2019年12月12日木曜日

【読書メモ】加藤文元『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』(角川書店)

 IUT理論の提唱者である望月氏の盟友である加藤氏が、IUT理論を一般読者にも分かるように易しく解きほぐした。確かに分かりやすく書かれており、この目的は十分に達成されていると言ってよいだろう。
 IUT理論が正しいことになれば、数学界のパラダイムシフトとなることがよく分かった。一方で、正しいかどうかはまだ微妙であり、今後の検証が待たれるのが現状のようだ。

 IUT理論の内容はかなりかみ砕いて説明されているため、本書からは数学的な真偽はまったく判定できない。判定するにはもっと勉強して、内容に踏み込まないとダメなのだろう。
 数学的な内容がある程度分かる人からすれば
「えっ、そんなんアリ?」
と言いたくなるような理論なのかもしれない。
 数学におけるコペルニクス的転回となるのか、絵に描いた餅で終わってしまうのか、今後の報告を待ちたい。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿

【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...