2016年10月13日木曜日

【書評】宮部みゆき『名もなき毒』(文春文庫)

作者の人格と作品のドス黒さのギャップ


 杉村三郎シリーズ第2弾。第1弾は未読なのだが、問題なく楽しめた。

 序盤で軸となるのは毒殺事件。青酸カリにより4人が殺害される。その被害者の一人である老人の孫と杉村が、ひょんなきっかけから関係を深めていき、孫娘の心の傷を癒やしていくことになる。
 中盤以降は、宮部氏お得意の「人を不幸のどん底に陥れることだけが目的の胸くそ悪い人間」が登場し、陰湿に暴れまくる。宮部氏はあんなに人のよい女性なのに、こういうヘドの出る悪人を描くことにかけては、右に出る者がいない。宮部氏に限らないが、作者の人格と作品のドス黒さには、大きなギャップがあることが多い。悪人を描けるのは、実は善人にしかできないことなのかもしれない。

 終盤は、胸くそ悪い人物の巻き起こす騒動と毒殺事件が絡み合い、それらが一応の解決を見て幕を閉じる。そして明らかになる「名もなき毒」の正体。決して読後感のよい作品ではないが、それでもまた宮部作品が読みたくなってしまうのが不思議だ。



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2016年10月10日月曜日

【お父さんの週末料理】2016年10月8~10日~今季初の鍋~

 わが家では土曜、日曜の料理は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。
 家族構成は父(40代半ば)、母(年齢非公表)、娘(小3)、息子(年長組)の4人である。

 今週は3連休。一食だけ外食した。

 10月8日(土) 

◆昼ご飯◆
 この日は娘、息子と3人で買い物に。選んだ「本日の魚」は、またサンマ。安くてうまいのでついつい買ってしまう。4人で3匹を食べた。脂がのっていて美味。
 他はサラダ、和風スープ、とろろ、炊き込みご飯。炊き込みご飯はサケとキノコ。こちらも好評。

サンマととろろ

◆晩ご飯◆
 メインは今週も「みんなのきょうの料理」から鶏ささ身のピカタ。昨年も一度作って好評だったメニューだ。鶏ささみを卵液に絡めて焼くと、ジューシーに仕上がる。昨年に続き大好評で、子どもたちはささみ2本分を食べた。
 他はサラダ、和風スープ、とろろ、炊き込みご飯。とろろは娘の好物。

ピカタ。ささみなのにジューシー

みんなのきょうの料理 鶏ささ身のピカタ

 10月9日(日) 

◆昼ご飯◆
 みんな大好きマカロニグラタン。ミッキーのマカロニにちくわ、タマネギ、ピーマン、ナスを加え、市販のグラタンソースを絡めて、溶けるチーズをたっぷりかけてトースターでチン。グラタンソースを伸ばしすぎたのか、ちょっと水っぽかったが、美味しく完食。グラタンはわが家の鉄板メニューだ。
 他はサラダ、和風スープ、とろろ。

グラタンは外れたことがない

◆晩ご飯◆
 今季初の鍋。旬の秋鮭を堪能した後に、ハマチをしゃぶしゃぶするという贅沢鍋。野菜もたっぷり食べた。締めは葛きり。
「もうお腹いっぱいや~」
と言っていた息子も、葛きりはツルツルと平らげた。

 10月10日(月・祝) 
昼は外食した。

◆晩ご飯◆
 またまた「みんなのきょうの料理」から照りマヨチキン。鶏むね肉を照り焼きにし、さらにマヨネーズに絡めるという濃い口のメニュー。むね肉をジューシーに食べようとすると、どうしてもこうなるのかもしれない。味の濃さはともかく、子どもたちには好評だった。マヨとニンニクと醤油の味付けは「味噌の味がする」とは娘の感想。確かにそんな感じがしないでもない。
 他はサラダ、そば、とろろ。娘がスーパーで「山芋買って~」とおねだりして、自分ですってとろろにした。ネバネバ好きのようだ。

照りマヨチキン

みんなのきょうの料理 照りマヨチキン

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【中央競馬予想の回顧】京都大賞典、毎日王冠、オパールS、平城京S、サウジアラビアRC

 祝日の月曜は京都大賞典。
 ◎キタサンブラックは逃げ宣言のヤマカツライデンを行かせて、うまく番手に収まる。そのまま4コーナーを回り、ゆっくり前に並びかけて上がりの勝負に持ち込み、後続の追撃を退けて人気に応えた。次走のジャパンカップが楽しみだ。
 2着には3番手を追走していたアドマイヤデウスが入り、馬券はハズレ…。

 日曜は東京で毎日王冠。
 ◎ウインフルブルームマイネルミラノを行かせて2番手から。平均ペースで流れていい感じに見えたのだが、直線では反応せず、7着。全く見せ場なし。
 1、2着は外を伸びたルージュバックアンビシャス。結果的には、この2頭の決め手が抜けていた。
 馬券はハズレ。

 京都ではオパールS。
 ◎ナックビーナスは1番人気だが単勝4.0倍は美味しく映った。レースでは5、6番手から外を回して前を追ったが、前の残る展開・馬場に泣かされ、6着。
 勝ったのは最低人気のラインスピリット。前の残る馬場とはいえ、これは全くのノーマークだった。
 馬券は当然ハズレ。

 土曜は京都で平城京S。
 ◎モズライジンは中団からグイッと抜け出して確勝かと思ったところに内をタムロミラクルにすくわれて、またも2着。4走連続2着とは珍しい。
 馬券は1-2着のワイド1点勝負が的中。馬連にしておけばというのは結果論。競馬は当たってナンボ。よしとしておきたい。

 東京ではサウジアラビアRC。
 ◎ダンビュライトは後方待機からブレスジャーニーと併せ馬の形で外を伸びてきた。最後は内にササったが、そこに馬はおらず、事なきを得た。ダンビュライトには伸び負けたが、3着に3馬身差をつけて2着を確保。今後が楽しみだ。
 馬券は馬連をとった。

 今週は5戦2勝。土曜はよかったのだが、日・月が不発ではトータルはマイナス。

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2016年10月9日日曜日

【中央競馬予想と与太話】京都大賞典(2016)~四つの大賞典~

 3連休の3日間開催最終日は、京都大賞典。
 「大賞典」がつくレースは、現在は京都の他に阪神、小倉、新潟のあわせて四つである(昔は中京や福島にもあったそうだ)。この四つの大賞典をすべて勝った馬は、まだいないらしい。大賞典四冠王の誕生を待ちたいところだ。
 それに王手をかけているのがヒットザターゲット。阪神を除く三つの大賞典を勝っている。京都大賞典はすでに勝っているので、今回1着になっても偉業達成とならないのは残念だ。
 数年前にもう一頭、リーチまでいった馬がいたような記憶があるのだが思い出せない。何かの勘違いだろうか…。

 レースにいってみたい。
 10頭立てと少頭数になった。GI馬も2頭のみ。それなら人気でも◎キタサンブラックを信頼。逃げ宣言のヤマカツライデンよりも内の枠を引いたので競馬が少し難しいかもしれないが、そこは鞍上を信頼。逃げるなり番手につけるなり、スムーズに運んでくれるだろう。ここは通過点にしてほしい。
 推奨穴馬は、前述のヤマカツライデン。前走はハンデにも展開にも馬場にも恵まれた感はあるが、今回もすんなり行ければ。

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2016年10月8日土曜日

【中央競馬予想と与太話】毎日王冠、オーパールS(2016)~ビワハヤヒデを下した快足馬~

 今週はこの時期恒例の3日間開催。ローカルの開催を削ってここに持ってきているのだが、よい方向とは思えないなあ…。短期的には売り上げが伸びるのだろうが、地方のファンは確実に減っていくだろう。毎度恐縮ですが、いつもの愚痴でした。

 真ん中の日曜日には毎日王冠とオパールステークスが組まれている。記憶に残る毎日王冠は1994年。ネーハイシーザーが勝ったレースだ。
 ネーハイシーザーは快速の中距離馬。このレースでも、逃げたサクラバクシンオー(バクシンオーが1800 mのレースに出ていたとは)を見る位置からグイッと抜け出して、1馬身半差の完勝。その勢いで次の天皇賞も、同期のビワハヤヒデやウイニングチケットを抑えて優勝を飾った。鞍上の塩村克己騎手ともども、人馬ともにこれが唯一のGI勝利となった。

 レースにいってみたい。
 GI馬はロゴタイプのみと、やや小粒なメンバー。オッズも割れ気味だ。本命は◎ウインフルブルーム。1年半ぶりの前々走を見事に勝利で飾り、前走はクビ差の2着。ネーハイシーザー同様の先行力を武器に、抜け出してほしい。有力馬が揃って休み明けなのも好都合だ。
 推奨穴馬は、穴というほどではないがステファノス。休み明けでもきっちり仕上げてくる厩舎だ。

 オパールSは◎ナックビーナスが本命。今年の3歳は各路線でレベルが高そうだ。

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2016年10月7日金曜日

【中央競馬予想と与太話】サウジアラビアRC、平城京S(2016)~京都の奥座敷のそのまた奥~

 台風が通り過ぎて、ようやく涼しくなってきた。中央競馬も今週から京都・東京開催。今年も残り3開催とは、早いものだ。

 そんな土曜は東京でサウジアラビアロイヤルカップが行われる。一方、京都のメインは平城京ステークスで、その他に愛宕特別と久多特別の二つの特別レースが組まれている。
 レース名の愛宕は京都市北西部にある愛宕山のことで、ぎりぎりで京都市に含まれる。嵐山や嵯峨からよく見える山なので、ご存じの人も多いかもしれない。頂上には愛宕神社があり、防火の神様として祀られているそうだ。全国にある愛宕神社(あたごさん)の総本山である。京都の奥座敷である清滝からさらに山を登ったところにあるので、夏はとても涼しく清らかな空気だと勧められたことがあるが、行ったことはない。

 レースにいってみたい。予想は平城京Sを中心に。
 ダート1800 mの準オープン戦。12頭と頭数は少なめ。このメンバーなら、今度こそ◎モズライジンが決める。このクラスで3走続けて2着。そのうち2回はピオネロに負かされたものだから、このクラスでは最上位の力の持ち主だ。重馬場は得意なので雨予報はむしろ歓迎。夏に使ってきた疲れさえなければ。
 相手は人気でもタムロミラクルは抑えざるを得ない。この2頭が中心。
 推奨穴馬はリーゼントロック。4勝はすべてやや重か重であげたもの。雨が降れば怖い(降らなければ買わないかも)。先日引退したDeNAの三浦大輔投手がオーナーだ。

 サウジアラビアRCは◎ダンビュライトを狙う。初戦が圧巻。ひと雨降りそうなのもプラス材料か。

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2016年10月5日水曜日

【書評】湊かなえ『サファイア』(ハルキ文庫)

自らをモデルにした一話にはビックリ


 宝石名がタイトルの話が七つ収められた短編集。真珠、ルビー、ダイヤモンド、猫目石、ムーンストーン、サファイア、ガーネットの七話が並べられている。
 人の悪意を書くことにかけては現代日本、いや世界でナンバーワン(当社比)の湊氏にしては、今回はどの話も悪意指数はやや抑えめ。しかし、各話のラスト(オチ)は切れ味抜群で、「エッ」と絶句するような読後感。エピローグ的な余韻がなく、ブツッと話が切られる終わり方なのだ。
 驚いたのは、自らをモデルにした一話。とことんまで突き詰め、それを「さらけ出す」思い切りの良さと勇気には脱帽。しかしこれは「自分自身をさらけ出す」のとはまた違うことであり、だからこそ「悪意全開」の作品を次々と世に出せるのだろう。湊氏は「悪意をたくさん持っている人」ではなく「悪意をとことんまで突き詰められる人」なのだ。



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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...