2016年5月1日日曜日

【書評】喜多喜久『化学探偵 Mr.キュリー2』(中公文庫)

 化学にまったく興味がない人にもお勧め。軽いミステリーが読みたいときに、ぜひどうぞ


 イケメンの化学者が探偵役を務める、シリーズ第2弾。化学者が、相棒(?)の庶務課職員が持ち込む奇妙な事件を次々に解決する。
 第1弾に比べ、この二人のコミカルな絡みぶりや事件解決のスマートさがより洗練されており、スイスイ読める作品に仕上がっている。偉そうな言い方だが、喜多氏の腕がどんどん上がっているのがよく分かる。

 本書は短編集で、五つの話が収められている。それぞれの事件に「化学」がかかわっているところがミソ。テルミット反応や過酸化水素など、化学反応や化学物質が解決の鍵を握っているのだ。とはいえ、化学の知識は不要。
「すい、へい、りー、べ、…あとは忘れた」
な人にも楽しく読めるよう、上手く書かれている。

 化学にまったく興味がない人にもお勧め。軽いミステリーが読みたいときに、ぜひどうぞ。




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