2017年5月9日火曜日

【書評】西山雅子編『“ひとり出版社”という働きかた』(河出書房新社)

本の「色」が見えてくるようだ


 ひとり(または、それに近い人数)で経営している11の出版社を訪ね、“ひとり出版社”を立ち上げるに至った思いや経緯をまとめた本。彼ら・彼女らは、この出版不況をどのように乗り切ろうとしているのか。

 11人に共通しているのは、強い意志とこだわり。それぞれの出版物を見ると、その「色」が伝わってくる。
「こんな本を作ったんだ。読んでくれ」
という熱い気持ちが見えてくるようだ。
 そして、その熱い気持ちに応えてくれる読者が1000人いれば、なんとか会社は成り立つ。そんな規模の出版社だからこそ出せる本があることがよくわかる。

 図書館やリサイクルショップは庶民の味方だ。しかし、将来も多様な本を読みたいと思う人は、特にこういう出版社の本は、できる限り新刊本を購入してほしい。なんて偉そうなことを書いている私も、購入する本は大手出版社の文庫本がほとんどなんだけど…。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
“ひとり出版社”という働きかた [ 西山雅子 ]
価格:1836円(税込、送料無料) (2017/5/8時点)

楽天ブックス

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿

【読書メモ】東野圭吾『あなたが誰かを殺した』(講談社)

 加賀刑事シリーズ、最新第12作。娘が学校の図書館で借りてきてくれたので、文庫化前に読むことができた。  このところ、加賀の人生に絡んだ話が多かったが、シリーズの原点回帰。加賀は探偵役に徹して事件を推理する。いかにもミステリーなミステリー小説だ。  別荘地で起きた連続殺人事...