日本の首相、本当にここまで浅薄なんだろうか
報ステの騒動で話題になった古賀氏が、安倍政権をこき下ろした本。国会では、いままさに安保法案の審議が佳境を迎えているが、その約1年前に、古賀氏は本書で
「日本を戦争をできる国にするための法案」
と断じ、徹底的に批判している。古賀氏の危惧していたことが、まさに現実になったと言えるだろう。
これらの法案は安倍首相のタカ派的な思想の具体化であり、無用な戦争へ日本が参加せざるを得ないようになるだけだと、完全に否定する。利益を得るのはアメリカと軍事産業だけなのだそうだ。
本書の大半は、この安保法案批判にあてられている。
さらには経済政策もピントがずれているとこき下ろし、最後に
「じゃあ、どうすればよいか」
という古賀氏の提案で締めくくられる。
古賀氏の主張は一貫しているので、たいへん説得力があると同時に、読みやすい。安倍政権のスローガン
「日本を取り戻す」
は戦後のいい時代ではなく、戦前の覇権主義の時代の日本を取り戻すという意味だという話にも納得だ。
安倍首相への批判を、とても分かりやすくまとめた本である。
ただし、ひとつ難癖をつけるなら、あまりにも批判が分かりやすすぎるため
「安倍さんも、そこまでアホじゃないのでは?」
と思えてしまうことだ。私は決して安倍政権支持派ではないが
「日本の首相たるもの、いくら何でもそこまで浅薄ではないだろう(だったら困る)」
と感じてしまうのだ。
最近は政治に興味がなくなって、ろくにニュースも新聞も読んでいないので、安倍首相側の主張をほとんど見聞していない自分に気づいた。いつの間にか「政治的無関心層」になっていたようだ。
次は安倍首相の意見を聞いてみたい。
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