの貴族で、それがいまの「The Derby」、すなわち英ダービーの始まりである。という程度の知識はあるのだが、改めて調べてみると、少し勘違いをしていたことが分かった。
 ダービー伯爵は世襲の貴族で、何代ものダービー伯爵がいるのだそうだ。上記の英ダービーを創設したのは第12代のダービー伯爵である。その後、第18代のダービー伯爵がJRAにトロフィーを寄贈し、それを記念して作られたのが当レースなのだ。現在は、その息子の第19代がダービー伯爵を継いでいる。
 というわけで、このレースの「ダービー卿」と英ダービーを創設した人は、直系の先祖・子孫にあたるが、別人だったのだ。勉強になりました。

 レースにいってみたい。予想は大阪杯を中心に。
 GI馬が6頭という豪華メンバーが揃った。この時期に実績馬がそれなりの斤量で出られる中距離重賞がここしかなく、自然と集中してしまうのだろう。しかし、このうち次走に天皇賞・春を予定しているのはキズナのみ。寂しい話だ。ドバイやオーストラリアやシンガポールもよいけれど、有力馬の関係者には天皇賞をもっと盛り上げてほしいものだ。
 本命はその◎キズナ。骨折明け2走目で、定石通り調子を上げてきた。唯一の心配は雨予報だが、ロンシャンでも勝っているし、こなしてくれないか。史上初の連覇を期待。
 となると相手は絞りたい。復調著しいロゴタイプと、昨秋から一皮むけたエアソミュールが中心。牝馬のGI馬2頭は、牡馬相手は楽ではなさそう。評価を下げるが、馬場が悪化すればショウナンパンドラの出番があるかも。
 推奨穴馬はデウスウルト。昨秋からの充実ぶりは見逃せない。阪神2000 mは最適の舞台か。この相手でも。

 ダービー卿CTは◎コスモソーンパークが本命。7歳にして目覚めたのか、ここ3走は2→1→2着。中山も重馬場も得意。

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2015年4月3日金曜日

【予想と与太話】コーラルステークス(2015)~動物のレース名~

 関西の桜は今週末~来週が見頃なのに、あいにくの雨模様。お花見を計画していた人はおおいに予定が狂っただろう。一方、競馬は少々の悪天候でも予定通り行われるのがいいところ(?)だ。

 そんな土曜の阪神メインはコーラルS。コーラルはサンゴの英語なのだが、サンゴは動物である。JRAで、動物がレース名になっているのはこのレースだけかもしれない。「珍しいなあ」と思ったので、JRA特別レース名解説を見てみると

コーラルは、「サンゴ」を意味する英語。サンゴは、科属の腔腸動物総称。また、その骨軸。サンゴの中でも深海に生息する硬質は古くから宝石として珍重され、日本では3月の誕生石としても知られる。

ということらしい。動物としてのサンゴではなく宝石としてのサンゴ、すなわち石の名前シリーズの一つという位置づけのようだ。ちょっと騙された気分がするのは私だけだろうか。

 レースにいってみたい。
 ダート1400 mのオープン特別として定着しているレース。オープン特別のわりにはけっこうなメンバーが揃った。
 本命は◎ローブデソワ。ダート1400 mの成績は4-1-1-0で、前走で重馬場も克服済み。最内枠はやや誤算だが、うまくさばいてほしい。福永騎手、頼みまっせ。前を追いかけすぎないように注意。
 本命馬の人気が薄そうなこともあり、推奨穴馬はナシ。先行争いが激化しそうなので、一発があるなら追い込み馬だろうが、そういうイメージの沸く馬がいない。

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2015年3月30日月曜日

【書評】仲野徹『エピジェネティクス―新しい生命像をえがく―』(岩波新書)

 持って生まれた遺伝子は変えられなくても、遺伝情報は変えられる。


 エピジェネティクスを私なりに平たく言うと、以下のようになる。

遺伝子(DNA)の働きを制御することにより、遺伝子からの情報を変える。

 エピジェネティクスは遺伝子自体を変化させるものではない。その働き(発現)を変えることにより、遺伝情報から生まれるもの(タンパク質)を制御するのだ。
 何がすごいのかというと、生まれた後でもエピジェネティクスによって遺伝情報を制御できるということである。持って生まれた遺伝子は変えられなくても、それを制御することにより、遺伝子から伝達される情報を変えることができるのだ。
 このエピジェネティクスの仕組み、その応用、将来の可能性などを、一流の科学者であり言論人としても注目されている仲野氏が解説した。さすが仲野氏、分かりやすい比喩などを駆使して、平易に説明している。エピジェネティクスという生命現象を、これ以上かみ砕いて書ける人はいないだろう。

 しかし、それでも本書を読むにはある程度の前提知識が必要だ。前提知識というとたいそうだが、DNAがmRNAに転写され、それが翻訳されてタンパク質ができるという基本的な流れ(セントラルドグマ)や、DNAの基本的な構造が分かっていれば大丈夫。エピジェネティクスとはその名の通り遺伝(ジェネティクス)のあと(エピ)の現象なのだから、遺伝についてある程度知っておかねばならないのは仕方ないだろう。

 生まれてからの生活環境や自らの努力によって、遺伝子は乗り越えられる。「遺伝子がすべてを決めるわけではない」と聞いて勇気づけられるのは私だけではないだろう。




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2015年3月29日日曜日

【予想の回顧】高松宮記念、毎日杯、日経賞(2015)

 今週は中京で高松宮記念。
 本命◎ダイワマッジョーレは僅差の2番人気。そんなものか。しかし、レースでは痛恨の出遅れ。最後方から徐々に順位を上げ、直線では大外へ。最後は一頭だけ33秒台という怒濤の末脚を見せたが、上位3頭とは大きく離れた6着まで。2~4番手の馬が1~3着を占める流れでは、なおさら厳しかった。スタートさえまともなら…。
 勝ったのは香港のエアロヴェロシティハクサンムーンに外から先に抜け出され、後ろからはミッキーアイルがグイグイ伸びてくる厳しい展開。しかし、ミッキーアイルと馬体を併せると再加速して、最後は半馬身差抜け出した。短距離王国香港のチャンピオンホースの底力を見せつけた。

 土曜は阪神で毎日杯。
 ◎アッシュゴールドはスタートから出していき、好位置を取った。そのわりには我慢がきいている。
「どれだけ弾けるか」
と期待は膨らんだのだが、4コーナーでアンビシャスに被せられるとズルズル後退。何と最下位に沈んだ。いくら何でも負けすぎのような。今のところ情報はないが、故障があったのかもしれない。

 中山では日経賞。
 ◎ウインバリアシオンは4、5番手を手応えよく追走。4コーナーでは勝ったアドマイヤデウスに外からマクられるが、それについていくかたちでよく伸びて、ゴール寸前で2着を確保。古豪健在を示した。
 馬券は馬連と、1-2着、2-3着のワイドをとった。

 今週は3戦1勝。日経賞がそこそこついたのだが、トータルはトントンに終わった。

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2015年3月28日土曜日

【予想と与太話】高松宮記念(2015)

今週は高松宮記念。中京のスプリントGIとしてすっかり定着した。高松宮杯という名前で、真夏の中距離GIIだった頃を懐かしんでいるのは、もう少数派なのかもしれない。
中京が新コースになってから、今回で4回目。ここまでの傾向は、外枠有利だ。先週の中京芝は、珍しく最内の先行馬が残る馬場だったが、今週は晴天も続いたし、外枠有利の馬場が復活するという見立てで予想する。

レースにいってみたい。

香港のチャンピオンホースが参戦。ありがたい話だ。香港のGIをロードカナロアに連取されたリベンジの意味合いもあるのかもしれない。
という前振りとは関係なく、本命は◎ダイワマッジョーレ。不振を脱出して、前走で久々の白星をあげた。ダイワメジャー産駒は、一度沈んでもまた復活する底力を持っているようだ。今年は、4、5歳世代が手薄なのか、高齢馬の活躍が目立つ。その流れに乗って、タイトルを手にしてほしい。
推奨穴馬はアンバルブライベン。左回りが嫌われているのか、人気を下げている。

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2015年3月27日金曜日

【予想と与太話】毎日杯、日経賞(2015)~~

 今週は金曜~土曜と出張で、珍しく土曜も仕事。年に一度あるかないかなので、この程度は仕方ないか。この予想も出張先で書いている。

 そんな土曜は阪神で毎日杯が、中山で日経賞が行われる。新聞の名前の重賞が東西のメインレースだ。
 毎日杯は、近年はNHKマイルCやダービーとの結びつきが強く、皐月賞とはほとんどかかわりがない。一昨年にキズナがここを使って京都新聞杯を挟んでダービーを制したのは記憶に新しいところ。毎日杯をステップに皐月賞で勝った馬は、テイエムオペラオー以降はいないようだ。ところが今年は様相が違う。
「何とかここで権利を取って皐月賞へ」
という馬が複数いる。かつてこのレースの代名詞だった
「東上最終便」
が思い出される。

 レースにいってみたい。
 今週もディープ産駒の素質馬が人気を集めそうだ。しかし先週の阪神は、若葉Sでドゥラメンテが人気を裏切ったのをはじめ、ディープ産駒が苦しんだ。力を要する馬場になっており、ディープ産駒にはそれが苦手な馬が多いのだろう。今週は天気がよかったのでこの傾向が続くかどうかは微妙だが、続くのじゃないだろうかということにしておきたい。
 本命は◎アッシュゴールド。ご存じ、オルフェーヴルの全弟である。ここ2走で賞金を加算できずここに回ってきたのだが、前走でも3着と素質の片鱗は見せている。阪神1800 mがあいそうなステイゴールド産駒に期待。
 相手筆頭は、これまた期待に応えられていない素質馬の○ナヴィオン。とはいえここ2走はタイム差なしで走っている。これも直線の長いコースは歓迎の口か。
 推奨穴馬はルナプロスペクター。人気の盲点か。

 日経賞はアドマイヤデウスを狙いたいと思っていたのだが、調教を見て◎ウインバリアシオンに変更。今年は高齢馬が活躍しているし、それに続きたい。

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2015年3月24日火曜日

【書評】羽生善治『決断力』(角川oneテーマ21)

飄々と記録を積み重ねていくための思考法


 棋界の第一人者、羽生善治氏が勝負の極意を語った本。中学生でプロになってから約30年。史上初の七冠を達成するなど、数々の記録を打ち立ててきたトップランナーの思考法が体得できる。

 将棋のプロは約150名。そのため、毎週の対局は「知った顔」と指すことになる。お互い、手の内を知った者どうしというわけだ。だから奇襲は、たとえ成功したとしても、二度目は通じない。
 そういう世界に生きる勝負師は、ここ一番の勝負所で、また日々の研鑽の場で、どういう方向性でものを考えているのか。数々の修羅場をくぐり抜けて勝利を導いてきたプロセスが明らかになる。

 とはいえ、何か特別な考え方や、とても真似できないことが書かれているわけではない。むしろ自然体で、飄々としているように見える。この「飄々」が、羽生世代のキーワードではないだろうか。
 羽生をはじめ、武豊、イチローなど、同世代の記録男には同種の「匂い」が感じられる。一見、飄々と、どんどん記録を重ねていくのだ。冷めているわけではないのだが、のめり込むことなく、クールに偉業を成し遂げていく。他の世代、特に団塊の世代などから見ると
「もっと熱くなれ」
とでも言いたくなるかもしれない。

 私も羽生世代なので「飄々」の感覚はよく分かる。決してサボっているわけではない。力まずに、粛々と進めていくとでも言えばよいのだろうか。といっても私の場合は、飄々としているだけで、実績が伴わないのが痛いところなのだが…。




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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...