2017年5月9日火曜日

【書評】西山雅子編『“ひとり出版社”という働きかた』(河出書房新社)

本の「色」が見えてくるようだ


 ひとり(または、それに近い人数)で経営している11の出版社を訪ね、“ひとり出版社”を立ち上げるに至った思いや経緯をまとめた本。彼ら・彼女らは、この出版不況をどのように乗り切ろうとしているのか。

 11人に共通しているのは、強い意志とこだわり。それぞれの出版物を見ると、その「色」が伝わってくる。
「こんな本を作ったんだ。読んでくれ」
という熱い気持ちが見えてくるようだ。
 そして、その熱い気持ちに応えてくれる読者が1000人いれば、なんとか会社は成り立つ。そんな規模の出版社だからこそ出せる本があることがよくわかる。

 図書館やリサイクルショップは庶民の味方だ。しかし、将来も多様な本を読みたいと思う人は、特にこういう出版社の本は、できる限り新刊本を購入してほしい。なんて偉そうなことを書いている私も、購入する本は大手出版社の文庫本がほとんどなんだけど…。



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