2015年5月20日水曜日

【書評】東野圭吾『11文字の殺人』(光文社文庫)

あの人の書いた「解説」が秀逸。東野マニアだったのね


 1987年(文庫版は1990年)刊行の、東野氏の初期の作品。
 たしかに、いまの東野作品ほど完成度は高くないかもしれない。少し都合のよい展開が多いように感じるし、得意の大どんでん返しもなく、中どんでん返し程度にとどまっている。
 しかし、次々とページをめくらせる筆力は、むしろいまよりもパワフルだ。謎が謎を呼び、絶妙のタイミングで起こる新たな殺人。あっという間に読み終えてしまった。

 さらに文庫版では、読後に嬉しいオマケが堪能できる。宮部みゆき氏が解説を書いているのだが、これが秀逸。東野作品を隅々まで読み込んでいることがよく分かる。ほとんど東野マニアのレベルだ。宮部氏の解説に比べると、私の書評など、恥ずかしくて公表するのをやめようかという気になってしまう。
 一粒で二度おいしい。どこかで聞いた台詞だが、読むならぜひ文庫版をお薦めしたい。

【あらすじ】
 主人公の女性推理作家の恋人が殺されるところから話がスタート。その謎を探っていく過程で、先回りをするように関係者が一人、また一人と殺害される。そして徐々に明らかになる、被害者たちの関係。誰がどういう動機で一連の殺人を犯しているのか。薄皮をはいでいくように、少しずつ真実が明らかになる。11文字の脅迫文
「無人島より殺意を込めて」
の意味が明らかになるとき、すべての謎がつながる。




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2015年5月17日日曜日

【お父さんの週末料理】2015年5月16日・17日~娘の土曜参観のお弁当~

 わが家では土曜、日曜の料理は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。
 家族構成は父(40代前半)、母(年齢非公表)、娘(小1)、息子(年少)の4人である。なお、朝ご飯はパンとヨーグルト程度で済ませているので、特別に何か作ったとき以外は省略する。

 今週は娘の土曜参観だったので、その弁当も私が作った。美味しく食べてくれるだろうか。普段の食事とは違った緊張感(?)がある。


 5月16日(土) 

◆娘(小2)の弁当◆
 このところ気温が高かったので、悪くなりにくいものをチョイス。

<鶏肉ハンバーグ>
 弁当と言えばハンバーグだが、ひとひねりして鶏肉ハンバーグにした。鶏ミンチに水を切った豆腐と卵を加え、塩とナツメグとオイスターソースで味付けした。分割するのが面倒だったので、ホットケーキのように大きく焼いてみた。まずは小さいフライパンで焼き、ひっくり返すときに大きいフライパンに移し替えた。空気を抜かなかったためか、卵が少なかったのか、ややポロポロになった。やはり、小分けにして焼くほうがうまくいくようだ。


<マヨ醤油野菜炒め>
 茹で野菜をそのまま使ってもよかったのだが、味の面と衛生面を考えて、マヨ醤油で炒めた。

<占いグラタン>
 冷凍食品の海老グラタン。台紙に占いが書いてあり、娘の大のお気に入りだ。先日、私の弁当にも入っており、占いには「恋愛運絶好調」という意味のことが書かれていた。喜んでよいのだろうか…。
 ちなみに「占いグラタン」は正式名ではなく、「クリーミーエビのグラタン」が商品名。

占いグラタン

<おにぎり>
 弁当箱が小さいので、弁当箱にはおかずを詰め、それとは別におにぎりを作った。


―評 価―
「美味しかった」とのこと。半分は気を遣ってくれているのだろうが(美味しくなかったなんて言ったら、怒られるもんね)、「前回よりもグー」との評価だったので、本当にまずまず及第点だったのだろう。
「野菜が多い」と言っていたが、むしろ控えめだったつもり。野菜炒めの味が濃く、存在感が大きくなりすぎたのかもしれない。

◆昼ご飯◆
 息子、妻、私の3人で食べた。メインは娘の弁当と同じ、鶏肉ハンバーグ。

<鶏肉ハンバーグ>
 弁当と同じ。

<マヨ醤油野菜炒め>
 弁当と同じ。

<サラダ>
 サニーレタス、ブロッコリー、スナップエンドウ、ニンジン、キュウリ。息子がキュウリを切って、サニーレタスを洗ってちぎって、お皿に盛った。

<鶏ガラタマネギスープ>
 久しぶりに鶏ガラでダシを取った。鶏ガラは、一度、下ゆでしてからダシを取ると、アク取りをしなくて済む。味付けは、洋風スープの素と塩。具はタマネギ、ニンジン、コンニャク、ソーセージ、麩。

<マカロニサラダ>
 今週の作り置きメニュー。G.W.に買った、ドリル形のマカロニが残っていたので、ニンジン、スナップエンドウと和えて、マヨを絡めた。

<ご飯>
 普通の白ご飯。

―評 価―
 息子は豆腐が大の苦手という変わり者なのだが、鶏肉ハンバーグに混ぜると美味しく食べられるらしい。風味ではなく食感がダメなのか、肉に混ぜると紛れるのか、よく分からないが、苦手なものを食べられるのはよいことだ。

◆晩ご飯◆
 メインはポークステーキ。

<ポークステーキ>
 土曜も登校して頑張った娘のリクエストに応えて、スーパー内の精肉屋でポークステーキを買った。塩コショウで焼いた。

<そうめん>
 そうめんを使いたかったので、ご飯の代わりに。冷たい麺にした。

<サラダ>
 昼と同じ。

<鶏ガラタマネギスープ>
 昼と同じ。

<マカロニサラダ>
 昼と同じ。

―評 価―
 ポークステーキは大好評。息子は真っ先にこれを瞬殺した。薄切りではなく、分厚い肉の美味しさに目覚めてきたようだ。作り置きのマカロニサラダも好評。

 5月17日(日) 

◆昼ご飯◆
 手早く作りたかったので、メインは焼きそば。

<焼きそば>
 3玉を4人で食べた。具は豚肉、キャベツ、タマネギ、ニンジン、小松菜、セロリ。具だくさんなので、2回に分けて炒めた。大人用は豆板醤を加え、少しピリ辛に。温泉卵を添えたところ、これが大好評だった。
 温泉卵は、70~80 ℃のお湯(沸騰直前のお湯に水を10%ほど加えるとよい)に卵を入れておけば勝手にできる。意外に簡単に作れる。

<サラダ>
 キュウリ、サニーレタス、ニンジン、セロリ、スナップエンドウ、ブロッコリー、オクラ。

<ハッシュドシチュー>
 昨日の鶏ガラタマネギスープにハッシュドビーフのルーを入れてシチューにした。

―評 価―
 温泉卵が娘にも息子にも大好評で、最後は舐めるように完食。シチューも好評。

◆晩ご飯◆
 メインはイサキのトマトソース。

<イサキのトマトソース>
 今週も、スーパーで息子に魚を選ばせたところ、これを選んだ。2枚におろしてもらったものを半分に切って、一人一切れずつ。塩を振って焼き、トマトソースをかけた。トマトソースは実家近くのイタリア料理店のもの。付け合わせはセロリとシメジ。
 ちなみに、スーパーでは「イサギ」と表示されていたが、「イサキ」が普通のような。

<サラダ>
 昼と同じ。

<ハッシュドシチュー>
 昼と同じ。具はソーセージとジャガイモを加えた。

<マカロニサラダ>
 昨日と同じ。

<ヌルヌルそうめん>
 今日もご飯の代わりにそうめん。素麺に納豆とオクラをかけた。

―評 価―
 今日は二人ともおやつが多かったのか、いまいち進まず。特に息子はヌルヌルそうめんが気に入らなかったようで、残した。
「今日は多すぎた」
と言うのだが、口に合わないものが出てきた日だけ、多すぎることにしているような。そうめんは昨日より少なかったのだが。

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【予想の回顧】ヴィクトリアマイル、栗東S、京王杯SC、都大路S(2015)

 今週はヴィクトリアM。
 本命◎ヌーヴォレコルトはもちろん1番人気だが単勝は2.2倍。てっきり1倍台になると思っていたので、美味しく見える。レースではスッと5、6番手を取った。この時点で勝利を確信したのだが、直線では弾けず、6着に終わった。どうしたことか。明日の新聞には
「距離が短かった」「瞬発力勝負は不得手」
などが敗因として上がるのだろうが、納得いかないなあ…。
 勝ったのはストレイトガール。前走の高松宮記念では1番人気を裏切ったが、歳を取って、これくらいの距離が合うようになってきたのだろう。見事な切れ味だった。

 京都では栗東S。
 ◎ニシケンモノノフは5、6番手につけた。いい位置取りに見えたが、4コーナーで少し外に振られると、ジリジリとしか伸びず、4着。スパッと切れてほしかった。

 土曜は京王杯SC。◎サトノルパンは中団の後方から。凝縮した馬群のど真ん中に包まれている。直線では内を狙って縫うように伸びてきたが、最後に進路がふさがり試合終了。スムーズにさばければ、首位争いだったか。
 1、2着はサクラゴスペルヴァンセンヌ。後方から外を回って差した2頭が上位を占めた。これだけスローになると、位置取りは関係なくなるということか。

 京都では都大路S。◎グランデッツァは予想通り逃げたエイシンヒカリの後ろから、馬群を引っ張る形。3コーナー過ぎから徐々に差を詰めていくが、楽に逃げたエイシンヒカリを捉えることはできず、2着まで。競りかけるわけにもいかなかっただろうし、やむを得ない展開だったか。何かがエイシンに鈴をつけに行けば違ったのだろうが、武豊騎手にケンカを売る騎手はなかなかいないだろうなあ。
 馬券は馬連を取ったが、トリガミ。

 今週は4戦1勝で、1勝もトリガミ。しかし他のレースがポツポツ当たったので、トータルはややマイナスで踏ん張った。

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2015年5月16日土曜日

【予想と与太話】ヴィクトリアマイル、栗東S(2015)~復活を期待したい騎手~

 今週は5週連続GIの2週目。東京でヴィクトリアMが行われる。今回が節目の10回目。ついこの前できたレースだと思っていたが、もう10年も経つのか。
 印象に残っているのはコイウタ。歌手の前川清氏の持ち馬ということで話題になった。鞍上の松岡騎手もガッツ溢れる騎乗でGI初勝利を飾ったのだが、現在まで、JRAのGIはこの1勝のみにとどまっている。近年は怪我もあり、勝ち星も伸び悩み気味だ。復活を期待したい騎手の一人である。

 レースにいってみたい。
 過去9回のうち、1番人気は5連対だが、そのうち4回はウオッカとブエナビスタが2回ずつ。このクラスの馬でないと、人気に応えるのは難しいということか。またリピーターが多いのも特徴で、上記の2頭に加え、ホエールキャプチャやヴィルシーナが連続で馬券に絡んでいる。
 本命は◎ヌーヴォレコルト。かなりの人気を集めそうだが、これを負かせそうな馬も見あたらないので、本命に推す。ここも制して、ウオッカやブエナビスタ級に登り詰めてほしい。心配は距離よりも展開。かなりのスローが見込まれるので、差して届かずのケースがあるかも。
 相手は絞りたい。レッドリヴェールショウナンパンドラの両4歳馬が相手本線。
 推奨穴馬は、ベルルミエール。波乱があるなら前に行く馬。

 栗東Sは◎ニシケンモノノフが本命。56 kgのハンデは恵まれた。

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2015年5月15日金曜日

【予想と与太話】都大路S、京王杯スプリングC(2015)~初めて京王線に乗った~

 今週は季節外れの台風がやってきたが、大した影響がなくてよかった。何でもかんでも温暖化と結びつけるべきではないのかもしれないが、温暖化の影響かと考えてしまう。

 そんな土曜は京都で都大路ステークスが、東京で京王杯スプリングカップが行われる。
 先日、出張の際に府中に所用があり、京王線に(たぶん)初めて乗った。府中は新宿から特急で20数分。なかなか便利だ。ホテルも安く、飲食店も豊富で、コンビニもそこかしこにある。公共施設や公園も美しく、たいへん住みやすそうな街だ。競馬場や東芝があるので、税収がよいのだろうか。東京へ転勤になったら、府中に住んで、ダービーを観戦したいものだ。

 転勤のない会社に勤めているサラリーマンの妄想はこれくらいにして、レースにいってみたい。
 安田記念の前哨戦なのだが、近年は結びつきが薄い。ストロングリターンがここをステップに2回、連対しているのが目につく程度で、大阪杯やマイラーズCに押されている。同じコースでも、1400 mと1600 mでは要求される能力が違うのだろう。
 本命は◎サトノルパン。先行馬がほとんどおらず展開が読みにくいが、かなりスローになりそう。有力馬の中では比較的前に行けそうなこの馬に期待したい。昨年のNHKマイルCでは本命に推した馬だ(9着)。素質開花を見込む。
 推奨穴馬はウインマーラレイ。メンバー中、唯一とも言える先行馬。あれよあれよ、とならないか。

 都大路Sは人気でも◎グランデッツァ。昨年、超絶レコードを叩き出した相性のよいレース。2連覇を期待。

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2015年5月12日火曜日

【2015年G.W.】滋賀県立アイスアリーナ、ラフォルジュルネびわ湖に行ってきた~その3~

 今年(2015年)のゴールデンウィークも、泊まりの旅行には行かなかったが、いくつかイベントがあった。小学2年の娘と、保育園年中組の息子と出かけた様子を書いておこうと思う。最後の3日間(4~6日)は家の周辺で過ごした。

 5月4日(祝) 

 この日は友人が来てくれた。当初はこちらが友人宅に行って、川遊びなどをさせてもらう予定になっていたのだが、天気が怪しいので川遊びは厳しそう。それならこちらに来ませんか、ということになった。
 友人には、つい先日、1歳の誕生日を迎えたばかりの女の子がいる。


満1歳の可愛い盛りだ。誕生日がうちの息子と1日違いなので、覚えやすい。息子とは、ちょうど4歳離れている。
 約半年前に来てもらったときは、あまり機嫌がよくなく、普段も機嫌のよい時間が少なかったらしいのだが、この変わりよう。両親とも可愛くて仕方ないようだが、それも頷ける。
 娘も息子も、もう少し赤ちゃんと遊べると思っていたようだが、1歳ちょうどだとそうもいかなかった。次に会えるときには、もっと遊べるといいね。

 5月5日(祝) 

 この日は近所に鯉のぼりを見に行った。


毎年、この写真のように近所の川に鯉のぼりがずらっと並ぶのだ。
 子どもたちは、川沿いの公園で自転車の練習。娘はコマなし、息子はペダルなし自転車だ。二人とも、ずいぶん上手に乗れるようになってきた。遠出するのも楽しいが、近所でまったり過ごすのもよいものだ。


 この日の晩ご飯は、くら寿司。ついこの前までは3000円程度で収まっていたのだが、いつの間にか5000円近くするようになった。大きくなったものだ。

 5月6日(祝) 

 いよいよG.W.も最終日。テレビで「ドロ団子の上手な作り方」を見た娘がドロ団子を作りたくて仕方ないらしく、ついに母親の許可を得て、作りに行くことになった。もっとドロドロになって
「ああ……」
となるのかと思っていたが、そうでもなかった。
 テレビによると、あまりギューッと押さえつけず、砂をまぶすようにして大きくしていくのがコツらしい。
 もしかすると、G.W.で最も楽しかった出来事は、ドロ団子作りだったのかもしれない。

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2015年5月11日月曜日

映画評『タクシードライバー』

青臭い小癪な若造の狂気


 1960年代、タクシードライバーとして口を糊することになった男、トラヴィス・ビックル。世間に馴染めず、その原因を自分ではなく周囲の状況に求める、典型的な「青春病」患者だ。町で見かけた美女を口説き、いったんはうまくいくのだが、それも破綻。ビックルの精神の、最後のタガが外れる。
「この腐った世の中を何とかしなくては」
と一世一代の行動に出るが、それは意外な方向への方向転換を余儀なくされる。そしてその結末は…。何とも皮肉でブラックな結末。

 世間とうまく折り合いのつかない思春期の若者。ここまでは誰もが通る道だが、ある一線を越える者と超えない者がいる。一線を越えて転落していく者と、一線を越えずに踏みとどまり、過去の青春を懐かしむ者。この差を分けるものは意外に些細なことなのかもしれない。
 狂気に走る人生は、実は普通の人生のすぐ隣にあるのだろう。狂人は、決して特別な存在ではないのだ。

 マーティン・スコセッシ、ロバート・デニーロ、ジョディ・フォスター。後にハリウッドを彩る3人の出世作。




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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...