2017年6月7日、巨人が12連敗を喫して42年前の球団記録を塗り替えた(翌日も負けて、13連敗に記録更新)。いちばん悔しいのは選手であり首脳陣であろう。それは承知で、周囲で勝手なことを言うのがファンのつとめ。そのつとめを果たすべく、思ったことを書いてみた。
《1975年との比較》
42年前に11連敗したときは、長嶋監督。今年は高橋監督。二人とも、現役を退いてすぐ就任した、青年監督だというのが大きな共通点。巨人で、引退した翌年から監督を務めたのは、長嶋監督の後は高橋監督だけだ。やはり、引退即監督就任には無理があるのだろう。
近年は落合監督や工藤監督など、コーチを経験せずに監督になって成功する例が増えてはいるが、いずれも現役をやめて即監督ではなかった。最近の例外はプレイングマネージャーだった古田監督と谷繁監督だが、二人とも失敗。現代野球では、現役引退即監督は無謀だと結論してよさそうだ。
長嶋監督は1年目、高橋監督は2年目という違いはあるが、高橋監督1年目もこういう状態になっておかしくなかった。あの打率、得点でよく2位になったものだ。519得点は3位と大きく離れたリーグ4位。投手が頑張って2位になったが、一つ歯車が狂えば今年のような状態になってしまう程度のチーム力だったということだろう。
《やる気の問題ではなさそう》
選手も首脳陣も、投げやりになっているようにも、士気が落ちているようにも見えない。(堀内監督時代のように)チームが空中分解しているようでもない。士気を保っているところは、さすがは巨人軍といえる。ただ、空回りしていることはたしかだが…。
《では、原因は》
連敗の原因は、貧打に尽きるだろう。坂本、阿部、マギーのクリーンアップこそ頑張っている(いた)が、それ以外の野手が軒並み2割台前半。正捕手の小林に至っては2割を切っている。12連敗目の6月7日のスタメン(DH制)の打率は、1割台が2人、1、2番は0.200と0.212、捕手の実松は0割。9人中5人がこれでは…目を覆うばかりである。
石川が打率0.272とレギュラーを取りつつあるが、それ以外の若手~中堅がチャンスを掴めない。巨人史上まれに見るくらいチャンスがごろごろ転がっているのに、だーれもレギュラーを奪えない。ほんとに歯がゆくて仕方がない。
《では、貧打の原因は》
なぜ若手~中堅がこれほどまでにさっぱり打てないのだろうか。個々の選手の能力のせいにするのは簡単だ。スカウトが悪い(取ってくる選手の質が悪い)という言い方もできるだろう。この日の対戦相手の西武のドラ3の源田が、巨人のドラ1の吉川尚をはるかにしのぐ活躍を見せているのは、その象徴かもしれない。
しかし、ドラフトで指名されるほどの選手たちが、揃いも揃って能力不足なんてことがあるだろうか。巨人はここ数年、ずーっと貧打だ。進化したのは坂本だけ。レギュラーを取りそうな石川も、日ハムからの移籍選手。指導者に問題ありと考えるのが普通だろう。
この現状はフロントも承知しており、内田コーチや田代コーチを招聘したのだろうが、効果なし。何か構造的な問題があるような気がしてならない。
《貧打解消の策はあるのか?》
素人考えを承知で言うと、巨人の選手は「みんなが同じ打撃を目指している」ように見える。
「脇を締めて、内からバットを出して、右中間・左中間へ強い打球を打つべし」
全員が「右にならえ」で、この打撃を目指しているように見えるのだ。長距離砲の大田(移籍したけど)や岡本から、小兵の松本や重信まで、みーんなこの打撃だ。オープンスタンスで、テイクバックをしっかり取って、センター返し。そりゃ、この打撃が合う選手もいるのだろうけど、金太郎飴じゃないんだし…。
松本や重信は、常に三遊間を狙って転がしていればいい。たまに決め打ちで、バーンと引っ張ればいいのだ。「左の井端」を目指して何が悪い。岡本は全打席、レフトスタンドを狙って打てばいい。状況を考えた打撃など、くそ食らえだ。
というのは極論としても、全員が同じ方向を目指す必要はなかろう。持ち味を生かすことが、できていないように見えるんだよなあ…。
《希望の光》
希望の光は、1976年に巨人が優勝していること。張本選手と加藤初投手を補強し、王さんが本塁打と打点の二冠王に輝き、見事に優勝した。
今季は、由伸監督に預けた。成績は問わないから、レギュラーを張れる選手を育ててくれ。そして、来季は優勝争いに加われ。
そうはならないんだろうなぁ…。
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2017年6月8日木曜日
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