2014年12月3日水曜日

書評 森博嗣『科学的とはどういう意味か』(幻冬舎新書)

科学者が、科学的な思考法の重要性を、「非」科学的に書いた本。


『すべてがFになる』のドラマ化で再ブレイク中の森氏が
「科学的に物事を考えないと損する、というか危険だよ」
ということを述べた本。
「科学的思考法」というとちょっと大げさだが、「みんなが」とか「多くの方々が」とか「使用者の大多数が」とか、そういう形容詞に惑わされずに、物差し(数値)で考えれば騙されたりしないよ、という主旨の本だ。

 しかし、本書の主張は科学的ではない。これは、嘘が書いてあるという意味ではなく、森氏の個人的な見解・思いを元に述べられているという意味である。
 本書では「科学的に考えないと損しますよ」ということが統計的に示されているわけではないし、そもそもそういう統計を作ること自体がほとんど無理だろう。森氏の見解を「非」科学的に伝えた本なのである。
 科学の重要性を伝えるのに非科学的な主張にならざるを得ないのはちょっと皮肉な感じもするが、その分、科学に抵抗感のある人にとっても読みやすいものになっている。さすがは理系小説家だ。本書を書くのに、森氏よりも適した人は、少なくともいまの日本にはいないだろう。

 非科学的に書かれた科学啓蒙書。科学に抵抗のある人にこそ読んでほしい。




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2014年12月1日月曜日

書評 島田潤一郎『あしたから出版社』(晶文社)

本が好きな人にはぜひ読んでほしい。必ず夏葉社の本が読みたくなるはず。


 晶文社の「就職しないで生きるには21」シリーズの一冊。小説家を目指していたが、それに見切りをつけ、出版社を立ち上げることを決意したのが著者の島田氏。出版社「夏葉社」の唯一の社員である。
 島田氏は小説家を志していたが、それに見切りをつけて就職活動をはじめる。しかし、全くうまくいかない。そんなとき、親友とも言える従兄弟が亡くなった。それをきっかけに
「仕方がない、もういいや」
と思った島田氏は従兄弟の両親、すなわち叔父と叔母の喜ぶことをしようと決意した。そのとき念頭にあったのは一編の詩。それを出版し、叔父と叔母に捧げることを誓ったのだ。

 正直、甘い。「人生そんな甘いもんじゃないよ」と言いたくなる人も多いだろう。しかし島田氏は一人で出版社を立ち上げ、周囲にも支えられながら、上記の詩集を含む何冊かの本の出版を成し遂げた。
 島田氏の実行力、突撃力が成功(出版に至ったこと)の一因だが、驚いたのは本に対する愛情だ。一冊一冊に対する思い入れが桁違いなのである。この愛情と思い入れがなければ、島田氏の夏葉社は早々に潰れているだろう。
 私も出版にかかわる仕事をしているが、本に対する愛情は島田氏の足元にも及ばない。「見習わなければ」と感じるよりも、圧倒的な差を目の当たりにして
「オレにはこうはなれないな」
と白旗モードである。

 ここまで本を愛せるのか。



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2014年11月30日日曜日

【予想の回顧】ジャパンカップ、京阪杯、京都2歳S(2014)

 今週はジャパンカップ。
 本命は◎ジェンティルドンナ。好スタートから中団のインに収まる。道中は折り合いもつき、いい感じに見えた。直線では内を突いて前を行くエピファネイアを追いかけたが、ズバッとは切れず、後ろの馬にも差されて4着。全盛期の切れ味が見られなかった。少し衰えたのかもしれない。
 勝ったのはエピファネイア。かかり気味に2番手を追走しているのを見たときは
「こりゃないな」
と思っていたのだが、直線入り口で抜け出すと独走で4馬身差の圧勝。昨秋の強さが蘇った。今年の4歳はレベルが低いようなので軽視していたのだが、この馬とキズナは別と考えてよさそうだ。
 福永騎手には悪いが、今年はうまく御せていなかったのだろう。折り合いに難のある馬は苦手なのか。
 2、3着のジャスタウェイ、スピルバーグも強さを見せた。とくにスピルバーグは前走がフロックではなかったことを示した。
 外国馬を含め、9着までをGI馬が占めた。過去にこういうレースがあっただろうか。

 京都では京阪杯。
 ◎エピセアロームは逃げる馬を見る絶好の位置取り。直線で前が開いたときは「やった」と思ったのだが、意外に伸びず4着。物足りなかった。

 土曜は京都でラジオNIKKEI杯京都2歳S。
 本命◎ベルラップは3番手から。スローの展開のなか、4コーナー手前からゴーサイン。切れ味勝負は分が悪いので
「もう少し早く仕掛けても」
と思っていたのだが、大きなお世話だった。直線では外に進路をとり、グイグイ伸びて前の2頭をかわすと、最後はダノンメジャーの追撃を退けて見事に1着。審議が長くヒヤヒヤしたが、馬券は単勝と馬連を取り、久々の大当たりとなった。

 今週は3戦1勝。日曜は散々だったが、土曜にポンポンと当たり、収支はプラスを計上。残り一開催、この調子でいきたい。

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2014年11月29日土曜日

【予想と与太話】ジャパンカップ、京阪杯(2014)~消去法な感じ~

 今週は東京でジャパンカップ、京都で京阪杯が行われる。
 昔はジャパンカップになれば
「今年はどんな馬が来るのかなあ」
と楽しみにして注目したものだが、近年はほとんど馬券に絡まない。そうなるとわざわざ日本に負けにくる馬も少なくなり、ますますレベルが下がる、という悪循環に陥っているように見える。それを覆すためにも外国馬には頑張ってほしいのだが…。

 レースにいってみたい。
 ジャパンカップはまれに見る好メンバーといってよいだろう。とはいえ、それは日本馬だけの話。外国馬は蚊帳の外だ。こういうときこそ、ノーマークの外国馬の激走がありそうな気もするが、外国馬を本命にする勇気はない…。
 凱旋門賞帰りで連対した馬は凱旋門賞でも好走していた馬。ジャスタウェイハープスターは評価を下げる。今年の4歳馬はレベルが低いようで、エピファネイアも割引。天皇賞・秋はタイムが遅く、7着馬でも0.2秒差というダンゴのレース。レベルに疑問。
 となると、本命は◎ジェンティルドンナ。休み明けはもうひと息の馬が、低レベルとはいえ天皇賞・秋では2着に頑張った。上積みが見込めるここは3連覇のチャンス。
 推奨穴馬は外国馬からトレーディングレザー。大外枠は痛いが、好走例の多いアイルランドの馬だ。

 京阪杯は◎エピセアロームを狙う。ローブティサージュが本命の予定だったのだが、痛恨の外枠で予定変更。

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2014年11月28日金曜日

【予想と与太話】ラジオNIKKEI杯京都2歳S~今回はちょっと人気薄で~


 紅葉が真っ盛りで京都は観光客で溢れている。そんななか、先週は金閣寺に突撃したのだが、これがなかなかよかった。わざわざ京都まで紅葉を見に来る人たちの気持ちが分かった気がする。

 そんな土曜の京都メインはラジオNIKKEI杯京都2歳ステークス。新設の重賞だ。ラジオNIKKEI杯2歳Sがなくなり、代わりに京都2歳SとホープフルSが重賞に格上げされる。ラジオNIKKEI杯2歳Sの重賞としての歴史は京都2歳Sではなく、ホープフルSのほうに受け継がれるらしい。ややこしいなあ…。
 将来はホープフルSをGIに格上げして、朝日杯をマイル路線の頂点に、ホープフルSを中長距離路線の頂点にという狙いらしいが、どうなることやら…。続きは朝日杯の予想のときにでも書きたい。

 レースにいってみたい。2戦2勝の馬が3頭出てくる。ここも勝てば来年の主役候補の筆頭になるのだろう。
 しかし本命はベルラップ。前走のしぶとい勝ちっぷりはいかにも京都2000 m向き。前々走でダノンメジャーに完敗しているが、上昇度と展開利で逆転がないか。切れ味勝負では分が悪いので、前につけて早めに抜け出してほしい。鞍上にも期待。
 本命が人気薄なので推奨穴馬はなし。この時期の2歳戦だけに、トリガミ覚悟で手広く流したい。

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2014年11月27日木曜日

金閣寺に行ってきた~紅葉の季節に小1(7歳)と年少(4歳)の子どもを連れて~

【いざ出発】
 妻が「京都に紅葉を見に行きたい」と言い出した。子どもたちも「行ってもいいで」ということだったので、一家四人で金閣寺に行ってきた。
 子どもたちは以前なら「行く行く~」とノッてきたのだが、最近は親が行きたいようなところは必ずしも楽しい場所ではないと分かってきたらしく、それほど乗り気ではなかった。
「イズミヤのゲームセンターのほうがいいなあ」
という息子(年少組)の意見を即却下し、京都へ向かった。

 紅葉の季節の3連休の中日。祇園祭ほどではないにしろ、京都では1年で何番目かに人の多い日だろう。かなりの混雑が予想された。
 京都駅に到着。すごい人だ。毎日京都駅を利用しているが、こんな混雑は見たことがない。開店前の伊勢丹には早くも行列ができている。
「いったい、どうなることやら」と心配しながらバスに乗ると、何とか座ることができたのはラッキーだった。
 バスで、その昔に通っていた中学・高校を通り過ぎる。このあたりの風景も、ずいぶん変わったものだ。当時、入り浸っていた書店や飲食店はほとんどが姿を消している。25年も経てば、当たり前か。

【金閣寺に到着】
 金閣寺に到着。確かに人は多いが、身動きが取れないほどではない。入場券(お札)もすぐに買えた。私は40数年間、京都を生活拠点にしているが、ほぼ20年ぶりの訪問だ。子どもたちは、もちろん初めてである。
 いよいよお寺の中へ。池の向こうに金閣寺が見える。金ピカだ(そりゃそうだ)。


 紅葉の時期に来るのは初めてだが、なるほどなかなかいい感じだ。わざわざ京都に紅葉を見に来る人たちの気持ちが分かった気がした。


 その後は金閣寺の周回コースを一周。さすがに人は多いが、自由に歩けないほどではない。紅葉の金閣寺を満喫し、絵はがきを買って金閣寺を後にした。



【帰りは別ルートで】
 帰りは逆向きに北大路まで向かった。ここは観光客とは無縁の、日常の休日モードだ。混んだバスを避けたい人はこのルートもお勧めだ(交通費は少し余分にかかるけど)。
 そこで昼食をとり、地下鉄で京都駅へ。伊勢丹の都路里でパフェを食べようと思ったのだが、とんでもない行列を見て断念。代わりにアイスを食べて電車に乗った。

「いまの時期、どれだけ混雑するのだろう」と戦々恐々としていたのだが、想像していたほどではなく、紅葉の金閣寺を堪能できた。近くにいると、逆になかなか行く機会がないが、ベタな観光地もときにはよいものだ。子どもたちにも、思いのほか好評だった。
 次はどこに行こうか。

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2014年11月24日月曜日

娘が7歳になりました~小学生になってややこしいことも出てきたけれど~

 もう3週間ほど過ぎてしまったのだが、娘が7歳の誕生日を迎えた。小学生になって迎える、初めての誕生日でもあった。

【プレゼント】
 誕生日プレゼントは冬用のジャンパー。ジャンパーは必要なものだから、それとは別に何か買ってもよいと言ったのだが、欲しいものがないのでこれでいいと言う。ちょっと窮屈に育ててしまったかなあ…。
 本当に何でも好きなものを買ってよいと言ったら、ゲームとかタブレットとか、何か欲しいものがあるのかもしれないが、そういうものは親に却下されると直感的に分かっているのだろう。で、ああじゃこうじゃ言っているうちに、親が買いたいものに誘導されることまで感じているのかもしれない。ちょっと反省。
 買ったのはこのジャンパー。


親から見ると、もっと可愛らしいのもあったように思うのだが、本人は大満足で、早く着たくて仕方ないらしい。とにかく「柄のついたもの」が欲しかったそうだ。

【学校生活・友人関係】
 小学校に入学して半年が経った。勉強面に問題がないのは一安心だが、他の子を注意することが目立つそうだ。口うるさい親に育てられた影響があるのだろう…。すんません。友達に「うっとうしい子」と思われなければよいのだが。でも、まっすぐな正義感は大事に育ててあげたい。

 小学生になり、子どもどうしで関係を築いていくようになってきた。これまでは「あれ?」と思うような子がいても、親がある程度は遠ざけることができたが、これからはそうもいかない。
 ややこしい子と付き合わなければならないことも出てくるだろう。友人関係はなるべく子どもどうしに任せるのが筋なのだろうが、分かっていてもこれがなかなか難しい。本人がイヤな思いをしないように、つい介入したくなってしまう。我慢、我慢。

【偉いぞ】
 娘は、少しうまくいかないことがあると、すぐすねたりイヤになったりするのだが、決して投げだそうとはしないのが偉いところだ(親バカ)。水泳もピアノも、前向きに頑張っている。こういう地道な努力を重ねていく姿勢は、私にはない。おそらく母親のDNAによるものなのだろう。私も見習わなければ。

 誕生日ケーキは、お母さんとの手作り。美味しくできました。




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【お父さんの週末料理】2024年5月11・12日<small>~母の日のスペシャルディナー~</small>

 わが家では土曜、日曜の晩ご飯は主に父(私のこと)が担当している、そのメニューを絶賛(?)公開中、  家族構成は父(アラフィフ)、母(年齢非公表)、娘(高2)、息子(中2)の4人、  娘はテスト前で部活は休み。息子は通常練習。  5月11日(土)   娘は午後から図書館...