2017年1月25日水曜日

【書評】湊かなえ『夜行観覧車』(双葉文庫)

主人公不在。一人称を入れ替える手法はいつもながらお見事


 章ごとに一人称が入れ替わるといういつもの手法で、人間心理の闇をえぐり取る。今回のテーマは「親子」「家族」だ。見るからにドロドロ・ボロボロの遠藤家と、絵に描いたような幸せな様子の高橋家。この二つの家族の視点から物語は語られる。
 いつもの湊作品と違うのは「胸くそ悪い、どうしようもないアホ」は事件の中心にはおらず、傍観者であること。だからといって「胸くそ悪い指数」が低いわけではなく、アホさ全開で暴れまくる。
「わが家がこんな家庭じゃなくてよかった」
と、自分の幸福を祝いたくなること間違いなしだ。

 本書にはさまざまな親子関係が出てくるが、そのどれもが何となくいびつである。しかし「普通」の親子関係とはどういうものなのだろうか? いびつではない親子関係など存在するのだろうか? わが身を振り返っても、私と親との関係も、私と子どもたちとの関係も、どこかいびつな感じがしないでもない。

《あらすじ》
 絵に描いたような家庭である高橋家の亭主が妻に殺害された。お金にも学歴にも容姿にも恵まれた高橋家に何があったのか。一方、その向いの遠藤家は、わがまま娘の癇癪でその父も母もボロボロの状態。そこに地域コミュニティの中心(ボス)であるオバサンが加わり、少しずつ事件の夜の様子が明らかになっていく。
 高橋家にいったい何があったのか。殺人という一線を越えさせたのは夫婦の「普通」の会話だった。



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2017年1月22日日曜日

【お父さんの週末料理】2017年1月21、22日~待ちに待った鏡開き~

 わが家では土曜、日曜の料理は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。
 家族構成は父(40代半ば)、母(年齢非公表)、娘(小3)、息子(年長組)の4人である。

 日曜の夜は外食したので3食分。

 1月21日(土) 

◆昼ご飯◆
 この日は歯医者だったので、その帰りに一人寂しく買い物へ。選んだ「本日の魚」はエビ。大きな有頭エビが1匹100円だった。殻をとり、炒り卵、エリンギとともに軽く炒めて甜麺醤とマヨネーズで和えた。エビプリはいつも好評。特にマヨラーの息子のお気に入りメニューだ。
 他はサラダ、ラーメン、エビパリ。エビパリはエビの殻を素揚げしたもの。これも子どもたちのお気に入り。

◆晩ご飯◆
 今日は待ちに待った鏡開き。焼いたり雑煮にしたりばかりでは芸がないので、モチグラタンにしてみた。モチ、自家製ミートソース、市販のホワイトソースを重ね、最後は溶けるチーズをたっぷりかけてトースターへ。美味しくないわけがなく、もちろん大好評。ただ、モチが少し堅かったのが残念。
 他はサラダ、ナメコ汁、もずく。

 1月22日(日) 

◆昼ご飯◆
 午後は外食だったので、ヘルシーにタラ。昨日のミートソースを作ったときの香味野菜をベースに、エビの頭、トマト缶を加え、塩コショウで味を調えたトマトソースをタラにかけた。エビ味噌の旨味がたっぷりのトマトソースは「グー」の評価。
 他はサラダ、ナメコ汁、パン、蒸し鶏のマヨ醤油和え。作り置きの蒸し鶏をマヨと醤油で和えた。

タラのトマトソースがけ。見た目は悪いが味はグー

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【中央競馬予想の回顧】アメリカジョッキーズCC、東海S、すばるS(2017)

 今週は東海S。
 ◎グレンツェントは中団のやや後ろの位置取り。アスカノロマンが行かず、ペースが落ち着いたのでやや心配したが、早めに動いて差を詰めると、直線もしっかり伸びて見事に1着。今年の4歳はダートも芝もレベルが高そうだ。
 馬券は2着のモルトベーネまで手が伸びず、ハズレ。3着のメイショウウタゲは買っていたので惜しかった。

 中山ではアメリカジョッキーCC。
 ◎ゼーヴィントは1番人気。中団の後ろから外を回って4コーナーへ。それほど外には振られず、グイグイと伸びていったんは先頭に立ったが、勝ち馬に内をすくわれて惜しい2着。力は見せた。
 勝ったのは内をスルスル抜けてきたタンタアレグリア。蛯名騎手が「すべてうまくいった」とコメントしていたように、行くところ行くところ前が開いた面もあったが、勝ちは勝ち。実力馬が復調した。
 馬券は馬連をとった。

 土曜は京都ですばるS。
 ◎スマートアヴァロンは僅差の2番人気。予定通り後方から進めると、4コーナーでは外を回した。脚色の差は歴然で、残り100 mで先頭に立ち、1馬身3/4差をつけて完勝。展開がハマったにしても強かった。
 しかし、馬券は2着のブラゾンドゥリスを蹴飛ばしていたため、ハズレ。

 今週は3戦1勝も、他がいまいちでトータルはマイナス。本命馬は頑張ってくれるのだが、ヒモ抜けが多かった。

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2017年1月21日土曜日

【中央競馬予想と与太話】アメリカジョッキーズCC、東海S(2017)~東海Sと平安Sの違い~

 今週は中山でアメリカジョッキークラブカップが、中京で東海ステークスが組まれているが、京都では重賞はなし。
 東海Sが平安Sと入れ替わりでこの時期に移ってから、今回で5回目。過去4回の優勝馬のうち、3頭がフェブラリーSでも馬券に絡んでおり、トライアルの役目を果たしていると言えるだろう。平安Sが本番とほとんど結びつかなかったのとは大違いだ。
 これは、コースの違いに拠るのかもしれない。中京1800 mと東京1600 mは、直線が長いタフなコースという共通点がある。しかも同じ左回り。平坦で先行有利な京都1800 mとは要求される能力が違うのではないだろうか。

 レースにいってみたい。
 フルゲートの18頭が揃い、本番でも勝負になりそうな馬がちらほら。なかなかハイレベルだ。
 本命は◎グレンツェント。昨秋に復帰後は、古馬相手に2、1着。しかも負けたのは後のGI馬。この時期は、特にダートでは古馬の壁が厚く4歳馬は苦戦することが多いのだが、今年の4歳はレベルが高く、通用すると見た。人気でも。
 推奨穴馬も4歳馬からロンドンタウン。昇級2戦目で。

 アメリカJCCは、こちらも人気馬の◎ゼーヴィントが本命。中山2200 mは絶好の舞台。

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2017年1月20日金曜日

【書評】東野圭吾『祈りの幕が下りる時』(講談社文庫)

加賀刑事がガリレオ湯川を超えたかも??


 東野作品なら、ミステリーとして面白いのは当たり前。それに加えて、加賀刑事の人生の背景が見事に描かれる。加賀刑事シリーズ10作目にして、一つの節目と言える作品。見事な出来栄えだ。
 最初はミステリー色の強かった加賀刑事シリーズだが、最近の作品では加賀刑事のキャラクターが前面に出てきている。明らかに阿部寛を意識した人物像になってきているところもニクい(笑)。
 本作ではついに、加賀が日本橋にこだわる理由が明らかになり、加賀の人生にも一つの区切りが訪れる。おそらく新展開を迎えるであろう次作が非常に楽しみな終わり方になっているのもさすがだ。

 ガリレオ湯川シリーズが、最近は湯川のキャラに頼り気味なのに対して、加賀刑事シリーズは加賀のキャラと人情ミステリーの組み合わせがより洗練され、ますます成熟してきている。
 ガリレオ湯川の巻き返しにも期待したいが、現時点では加賀刑事に軍配かな。

《あらすじ》
 ある女が、何のかかわりもない男の部屋で殺害された。そして同時期に起きた、ホームレス男性の焼死事件。この二つの事件が結びつき、さらには加賀の過去の人生がかかわってくる。
 女はなぜ殺されたのか。殺された部屋の持ち主は誰なのか。加賀はなぜ日本橋にこだわるのか。徐々にピースが埋まり、最後に明らかになる構図はいったい。



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【中央競馬予想と与太話】すばるステークス(2017)~WIN5を当てたらやってみたいこと~

 先週は火曜開催という異例の日程になった京都競馬。関係者は今週は無休だっただろうが、お陰で競馬が楽しめる。ありがたいことだ。
 今週も雪の予報だが、影響がないことを願いたい。

 そんな土曜の京都メインはすばるS。昨年はメインから格下げで第10レースになったが、今年は時期が1カ月ほど早まり、メインに復活した。どういう都合なのだろうか。
 そして、第9レースに組まれているのが祇園特別。祇園とは、ご存じ京都の誇る伝統的繁華街だ。舞妓や芸者さんがいる界隈で、祇園甲部と祇園東の二つの花街を抱えている。WIN5でも当てて、いちどお座敷遊びをしてみたいものだ。
 もちろん普通の飲食店やバーもたくさんある。京都で仕事をしているからには行きつけの店の一つや二つもっていたいところだが、私にはないのが残念だ…。

 レースにいってみたい。予想はすばるSを。
 フルゲートの16頭が揃った。本命は◎スマートアヴァロン。常に掲示板を賑わせる堅実派だ。前走はオープン昇級初戦でハナ、クビ、クビ差の4着に頑張った。2走目でさらに。展開が向いてほしい。
 推奨穴馬はパーティードレス。前走が上々。

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2017年1月18日水曜日

【中央競馬予想の回顧】日経新春杯、京成杯、愛知杯、新春S(2017)

 今週の日曜の京都競馬は、いったんは時間を遅らせて開催されることが決まったが、雪が強くなり結局中止に。出馬投票をやり直して火曜に代替するという異例の日程になった。
 その火曜に日経新春杯が行われた。
 ◎カフジプリンスはパドックではモッサリ見えた。後方集団につけると、3コーナーから手が動き始め、押っつけ通しで伸びてきたが、5着まで。バテているのではなさそうだし、かなりズブい馬なのだろう。素早くギアチェンジできるようになれば、もっとやれそう。
 変則日程で荒れるかと思いきや、ミッキーロケット(1番人気)、シャケトラ(2番人気)で決着。今年の4歳はレベルが高そうだ。

 日曜は中山で京成杯。
 ◎コマノインパルスは思ったよりも後方の位置取り。心配したが、外を回って前に取りつくと、グイッと抜け出す完勝劇。ここでは一枚上だった。前走で破れたレイデオロの評価もさらにアップ。
 馬券は息子が本命にしたガンサリュートを押さえており、馬連をとった。息子のお陰で馬券が的中。

 土曜は中京で愛知杯。
 ◎ゴールドテーラーは後方から追い込みを図ったが、前が残る展開では10着まで。もう少し流れてほしかった。
 勝ったのは、別次元の末脚を見せたマキシマムドパリ。後方からただ一頭だけ追い込んできて1馬身半差をつける完勝。素質馬がついに重賞を勝利。今後が楽しみだ。

 京都では新春S。
 ◎ハクサンルドルフは1番人気。いつもの切れ味がなく、8着に惨敗。内にもたれていたように、疲れがあったのか。

 今週は4戦1勝でトータルはマイナス。ようやく本ブログの今年初的中があったので、上昇気流に乗っていきたいものだ。

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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...