2015年6月16日火曜日

【書評】ピエール・ルメートル『その女アレックス』(文春文庫)

横溝正史ワールドの現代フランス版


 いきなり、誘拐・監禁シーンから話が始まる。そこで監禁「される」女が、主人公のアレックスなのだ。
「ヒロインが被害者って、どうなのよ?」
という疑問は、3分でどこかへ行ってしまう。果たしてアレックスは監禁から逃れられるのか。そして、アレックスは「なぜ」監禁されたのか。ハラハラ・ドキドキの大脱走劇、と思わせておいて…。後は読んでのお楽しみ。

 フランス語で書かれたミステリーといえば「怪盗ルパン」シリーズだが、それを超えたというのは言い過ぎか。「息をつかせぬ」とはまさにこの小説のこと。それと並行して、謎が徐々に解き明かされていく。翻訳書にありがちな冗長なところもなく、一気に読み終えた。
 内面の描写があっさりしているのだが、それがかえってゾクゾク感を際だたせる、少しホラーな仏国産サスペンスミステリー。横溝正史ワールドの現代フランス版である(独断)。




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2015年6月15日月曜日

映画評『白ゆき姫殺人事件』

湊小説の根底にある「人間の悪意」がビンビン伝わってくる。


 湊かなえ氏の小説が原作。人間の腹黒さや悪意を書くことにかけては右に出る者がいない湊氏。その腹黒さがよく表現されている。粗筋は原作の書評を参考にしてほしい。

 本作では「ネットを通じて悪意が広がっていく」のがポイントの一つなのだが、その臨場感は小説よりもビンビンと伝わってきた。随所に挟まれる情報番組のシーンが、いいアクセントになっている。登場人物たちのキャラクターもうまく設定されていて、小説との矛盾を感じることはなかった。原作のエッセンスを、実にうまく映像化している。結末は知っていたのだが、後半は食い入るように観てしまった。

 一つ難癖をつけるなら、殺人事件の起承転結が十分に伝わらなかったように思う。悪意が広がる様子はよく描けているが、もう一方の筋である殺人事件の顛末がちょっと弱かったような。映画だけを観た人には、殺人の動機などがよく分からなかった人も多かったのではないだろうか。とはいえ、映画は時間的な制約もあるし、やむを得なかったのだろう。
「なんか、ちょっと腑に落ちないなあ」
という方は是非、原作を読んでもらいたい。




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2015年6月14日日曜日

【お父さんの週末料理】2015年6月13日・14日~初めてのオシャレタコ焼き~

 わが家では土曜、日曜の料理は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。
 家族構成は父(40代前半)、母(年齢非公表)、娘(小2)、息子(年中組)の4人である。なお、朝ご飯はパンとヨーグルト程度で済ませているので、特別に何か作ったとき以外は省略する。

 今週はわが家初のオシャレタコ焼きパーティに挑戦してみた。うまくいくかな。

 6月13日(土) 

◆昼ご飯◆
 昼食後に歯医者に行くため、サクサク食べるカレーライス。

<カレーライス>
 昆布と豚肉でダシを取り、カレーにした。残りはスープに転用。具は豚肉、ピーマン、ニンジン、タマネギ、じゃがいも。子どもはカレーの王子様、大人は横濱舶来亭BLACK辛口。両方とも粉末タイプ(フレーク)だ。溶かしやすいので便利なのだが、とろみがつかないので、片栗粉を少し加えた。



<サラダ>
 トマト、キュウリ、レタス、ミックスビーンズ。

<ナムル風>
 日経新聞の「かんたんレシピ」でナムルの作り方が載っていたので、それを参考にズッキーニ、オカヒジキ、スナップエンドウをナムルにした。

かんたんレシピ ズッキーニとわかめのナムル

<ローストポーク>
 今週の作り置きメニュー。豚肉のブロックに塩コショウを塗り、冷蔵庫でしばらく寝かせるのがコツ。それを低温でじっくり加熱する。下記のレシピを参考に作った。

しっとり焼き上げるローストポーク(シェフの独り言)


―評 価―
 カレーは鉄板メニュー。飲み物のように完食。ナムルも好評だった。野菜をパクパク食べるのは偉い。

◆晩ご飯◆
 今日は娘と買い物に行った。娘が選んだ「今日の魚」は甘鯛。

<甘鯛の塩焼き>
 立派な甘鯛が手の届く値段だったので、少し贅沢した。鱗を取って内臓を出してもらい、塩焼きに。鱗を上手に焼くと美味しいのだが、素人には難しい。

<ポークスープ>
 カレーを作ったときのダシをスープに転用。具はタマネギ、豚肉、マッシュルーム。

<サーモンの刺身>
 毎週カツオたたきだったので、今週はサーモン。

<サラダ>
 キュウリ、レタス、ミックスビーンズ。

<ナムル風>
 昼と同じ。

<白ご飯>
 普通の白ご飯。福神漬けつき。

―評 価―
 甘鯛はジューシーで美味しかった。今が旬なのだろうか。土曜は習い事の関係で昼が遅くなるため、食いつきが悪いことが多い。今日も息子が危うい感じだったが、無事に完食。

 6月14日(日) 

◆昼ご飯◆
 妻が「うどんが食べたい」と言ったのだが、子ども二人が「それなら、そばがいい」と答えたので2対1でそばになった。

<そば>
 昨日のスープをそばのつゆに転用。具は鶏肉、エリンギ、ニンジン、豚肉。

<野菜と豚肉の焼き浸し>
 夏野菜の美味しい時季の定番メニュー。豚肉、ズッキーニ、ニンジン、ピーマンを炒めて、熱いうちに調味液に浸す。調味液はだし汁に醤油:酢を1:1で混ぜた。ごま油、ポン酢など、いろいろ味を変えるのも楽しい。今回はバルサミコ酢を使った。


<サラダ>
 トマト、キュウリ、レタス。

<サーモンの刺身>
 昨日と同じ。

<焼き芋>
 昼ご飯ではなくおやつ。実家からもらったサツマイモが使えずに残っていたので焼き芋にした。レンジで簡単に作れるというレシピを試してみたら、確かに簡単で上手にできた。電子レンジを使うレシピの進化が著しい。
(1)サツマイモを洗って、新聞紙でくるむ。
(2)500~600 Wで3分加熱。
(3)100 W(解凍モード)で10分加熱。


―評 価―
 そばは瞬殺。麺類はよく食べる。焼き浸しも好評だった。野菜を好んで食べるのは助かる。

◆晩ご飯◆
 わが家初のオシャレタコ焼きパーティー。

<オシャレタコ焼き>
 下記のレシピを参考に、普通のタコ焼き、オムライス焼き、アヒージョを作った。鉄板の一部でオムライス焼きを作り、一部でアヒージョを作ったのだが、これは失敗だった。オムライス焼きに温度を合わせたところ、高温になりすぎてアヒージョのニンニクが焦げ、さらには入れたタコが爆発。火傷はしなかったが、危なかった。特に揚げ物系は適正な温度でやらないと危険なことを再確認…。

アヒージョも出来るおしゃれたこ焼き器レシピ

<野菜と豚肉の焼き浸し>
 昼と同じ

<サラダ>
 トマト、キュウリ、レタス。

―評 価―
 危険な目にはあったのだが、オムライス焼き、アヒージョともに美味しかった。次回からは別々に作ろうと思う(最初から、そうしろ)。普通のタコ焼きも、もちろん好評。

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【予想の回顧】マーメイドS、エプソムC、安芸S(2015)

 今週はマーメイドS。
 ◎カノンはスタートで挟まれかけたが、何とか間を割って先団へ。逃げ馬の直後の3番手に収まる。絶好の位置取りだ。直線入り口で外から先頭に並びかける。そのまま、残り200 mまで粘り腰を発揮したが、最後は外からドドッとかわされて7着。もうひと踏ん張りだった。
 勝ったのは8番人気のシャトーブランシュ。今年も荒れた。後方待機の馬が1~3着を占めた。

 東京ではエプソムC。
 ◎エイシンヒカリはもっさりとしたスタート。二の脚で何とかハナに立ったが、後方からつつかれる形。引き離しての逃げを想定していたので
「これは厳しい」
と諦めモード。しかし、直線の坂下でスパートすると、後続を引き離しにかかる。最後は予定通り(?)外に逃げ気味になったが、何とか後続を振り切って1着でゴール。引き離して逃げなくても結果を出したのは収穫だった。
 馬券は馬連を取ったが1-2番人気の組み合わせではトントン。

 土曜は阪神で安芸S。
 ◎ニシケンモノノフは単勝1.5倍の圧倒的人気。道中は4番手から進めるが、直線手前から鞭が入る。
「大丈夫かいな」
と心配したが、直線半ばでグイッと抜け出すと、1馬身4分の3差をつけて完勝。溜めて切れる馬ではないのだろう。この馬をよく知った中谷騎手の好騎乗だった。
 馬券は馬連を本線で取った。安かったが、それなりに浮いた。

 今週は3戦2勝だが、トータルは小幅マイナス。

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2015年6月13日土曜日

【予想と与太話】マーメイドS、エプソムC(2015)~減量後のビール~

 今週は阪神でマーメイドSが、東京でエプソムCが行われる。

 マーメイドSは、ハンデ戦になってから今回で10回目。定量戦の時代はエアグルーヴやダイワエルシエーロなどのトップ牝馬が宝塚記念へのステップにしていたのだが、ハンデ戦になってから、ガラッと傾向が変わった。
「牝馬のハンデ重賞たるもの、こうでなくてはいかん」
と言いたくような荒れっぷりだ。毎年のように軽ハンデ馬が突っ込んでくる。48 kgの高野容輔騎手を背に、豪快に差しきったトーホウシャインがその代表だ。高野騎手は引退後は調教助手に転身したが、いまも続けているのだろうか。

 レースにいってみたい。
 今年も、格上挑戦の軽ハンデ馬が名を連ねている。本命は◎カノン。格上挑戦のうちの一頭だ。高倉騎手が50 kgまで(たぶん)減量をしての騎乗。見事に勝って、減量後のうまいビールを飲んでもらいたい。
 本命が人気薄なので推奨穴馬はナシ。相手をあげておくなら○リラヴァティ。ハンデ据え置きは恵まれた。

 エプソムCは◎エイシンヒカリが本命。「すんなり」の希望が通りそう。

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2015年6月12日金曜日

【予想と与太話】安芸ステークス(2015)~今夏のキャンペーンは~

 宝塚記念は残っているが、番組は夏競馬モード。メインレースが条件戦という日も増えてくる時期だ。

 ところで、JRAが「夏の☆2歳単勝」というキャンペーンを行っている。6月6日から9月6日まですべての2歳戦の単勝の払い戻しがアップするというものだ。単勝だけというのはセコい気もするが、よい企画だと思う。
 たびたび書いているが、私は
「払い戻しアップ(控除率引き下げ)に勝るファンサービスはない」
という考えである。1レースの額は小さくても、長い目で見れば回収率に少なからず影響が出る。新しいファンを開拓するような催しも必要だろうが、長く馬券を買う人にありがたいキャンペーンに賛意を示しておきたい。

 そんな土曜の阪神メインは安芸S。ダート1400 mの準オープン戦。長年、ほぼ同じ条件で行われている。
 本命は人気でも◎ニシケンモノノフ。オープン特別勝ちのある馬が、賞金の都合で降級してきた。オープンでも勝ち負けしてきた。この相手なら。
 推奨穴馬はマヤノオントロジーゴーインググレート。両馬とも、着順は悪いがそれほど負けていない。

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2015年6月9日火曜日

【書評】古賀茂明『国家の暴走―安倍政権の世論操作術―』(角川oneテーマ21)

日本の首相、本当にここまで浅薄なんだろうか


 報ステの騒動で話題になった古賀氏が、安倍政権をこき下ろした本。国会では、いままさに安保法案の審議が佳境を迎えているが、その約1年前に、古賀氏は本書で
「日本を戦争をできる国にするための法案」
と断じ、徹底的に批判している。古賀氏の危惧していたことが、まさに現実になったと言えるだろう。
 これらの法案は安倍首相のタカ派的な思想の具体化であり、無用な戦争へ日本が参加せざるを得ないようになるだけだと、完全に否定する。利益を得るのはアメリカと軍事産業だけなのだそうだ。

 本書の大半は、この安保法案批判にあてられている。
 さらには経済政策もピントがずれているとこき下ろし、最後に
「じゃあ、どうすればよいか」
という古賀氏の提案で締めくくられる。

 古賀氏の主張は一貫しているので、たいへん説得力があると同時に、読みやすい。安倍政権のスローガン
「日本を取り戻す」
は戦後のいい時代ではなく、戦前の覇権主義の時代の日本を取り戻すという意味だという話にも納得だ。
 安倍首相への批判を、とても分かりやすくまとめた本である。

 ただし、ひとつ難癖をつけるなら、あまりにも批判が分かりやすすぎるため
「安倍さんも、そこまでアホじゃないのでは?」
と思えてしまうことだ。私は決して安倍政権支持派ではないが
「日本の首相たるもの、いくら何でもそこまで浅薄ではないだろう(だったら困る)」
と感じてしまうのだ。

 最近は政治に興味がなくなって、ろくにニュースも新聞も読んでいないので、安倍首相側の主張をほとんど見聞していない自分に気づいた。いつの間にか「政治的無関心層」になっていたようだ。
 次は安倍首相の意見を聞いてみたい。




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【福知山マラソン走ってきました~】滋賀のおっさんランナーのランニング週報:2024年11月18~24日の記録

 2017年7月、45歳を目前に、突如ランニングを始めた。現在は52歳。  2020年12月の神戸トライアルマラソンでサブ3を達成! 自己ベストは2024年3月のびわ湖マラソンの2時間54分台。 ◆総 評◆  土曜に、福知山マラソンを走ってきた。果たして結果はいかに。キロ...