2014年9月24日水曜日

書評 梶よう子『一朝の夢』(文春文庫)

朝顔を媒介にした、架空の下級武士と歴史上の大人物との友情


 数々の変わった朝顔と、それを育てる主人公がいい味を出している。
 時代は江戸末期。主人公の中根は北町奉行に勤める下級武士だ。ひっそりと朝顔を作っていたい中根にも、時代の波は押し寄せる。中根もまた、幕末という激動の時代に翻弄される。
 中根の朝顔と人柄に惹かれ、さまざまな人物が集まってくる。時代を動かす志士たちと庶民との対比が面白い。激動の時代と言えども、そこに生きるのはほとんどが庶民であり、彼らの生活はどんな時代でもそれほど変わらないのかもしれない。

 物語の骨子を貫くのは、小学校の教科書にも載っている「桜田門外の変」。しかし、その事件を直接取り扱うのではないところが、普通の時代物とは違う。
「桜田門外の変の結末はみんな知っているのだから、オチの分かったミステリーを読むようなもんじゃないの?」
と思うかもしれないが、そうではない。教科書では「井伊直弼が殺害された事件」でしかないが、その背後にはさまざまな経緯があったことが分かる。歴史の勉強で丸暗記した知識が、生き生きとした物語として再生されるのだ。

 そして、その物語を支えるのが朝顔。江戸時代には朝顔栽培が大流行していたらしい。変わった朝顔が次々に登場して、ストーリーに色を添える。実はわが家でもちょっと変わった朝顔を育てており、たいへんタイムリーな小説だった。
 本書によると、ずっと頑張っていると、ご褒美に一生に一度だけ黄色い朝顔が咲いてくれるそうだ。娘が朝顔の観察(夏休みの宿題)を無事(?)に提出したので
「来年くらい、黄色い朝顔が咲かないかなあ」
と子どもと話していると
「頑張りが足りません」
と朝顔に叱られる夢を見た…。もっと頑張ります。



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2014年9月23日火曜日

健保組合の運動会に行ってきた~小1の娘と年少の息子を連れて~

 昨年に続いて、今年も健保組合の運動会に行ってきた。私の会社の入っている健康保険組合が、毎年、運動会を催しているのだ。

【今年は電車で】
 車の調子が悪いので、今年は電車でレッツゴー。電車を3本乗り継いで、最後はバスと、けっこう面倒くさい。それほど遠くはないのだが、アクセスが悪いのだ。
 そして最後のバスで、降りる場所を間違えた…。目指す場所は万博公園中央口である。バスは、まずは東口(日本庭園前)に停車。結果的にはここで降りておけばよかったのだが
「東口じゃなくて中央口やんなあ」
と思ってもう一つ次の停留所まで行くと、そこは西口(記念公園西口)。なぜ中央口にバスが停まらないのか…。近鉄バスには改善を望みたい。
 仕方なく西口で降りたのだが、その西口がどこか分からない。あれれと思っているうちに、何と北口に着いてしまった。あとから調べると、どうやら西口を通り過ぎていたようだ。入り口が分かりにくいよ。万博公園には改善を望みたい。
 などと、いろいろ悪条件が重なり、北口から中央口まで30分ほど歩く羽目になった。娘は
「ちゃんと調べといてよ(怒)」
とキレているが、すべて任されておいて一つ間違えたら「お前のせい」にされるこっちの身にもなってくれ。私も「もう勝手にせい」とキレて帰ろうかと思ったが、何とか我慢して中央口に向かった。

【まずは駆けっこ】
 手続きを済ませて運動会場へ。開会式は終わっていたが、ちょうどちびっ子駆けっこに間に合った。これに出られなければ、せっかく来た意味がない。
「よーい、ドン!」
スタートダッシュを決める娘と、のんびり立っている息子。年の差なのか、それとも性格の違いなのか。


この駆けっこは、途中にオモチャが置いてあり、一つ選んで持って帰れるのだ。今日の大きな目的の一つがこのオモチャをゲットすることだったので、何とか間に合ってよかった。しかし今年はちょうどオモチャの追加直前に当たってしまい、めぼしいオモチャがなかったのは、ちょっと残念だった。


【次はフワフワ】
 しばらくは参加できる競技はないので「ふわふわ」へ。子どもたちのためにふわふわが設置してあり、無料で楽しめるのだ。


家のベッドやソファーで飛び跳ねては怒られている子どもたちは、存分に飛んで楽しんだようだ。

【昼食後は障害物競走】
 昼食を食べて、少し遊んだ後は障害物競走。参加券を得るために並んだ。今年は私も参加するつもりで張り切っていたのだが、何とわが家の一つ前に並んでいた人で
「券がなくなりました」
とのこと…。あと二人のところでアウトになってしまった。十分に間に合うと思っていたのだが……。子どもたちも私も、ガッカリだった。残念。

【気を取り直して玉入れ】
 最後は気を取り直して玉入れに参加。これは受け入れ人数が多いので無事に参加できた。後ろに写っている着ぐるみが背負うカゴに玉を入れていく競技だ。


人数が多いので、投げる玉を確保するだけでもたいへんだった。息子は一球も投げられなかったらしい。
 参加賞の図書カードをもらった。

 以上で終了。今年は会場に着くまでに時間がかかったり、ギリギリで競技に参加できなかったり、何だかアンラッキーな展開だった。
 しかし無料でお菓子(参加賞)、オモチャ(駆けっこ)、図書カード(玉入れ)をいただけたのだから、文句は言えまい。タイミングが合えば、また行こう。

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2014年9月21日日曜日

【予想の回顧】ローズS、セントライト記念、オークランドRCT、阪神ジャンプS(2014)

 ローズSの本命は◎レッドリヴェール。道中は中団の前あたりにつけると、直線でもスムーズに前が開き
「どれだけ伸びるか」
と思っていたのだが、不発に終わり6着。本番を見据えた仕上げということだったのか、それとも成長がないのか。本番での取捨選択が難しい。
 勝ったのはヌーヴォレコルト。3番手からスイッと抜け出して1馬身4分の1差の完勝。本番の1番人気は確定か。
 2着のタガノエトワールには驚いた。こりゃとれん。

 新潟ではセントライト記念。
 ◎イスラボニータトゥザワールドを見る位置どり。直線では少し窮屈になりかけたが、外の馬をはじいて前が開くと、グイグイ伸びてこちらも1馬身4分の1差で完勝。次は菊か盾か。
 馬券は馬連をとった。いちおうプラスになった。

 土曜の京都メインはオークランドRCT。◎ノボリドリームは7番人気。美味しく映った。レースでは逃げたブルーチッパーを積極的に追走し、直線半ばまで食い下がったが、最後はドドッとかわされて9着。強い馬を追いかけただけに、やむを得なかったか。
 勝ったのはブルーチッパー。好位の馬が失速するのを尻目に、危なげなく逃げ切った。揉まれたときにどうかだが、自分の競馬ができればオープンでも通用しそうだ。

 阪神ジャンプSは◎アラタマユニバースが後ろから差を詰められず、6着。相手が強かったというしかないのか。

 今週は4戦1勝で、その1勝も大本命馬券ではトータルはマイナス。調子が上向かない…。

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2014年9月20日土曜日

【予想と与太話】ローズS、セントライト記念(2014)~朝日は格下げ?~

 今週は阪神でローズS、中山でセントライト記念が行われる。春の実績馬が登場し、GIが近づいてくるのが感じられる。
 ローズSに一線級が出走するのはいつものことなのだが、今年はセントライト記念も豪華メンバーとなった。皐月賞1、2着馬が登場する。
 セントライト記念にクラシックホースが登場するのは、いつ以来のことなのだろうか。気になったのでザッと調べたところ、もしかすると1989年のサクラホクトオー(朝日杯の勝ち馬)以来かもしれない。
 ところで、今年からセントライト記念には「朝日」という冠がついた。暮れの朝日杯FSのレース名変更に伴い、冠がこちらに移ってきたのだろう。朝日はGIからGIIへ格下げになったということか。そういえば、朝日新聞と競馬って、あまり接点がないような。

 予想はローズSを中心に。
 先述したように、このレースは毎年、春の実績馬が登場する。阪神が改装されて1800 mになってからは、これらの実績馬が人気に応えるケースが多い。重馬場になった2008年と昨年以外は、オークスで掲示板に載った馬が必ず連対している。
 今年も例年通り横綱級が登場。ハープスターに先着した2頭(この2頭しかいない)が出走してきた。この2頭が揃って連を外すことはないだろう。
 本命は◎レッドリヴェール。ハープスターには阪神JFで先着し、桜花賞でも肉薄した。休み明けのほうがむしろ走るし、阪神の外回りは最適の舞台。オークス馬には一目置くが、破壊力ならこちらが上と見た。
 人気でも○ヌーヴォレコルトは押さえざるをえない。
 推奨穴馬はヒルノマテーラ、と思っていたらそこそこ人気しているようだ(現在5番人気)。それならもう一頭、ダンツキャンサーを挙げておきたい。距離さえ保てば面白い。

 セントライト記念も、順当に実績馬で決まると見た。本命は◎イスラボニータ

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2014年9月19日金曜日

【予想と与太話】オークランドRCT、阪神ジャンプS(2014)~オークランドはどこの国~

 太平洋高気圧も退き、すっかり秋めいてきた。娘も息子も、運動会の練習に打ち込んでいる。それとともにGI馬がレースに復帰。運動会もGIも楽しみだ。

 そんな土曜の阪神では、メインにオークランドレーシングクラブトロフィーが、8Rに阪神ジャンプステークスが組まれている。
「オークランドRCTの予想をエントリーしたことはなかったような」
と思って調べてみると、今年からメインレースに昇格したようだ。以前(私がダビスタにハマっていたころ)は芝のレースだったのだが、いつの間にかダート1800 mで定着している。
 オークランドRCはどの国の競馬団体なのか、例によってJRAの特別レース名解説で調べてみると

オークランドレーシングクラブは、オークランド・ジョッキー・クラブとオークランド・ターフ・クラブとの合併により、1874年に設立されたニュージーランド最大の競馬クラブ。オークランドにあるエラズリー競馬場で開催が行われている。特に、3月に行われる『ニュージーランドダービー』『オークランドカップ』は、それぞれ3歳馬および3歳以上馬における最高峰の競走である。また、交換競走として『JRAトロフィー』が行われている。

ニュージーランドとは知りませなんだ。そういえばJRAにはニュージーランドトロフィーというレースもあるが、オークランドRCTとは何か関係があるのだろうか。これは来年までの宿題としておきたい。

 レースにいってみたい。
 2連勝中の4歳馬vs.このクラスの上位常連馬という構図。本命は後者から◎ノボリドリーム。ダートの通算成績が4-5-0-8と安定して走る馬で、現在2戦連続で2着。先週の競馬を見ていると阪神ダートはかなり前が残るのもこの馬には有利。夏休み明けがちょっと心配なので、馬体重などには注意したい。
 相手筆頭は、これも前に行くであろうブルーチッパー。人気しそうだが、この2頭の馬券を中心に。
 推奨穴馬はピンとくる馬がいない。人気どころで決着すると見た。

 阪神ジャンプSは◎アラタマユニバースが本命。

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【魚釣りリベンジ編】海釣り公園みかたに行ってきた~初心者ファミリーに超オススメ~

 先月の白浜旅行で釣り堀に行ったのだが、釣果はたったの一匹。それも娘(小1)の釣ったもので、父・母ともにボウズ。この屈辱を晴らさなければならないと、さっそくリベンジの機会を作った。

 大津市のわが家から最寄りの海は若狭湾。その辺りで、素人でも大丈夫な釣り場がないか探してみると…ありますがな。小浜の奥に「海釣り公園みかた」という釣り堀を発見。結論を言うと、釣りがビギナーや素人ファミリーには超オススメの釣り堀だった。

【上級コース、ですか?…】
 朝はほぼ予定通りに出発。道路もガラガラで、スムーズに到着した。しかし、ここで大問題が発生。団体の予約が入っているので、ファミリーコースは1時間待ちとのこと。なんてこった…。釣り堀の人は
「上級コースならすぐに入れますよ。今日はけっこう釣れてますねえ」
と勧めるのだが、6歳と4歳の子どもを連れた素人家族が上級コースって…。迷ったが、竿は1本のレンタルでよいというし、釣り堀の人が勧めてくるのだから迷惑がられることもないだろうと、上級コースにチャレンジすることにした。

【いざスタート】
 竿をレンタルしてエサを買い、いざ釣り堀へ。釣り場から海面までけっこうな高さがあり、ちょっと怖い。ライフジャケットもなく、子どもたちが落ちないか心配だ。子ども連れの方は、念のためライフジャケットを用意しておくほうがよいだろう。

海釣り公園みかた、上級者コース、子ども連れ、初心者

 なお、この釣り場には係の人が常駐しており、世話を焼いてくれる。常連の客とは挨拶を交わし、素人の客が来ればあれこれ教えてくれる。これは心強い。素人のわれわれは勝手もよく分からないし、仕掛けが外れたりすればお手上げなのだが、この人のお陰で何の不安もなく釣りを楽しめた。これだけでも、釣り堀代を払った価値はあった。

 この前と違い、竿はリールとウキがついていて、子どもたちが魚を釣り上げるのはちょっと無理だ。それでも張り切って釣り糸を垂らす娘と息子。しかし
「今日は釣れるといいなあ」
という思いも虚しく、時間が過ぎていく。前回の悪夢が頭をよぎる。周囲の釣果も、ポツポツといったところだ。
 そこへ船が来て、大量の魚(タイ)を釣り堀に投入。魚はたくさんいるはずなのに、どうしてうちのエサを食べてくれないんだろうか…。

【場所替えが転機に】
 そうこうするうちに、周りで魚が釣れだした。四角形の釣り堀の特定の一辺で、次々に魚が上がっている。
「またあっちやなあ…」
とボソッとつぶやくと、係の人が聞いていたらしく
「あっちに行ってみますか」
と提案してくれた。
「はいはい、もちろんそうします」
と、いそいそと移動するわが家族。恥も外聞もないが、しかしこれが運命の分かれ道だった。

 場所を確保するため、私が竿を持って先に移動して家族を待っていると、何と家族が到着する前にいきなりヒット!
「来た来た」
と魚と格闘していると、娘が
「このジュースの空き缶、どうすればいいのよっ」
とKYな発言を浴びせながら近づいてきた。そのせいかどうか分からないが、無理に竿を立ててしまったのか、バレてしまった。千載一遇のチャンスを逃した…。何でやねん。

 ここで「代わってよ」という妻と交代。すると、すぐにヒット! バラすことなく見事に釣り上げた。よくやった。
 これが契機になり、その後は次々と竿がしなる。娘も息子も、魚をヒットさせた(釣り上げたのは親ですが)。釣り上げるコツも分かってきて、どんどん釣果が上がっていく。当然だが、わが家だけでなく、周囲でも釣れていた。
 不思議なもので、釣れるときは釣れるものだ。時間帯や潮の流れなど、魚がエサを食べるタイミングがあるにちがいない。「まずめ」とはこういうことを言うのだろう。
 結局、6匹のタイを釣った。上級コースだけに、どれも大きい。大満足の結果になった。運とタイミングに恵まれた。ビギナーズラックとも言えるかもしれない。

【釣った魚は美味しくいただきました】
 帰りは白鬚神社近辺で渋滞に巻き込まれたが、夕方には到着。6匹のうち、2匹はご近所に分けることになった。
 6匹の大きなタイをさばくのはけっこう骨が折れたが、みんなで釣った魚だと思うと、ちょっと楽しかった。鱗をとって、内臓を除いて、2枚、3枚におろした。たびたびこういう機会があるなら、出刃包丁がほしくなるなあ。
 その日の晩ご飯はタイづくし。刺身、カルパッチョ、潮汁、ムニエルのフルコースだ。美味しくいただきました。意外にも、親だけでなく子どもたちにも、潮汁が好評だった。
 次の日は塩焼き、その次の日は煮物と、3日間タイを楽しんだ。それでもまだ、一匹分が冷凍されている。

【また行こう】
 やはり釣りは、釣れないと面白くない(当たり前か)。けっこうお金がかかるし、子どもたちもまだ釣り竿を十分に使えないので、本格的な趣味にするにはまだ早いが、ちょくちょく行くようなら道具を揃えてもよいかもしれない。
 来年になるかもしれないが、また行こう。

【釣り公園はありがたい】
 今回の釣りが楽しかった一番の理由は、もちろんたくさん釣れたことなのだが、それを支えてくれたのは「海釣り公園みかた」のスタッフの方々だった。特に、釣り場に係の人が常駐しているのはありがたかった。仕掛けが外れても無料ですぐに交換してくれるし、釣れるようにアドバイスしてくれる。
 未経験の人がいざ釣りをしようとすると、道具を買い揃えたり、釣り場を探したり、いろいろハードルが高いが、釣り公園なら手ぶらでも面倒を見てくれる。初心者には、ぜひ海釣り公園みかたを推薦したい。

2016年5月に再び訪れました。次回はファミリーコースに挑戦!


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2014年9月18日木曜日

書評 安生正『生存者ゼロ』(宝島社文庫)

爆発的に感染して人を死に至らしめる猛ウイルスが北海道を襲う。
君は生き延びることができるか。


 未知の猛ウイルスが発生して人々がパニックに陥るという、SFにありがちな設定なのだが、ウイルスの生態やそれを防ごうとする科学者たちの奮闘ぶりがリアルに描かれており、一気に読み終えてしまった。
 粗筋はこんな感じ。

【粗 筋】
 北海道東部の沖合で、海上施設がウイルスの餌食になった。施設の住人たちは皮膚からおびただしく出血し、無惨な死を遂げていただけでなく、バリケードを築いた跡もあり、何かから必死で逃げようとした痕跡が残っていた。どんな悪魔が彼らを襲ったのだろうか。
 続いて、ウイルスは北海道に上陸。道東のある町が全滅した。ウイルスの生態も、感染経路も不明。未知の恐怖が北海道を襲う。そしてついに、ウイルスは札幌へ。北海道民は、いや日本国民はパニックに陥る。
 ウイルスに立ち向かうのは、廻田という自衛官。精神に破綻をきたした天才ウイルス学者や、気の強い女性昆虫学者らとともに、パンデミックを阻止しようと命を投げ出す。廻田は北海道を救うことができるのか。

 この手のパニックものが好きな人にはお薦めの一冊。
 一つ気になった点を挙げるなら、リアルさに差があることだ。ウイルスの生態や感染経路は科学的に描かれており、かなりリアルに感じた。これが本作の売りだろう。一方でストーリーの骨子は、首相を含む日本の首脳陣がとんでもないアホばっかりだったり、神のお告げが出てきたり、非科学的・非リアルな部分が多く、このギャップが目についた。
 小説だから非科学的・非リアルでもよいのだが、そのバランスが悪いと非リアルな部分が目についてしまうのかもしれない。

 よくあるストーリーなのだが、それを読ませる筆力があるので飽きさせない小説だった。本作を読んで、むかし見た「スピード」という映画を思い出した。ストーリーは似ていないのだが「息をつかせぬ」という共通点が、その映画を連想させたのだろう。




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【福知山マラソン走ってきました~】滋賀のおっさんランナーのランニング週報:2024年11月18~24日の記録

 2017年7月、45歳を目前に、突如ランニングを始めた。現在は52歳。  2020年12月の神戸トライアルマラソンでサブ3を達成! 自己ベストは2024年3月のびわ湖マラソンの2時間54分台。 ◆総 評◆  土曜に、福知山マラソンを走ってきた。果たして結果はいかに。キロ...