2012年11月8日木曜日

書評 夏目漱石『坊ちゃん』(角川文庫)

 古典を侮ってはいけない。いや、私が勝手に苦手にしていただけなのだが…。

 少し前に読んだ芥川龍之介『羅生門・鼻』が面白かったので、調子に乗って夏目先生の本にも手を出してみた。何を読もうか迷ったのだが、選んだのは『坊ちゃん』。小学生の頃に児童書として読んだだけで、ちゃんと読んだことがなかったのだ。

 これがすこぶる面白かった。
「そんなこと知ってるよ」
という人が大半なのだろうが、私は知らなかった(読んでなかったから、当たり前なんだけど)。今まで、いわゆる「古典」に属する本は苦手にしていたのだが、なぜ苦手だったのだろう。本書を読んだ後では不思議で仕方がない。

 ストーリーについては説明の必要はないだろう。赤シャツや山嵐を初めとする個性的なキャラクターが繰り広げるドタバタ劇。当時はなかった「キャラが立っている」という言葉がぴったりくる。そして痛快なラストシーン。スカッと爽やかコ○コ○ラだ。
 また、「マドンナ」は一度しか登場しないにもかかわらず、その存在感の大さは何だ。「秘するが花」とはまさにこのことか。お見事。

「不朽の名作」という評価もなるほどである。また別の夏目作品にもチャレンジしてみたい。




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2 件のコメント:

  1.  はじめて書き込みします。
     世の中白いものでも上が黒と言えば黒になる、
     という重いテーマを含んでいるのにこんなに
     ユーモアを含んで描ける漱石は文豪といわれるだけあるな、と思わせられる作品でした。

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    返信
    1. ダケゾウさん、コメントありがとうございます。
      含蓄がある話を楽しく書いているのはさすがですよね。
      名作と呼ばれるのもよくわかります。

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