少し前に読んだ芥川龍之介『羅生門・鼻』が面白かったので、調子に乗って夏目先生の本にも手を出してみた。何を読もうか迷ったのだが、選んだのは『坊ちゃん』。小学生の頃に児童書として読んだだけで、ちゃんと読んだことがなかったのだ。
これがすこぶる面白かった。
「そんなこと知ってるよ」
という人が大半なのだろうが、私は知らなかった(読んでなかったから、当たり前なんだけど)。今まで、いわゆる「古典」に属する本は苦手にしていたのだが、なぜ苦手だったのだろう。本書を読んだ後では不思議で仕方がない。
ストーリーについては説明の必要はないだろう。赤シャツや山嵐を初めとする個性的なキャラクターが繰り広げるドタバタ劇。当時はなかった「キャラが立っている」という言葉がぴったりくる。そして痛快なラストシーン。スカッと爽やかコ○コ○ラだ。
また、「マドンナ」は一度しか登場しないにもかかわらず、その存在感の大さは何だ。「秘するが花」とはまさにこのことか。お見事。
「不朽の名作」という評価もなるほどである。また別の夏目作品にもチャレンジしてみたい。
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はじめて書き込みします。
返信削除世の中白いものでも上が黒と言えば黒になる、
という重いテーマを含んでいるのにこんなに
ユーモアを含んで描ける漱石は文豪といわれるだけあるな、と思わせられる作品でした。
ダケゾウさん、コメントありがとうございます。
削除含蓄がある話を楽しく書いているのはさすがですよね。
名作と呼ばれるのもよくわかります。