2013年7月30日火曜日

書評 さる山さる子『父さんの会社が倒産した』(ルックナゥ)

 突如、父さんの会社が倒産。ダジャレを言っている場合ではない。住宅ローンをかかえ、貯金もゼロの「さる山家」の体験を綴った実録書。有事への備えとして持っておきたい知識やノウハウが満載。

 夫婦二人と一女一男で暮らす、さる山家。貯金はないけどローンはある。そんなときに急に収入が途絶えてしまったら、当然、ローンは返せなくなる。こんな状況に突然陥ったとき、いったいどう行動すればよいのか、何から始めればよいのか。私も含め、多くの人は途方に暮れるしかないだろう。
 さる山家の場合、知り合いに経営コンサルタントがいたのが幸運だった。取れるもの(失業保険以外にも、いろいろあるらしい!)は取り、可能な限り生活を切り詰め(「便利」と「必要」は違う!)、必要なところには思い切って資本を投下し(父さんの独立資金)、プロの指導の下で生活を立て直していく。その様子が、とても前向きに書かれているところに好感が持てる。

 本書には多くの教訓が書かれているが、その最たるものが
「善意の第三者(素人とも言う)の意見に振り回されてはいけない」
ということだ。突然失業したとなれば、多くの人が心配し、アドバイスしてくれるだろう。もちろんみんな、よかれと思って知恵を貸してくれるわけだ。
 しかし、それがマイナスに働くことが多いのだという。非常事態に際し、素人のうろ覚えの知識ほど危ないものはないらしい。非常事態に陥ったら至急すべきことは
「プロに相談」
これに尽きるのだそうだ。本書を読むと、それがよく分かる。

 もし万が一、さる山家と同じような状況になった場合、本書を読んでいれば最悪の道はたどらずに済むだろう。
「本書のお陰で一家心中しなくて済みました」
てなことになるかもしれない。
 ただ逆にいうと、そういった非常事態にでもならない限り、本書が「直接」役に立つことはないかもしれない。しかし苦境に陥ったとき、さる山家の精神は道しるべになってくれるだろう。前向きに、プロの指導の下で、周囲の力を借りつつ、生活を立て直していくという精神は、どんな困難に立ち向かうときにも共通の考え方だ。

 私は、もし会社を辞めて独立したときに仕事がポシャったらどうなるのか、という観点から本書に興味を持った。
「ほほう。意外と何とかなるもんやな」
と思ってしまう私は、もう少し世間の荒波に揉まれつほうがよいのかもしれない。



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2013年7月28日日曜日

予想の回顧 アイビスSD、クイーンS、KBC杯、小倉サマーJ(2013)

 新潟メインはアイビスサマーダッシュ。◎ハクサンムーンは馬なりで先頭のフォーエバーマークに並びかけて外ラチ沿いへ。口向きが悪いのか、顔がスタンドのほうを向いていたように見えたので少し心配したが、追い出されるとスパッと伸びて完勝。期待通りの強さを見せてくれた。
 フォーエバーマークと行った行ったの決着。馬連を取った。二桁ついたのはラッキーだった。

 函館のクイーンSは、オールザットジャズの+16 kgの馬体重を見て、本命は◎マルセリーナにした。その◎マルセリーナは後方2番手を追走。ややかかり気味に見えた。4コーナーでは内を突き、うまくさばいて進路を確保したが、それほど伸びず4着まで。最後方にいたスピードリッパーが2着に突っ込んだのだから、前残りの競馬ではなかったはず。物足りない内容だった。

 土曜の小倉メインはKBC杯。◎フレイムオブピースは中団から脚を伸ばすが、先に抜け出した1、2番人気の両馬を捉えきれず、3着。展開が向かなかった面もあるのかもしれないが、上位2頭には力負けの印象。

 小倉サマージャンプは◎アグネスハイヤーが最終周でおかれてしまい、5着。休み明けの分か、力不足か。最後は差してきて5着に来たが、見せ場はなかった。

 今週は4戦1勝。しかし、土曜の予想のときにも書いたように「最終レースは「馬連」がおトク!」キャンペーンに乗って各場の最終レースを買ったところ、6レース中4レースが的中(安い馬券も多かったけど)し、最初の週からおおいに恩恵を受けた。
 お陰でトータルの収支もプラスを計上。いつ以来か分からない、2週連続のプラスとなった。この調子で今年の負けを取り返していきたい。

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2013年7月27日土曜日

2013 アイビスサマーダッシュ、クイーンS オレの予想を聞いてくれよ

 新潟開幕週の日曜メインはアイビスサマーダッシュ。日本で唯一の直線重賞で、もう13回目になるらしい。設立当初は直線レースが珍しく話題になったが、いまでは「ちょっと変わった重賞」程度の位置づけになってしまった。
 もう一度盛り上げるために、新潟にはGIがないことだし、スプリンターズSを新潟1000 mで行うというのはどうだろうか。

 レースにいってみたい。
 格上挑戦の馬も数頭おり、かなり手薄なメンバーという印象。これなら◎ハクサンムーンで仕方なかろう。外目の枠も引いたし、叩き2走目で上積みも見込めるここは、人気でも逆らえない。
 もう一頭の実績馬パドトロワは、59 kgがいかにもつらい。
 推奨穴馬はダッシュ力が魅力のヤマニンパピオネと、直千得意のレオパステル

 クイーンSも、手薄なメンバー。このメンツなら、オールザットジャズマルセリーナの一騎打ちか。

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2013年7月26日金曜日

2013 KBC杯、小倉サマージャンプ オレの予想を聞いてくれよ

 今週から小倉・新潟開催がスタート。夏競馬も本番だ。
 私が小倉競馬場に行ったのは1999年のリニューアルよりも前のこと。当時は時間も金もそこそこあり、友人と二人で競馬旅行に行ったのだった。昼は競馬を楽しみ、夜はホークスの試合を観戦。たしか工藤投手が完投勝利をあげた。贅沢な旅だったなあ…。
 それから約15年。
「新装小倉競馬場にも行ってみたいなあ」
と思っているうちに、いつの間にか新装ではなくなってしまった……。

 今週から「最終レースは「馬連」がおトク!」というキャンペーンが始まる。私は常に
「控除率の引き下げ(払い戻し率の引き上げ)に勝るファンサービスなし」
と考えており、この手のサービスは大歓迎だ。「最終レースの馬連だけ」というのはセコい気がしないでもないが、下手なCMやイベントに費用を掛けるよりはよほどありがたい。
 というわけで、いままでは「各場のメインレース+西の主場の最終レース」の馬券を買っていたのだが、「メインレースどれか一つ+各場の最終レース」に変更しようと思う。

 さて、そんな小倉の土曜メインはKBC杯。KBCとは九州朝日放送というテレビ・ラジオ局だ。小倉競馬開催中はKBCラジオが独自の競馬番組を放送しているらしい。

 レースにいってみたい。
 10頭立てと、やや寂しいメンバーとなった。ここは降級2頭の一騎打ちか。人気しそうだがフレイムオブピースタイセイシュバリエの争いと見る。現時点では◎フレイムオブピースが若干優勢の見立てだが、両馬とも休み明け。馬体重や当日の気配には注意を払いたい。
 推奨穴馬はナシ。小頭数ということもあり、固く収まりそうだ。

 小倉サマージャンプは◎アグネスハイヤー。こちらも休み明けだが、前々走だけ走ればチャンスあり。

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書評 喜多喜久『猫色ケミストリー』(宝島社文庫)

 理系人の、理系人による、みんなのためのミステリー、第2弾。
 東京は本郷の、とある大学の理系(化学系)研究室を舞台にした作品である。ケミストリーとミステリーが見事に融合された、「ケミステリー」とでも呼びたくなる好著。

『ラブ・ケミストリー』に続く、喜多氏のデビュー第2作は、前作と同じく東大農学部が舞台。ただ、第1作とは独立に読める作品だ。
 基本的な構成は第1作と同じで、奇想天外な展開が軸にあり、そこへ化学系の理系人たちの生態を絡めたものになっている。
 今回、軸となっているのは、魂と肉体が入れ替わるという、よくあるパターンだ。ただ、本書が変わっているのは、ある二人の間で魂と肉体が交換されるのではなく

  男子大学院生(明斗)→女子大学院生(スバル)→猫

というように、玉突き式に魂が入れ替わる点である。明斗の魂がスバルに、スバルの魂が猫に移ってしまうのだ。猫が混ざる点が笑える。
 元に戻る方法を探る明斗とスバル。しかしその過程で、研究室の誰かが危険な化合物を合成しているという事実をかぎつける。典型的なオタク理系人である明斗(肉体はスバル)と、今どきの女子であるスバル(肉体は猫)の名コンビにより、徐々に明らかになる犯人の手法と狙い。果たして二人は、犯人を突き止め、さらには元の体に戻ることができるのか。

 理系ラボの様子を鮮やかに描きつつ、読者をグイグイと引き込んでいく筆力は秀逸である。前作は「ケミストリー(理系人の様子)」と「ミステリー(謎解き)」がほぼ独立していたのがちょっと残念だったが、本作ではこの二つが見事に融合している。ミステリーの解明に、ケミストリー(化学)が大きなカギを握っているのだ。偉そうだが
「腕を上げたなあ」
と言いたくなる。ケミストリーの現場を熟知している喜多氏にしか書けない作品だろう。

 これまで、小説に出てくる科学者というと、数学者や物理学者(ガリレオ湯川も物理学者だ)がほとんどで、化学者はどうも旗色が悪かった。化学物質、化学兵器など、化学という言葉も、どこかイメージが悪い。
 そんな現状を覆すべく、喜多氏にはこれからも上質の「ケミステリー」を書いていってもらいたい。



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2013年7月21日日曜日

予想の回顧 2013 中京記念、函館2歳S、桶狭間S

 日曜の中京メインは中京記念。
 ◎フレールジャックはポンとスタートすると、何とハナを切る。想定外だ。
「前残りの馬場でもないし…ちょっとイヤやなあ」
と思っていると、4コーナーで第二の想定外が。何とフレールジャックが故障を発生してズルズル後退。私の馬券はすべて紙くずになった。
 競馬なんだからこういうこともある。可愛そうな結果だった。

 函館2歳Sは、◎トーセンシルエットが好位のインを追走。直線で馬場の半ばに持ち出すと、オールパーパスを競り落として3着でゴールイン。
 馬券は、ワイドで買っていたのが大正解で、1-3着と2-3着のワイドをとった。

 土曜の桶狭間Sは◎ケイトが先団を見る位置でコーナーを回ったが、直線では脚があがり11着。同じような位置にいた馬が1、3着に来ているのだから、不甲斐ない結果だった。

 今週は3戦1勝だが、福島の土・日メインを的中したのが大きく、プラスの収支となった。この調子で今年の負けを取り返していきたい。

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2013年7月20日土曜日

2013 中京記念、函館2歳S オレの予想を聞いてくれよ

 中京最終週のメインレースは中京記念。昨年から1600 mにリニューアルされた重賞だ。それ以前はずっと春(3月)の中京開催で行われていたらしいのだが、あまり記憶にない。GIやそのトライアルの陰に隠れていたのだろう(馬券を当てていないから覚えてないだけという話もあるが…)。今後は、サマーマイルの開幕戦として存在感を示していってほしいものだ。

 さて、レース。
 実績馬は夏休み中なのか、オープン特別レベルのメンバー構成という印象。このメンバーなら◎フレールジャックで何とかならないか。重賞勝ちのあるこの馬が56 kgは恵まれた印象。外差しのきくいまの中京もよさそう。どこかで外に出したい。康太くん、頼みまっせ。
 推奨穴馬はランリョウオー…と思っていたら、何と現時点では3番人気。穴ではないが、是非狙いたい。

 函館2歳Sは◎トーセンシルエット。東京での新馬勝ちを評価。

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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...