2014年11月6日木曜日

書評 東野圭吾『怪しい人びと』(光文社文庫)

たしかに「怪しい」。しかし、わざとらしい怪しさではないところが、さすが東野氏。


 1998年に刊行された、東野氏の初期の短編集。いずれも一人称で語られる、ミステリー色の濃い短編が七つ収められている。各話には「怪しい人」が出てきて、もちろん事件の鍵を握っているのだが、この怪しさが自然というか何というか、わざとらしくない怪しさなのだ。そのため
「何がどうなったんだろう」
とついつい読んでしまう。

 いかにも怪しい人びとを登場させて、いかにもミステリーな舞台を構築し、読者をグイグイ引き込む古典的なミステリーもいいが、それとはちょっと違う。
「ん? なんかヘンだなあ…」
という感じなのだ。
 それでいて「引き」が弱いことはなく、ページをめくる手が止まらない。あっという間に読み終えてしまった。

 東野氏の作品は、毎度毎度あっという間に読み終えてしまうので、コストパフォーマンスが低いのが難点だ…。



【楽天ブックスならいつでも送料無料】怪しい人びと [ 東野圭吾 ]
【楽天ブックスならいつでも送料無料】怪しい人びと [ 東野圭吾 ]
価格:514円(税込、送料込)(楽天ブックス)

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿

びわ湖マラソン2025走りました!~滋賀のおっさんランナーのランニング週報~

 2017年7月、45歳を目前に、突如ランニングを始めた。現在は52歳。  2020年12月の神戸トライアルマラソンでサブ3を達成! 自己ベストは2024年3月のびわ湖マラソンの2時間54分台。 ◆総 評◆  いよいよびわ湖マラソン。昨年(2024)に自己ベストを出した、...