2017年3月28日火曜日

【映画評】『ちはやふる』上の句、下の句

高校青春映画の王道に、競技カルタがアクセントを加えた良作


 恋、仲間、部活、ライバルと、学園映画四大要素が勢揃い。そしてご存じの通り、その中心にあるのが競技カルタ。この組み合わせがばっちり決まったのが本作だ。
 カルタ部を作るために無理矢理集めた仲間が、練習を通じて結束を強め、いざ大会へ。そこではさまざまなライバルが登場…という、ぶっちゃけありがちなストーリーなのだが、マンネリ化を防いでいるのがカルタの存在。知っているようであまりよく知らない百人一首。そして、ほとんど知らない競技カルタの世界。これらのお陰で
「ありがちなストーリーやなあ…」
感を全く感じさせない。
 サブの登場人物たちもキャラが立っていて、ついつい応援したくなってしまう。スポ根マンガにありがちな「理不尽な障壁」もなく、気持ちよく鑑賞できた。
「青春っていいなあ」
と元気の出る作品だ。
 原作がまだ連載中であることからも分かるように、本作品も完全には閉じていない。続編にも期待したい。


 残念だったのは、千早役の広瀬すずに関する2点。一つは、やっぱショートカットのほうがいいよなあ…。好みの問題なのか、それともカツラのせいなのか。もう一つは、千早を保護者として見ている自分に気づいたこと(涙)。年は取りたくないものだ…。
そして、本作を見て思い出したのが「うっちゃれ五所瓦」。1988年から少年サンデーに連載されていた相撲マンガだ。相撲部を創設するために仲間を集め、結束を強めて大会へ、という流れが同じなのだ。こちらもお勧め。

《あらすじ》
 主人公は競技カルタ好きの千早。高校に入学し、競技カルタ部を作ろうとする。この千早に片思いするのが太一。同じ高校に入学し、二人でカルタ部の創設に奔走する。ここに3人の仲間が加わり、合計5名のカルタ部が誕生。
 5人は練習を重ね、絆を深めていく。そしていざ公式戦へ。ライバルを退け、近江神宮への切符を勝ち取ることができるのか。


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